このレビューはネタバレを含みます
登場人物たちの証言シーンや録音による「語り」によってのみ映画が成り立つ。そのことによりぼくらは真実に対し中立的な立場へと宙吊りにされてしまう。ぼくらは、映画特有の「神の視点」により真実を知ることはなく>>続きを読む
アイリスアウト(画面を丸く閉じながら暗転させる手法。よくアニメとかのギャグシーンで見るやつ)が用いられているシーンが2つあり、特に監督の出演する踏切でのシーンが良かった。映画制作が主題の映画に監督が出>>続きを読む
全部良い
"幼児の脳をもって蘇生された主人公"という設定が、鑑賞者の体感する時間感覚を奇妙に縮ませる。
それによって世界すべてが(!)相対的に絶えず劇的に変化してしまう。
僕たちはいつのまにか、>>続きを読む
コイスティネンみたいに何もできないときがある。
良い意味でも悪い意味でも周りの人の期待を裏切っていって、全部がコイスティネン中心に回っていく。全てはコイスティネンのためにはないし、だからこそこの物語>>続きを読む
社会に、法の名の下に迫害されるものたち(異邦人)の"声"の話
弱者がどう声をあげるか、というのは紋切り型のテーマではあるのだけれど、その弱者たちが最後まで弱者であり、社会から疎外された"異邦人のまま">>続きを読む
痛烈に社会批判をしながら、特に女性を中心とした若者の間の閉塞感とか焦燥感を指摘し、自覚させてくれる。
雰囲気がよかった。悲愴感と、少しの希望への昂揚が混ざったような
戦争を一旦置いておくことはできないのだけれど、演奏シーンのあの狭い空間に音楽だけを考えられる時間が少しだけあって、いろんな教訓とかもろ>>続きを読む
どんなにお金で割り切られていたとしてもどんなに嘘で塗りたくられていても成り立つ幸せはあると思う。
真白が幸せの限度について語るシーン、すごすぎる
「君たちはどう生きるか」という命題を、ファンタジーに立体的に色彩豊かに差し出してくれる。それでいて、立派な人間として生きろ、といった教訓だけで終わらせるには勿体無いくらいの芸術的な作品だと思う。
寺山修司による、「情念の反動化」への挑戦
質問をすること、その行為そのものによって、"質問の内容自体=政治的な問いかけ"を超え、"言葉と言葉との虚構を用いた詩的なアジテーション"を起こす試み。
日>>続きを読む
天気の子より堂々としてた。別に甘酸っぱい青春ストーリーじゃなくても十分いい映画作れますけど?感
だからこそ、新海誠が本来好きそうなファンタジーもの、古来言い伝えもの、タイムスリップもの、が活きて見>>続きを読む
人物たちは、ふつうに映画に出てくるような、はっきりとしてわかりやすいキャラを持っているわけでもなく、愛おしいところも、嫌悪感を抱いてしまうようなところも併せ持っていて人間くさい。自分にもこういう汚い部>>続きを読む