明石ですさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

名もなき生涯(2019年製作の映画)

4.6

第二次世界大戦下のオーストリアを舞台に、兵役を拒否すれば問答無用で死刑を求刑されるナチ政権下で、頑なに兵役を拒否し続けた名もなき農夫の話。カトリックの教会までもが「祖国への義務」として兵役を勧める中、>>続きを読む

オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

4.7

「人生で成し遂げた一番大切なことは、苦しみをあとから助けにできたこと。そして無条件に愛せたこと」

ナチ占領下のオランダで愛と食に飢えた灰色の少女時代を過ごし、バレリーナを目指してロンドンに渡るも、戦
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ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)

4.3

抑圧的な父と従順な母のもとで育った三兄弟の話。子供の頃と大人になって以降が交差して語られ、子供の頃の方がメインという、マリックの映画では珍しい視点。監督は若い頃に音楽修行中の弟を自殺で亡くしていて、そ>>続きを読む

シン・レッド・ライン(1998年製作の映画)

4.4

太平洋戦争の激戦地ガダルカナル島を舞台に、大自然のド真ん中での人の生き死にを儚い映像美で綴った美し過ぎる戦争映画。戦争を題材にした映画なのに、沼に沈み込むワニや、海辺で遊ぶ現地民を映したショットから始>>続きを読む

ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

4.3

お金も地位も色気も何もかも手にした男が、複数のとびきり魅力的な女性の間で揺れ動くマリック節全開のストーリー。でも主演のライアン・ゴズリングは私的にトップレベルで感情移入できない俳優さん、、ポーカーフェ>>続きを読む

歌え!ロレッタ愛のために(1980年製作の映画)

5.0

「山で生まれたら道は3つだ。炭鉱を掘るか、酒を売るか、山を降りるかだ」てなわけで山を降りて4児の母になり、歌手になった炭鉱夫の娘の伝記映画。

物語序盤は30歳にして13歳の女の子を演じたシンデレラ娘
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ボヤージュ・オブ・タイム(2016年製作の映画)

4.0

ゆったりしたカットでモンタージュ的に流れる雄大な自然の景色の中、恐竜から受精卵まで、文明から非文明まで、ありとあらゆる生命の芽生えを追体験する映画。映像で哲学し、時を旅するとはどういうことなのかと考え>>続きを読む

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

4.8

その映画を見た前と後では少しだけ映画の見方が変わってるような映画にたまに出会えて、そういうのは最高に幸せな経験だと思うのですが、本作はそのひとつでした。「自分で聴いて鳥肌が立つような音楽じゃなければ駄>>続きを読む

三人の女(1977年製作の映画)

5.0

老人介護施設で働く若い女性2人が同居を始めるも、ルームメイトとなったお相手がトンデモなく狂った人物であることが判明、何もかもを狂わせられるお話。

シェリー・デュバル(シャイニングのヒロイン)とシシー
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トゥ・ザ・ワンダー(2012年製作の映画)

4.5

パリからアメリカへ移住してきた、のにアメリカが死ぬほどイヤになり帰国する少女と母親、そして義理の父親となるはずだった男。愛と信仰の間で揺れるカトリックの神父に、暗い過去を苦しみながらも不器用な恋愛を重>>続きを読む

聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)

4.2

これは映画なのか哲学なのか、それを判断するには哲学を専攻してないと難しそう。少なくとも映像ではあった(困惑)。示唆的で思索的なひとつなぎの映像。

水の中のナイフ(1962年製作の映画)

4.2

金持ち夫婦がヒッチハイクで乗せた若者と一緒にヨットを楽しむワンシチュエーション寝取られ映画。のちに巨匠となったロマンポランスキーの長編デビュー作ですね。自分の凄さを見せつけたいがために若者をヨットに乗>>続きを読む

袋小路(1965年製作の映画)

