845cinemaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム(2016年製作の映画)

3.0

今後増えてきそうな暴走するSNS映画。派手な画面にノンストップで音楽のっけたノリノリの作りだけど、引っ込み思案の主人公を徐々にのめり込ませていく過程は練られていると思う。あとはどれだけ「ありえねえ」と>>続きを読む

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

2.5

一般論として「外見より中身」は正論だろうけど、「じゃあどんな外見でも中身よければいいのか」という当たり前のツッコミに対する本作の答えは「そりゃいいに越したことはないよね」。

目覚める度に主人公は、ハ
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.0

韓国映画を久し振りに観たということもあるんだろうけど少し冗長に感じた。でも土着の要素も含む韓国の田舎ホラーなのでこの語りで正解な気もする。変にハリウッドナイズする必要なんてないし。ツイストはあるものの>>続きを読む

処刑ライダー(1986年製作の映画)

3.0

処刑のバリエーションがもう少しあってもいいのに。チャーリー・シーンや今は監督として有名になったニック・カサヴェテスに加えて、ヒロインがシェリリン・フェン!ナイトライダー風の爆走車。スプレーを吸うラリっ>>続きを読む

古都(2016年製作の映画)

1.5

続編を勝手に書いといて川端康成の原作と名乗っていいのか問題。海外に見せたいクールジャパンの宝庫。美しい国ニッポンとか言ってそうな企画会議が目に浮かぶ。中身とは関係ないけど、序盤に出る縦書きのクレジット>>続きを読む

ギミー・デンジャー(2016年製作の映画)

4.0

ジャームッシュが以前撮った「イヤーオブザホース」はザラザラした断片という印象で、ニール・ヤングの乾いたヒリヒリの感触と一致しているように思う。それに対して本作は道化としてのイギー・ポップらしさに溢れた>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

5.0

オリジナルの延長でありながら、拡張された世界観。どぎついネオンの近未来のアップデートはもちろん、人間に対してやたらデカい背景が圧倒的で、濃密な白い霧や重厚な黄金の間が抑制されたヴィルヌーヴ映画らしい静>>続きを読む

ギャラクシー街道(2015年製作の映画)

1.5

きっとやりたかったのはナンセンスなものだったと思うが、ギャグにしてもストーリーにしても中途半端。もっと不謹慎なネタなんかを盛り込んでみればカルト的に受けたのかも。

半端なせいで浮き上がるのが差別に性
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トリプル・ボギー(1991年製作の映画)

4.0

エイモス・ポーは何作か観たが、有名映画を出発点にして作品を作るのが好きらしい。本作は劇中でも言及される通り「市民ケーン」。ある家族にまつわる事件を調査する男の話だが、ただの出発点なのでミステリーになる>>続きを読む

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)

4.0

自然破壊に警鐘を鳴らす、といった重苦しさがなく、人間の情報収集用に設置したテレビにタヌキたちが夢中になったりする様子を人を食ったような落語家によるナレーションで語り、ファミコンっぽいドット絵、怪談、と>>続きを読む

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

4.0

大人になるとは年を重ねることではなく、いくつになっても忘れられない過去と折り合えるようになることなのかも。

写実的に描く現代と緩やかなタッチの過去が違和感なく同居するバランスがいい。「ラ・ラ・ランド
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ヘルケバブ 悪魔の肉肉パーティー(2015年製作の映画)

3.5

入れ子構造になっていたり、異界が出てくると個人的にはそれだけで高得点。ネオンカラーで描かれる禍々しさがとてもリッチ。コアなホラーファンではないので観る前はびびっていたが、残虐性よりもアート性を売りにす>>続きを読む

ファウンド(2012年製作の映画)

3.5

劇中の映画で出てくるシーン、ずっと口でしてるのだと思ったけど、真相がとんでもなく狂っていて背筋が凍った。

エクストリームな要素はあれど、内容は実はかなり真面目な印象。イジメを受けた少年の青春映画とし
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ウィッチ(2015年製作の映画)

4.0

史実や民話をベースにどれだけそれらしく再現できるかを目指して作られた
のか、照明から音楽まできちんと一貫性が感じられた。

ただ、よく出来ているなあと感心する一方で、画面から禍々しさのようなものをあま
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がんばれ!!タブチくん!!(1979年製作の映画)

3.0

世代もずれてるのになぜか家にこのビデオがあって小さい頃繰り返し観た記憶がある。本屋でDVDブックになって売ってたのでつい買ってしまった。

小ネタをつないでいるだけだし、当時のライオンズを知らない世代
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ミュージアム(2016年製作の映画)

1.5

殺人鬼が魅力に欠ける。自称アーティストのやっていることはただの当てこすりな復讐で、途中で突き落とされる人はアートになっておらず、底の浅い幼稚なごっこに。読んでないがこれは原作によるものでは。

演出に
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ロスト・リバー(2014年製作の映画)

2.0

ネオンカラーの世界に加えて、音楽はchromaticsのジョニー・ジュエルと完全にレフンのフォロワーとしか感じられず。物語もシアーシャ・ローナンに頼りすぎでは。

狂った果実(1981年製作の映画)

5.0

行き着く先が破滅だとわかっていても突き進んでしまう心理がこれほどわかりやすい映画もないのでは。ファムファタールを体現する蜷川有紀というこの女優、表情だけで満点。

大雨のシーンや襲撃のくだりでも劇的に
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エヴォリューション(2015年製作の映画)

