スポックさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

4.5

家族を含めた姉妹の物語としても高いレベルで楽しめる。

格闘シーンにもカーチェイスにも斬新な発想の破壊が盛り込まれていて絞り出したようなアイデアの努力が凄い。

色ごと師春団治(1965年製作の映画)

3.0

女は芸肥やしと男芸人が言い訳をして好き勝手していた時代の話。

芸人としてもっと明るくふざけてほしかった。
藤純子がめちゃくちゃ綺麗!

女神の見えざる手(2016年製作の映画)

5.0

頭が切れて手段を選ばずに自分自身の人生までも台無しにする覚悟で政治的な勝利を勝ち取る執念のロビイスト。

凄い速さで繰り広げられていくロビイ活動の戦略が論理的で野心的なうえに、その後で繰り広げられるど
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SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

5.0

むちゃくちゃ良い映画だった。

抑えの効いた演技。淡々と進行する無理の無いストーリー。人生の本質に触れるテーマを扱うが大上段に構えず抑えた演出。奇を衒った嫌な感じはしないが、こんなうだつの上がらなさそ
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セブンティーン・アゲイン(2009年製作の映画)

4.5

忘れてしまいがちな若い頃の純粋な想いは、何歳になっても心を動かされる真っ直ぐな真実がある。

いろいろな経験を積んだ35歳の大人にとっては17歳の悩み事などはくよくよするに当たらない簡単な問題だとして
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ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

4.0

導入部からいきなり奇想天外で無理がありそうな出来事も、スピーディーな展開に引っ張られていきグングンとバイオレンスで無秩序な世界に引き込まれていく。

過去に犯罪者の逆恨みで愛する家族を無惨な殺害方法で
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21ブリッジ(2019年製作の映画)

4.5

法を守るべき警察の汚職事件を図らずも孤軍奮闘で暴き闘う孤独な刑事の物語。

凶悪犯罪の捜査員とはいえ犯人を射殺し過ぎると問題にされ審査会にかけられ、周りの警察仲間からも自身の父親を犯罪者に無惨に惨殺さ
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プライドと偏見(2005年製作の映画)

5.0

昔の閉鎖的な社会で身分によって貧富の差がありその上に男性優位な世の中において、男女の愛情に家柄と資産が歪んで影響し劣等感と優越感が複雑に絡んで素直になれない若い2人の恋愛物語。

衣装や壁紙や敷物など
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.5

親は子を想い、子は親を想う。

故郷からも親からも独り立ちをしようとするティーンエイジャーの娘と、娘の人生の課題を分離できずに子離れでき無い母親とのお互いに愛情がありながらもすれ違う一時期を描いた家族
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ジャッジ 裁かれる判事(2014年製作の映画)

5.0

どんな家庭にでも不幸で思い通りにいかない出来事と、家族だからこそ味わえる幸福な出来事が複雑に絡み合って歴史を刻む。
家族だから過度に反発し合い、また遠慮なしに甘えあえたりもする。
同じ業種で働き、お互
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U・ボート(1981年製作の映画)

5.0

ギリギリの生き残りを賭けて最後の最後まで諦めない行動が僅かな生存の道を切り開く。
そうして掴み取った奇跡のような生命も無慈悲に一瞬にして砕け散ってしまう戦争の無機質さが切ない。

誰しも好き好んで戦争
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

3.5

英国の昔ながらの風景が活かされた最新のアクションが楽しめる。

不死身のように思える超人的な諜報部員達もネガティブな感情や老いに悩まされながら、非情な国家の存続を左右する難題に次々と見舞われていく。

007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

4.5

ダニエル・クレイグの演ずる抜群の運動神経と冷静沈着で間違いのない判断力がさえ渡るクールなボンドが楽しめた。

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

4.5

次から次へと危機を乗り越えて問題を解き明かし、自分に襲いかかる危険と闘うアクションシーンが凝っていて終盤までワクワクさせてくれる。
ボンドシリーズには珍しく愛し合った女性のための復讐心に燃える心理描写
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心中天網島(1969年製作の映画)

5.0

映画のスクリーン画面を文楽仕立ての浄瑠璃の舞台に見立てて斬新な映像で江戸時代の閉塞感に縛られた男女の純愛を描き出した衝撃の唯一無二の映画戯曲だった。

正妻が亭主の生命を守り合うためとはいえ自分の主人
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骨までしゃぶる(1966年製作の映画)

4.5

理不尽で陰湿な明治時代の遊郭での残忍な出来事の中で爽やかにも見える主人公の成長と強い意志や頑張りに感動した。
強欲な廓の主人達は人情を利用して、学が無く世間知らずの娘達の弱みに付け込んで毎日アリ地獄の
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女死刑囚の脱獄(1960年製作の映画)

2.5

現在のサスペンスドラマの原型のような映画。
レズビアンや母娘と肉体関係のある情夫が演じられていたりして60年前とは思えないほど過激でオープンな演出が面白かった。
しかしカメラワークや進行が不自然な繋が
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放浪記(1962年製作の映画)

5.0

女が一人で真剣に死に物狂いで生きていく様は時代に関係無く感動してしまった。

にっぽん・ぱらだいす(1964年製作の映画)

