すずすさんの映画レビュー・感想・評価

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壮烈第七騎兵隊(1941年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

エロール・フリンとオリヴィア・デ・ハビラント、美男美女主演。南北戦争の英雄カスター将軍の入隊から、インディアンとの闘いでの死までを描く、西部劇。

野放図すぎる訓練生時代から、恋と結婚、南郡との戦い、
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異人たち(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

名テレビ脚本家・山田太一の原作小説を基に、舞台をロンドンに置き換えた英国映画。

昭和に活躍した名テレビ脚本家が珍しく書いた小説で、市川森一の脚本、大林宣彦監督で作られた映画は88年のキネマ旬報3位。
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喜劇 にっぽんのお婆あちゃん(1962年製作の映画)

3.5

今井正の右腕・市川喜一プロデュースによる、水木洋子脚本による風刺喜劇。

主演は北林谷栄、都蝶々、加えて飯田蝶子、浦辺粂子、原泉、東山千栄子とお婆ちゃん女優のオンパレード。さらに、伴淳三郎、渥美清など
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あらくれ(1957年製作の映画)

4.1

公開当時、主人公・お島のキャラが奔放すぎるとして、18歳未満は鑑賞禁止となった、水木洋子脚本の爽快女性ムービー。

高峰秀子の最高傑作は『女が階段を上る時』ですが、個人的には、これが一番好き。
耐える
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華岡青洲の妻(1967年製作の映画)

3.7

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華岡青洲は江戸の名医で、世界に先駆けて麻酔薬を開発し、外科手術に成功する男。彼を支える妻の内助の功を描くのかと思いきや!

意外な展開で驚いた。

幼い加恵(若尾文子)が近所で評判の華岡於継(高峰秀子
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再会長江(2023年製作の映画)

3.8

監督が昔、撮った長江と流域で暮らす人々。10年後、大河・長江は、そして彼等はどうなったのかを追うドキュメンタリー。

長江を遡上しながら、その源流を目指す旅は、スペクタクルな風景と共に再会の喜びに溢れ
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.6

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エルビスの映画としては『エルヴィス』より面白かった。

1959年の徴兵中のエルヴィスが西ドイツ駐留の際の出逢いから、72年に別れを決心したプリシラがグレイスランドを出るまでが描かれます。

出会った
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夕やけ雲(1956年製作の映画)

3.0

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木下恵介の妹で、本作の撮影担当・楠田浩之の妻・楠田芳子のオリジナル脚本によるホームドラマ。魚屋一家のドラマを通して、長男の青春の終わりを描きます。

以下は物語。

魚屋の息子が遠くの空を眺めている。
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.5

どこまでが真実かは知らないが、途轍もなく不幸に見舞われる兄弟の実話を基にした映画。

父の夢を押し付けられたばっかりに、不幸に見舞われ、死んでいく兄弟たち。星一徹ばりのオヤジの執念が招く不幸の連鎖。
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.0

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クリストファー・ノーランが『メメント』の前に自主製作したサスペンス映画。自主製作とは言え、協力にはティム・ビーバンやワーキングタイトルも。

時系列を複雑に配置する編集処理のノーランらしさに溢れるデビ
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惜春鳥(1959年製作の映画)

4.5

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数年ぶりに鑑賞中に鳥肌。

会津若松の5人の同級生たちの、切なく哀しい青春の終わり。恋愛よりも何よりも友情を尊いと考えていた5人だった筈が、一人の裏切りで崩れていく…

ゲイ映画とも呼ばれる木下
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.0

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アカデミー賞への複数ノミネートで話題となった韓国・アメリカ合作の切ない恋物語。

以下は物語。

学校で、いつも一緒のナヨンとヘヨン。ナヨンはクラス一番の優等生だったが、一度だけ2番のヘヨンに負けたこ
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暗殺の森(1970年製作の映画)

-

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ファシスト、男色、エログロ、大島渚的と云うか、吉田喜重的というか…
ATGと響き合っていたベルトルッチ。物語よりも、見せ場作りを重視するかの様な大胆な演出は冴え、ストラーロの撮影は素晴らしい。

