スポックさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

2.5

感情を出さないように必死で押し殺しながら自由を装って無責任なフリをして生きる。
世の中が悪いわけでも、育て方が悪いわけでもない。
現在の人権重視の日本では生死に係るほどの貧困に陥ることもなく、かといっ
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そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

5.0

世間は平等で職業に貴賎は無いと綺麗事を唱えても、現実の社会には自分自身が積み上げてきた努力や、つまずいてしまった人生や、耐えきれないプレッシャーや、降って湧いたようなラッキーや、生まれながらの性格や人>>続きを読む

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

4.5

寡黙に悪気などさらさら無く人を狂わせていく常識人と、自分にも他人にも手に負えない感情を爆発させて悪意いっぱいに人を攻撃して狂わせていく異常人との交流でそれぞれの気質を乗り越えてお互いの関係を築き上げる>>続きを読む

メゾン・ド・ヒミコ(2005年製作の映画)

3.5

如何ともし難い自分自身の性別への認識。
自分らしく生きることへの覚悟。
他人を理解して許すことの寛大さ。
人の持つ課題に踏み込まずに分離して接する事の大切さが身に染みる物語。

細野晴臣さんが音楽を手
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.5

『でも相手は 結婚していて
一度作った幸せを壊そうとは思えないじゃん
だって幸せではいてほしいし
だから 2番目でいいから
会ってる時だけは 自分だけを見てほしい
ほんとに ただ それだけだった
浮気
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「エロ事師たち」より 人類学入門(1966年製作の映画)

5.0

男と女の生きものとしての性を突き詰めたような映画。
金も欲しい地位も欲しい名誉も欲しい、だが突き詰めれば食べて性交をするのが産まれて生きる全ての欲望に突き当たる。
俗物と言われようが生きることの究極の
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忍者狩り(1964年製作の映画)

4.0

武士社会の陰謀や残忍さが良く演出されていて今でもめちゃくちゃ楽しめた。
封建社会では不正や企みを自らの命を張って食い止め阻止することへの厳しさが身に染みる。

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.0

庵野さんの円谷プロへのリスペクトが良く出ていて好感が持てた。
怪獣達も昭和の感じがより強く残っていて親しみが持てた。
怪人のデザインもエヴァのデフォルメが感じられて新鮮だった。

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.5

ブラッド・ピットのおふざけキャラが嫌味なく爆発してる。
誇張され気味の日本の雰囲気が日本人の私にも好感を持って苦笑できる。
円熟の真田広之にはもっと本物の武道の真髄の技を披露してもらえたらアクションシ
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おかあさん(1952年製作の映画)

5.0

戦争で御主人を亡くされたり、焼け跡の復興で一から生計をやり直さなければならなくなり戦後に女手一つで家族を支えていく母親の困難さが平和な現代の我々にも身に染みて感じられる作品だった。

18歳の長女役の
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“経営学入門”より ネオン太平記(1968年製作の映画)

5.0

こんなにくだらなく不真面目な映画に一流の俳優陣が出ていて驚いた。
三國蓮太郎、桂米朝、渥美晃、加藤武、北村和夫そのうえに小松左京や野坂昭如などの文学界からも出演者があり楽しませてくれる。
こてこての大
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

5.0

突拍子もない奇想天外な恋愛映画だったが心温まる感動作品だった。

孤独で聴唖の障害を持つ掃除婦の女性と、陰謀が渦巻く人間社会に捕らえられた孤独な半魚人のラブストーリー。
女性の一途な愛情が困難な状況を
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

5.0

戦争のイデオロギーと民族や宗教争いの混乱の中で、人々は何を信じて生き抜くのかが問われる作品だった。

ハミルトン(2020年製作の映画)

5.0

重苦しい史実を若さ溢れる演者達が、新しいビートとグルーヴて構成されたミュージカルを演じ切り歌い上げる構成が新鮮だった。

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

とにかく凄い臨場感のある飛行シーンに釘付けになる!!!

才能と努力で積み上げて勝ち取った高度な技術であっても、どう決意して行動するかが一瞬の間に問われ重大に結果が変わってくる。

インヴィンシブル 栄光へのタッチダウン(2006年製作の映画)

4.0

プロスポーツ選手がファンに勇気や希望を与える存在である事が再認識できる作品だった。
ましてや不況で共に苦しむ地元の名も無い仲間から、憧れの地元プロチームの厳しい選抜を乗り越えてトップリーグの選手として
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グリーンランドー地球最後の2日間ー(2020年製作の映画)

4.5

地球滅亡が伴う究極の家族愛の映画。

何があっても家族は離れてはならない!!!

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

5.0

アメリカのブラックミュージックのパワーを強く感じれる作品だった。

黒人の特有のワクワクさせるようなグルーヴが物凄い勢いで感じれるフェスだった。
ブルース、ゴスペル、ソウル、ファンキー、ジャズ等々…6
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

5.0

お父さんの退屈そうな風体と冴えない物腰とは裏腹に、理屈抜きにスカッとするアクションの意外性がたまらなく良い!