5.0

60年ほど昔の日本のある種の女性達は敗戦のどん底で人権を守る余裕も生活の保証も無い環境で、生きていくために生き生きとしてあっけらかんと売春を生業としている。
今も昔も法律を作る側は現場の事情も把握せず
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マダム・マロリーと魔法のスパイス(2014年製作の映画)

3.5

カメラがめちゃくちゃ上手い。
風景の撮り方、光の使い方、構図の捉え方などフランスの片田舎の村の空気が画面から溢れ出てくるように楽しめた。

ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.0

親に捨てられた障害者の悲しみ。
親友のような兄を自分の不注意で死なせてしまって自暴自棄のような生き方しかできない男。
最愛の旦那に先立たれた悲しみから逃れるために、困っている人々のために介護に専念する
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

5.0

多種多様の人種が集まり、その数だけ文化があり生き様があり、世界には類を見ない超最先端な大都会のニューヨークで生まれ育った都会人のニューヨーカー達は、他の地域で育った者には身に付けられない独特なこだわっ>>続きを読む

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

4.5

ロックの真髄が分かるストーリー。

音楽で怒りや不満や愛を叫ぶことの素晴らしさがよく分かる映画だった。
観客達が共感して心を動かされる事の素晴らしさと、演奏する側がルールや既成概念を打ち破って表現する
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冷飯とおさんとちゃん(1965年製作の映画)

5.0

なんとも不思議な取り合わせのオムニバス時代劇映画だった。
半世紀以上も昔の日本の映画作製陣達の柔軟な表現と役者達のパワーに自分の知らない世界を垣間見たようでわくわくした。

山本周五郎の短編3作をオム
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.5

キャシー・ベイツのリアリティの有る演技力に感心も得心もした。

権力を持った者の謙虚さや、報道する者の慎重さと正確さが傲慢である気の緩みがいい加減な筋書きを成立させていく過程がよく分かる作品だった。
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大阪少女(2020年製作の映画)

3.0

大阪の昭和丸出しの小汚い町並みロケのゴミゴミした猥雑な雰囲気が良かった。
ストーリーもシンプルで人生のヒントになるようなエピソードも、次はどうなるのかなと思える展開も良かった。
でも何かもっと意図が伝
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鬼の詩(1975年製作の映画)

4.5

芸人の悲哀と壮絶な執念。

独りよがりでもいけない芸事に生き死にを委ねる芸人の気概と哀愁がよく出た映画だった。
特に大阪の上方の芸人が、評価の厳しい寄席の客の前で意地でも受けようとしてどんどんエスカレ
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冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

3.5

人当たりが良くて面倒見のいい小金持ちほど恐ろしい裏がありそう。
心理描写や感情の変化などの細かい繋がりは気にせずに異様な展開だけを追って鑑賞した方がおもしろい。

セル(2015年製作の映画)

2.5

人類補完計画のような社会を没個性化して組織体としての世界観は面白い発想だったがゾンビ映画の二番煎じのようで残念だった。
派手な見せ場でもあれはもっと楽しめた。

マングラー(1995年製作の映画)

3.0

血と肉の契約がもたらす悪魔との共存共栄の発想が面白かった。

大量の血が飛び散り人体の大部分が強力な力を持っている巨大な機械に引きずり巻き込まれて、ひき肉のようにぐちゃぐちゃにされていく描写が強烈にグ
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5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生(2017年製作の映画)

3.0

障害を持っている人材で情熱と努力と高い技術がある人は貴重であり得難い宝物だ。
しかし対人の客商売とあっては話は違ってくる。
特にホテルマンは完璧な対応を求められる。ましてや劇中の五つ星クラスの高い格式
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アンノウン(2011年製作の映画)

3.0

驚きの逆転の発想の脚本。

観始めはありきたりのつまらないストーリーで、パスポートを無くしたのなら早くアメリカ大使館に行けばよいのにと思ってたが、真相が明らかになっていくにつれて今までのスパイ映画に無
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ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

5.0

「歳を取って良い事は?」
「目も足も弱って
良い事などありゃせんが
経験はつむからな
実と殻の区別がついてきて
細かい事は気にせんようになる」

「それじゃ歳とって最悪なのは何?」
「最悪なのは若い頃
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私がクマにキレた理由(わけ)(2007年製作の映画)

5.0

人間は金銭欲や名誉欲に囚われがちになり、自分自身が守りたい最小単位である家庭が最も大切だという真実を忘れがちになる。
親を頼ってくれて愛情を欲しがっている幼い時期の子供と関わり合える時間は短く、長いよ
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ヘアスプレー(2007年製作の映画)

5.0

アメリカの60年代の能天気でポップな設定だが差別問題にシビアに向き合った珍しい表現のミュージカル。

ジョン・トラボルタが自身も楽しんで演技をしている姿が楽しめた。

ブラッド・シンプル(1984年製作の映画)

5.0

疑心暗鬼の連鎖。

それぞれの登場人物たちの勘違いと思い過ごしが積み重なって、物事の真実と本質がどんどん複雑になり犠牲者だけが増えていく。
相手を信頼できない気持ちが取り返しのつかない早とちりに繋がり
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