スポックさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

伏 鉄砲娘の捕物帳(2012年製作の映画)

2.5

原作も脚本も良いのに、千と千尋がチラチラと透けて見えた。
ジブリが製作する作画の完成度の高さが重要で感動を深めることがよくわかった。

エベレスト3D(2015年製作の映画)

4.0

豊かになり過ぎた現代人の抑えきれない冒険心と、見え隠れする虚栄心に人間の驕りと謙虚さの無さを感じた。

人間以外の野生動物達は、生存のために最適な環境を求め、食べるために食料を求める目的以外には命を懸
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フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

4.0

能力も人格も欠如している金持ちで虚構の権力を持った有力者の子孫が、信念もなく自分の見栄の落し穴にはまり込み他の人たちを巻き込んで崩壊していく。

真剣に生きている他人の人生に、信念も実力も無い御曹司が
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

5.0

アメリカ合衆国の現在進行形の人種問題が日本の私にもリアルに判る作品だった。

白人だらけの警察署が正義の名目で黒人の民権運動の暴力的な一面だけを捉えて取り締まろうとする状況の中で、署内でたった一人の新
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TENET テネット(2020年製作の映画)

5.0

公開初日を観てきて先ほど帰宅した。
今までいろいろなSFに関する映像や書籍に親しんできたが、この映画はもう一度観て頭の整理をしないと解らない!
とにかく凄い映像と脚本であっという間に2時間半が過ぎてし
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シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

4.5

世間知らずと下に見て馬鹿にしていたお人好しの気弱な専業主婦に、人生や厳しい社会の辛苦を味わい尽くした様なキャリアウーマンがドンデン返しを喰らわされる。

過去の壮絶な人生経験から、能天気でとにかくごめ
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空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

3.0

大規模な組織は力で嘘と不正を押し通そうとする。
今の中国の様に厚顔無恥に自分の都合の良い正義を振りかざして自分の利益だけを押し通し、都合よく作り上げた嘘で他者を悪に仕立て上げることも出来る巨大組織の習
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座頭市関所破り(1964年製作の映画)

5.0

関所の悪漢奉行と悪徳ヤクザの親分の悪だくみで、引き裂かれる兄妹と庄屋の父娘と迷惑を被る年末年始の賑わいを当て込んだ旅芸人達。

人間が描かれた良作だった。
貧しさと人生の後悔のために酒に溺れ、ボロボロ
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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

2.0

なずなは祐介でも典道でもどちらが相手でもよかったのかな?

本気の好き度は典道の方が明らかに強かったので、彼氏になる運命は変わらないだろうとは思うけど…

映画 聲の形(2016年製作の映画)

5.0

自分が過去に子供っぽくて考えが浅くて犯してしまった非人間的で残酷な行いが自分自身の身に帰ってきた事をきっかけに後悔が出来て、そしてそれを正せる勇気。
人間関係や友情や愛情は、自分自身の事が理解出来てな
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七つの会議(2018年製作の映画)

4.5

日本製は世界に名だたる高品質な製品を作り出す。
世界有数の厳格な品質基準がそのような高品質を維持する秘訣である事は間違いない。
この映画は日本企業特有の闇の部分を糾弾しているのではなく、例えば世界企業
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サイドマン:スターを輝かせた男たち(2016年製作の映画)

5.0

70年代に関西では、特に京都と大阪ではブルースが一部の若者達に支持されていた。
ウエストロードブルースバンド、サウストゥサウス、憂歌団、花慎ブルースバンドなどなど…
ロックを始め多種多様なジャンルの音
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.5

いつの時代であってもオリジナル性がある特別な音楽や芸術を創造できて、それを世に一番最初に送り出す事の素晴らしさを実感できた。

多くの音楽は脈々と受け継がれた過去の音や言葉を参考にしている。
その音楽
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.0

本当に困っている人々に届かない社会保障のセーフティネット。
役人の怠慢もあり、受給者側の不正もあり上手く機能しない。

相手の立場に立つ親身な気持ちは、ビジネスライクな役人根性には芽生えない。
救いは
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ロンゲスト・ライド(2015年製作の映画)

4.0

男と女は直感的に惹かれ合う。
立場も将来への夢が違っても、理屈なしに惹かれ合ってしまう。

アメリカの独特の自然と文化を背景に展開されていくラブストーリーが、洗練され過ぎない自然な感じで好感が持てる。

ハイ・フィデリティ(2000年製作の映画)

4.0

男と女は惹かれ合い、そしていがみ合う。

男も女も他の異性にも惹かれ合い、そして別れを繰り返す。

男も女も1人に絞りたいのに、1人に絞れない。

ブルックリン(2015年製作の映画)

4.0

離れがたい故郷と親への愛情。
独り立ちしていく自分自身への戸惑い。

生まれ育ったアイルランドの片田舎の故郷は、働く場所も異性との出逢いも自分自身の成長にも希望が持てない停滞した重苦しい空気圧を感じる
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デタッチメント 優しい無関心(2011年製作の映画)

