QTakaさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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淵に立つ(2016年製作の映画)

3.9

深田監督の人間描写が光る一本。
物語の展開が絶妙で、どんどん引き込まれていく。
そこに表わされるのは、狂気なのか愛なのか。
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平凡な家庭で、何かが狂い、全てが狂っていく。
事態が急変していくなかで、
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ジェファソンの東(2018年製作の映画)

3.6

札幌プラザ2・5で催された『深田晃司映画特選2』にて鑑賞。
この珍妙なショートフィルム。
掴みと展開と結末が一気に駆け抜ける。
物語は、リズムが大事!
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前日、絶賛公開中だった『よこがお』をシアター
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ビル・エヴァンス タイム・リメンバード(2015年製作の映画)

3.9

これは伝記映画ではない。
おなじみのサウンドを、その目でスクリーン上に確認する、そんな映画だった。
彼のサウンドに心を奪われた人ならば、このドキュメンタリーを見て、確認しておかなければならないのだと思
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命みじかし、恋せよ乙女(2019年製作の映画)

3.8

ドイツ人にとっての死者とは?
日本人と死者、あの世との関係は?
ドイツでのシーンと日本でのシーン。
そして、樹木希林、最期の演技。
スクリーンから目が離せない映画だった。
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「ゴンドラの唄」
『♪い
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.2

夏の定番映画になりそうだ。
今回は、地上波初放送で鑑賞。
放送前に、コトリンゴさんの特集番組も鑑賞。
そう、この映画に、コトリンゴさんの歌声は重要なキャストだ。
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映画は、年の瀬の広島の街並みを背景
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青の帰り道(2018年製作の映画)

4.0

若者一人ひとりの輝きが眩しい。
悩み、苦しみ、迷い、暴走する。
若者の姿が生き生きと描かれている。
気持ちの良い映画だった。
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共に歩む者たちが、共に歩むつもりだった者たちが。
いつの間にか、離れて
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嵐電(2019年製作の映画)

3.9

舞台は京都。
主役は嵐電。
そして、三組の恋。
京都の日常の中で。
人と人が、交差して、離れて、互いを求めて。
そこに嵐電が有る。
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京都の日常に嵐電が走っている。
その姿は、街並みの中に、まさに街
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

3.1

あ〜、なんだろう?
もやっとしっぱなしで終わっちゃった。
それにしても、あっちゃん走り回ってたな。
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定番バラエティー番組のロケシーンを舞台にして、仕事と恋愛と、人生を考え悩む主人公を描いている。
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いちごの唄(2019年製作の映画)

3.0

少年時代の淡い想い。
友情と恋と想い出と。
その関係に隠された謎が、物語の鍵になるはずなのだけど…
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なんだろう?ちょっと乗り切れなかったかな。
見終わってみると、それぞれの抱える難しい背景の重要な
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歎異抄をひらく(2019年製作の映画)

2.5

『歎異抄』を執筆したとされる唯円を主人公にして、浄土真宗の宗祖親鸞聖人を描いたアニメーションなのだが..
はたして、この難読書を解き明かしたのだろうか?
どうだろう?
.
確かに、物語は、親鸞聖人、ご
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新聞記者(2019年製作の映画)

4.1

報道の現場、政治の裏側を題材に描いた映画として、とても面白かった。
主演の二人も、困難な状況に追い込まれる姿を熱演していた。
その表現は、まさに『映画』だった。
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物語は、現実に起こった政治絡みの事
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サッドヒルを掘り返せ(2017年製作の映画)

3.9

不覚にも、感動してしまった。
お宅たちの暴走劇かと思ったら、大事な話だった。
それは、正に〝聖地〟を回る物語だった。
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最初は、『ちょっと面白いドキュメンタリー』程度にしか思っていなかった。
当然、
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

3.9

高校生たちの青春を描いた映画ではあるが、時代と社会状況が特殊であった。
大戦後、東西に分割統治されたドイツの東側で起こった、若者たちの反乱。
戦争の傷跡は、その世代にとどまらず、次世代までも巻き込んで
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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

4.3

狂気と正気のカオスがスクリーンいっぱいに展開される。
はたして、戦争は、正気の沙汰なのか?
救いの場は、どこにあるのか?
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フランス人監督による、
フランス映画による、
フランスの反戦映画。
はたし
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ナイトクルージング(2018年製作の映画)

4.0

これは、とてつもない冒険映画であり、チャレンジであり、そのチャレンジは鑑賞者を巻き込んで実行されている。
そう、この冒険は、私の冒険でも有ったわけだ。
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〝見えること=分かること〟
そう私達は理解し
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初恋(2006年製作の映画)

3.8

その時代は、混乱と渾沌の中にあった。
その頃、ひとと人は寄り添っていた。
そこに、小さな、切ない恋があった。
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1960年頃
東京オリンピック、学生運動、安保闘争
そんな時代、学生たちの中に、その姿
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博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.5

世界一の頭脳とその歩みを支えた人々を描いた一本。
彼も、そして彼の妻も、多くの人々に愛されたんだね。
みんな、二人が大好きなんだ。
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描かれているホーキング博士の姿は、多くの場面で生き生きと、パワフ
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.1

奇想天外な展開。
人と人が交錯し、物語は進む。
翻弄されながら、輝きを増していくヒロイン。
この物語の展開は、想像を裏切り続ける。
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幸福の絶頂から、どん底に落とされる。
その壮絶な展開が序章にしか
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スウィングガールズ(2004年製作の映画)