物凄
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.8

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数々の美術館に作品が購入されているアーティストのナン・ゴールドウィン。
彼女の人生と、彼女が過剰摂取に至った中毒性のある薬オピオイドで大儲けし、幾つもの美術館に寄付をしていてサックラー家との闘いを描く
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綴方教室(1938年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

長屋暮らしの貧しい一家の娘は、先生の指導で作文が上手い。彼女の作文が雑誌に掲載されるが父が仕事を貰っている親方の悪口が書かれていて、騒動となる。先生のお詫びで親方の怒りはおさまる。
しかし父が自転車を
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

未だアメリカを二分する堕胎の是非をテーマに、60年代に実在した中絶擁護団体を描く、社会派の女性映画。

人口中絶が非合法だった1960年代のシカゴ。弁護士の夫を持ち、娘と3人暮らしのジョイは妊娠するが
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.3

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原爆の開発責任者オッペンハイマー氏を描く自伝映画。プロジェクトマネージャーの話なので、会話劇に終始し、映画的な快楽は少ない。

まるで象牙の塔から出ない、ロスアラモス砂漠のロレンス。

半分は葛藤する
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変な家(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

大ヒットした変な映画。
『事故物件・怖い間取り』そっくり。
WEBライターでYoutuberの雨穴が事実として書いたマンガを原作に、マイナーメディアのライターが事故物件を取材すると、山奥の部落にある片
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

3.7

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20代の女性監督イ・ソルヒ監督のデビュー作。原題・비닐하우스=ビニールハウス 英題Greenhouse

描写は説明が少なく、場面の解釈には揺れ幅が盛り込まれ、やや疲れる。

以下は物語。

ムンジョ
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

結婚を控えた精神科医の藤代(佐藤健)の前から、彼女の弥生(長澤まさみ)が忽然と消えた。ボリビア、チェコ、アイスランドと旅先から過去の恋人・伊豫田(森七菜)の手紙が届き始める。
消えた現在の彼女と、過去
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この広い空のどこかに(1954年製作の映画)

3.6

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小林正樹監督の初期の家族モノ。戦後の傷跡が癒えぬ日本の家族を、川崎の工場街を舞台に描いています。
原作は木下恵介の妹・楠田芳子。脚本は松山善三(本編表記は変名)。

見所はアンサンブル仕立てのモダンな
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劔岳 点の記(2008年製作の映画)

3.8

初見。思った通りに……面白かった。

エンドロールを黒バックにせず、美しい立山の絶景を背景に、仲間たちと称したクレジットは素晴らしかった。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

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通り一遍に過ぎないお話しを、預言者の到来という宗教をダシにした語り方がよく出来ています。

砂虫ライドは圧巻の一言ですが、砂虫から生命の水を作る場面もグッドジョブ!
まて、敵の兵器の陰から闘ったり、岩
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(1941年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

盛岡市大釜の農家を舞台に、馬を育てる少女で家族を描いた感動作。

製作主任(実質、助監督?)黒澤明。

秋、冬、春そして夏と季節をおって、物語は進む。

お産間近の馬ハナを預かった小野田一家。
母は嫌
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ハードコアの夜(1979年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

本作の3年前『タクシードライバー』が大きな話題になり、コロンビア映画が再び手掛けた孤高の裏社会の世直しドラマ。

アメリカ中西部に住む敬虔なカルヴァン派の家の娘が消える。父が探偵を雇って調べさせると、
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黄色いからす(1957年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

1958年のゴールデン・グローブ賞外国語映画賞を受賞した歌舞伎座制作の映画。
家庭に恵まれない子供の絵には、無気味な色彩が使われるというテーゼを基に作られた、社会派風味のヒューマンドラマ。

以下は物
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煙突の見える場所(1953年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

戦後の復興期に有名になった、見る場所により1本、2本にも…4本にも見える煙突の町(小津安二郎の初トーキー『一人息子』にも印象的に登場)を舞台に描かれる、男女4人のアンサンブル・ドラマ。
しかし、宗教家
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.2

本年度アカデミー賞の複数ノミネート映画の中で、最も面白かった。

『マエストロ』、今後公開される『関心領域』『ホールドオーバー』は未見ではありますが…

主題の斬新さは群を抜き、皮肉の効かせ方はブニュ
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.6

言葉より行動するだけの逞しい男を描いたら、ガイ・リッチーは当代随一!

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