私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.5

独身で一見気ままで気楽な一人暮らしのアラサーのOLの恋愛観や結婚観が実感できた。

のんさんの一人芝居が地に足が付いていてめちゃくちゃ好感が持てた。

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

5.0

第1作目の『ロッキー』を初めて観たときのような胸が熱くなる感動を覚えた。

逆境と不遇の孤独な生立ちの中でひたむきに努力して、仲間や恋人や家族や街の住民達に応援され励まされながらも、最後の最後は自分一
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アス(2019年製作の映画)

4.5

この監督の作品はホラーといいながら、ゆるい設定とふざけた展開を楽しんで笑えるユーモアがあり異色で面白い。

最後の謎解きのどんでん返しもマイケル・ジャクソンのスリラーをオマージュした展開で最後の最後ま
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

3.5

致命傷から外れた刃物傷や刺し傷がめちゃくちゃ痛そうなうえに、もし生き残っても今後の人生にはいろいろと差し支えて生きていきにくいような大怪我ばかりが画面いっぱいに大量の血飛沫とともに映し出される出来の良>>続きを読む

モンスターハンター(2019年製作の映画)

4.5

最後まで諦めない闘い。敵に立ち向かう強い意志が前面に出ているモンスターバトル映画。

映像が美しく迫力がある。
逃げ場の無い荒涼とした世界観に恐怖心が掻き立てられた。

アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.5

宇宙の広大さと唯一無二の生命が存在できる稀有な環境を有する地球の奇跡的な存在とその奇跡の地球に知的生命体の人類として生まれた幸せと広大過ぎる宇宙の中での孤独感を改めて感じさせてくれる映画。

いまさら
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アメリカン・アンダードッグ(2021年製作の映画)

5.0

私の一番好きなアメフトのクォーターバックのカート・ワーナー選手のアメリカンドリーム映画。

プロスポーツは数々あれど、人間離れした頑丈さやスピードや強靭な精神力と闘争心が最も求められると思われるNFL
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ウォーリアー(2011年製作の映画)

5.0

今まで観た格闘系の映画で一番感動した。

トム・ハーディが『ヴェノム』での軽くコミカルな演技とはうって変わって寡黙で影があり、大きな後悔や引け目を背負って歪んでしまっている暗い人間性をめちゃくちゃ重く
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娘・妻・母(1960年製作の映画)

4.5

いつもよりお淑やかな高峰秀子に日本女性の本質を見るような気がした。

女経(じょきょう)(1960年製作の映画)

5.0

第一話は、東京のナイトクラブで働く若い女性についてである。彼女は会社に投資しているが、他方では会社のオーナーの息子を結婚で罠にかける。
第二話は、若い女性が不動産業者に雇われ、男性の顧客に価値のない不
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メランコリア(2011年製作の映画)

4.0

『メランコリー(抗うつ)は、「苦痛にみちた深い不機嫌さ・外界にたいする関心の放棄、愛する能力の喪失、あらゆる行動の制止と、自責や自嘲の形をとる自我感情の低下--妄想的に処罰を期待するほどになる--を特>>続きを読む

浅草キッド(2021年製作の映画)

4.0

芸人魂のぶつかり合いと師弟間の愛情が溢れた群像ドラマ。

常識に囚われずに観客を笑わせる芸に真剣に向き合うアウトロー達の情熱が伝わる。
笑われるのではなく笑わせる為に真摯に芸を磨き、新しいアイデアをと
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.5

エディとヴェノムの友情とも言い切れない異様な関係の微妙さがコミカルに描かれていてストーリーに深みを持たせていた。

ヴェノムにはもっと魑魅魍魎とした悪役キャラを立たせて傍若無人に非人道的に暴れ回って欲
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無頼無法の徒 さぶ(1964年製作の映画)

4.0

浅はかな妬み、ドロドロとした根拠の薄い懐疑心、冷静さを欠いた怒り、同情を装った相手を軽んじる差別…素直で無い非論理的な行動が人々の人生を狂わせていく。

でも自分自身を優位な立場で切り抜け、他人を引き
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三匹の侍(1964年製作の映画)

4.0

平幹二朗の鋭そうな雰囲気がかっこいい!
長門勇のひょうひょうとした立ち振る舞いが新しい侍像を作った!
丹羽哲郎は以前観た『仇討』と同様に図太い侍の雰囲気がよく出ていた。

女の座(1962年製作の映画)

4.5

平和で穏やかな昭和中期の家庭劇だと思ってのほほんと観ていたら、後半から畳み掛ける様に不幸な出来事が起こり兄弟姉妹達のそれぞれの身勝手な想いが露わになる。
欲もなくただ淡々と日常を送る事がどれだけ幸せな
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蠢動 -しゅんどう-(2013年製作の映画)

3.0

平岳大の物静かで芯の強い武士らしい仕草に美しさを感じる。

藩が大事、御家が大事と大義を守るために踏み躙られる下級武士達の悲哀がよく表現されていた。