3.9

スクリーン上で躍動する姿以上に、メイキングが面白い。
撮影現場の彼女たちは、本当に楽しそうで、実は本当に辛かったようだ。
だから、この映画は面白いし、楽しい。
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今回は、ずっと見たかったメイキングを
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さよならくちびる(2019年製作の映画)

4.0

音楽映画、それ以上のものに出合ったのかな。
脚本と歌詞と音楽と、何重にも重なった物語の表現がここに有る。
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映画は、冒頭から険悪な雰囲気。
ハル(門脇麦)もレオ(小松菜奈)もひどい。
怒るし、ケン
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.9

美しいマンチェスターの風景。
対照的な悲劇。
悲しさ、辛さを背負いながら生きる姿を誰が救えるのか。
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美しいマンチェスターの海辺の風景。
静かな海を望む街
夕日、朝日、満天の星空。
時折挿入される風
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

3.8

“As time gose by”を、スプリッターで二人で聴く。
音楽とステキなシーンが満載の一本。
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音楽映画ってジャンルに入るんだろうな。
若いミュージシャンとその才能に惚れ込んだベテランプロデ
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希望の灯り(2018年製作の映画)

3.8

小さな小さなコミュニティーに生きる人々の姿。
郊外のスーパーマーケットを舞台に描かれる日常。
小さな触れ合いが、切なく映る。
.
天井の高い倉庫のような大型スーパーマーケット。
冒頭、「美しく青きドナ
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コレット(2018年製作の映画)

4.0

こんな痛快なヒロインの話は久しぶりだ。
自由を求めて、時代の先を見つめて、その翼を大きく広げて羽ばたいたその姿は、遥か昔、本当に実在した女性の姿とは思えない。
「性差別」と闘った女性作家の物語っていう
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

4.2

湯水のごとく涙の出る映画でした。
その涙は、悲しみや、悔しさとか、ましてや嬉しさから来るものではありませんでした。
でも、まるで蛇口をひねるようにあふれ出てくる涙でした。
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宮沢りえが凄い。
このス
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俳優 亀岡拓次(2016年製作の映画)

3.5

安田顕劇場だった。
野生児の、変態の安田顕じゃなくって、役者の安田顕がそこに居た。
ちょっと変態も織り交ぜられていたけど。
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ヤスケンと言えば、変態丸出しの野生児だと思うのだが、最近はちょっと違う。
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.0

やくざと警察の暴力映画化と思いきや、男臭い、それもぷんぷん臭う映画だった。
泥臭く、必死に生きる男達の映画だった。
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何重にも重ねられた秘密のベールが徐々に明らかになっていくにつれ、男達の姿が明らか
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燃えよドラゴン(1973年製作の映画)

4.1

Don’t think, Feeel.
誰もが知っている、ブルース・リー。
その映画館で見るのはとても貴重な体験だ。
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何度も見て、ストーリーも、シーンも見慣れていても、映画は映画館のあのスクリーン
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山下達郎 シアター・ライヴ/PERFORMANCE 1984-2012(2012年製作の映画)

4.0

山達ライブを映画館で見る。
こうして見る意味がある。
このライブは、ARTだからだ。
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1984ー2012とあるから、随分昔の映像から始まる。
1986年のPERFORMANCE`86の映像から始ま
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最強のふたり(2011年製作の映画)

4.0

人種問題映画としてとらえられがちな映画でも有りますが、むしろサポートを必要とする人と共に生きる人々の姿を描いた一本。
フランス社会の自由な雰囲気を感じる映画だった。
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事故により、首から下を動かす事
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ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

4.5

懐かしい映画をまたスクリーンで見られた事に感謝。
でも、そこに有ったのは、懐かしい感動では無く、今、この時に出合った新たな感動だった。
イイ映画は、いつも新鮮な衝撃を与えてくれる。
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もう16年前の
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12か月の未来図(2017年製作の映画)

3.5

少年・少女たちの一年は、とても刺激的で、とても重要な、そして瞬く間に過ぎてしまう一年だ。その短い季節を大切に見つめる大人と彼らの物語。
フランス社会の多様性を改めて感じる映画だった。
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フランス、パ
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21世紀の女の子(2018年製作の映画)

4.0

完全に〝のぞき見〟ですね。
『女の子の手による、女の子のための映画』ですからね。
だから、ちょっと気が引けました。💦
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この映画のHPに〝プロデューサー・山戸結希のちかい〟として、こうある。
「この
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サンセット(2018年製作の映画)

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なんだろう、この抑揚の無いスクリーンは。
終始表情を崩さないヒロインの演出は、何をしたかったのだろう?
よく分からん映画だった。
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オーストリア=ハンガリー帝国を舞台にしたということで、そういう時代
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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

3.9

過酷な生い立ちをもつ女性と、国を奪われた男の、壮絶な愛の物語の映画です。
ただ、二人を囲む環境が困難を極めていただけの事。
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その時代、日本がどんなところだったのか。
そこには、どんな人々が生きてい
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聖の青春(2016年製作の映画)

3.5

二人の棋士の命を懸けた戦い。
二人だけに流れる特別な時間。
二人だけがたどり着ける特別な風景。
そんな、特別な何かを垣間見る事が出来る映画だった。
.
劇中の表現は、正にこの二人の時間を捕らえる事にフ
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