4.5

関わり合いを持ちたい。
でも関わりたくない。

相手のために、自分のために、関心を持って人と接する努力。
相手のために、自分のために、無関心を装って人と接しない努力。

本来は心温かく人に優しい主人公
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洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

4.5

男と女の腐れ縁。

お金でもなく、甲斐性でもなく、人生落ちるところまで落ちても惹かれ合う二人の男女。
高度成長期に入る前のどん底の日本において明日をも知れない世の中を流れ者ように寄り添う二人が切ない。
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燃えよ剣(1966年製作の映画)

3.0

新撰組の草創期の物語。

もっと各人物描写を深くして欲しかった。
展開が忙しすぎた感じで^_^もったいない!

火宅の人(1986年製作の映画)

4.5

生物は生まれながら雄と雌が惹かれ合うという避けられない性。

主人公はたまたま男であったが、女である主人公の母親は男の主人公と同様に、如何なる理由があったとしても若い年下の雄の大学生に恋をして子供も主
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怪談(1965年製作の映画)

4.0

日本の各時代の社会や風俗により人の恐怖の対象は変わる。
だが怨念が日本人にもたらすシコリのような想いは、今も昔も恐怖の話として語り継がれていく。

その後も活躍し続ける名優たちの熱演が楽しめる。
中村
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切腹(1962年製作の映画)

5.0

リメイク版の『一命』を鑑賞後の翌日に観る。

『武士の面目はうわべだけを飾るもの。』

武士道の精神にある歪みを描いた作品である。
日本人の国民性の根幹の一部分を成す武士の生き方は、世界にも誇れる日本
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一命(2011年製作の映画)

4.5

面目を保つ
二言無き潔さ
誇り高く生きる

人間だけが色々なしがらみと見栄に縛られて、ただ生き延びていくことに向かって単純に純粋に生きることを全うできない。

「拙者はただ生きて
春を待っていただけだ
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グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

4.0

唯一無二な感覚を与えてくれる作品。
命懸けの競技で競い合うこと以上に、海そのものが生きることへの強い意味を持つ男達の生き様が伝わってくる。

アダプテーション(2002年製作の映画)

3.5

情熱を持って熱心に取材した優秀なプロフェッショナルの著者が書き上げた書籍を、脚本として再構成する事の困難さがよく分かった。
自分の人生に対する思いや興味の対象や生き様を読者や観客にいかに伝えて感動を与
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

4.0

自分らしく生きることへの妥協なき想いが伝わる。

アップグレード(2018年製作の映画)

5.0

AI社会やサイボーグ化やバーチャル世界など、近未来社会の縮図を小気味良いテンポで楽しませてくれる。
AIに携わる人々とそれ以外の者たちとの格差から起こる歪んだ近未来像が整理されて分かりやすい。
格闘ア
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やさしい本泥棒(2013年製作の映画)

5.0

人は必ず死ぬ。どんなタイミングか、どんな状況か、どんな理由なのかにかかわらず。

言葉は人を動かす。
自分独自の言葉で物事を伝える事に価値がある。
全体主義的な立派で論理的な決まり文句の言葉で動く世界
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ぼくとアールと彼女のさよなら(2015年製作の映画)

5.0

死なれてから亡くなった人の事が深く分かる。

人と人との繋がりはきっかけのいかんにかかわらず、予想が付かない進展に進むことがある。
深く関わり合いを持ちたくなる相手には、特別な思いやりがお互いを包み
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6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

5.0

良くも悪くも、好むと好まないに関わらず大人に影響されて日常を過ごしている子供時代。
自分の信念を貫く悩みと、仲間たちや周りの人たちから刺激をもらう喜びの時間を過ごしながら大人になっていく自分を成長させ
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

5.0

何度観たか数えられないほど繰り返し観たくなる作品。

私のコードは2501
企業探査 情報収集工作
特定のゴーストにプログラムを注入して
特定の組織や個人のポイントを増加させてきた
私は あらゆるネッ
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硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

5.0

イーストウッド監督の日米の争い合う立場に関係なく、人間と史実を冷静に映像化した稀有な戦争映画。

スカイライン-奪還-(2017年製作の映画)

2.5

CGも映像も撮影もわくわく感があって期待させる。

恒星間航行ができる高度な技術を持っているエイリアンのサイボーグ達は、武器も持たず素手の東洋人のカンフーとお粗末な農業用のナタで負けていく展開にしらけ
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メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮(2015年製作の映画)

2.5

仲間のためなら自分の命を犠牲にしても信念を貫き希望を諦めない。

近未来の廃墟の都市の表現など素晴らしい映像が散りばめられてる。
もう少し人物描写と組織の背景や目的を深く掘り下げてもらいたい。