すずすさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

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トリとロキタ(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ダルデンヌ兄弟の映画は初鑑賞。旧作を追いかけたくなりました。食べず嫌いは良く無いですね。

淡々と語られる現代の悲劇。アフリカ系の不法移民の疑似・姉弟は心にずっしり響きます。

以下は物語。

姉ロキ
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

演技に一部見所はありましたが、映画の出来映えは二流。

最も駄目だと思うのは、女性主人公の記者の取材がドラマに全く関与していない事。犯行現場の録音テープも使わず仕舞い。これなら、女性刑事にした方が良か
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.8

Rotten Tomato 批評家90、観客93(今日4月18日現在)の高得点。
かつてのニューラインの凡作(3部作)とは違い、凝りに凝った映像と楽しい会話で、一級のエンタメ作となった(きっと)新シリ
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嘆きの天使(1930年製作の映画)

-

1928年の初のトーキー映画『ジャズシンガー』から2年後、欧州でのトーキーの先駆けとなった名作。

とは言え、今観ると品質的に厳しいのは否めません。今回の上映も、英語字幕に日本語字幕をのせたもの(ドイ
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チョビ髯大将(1926年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

WCフィールズ主演のコメディ。原題『It's the Old Army Game』は安っぽい詐欺のこと。

エルマーは薬局店を営んでいる。1920年代の薬局はコンビニ状態で、便利屋扱いされている。看板
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世界の終わりから(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ビジュアル派として知られる監督ですが、先生役でこの映画に特出している監督よりも、重症な中二病とは知らなかった。

世界の崩壊を救うことになる少女の話ですが、サムライ達の戦乱の世、現代(2030年)の2
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拾った女(1953年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

第二次大戦後、低予算のジャンル映画でカルト的に支持されるサミュエル・フラー監督が、ザナック・FOXで制作したフィルム・ノワール。

タフな一匹狼と、彼に惚れた女がスパイ工作に巻き込まれる中、スパイと警
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モンスターズ(2015年製作の映画)

3.7

「ノック」を観て、興味を抱き鑑賞。本作はオチ一発ですが、独特のテイストがあり、面白い。単なるホラーファンタジーですが、中国への皮肉にも読めるネタ。

「ノック」や本作で使われる閉鎖状況で、さらにパワー
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.3

エア・ジョーダンだけあって、冗談の様に空虚な中身です。空虚を望むなら楽しい、とも言える筈です。

80年代後半、業界3位で、バスケットシューズ市場が苦手だったNIKEがマイケル・ジョーダンと契約しよう
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

蕎麦と謳って、ラーメン出すようなのは良くないんじゃないかなぁ!?囚人護送サスペンスかと思ってきたら、チープなホラー映画だった。

映画秘宝が扱うトンデモ映画として楽しみたいタイプの映画。

2016年
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ナイト・シャマラン監督が若手スティーブ・デスモンド(youtubeで観られる『MONSTER』もお奨め)と脚本制作した新感覚世紀末ホラー。斬新で興味深い!

ヒッチコックなんて公開当時はキワモノ監督だ
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

舞台劇の映画化で、特殊メイクで巨大化されたブレンダン・フレイザーが本年度アカデミー主演男優賞を受賞。

「曝け出すこと」をテーマにした99パーセント、アパートの一室で繰り広げられる密室劇は、最後に開か
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

スウェーデン出身の若手、鬼才リューベン・オストルンド監督の2017年カンヌ映画祭のパルムドール受賞作。文化人たちへの辛辣な皮肉には賛否渦巻く異色作。

格差社会を風刺する個性的な話術は圧巻で、GPS、
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抜き射ち二挺拳銃(1952年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

ビリングが上の筈のオーディ・マーフィー演じるシルバーキッドより、色ボケ保安官(スティーブン・マクナリー)が出番が多く活躍する、三流脚本の西部劇。若かったとは云え、ガッカリだぞ、ドンシーゲル!

個人事
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白熱(1949年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジェームス・ギャグニー主演、ラウール・ウォルシュ監督、WB製作のクライムスリラー。複雑な筋運びで、潜入捜査官という真新しい題材、主人公の特異体質も加わり、深みのある内容になっています。

コーディ・ジ
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

前作との比較ではなく、純粋に映画として鑑賞。土台となっている黒澤明、橋本忍、小國秀雄による物語が絶妙だけに、詳細を記憶していないなら見て損はないと感じました。

土台の物語が上手いのは、主人公(今回は
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ブラッドシンプル ザ・スリラー(1999年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

コーエン兄弟の出世作。
『ファーゴ』的な田舎を舞台にしたトンデモ殺人事件ですが、ユーモアよりは不気味な怖さが秀逸。

テキサスの田舎町。酒場の経営者ジュリアン・マーティは、妻のアビーと従業員のレイが浮
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黒いジャガー(1971年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

庵野秀明監督はシャフトの薄茶色のレザーコートを浜辺美波に着させています。

1971年公開、MGM製作のブラックスプロイテーションの代表作。ブラックスプロイテーションは本作公開の直前に『Sweet S
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地獄の英雄(1951年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ビリー・ワイルダー監督のマスコミの姿勢を問う社会派バッドエンド・ドラマ。ワイルダーの奥深さも窺い知れ、一見の価値があります。