3.0

幼少の頃に観た嫌な夢や想像が次々に思い出される不思議な感覚。作者のイマジネーションというよりは作為的に作られたシュールレアリスムという印象。謎は謎のままで構わないのだけど、意図的にそれを配置しているよ>>続きを読む

ネクター(2014年製作の映画)

4.0

「エヴォリューション」併映。70年代アート風味とでも言うべきか、ディヴァインばりの強烈なつけまつげキャラの蜂を擬人化した短編。

ねっとりとしたハチミツそのもののような感触がフェティッシュでエロい。す
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トッド・ソロンズの子犬物語(2015年製作の映画)

3.5

ソロンズの映画世界はどこかでつながりを感じさせる。その意味で「ウェルカムドールハウス」のドーン登場も不思議ではないのだけど、ガーウィグが着てるTシャツのダサさだけで空白が一気に埋まった。色・デザインと>>続きを読む

ザ・コントロール(2016年製作の映画)

1.5

アリソン・ローマン目当てで観たらなんと本編には出ておらず、数分のエピローグに出ているだけだった。このくらいの映画で満足に役をもらえないのかと目の前が暗くなった。

Girl Asleep(原題)(2015年製作の映画)

3.5

「ナポレオンダイナマイト」+「かいじゅうたちのいるところ」みたいだと何かで読んだがそれもわかるポップな映画。いじめっ子3人組がリンチ映画っぽいし、森の中はビョークのPV的と、好きなもの詰め込んだ感はあ>>続きを読む

ピートと秘密の友達(2016年製作の映画)

3.0

主人公ピートだけでなく、誰にとってもいる、またはかつていたエリオットとの大切な時間。ファミリー向けの映画としてはきっと正しい。いなくなったピートを探すエリオットがいじらしくて、ふたりだけで暮らす未来を>>続きを読む

モーガン プロトタイプ L-9(2016年製作の映画)

1.5

ひたすらに凡庸という感想しか出て来ない。例えば森の中で戦う展開で相手に飛びかかるシーンがあるが、ちゃんと撮れてない。水面に浮かぶ姿はたぶん名画「オフィーリア」なんだろうけどこちらもイマイチ。

他の監
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

1.0

ハリーポッターは観たことも読んだこともありません。ファンの方すいません。

現実を反映したような世界設定で様々な社会問題を提起、とまるで「X-MEN」みたい。言い分を全く聞かず、犯罪者は即時処刑、異分
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ボクの妻と結婚してください。(2016年製作の映画)

3.0

原作は既に舞台・テレビ化されて主演はともにウッチャンと木村多江らしい。未見ながらウッチャンが演じることで生まれるコントっぽさと、木村多江の薄幸なイメージがこの「どうかしてる」物語を成立させたんだろうと>>続きを読む

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

4.0

1作目はホラー、2作目はアクションとよく言われるけど、プロメテウス以降は何て呼ぶんだろう。もうお馴染みのはずのエイリアン展開でも観たいのはそれというのも事実。前作に引き続き新しいデザインが最高に気持ち>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

4.5

なんとなく後戻りできない、イヤな感じが持続しているような状況はおそらく世界中で共通していると思うけど、例えばアメリカならもっとピリピリした緊張が表面化しそうなものを、少しずつ浸食してくる感覚が日本なら>>続きを読む

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

3.5

文明を無垢な視点から触れてワンダーすること自体は興味深いけど、メッセージが前に出すぎて「スーパーマン」ほど楽しさが感じられず。映画のひとりファッションショーってやっぱり苦手。そもそも身分ではなく、生き>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

4.5

主人公ミシェルは被害者を演じることも被害者扱いされることも拒む。劇中では描かれないが、それらしい言動を取るうちにいつしか自分の内面まで引っ張られてしまう恐怖があるのかも。犯人探しから徐々にミシェルの内>>続きを読む

あの日のように抱きしめて(2014年製作の映画)

3.5

ホロコーストを描いた作品はどうしても重くなりがちだけど、本作は「めまい」的な取り憑かれ男とファスビンダー的な愛にすがりつく女のメロドラマがベースにあり、顔面の再建やなりすましといったノワールっぽいギミ>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

5.0

細部こそが一番の魅力なので分析するのも野暮だけど雑感として。

『永遠の休暇』から始まるジャームッシュの映画はほとんど全てが旅人と会話でできている。パラダイスのない世界をさすらう主人公が先々で出会う人
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ロジャー・コーマン デス・レース 2050(2017年製作の映画)

4.0

現代のアップデート版デスレース。物語はオリジナルに忠実で、そこにCGやゴアなど現状できる表現をぶち込んでみたという感じ。オリジナルのマシンガンジョーに当たるキャラであるパーフェクタスやカルト教祖タミー>>続きを読む

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

2.0

主に取り上げるのはジョン・ウィリアムズとハンス・ジマーを中心とした現代の作曲家ばかり。ハリウッド大作かつオーケストラに偏っていてミニマルな作り手やハリウッド外はほぼスルー。それなら映画音楽の歴史を俯瞰>>続きを読む

リアル鬼ごっこ(2015年製作の映画)

4.0

 園子温は初めてビートルズを聴いた時に「何かやるなら天地がひっくり返るような事をしないとあっという間に人生は終わる」と思ったらしい。本作は何度も映像化されている原作のターゲット層である若者に向けたそん>>続きを読む