ニック・ケイヴ。ヘタに触ると火傷しそうな、得体の知れない、でも滅茶苦茶気になる存在。
その秘密に、ほんの少しだけ触れられる気がする作品。
(覚書)
・ブライトンの風景
・一緒にライヴをやった時のニー>>続きを読む
(メモ)
・喪失を描いているロードムービー的な面と、主人公の女の子の危うい感触が、(自分でも意外だったのだが)どことなく青山真治『ユリイカ』を思い出すところあり。
・出てくる人たちがことごとくよい。あ>>続きを読む
どうでもいい内容を作品化するってのは、映画であれ落語であれ何であれ、決して嫌いじゃないのだが、しかしそれは監督らの確固たる意志に貫かれていてこそなのだよなぁ、と、改めて感じさせられました。
その点、本>>続きを読む
「ゴドーを待ちながら」におけるパスオーバーの不可能性と、スパイク・リーの描くパスオーバーの不可能性の違い。
リーはおそらく、ベケットによる権威や制度への鋭い批評性を評価しつつも、そこで描かれているのが>>続きを読む
どうなることかと思ったが、息子たちの本当に素直な育ちのよさと、母親たちの愛情深き根気強さに救われた感じもする。
どこかひとつ掛け違えていたら破綻してもおかしくないし、最後までその緊張感はあったように思>>続きを読む
ジェームズ・ボールドウィン氏の切実な表情と論調が強く印象に残る。
公民権運動家はマルコムXとキング牧師しか知らなかったが、それだけではないこと、そこから今日のBLM運動までを広く見通しながら、北米に>>続きを読む
松竹だけど、なんとなく角川映画みたいな雰囲気を感じたり(時代かしら…)。
重くなりそうなところ、余白とユーモアでもって、見れてしまう。
うなぎって、そういうことだったのか。なるほど、と。
キャストも豪>>続きを読む
いやはや、体を張った、ケッタイな作品だった。
思わず、こちらも応援する気持ちに力が入ってしまう。
監督は一見天然にも見えるが、結構意識的なところもあるように感じられて(映画を面白くするため、というのも>>続きを読む
まず、冒頭のひいくんの姿を見ていて、「あぁ、こういう、何やってるのかよく分からないけど、いつも姿を見かける人、いたよなぁ」と。
ちょっと飛躍したことを述べるが、ふと、落語で描かれる世界をも感じる。なん>>続きを読む
良作。
さして演技が上手いというわけでもないのだが、フレッシュな役者陣にも不思議と惹きつけられた。
ところどころウルッとしてしまい、脚本と演出に上手く乗せられたなぁ。
地元のテレビ局だからこそ作れた作品、という気がする。
丁寧に、大切に作られた作品で、涙なしには見られない場面もチラホラだった。
「負けてたまるか、ヘノカッパ」。
「これを見た皆さんも頑張って生きてい>>続きを読む
まず、主人公の男の子が凄い。特に彼の目。女優もまた凄い。ただならぬものがある。
…と思ったら、ほぼ全てのキャストが、実際の役柄と同じような境遇で暮らしている素人とのこと。
セミドキュメントというわけで>>続きを読む
なんて素敵な、じんわりくる作品でしょう。
これで12分だなんて。忘れがたい濃さ。
こう言っちゃなんだが、テーマは重くて地味だが、超ヤバイ作品。
第五福竜丸のことは知ってたけど、それ以上の、えっ?!と耳を疑うようなことが明かされる。
こうしてテレビでも放送され、劇場公開されてもなお>>続きを読む
まず第一の感想として、小学生の頃から、こんなに密に、責任を持って動物と接する機会があるのは、教育としてとてもいいなぁ、と。
愛情を育てる上でも、相手の気持ちをおもんばかる上でも(ヘタすりゃ、言葉の通じ>>続きを読む
観たのは3度目になるが、やはり名作。
ここまで人をずっとずっと想いつづけるような情熱的な恋愛観に共感はないものの、(10代、20代の頃は、まだあったかもしれないなぁ、とも…)、人の抱えるペーソスには>>続きを読む
かなり良作。みんな観た方がいい。
イーちゃんの抱えてきた悩み、葛藤、成長してゆく姿。
イブちゃんの存在、家族を懸命に支えるお母さん、お父さん、祖父母の姿…。頭がさがるような思いがする。
とりわけ「障>>続きを読む
猥雑な昭和後期の空気。細部のこだわりも楽しめて、それだけでエンタメ作品としては良作なのだが、しかし幼少期にダイナマイト心中で吹っ飛んだ母親の存在を抜きにしてはならない作品でもある。
倫理の底が抜けて>>続きを読む
・地方のそう大きいわけでもないテレビ局の中で(いや、そこまで大きくないからこそ?)、よくぞここまでやれたもんだな、と…。監督の二名には大きな拍手を送りたい。
・あまりに酷すぎる某主流派の市議会議員た>>続きを読む
名作。
ムナクソ悪いところも多々あるのだが、なんといっても最後の決闘シーンに尽きる。
ここで扱われている問題が、現代社会が向かえている問題の延長になだらかに繋がっているようで、単にアニメとして楽しむ気にはなれない…というか、そうなることに抵抗しようとするものが自分の中に残るような作品。>>続きを読む
正直、ソケリッサの公演を見た時には、そこまで心を動かされはしなかったのだが、この映画で見る彼らの姿そのものには、冒頭のダンスシーンから魅了されてしまった。
彼らの語りや、日常の姿もあいまって、なおさら>>続きを読む
沖縄の島と音楽の組み合わせが北野映画リスペクト感あって、ニヤリ。
なかなかに、しみじみとした気持ちになる良作。
川瀬陽太の演技もいいし、朝倉ことみがとてもきれいに撮られてる印象。
二人の俳優のすさまじい演技に拍手を。
タイトルが出る直前、ピアノの音とカモメが入ってくるタイミングが絶妙で、おおっ、となるが、その時点で、なんとも言えない空気は始まっている。
見ていてキツイ、やるせ>>続きを読む
名作『亡霊怪猫屋敷』と同年の作品。
もっと幽霊・亡霊に散々やられるかと想像していたが、軍事サスペンス色の方が強い。
中川信夫の怪談映画を、ただエンタメとしてのみ捉えることに終わらせたくない自分がいる>>続きを読む
ぶったまげた。すさまじい。
今後、テレビを見るとき、その印象がちょっと変わっちゃうなぁ、と思う。
圧倒的な映像美で映し出される台湾の自然と人の営み…に終始するかと思いきや、極めて「気候変動」や「人新世」的な側面を告発する映画。
「映像美」的な手法は、その痛ましい傷跡を生々しく俯瞰的に映し出し、ナ>>続きを読む
主演の二人が素晴らしい。
行平あい佳は魅力が抜群だし、萩田忠利も迫真と言っていい。
そして、それを捉えるキャメラがいい。
ちょっとした仕草や光の質感が、繊細に捉えられている。
(オープニングの、オリ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
厳しい言い方をするが、こういう映画を喜んで観れてしまえるメンタリティが、まったく分からない。
(若尾文子が綺麗って、それだったら増村保造の方がずっと綺麗に撮ってるだろうに)。
そんなんだから、この国の>>続きを読む