飲酒などのトラブルであちこちでクビになった新聞記者チャーリーが、アルバカ
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

4.0

アメリカらしさに満ちたミュージカル・コメディ。豪華なゲストスターに、ド派手なカーアクションもあり、愉しさ満載だ。

伝説のテレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』から登場し映画界で活躍した喜劇人は多い。
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スーパーフライ(1972年製作の映画)

3.6

「ブラックスプロイテーション」映画を代表する一本として歴史に名を刻むハーレムの犯罪ドラマ。製作はワーナーブラザース。

ハーレムを抜け出し、真っ当な暮らしをするため、薬の売人から足を洗いたいプリースト
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オール・ザ・キングスメン(1949年製作の映画)

3.7

貧しい暮らしの中、苦学して弁護士となり政界へ進出するも、煮湯を飲まされ、金の力で知事にのし上がる男と右腕となる元記者、その過程で、肉体関係で繋がる秘書や家族たちが病んでいく姿が描かれる社会派の傑作映画>>続きを読む

小さな逃亡者(1953年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「峠の我が家」など郷愁深いハーモニカ演奏を背景に「はじめてのおつかい」よろしく、遊園地で遊びまわるいたいけな7歳児が描かれます。腰にぶら下げたベルトの拳銃が可愛すぎます。

祖母の看病で母が不在の日。
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殺人者(1946年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ヘミングウェイの短編を冒頭に置き、ノンクレジットながらジョン・ヒューストン、リチャード・ブルックスも脚本に参加した、傑作ノワール。

二人の殺し屋が田舎のダイナーにやって来て、ある男を殺そうとする。同
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暴行(1950年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

女流監督アイダ・ルピノの代表作、彼女の映画で唯一、アメリカの国立映画登録指定を受けた映画で、Youtubeでの無字幕鑑賞です。

構成は、事実上、彼女の監督と云われる『孤独な場所で』と似ていて、前半サ
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.8

『ファブル』に迫る、脱力系の本格B級活劇!前作と遜色のない面白さ。相変わらず拳銃や素手の殺陣が物凄いが、2人の日常の会話でのボケは病みつきになるような魅力がある。

ゲストで入った元ウルトラ戦士の濱田
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.8

『ファブル』に迫る、脱力系の本格B級活劇!CGほぼ無しの低予算ながら、バトルアクションが本格的過ぎる出来映え!監督は1996年生まれ、未だ20代の坂元祐悟。

高校を卒業したてで、殺し屋として雇われた
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わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

3.6

角川大映制作、東宝、TBS幹事による『陰陽師』や『帝都物語』を思わせるファンタジー大作。迫害された女性を軸に据え、女性ターゲットに仕上げた今風の鮮度により、大ヒットとなっています。

若手女流作家の顎
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オットーという男(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

『幸せへのまわり道』に続き妻リタ・ウィルソンが製作に名を連ねるトム・ハンクスの感動ドラマ。

スウェーデン映画で、アカデミー外国映画賞候補となった『幸せなひとりぼっち』のリメイク。

ここから先は物語
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零落(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

駄目男の物語ではない、優秀過ぎて、駄目になる男の話である。ダメ男の物語で『零落』ではなく、魂を売ったから『零落』なのだ。
高校時代の猫目の彼女はそれを見抜いていたという話。この位判らないと、深澤に怒ら
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G・I・ジョー(1945年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

第二次大戦を取材した記者アーニー・パイルの記録を基に作られた、ウィリアム・ウェルマン監督の戦争映画。

劇的ドラマを廃し、戦場の最前線での日常を淡々と描くことで、戦争とは何かを提示してみせた傑作映画と
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.0

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今時、エクスプロテーション映画を作ってくれるのは、タランティーノだけかと思ったら、庵野監督がやってくれた。続篇に期待がふくらむ。

ドラマが極端にない。一般人の登場人物が全く居らず、闘いは廃墟でひっそ
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彼らは9人の独身男だった(1939年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

30〜50年代、フランスの映画、演劇界で活躍したサッシャ・ギトリの監督・主演作。

クラブで酒を酌み交わす男2人。コソ泥のジャン(ギトリ)は、移民排斥の機運の高まりに乗じて、裕福な外人女性に偽造結婚を
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あなたの目になりたい(1943年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

30〜50年代に30程の映画を残した、映画監督、兼、俳優、舞台演出家サッシャ・ギトリが、自身と四番目の妻ジュヌビエーブ・ギトリ主演に据えた喜劇調メロドラマ。

ギトリに対する「演劇っぽい映画」という批
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不死身の保安官(1959年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ロンドンの老舗拳銃会社の後継が、経営難で、荒くれ者だらけのアメリカ西部に拳銃を売りにいく物語。英国では公開年の年間ベスト10の大ヒットとなっています。

『おかしなおかしな自動車競争』などのヒットで、
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女相続人(1949年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ヘンリー・ジェイムスの小説『ワシントン広場』を基に作られた戯曲を、『風と共に去りぬ』のオリビア・デハビラントが、ウィリアム・ワイラー監督に持ち込みパラマウントの配給で映画化された傑作ドラマ。

ワシン
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