4.3

風変わりな夫婦の暮らす古城に強盗が押し入り、我が物顔で城へ居座るも、同じ時間を過ごすうち、お互いに感情を寄せ合っていくお話。それぞれの事情で袋小路に追い込まれた変テコな4人組を取り巻く日常にスポットが>>続きを読む

恋のためらい/フランキーとジョニー(1991年製作の映画)

5.0

アルパチーノとミシェル・ファイファーの『スカーフェイス』コンビが紡ぐ大人のラブコメディ。一言でいえば、デニーロとジェーン・フォンダの『アイリスへの手紙』を豪華キャストの布陣そのまま横にずらしたような作>>続きを読む

キリング・フィールド(1984年製作の映画)

4.6

過去鑑賞。マイク・オールドフィールドの作曲した作中曲がとんでもなく恐ろしい出来栄えだっことを思い出す。あのなんとも言えないぶわんぶわんした感じの酩酊感ある曲調の中に、突然鈍器で頭を殴られるみたいな驚き>>続きを読む

クルージング(1980年製作の映画)

4.2

名匠フリードキンが、いつでも全盛期なアルパチーノを主演に迎え、過激なゲイ社会に潜入捜査する警察官を描いた1作。リアリズムタッチに徹した作風の中、散りばめられた謎解き要素や、鋭い視点でマイノリティ社会の>>続きを読む

セルビアン・フィルム(2010年製作の映画)

5.0

落ち目のポルノ男優が大金を積まれて参加した撮影がスタッフフィルムだったというお話。”セルビアの映画”なんてタイトル付けされた、とてもとてもよく出来た最低の映画笑。話の筋としては『ホステル』を超過激にし>>続きを読む

ウィッカーマン(2006年製作の映画)

3.5

文明を廃した超アーミッシュな暮らしを送る離島に連れてこられた警察官が、島の珍奇な風習に巻き込まれ〇されるお話。73年版ウィッカーマンのリメイク作品なのだけど、設定ごとごっそり変わっていて、舞台もアメリ>>続きを読む

吸血鬼(1967年製作の映画)

4.0

ロマンポランスキーが監督と主演を兼任し、キャリア初期に作った吸血鬼コメディ。原題は「恐れを知らぬ吸血鬼キラー:すみませんが、あなたの歯、私の首に刺さってますけど?」。笑。吸血鬼退治を生きがいとするアイ>>続きを読む

ほんとにあった!呪いのビデオ THE MOVIE2(2003年製作の映画)

5.0

安心安全シライシ印のほん呪THE MOVIE第2弾。

これは面白い!!ドキュメンタリーの部分に尺を当てすぎた上に、本丸であるはずの映像の恐怖感が薄すぎて不評を買いまくった前作から一転、投稿映像をスピ
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モンスター・パニック(1980年製作の映画)

4.1

B級映画の帝王ロジャー・コーマンが製作した、悪名高き超低級モンスターパニック映画。不漁に悩まされる寂れた港町で、野生のサケの大きさを2倍にして漁獲量を倍にしよう!という倫理丸投げの最高のアイデアを思い>>続きを読む

吸血鬼ドラキュラ(1958年製作の映画)

3.8

過去鑑賞。ハマーフィルムのドラキュラ映画。これを見た後にウィッカーマンを見るとあら不思議。

ラスト・ショー(1971年製作の映画)

4.2

少しエッチでメロウな青春ペーパームーン。『マイファニーレディ』と『ペーパームーン』のピーター・ボクダノヴィッチが初期に手がけた作品で、なおかつ有名俳優が若い頃のお姿で登場とのことで、「裸のプールパーテ>>続きを読む

エクソシスト3(1990年製作の映画)

4.0

初代の作風を丸無視して製作、歴史的駄作となってしまった『エクソシスト2』に激怒した原作者が、自らメガホンを取って手がけたエクソシストの正当な続編。前作よりさらに謎解き要素強めのシリアスな刑事ドラマにな>>続きを読む

サイコ4(1990年製作の映画)

4.0

Sキングお気に入りの映画監督ミック・ギャリスが手掛けた傑作TV映画と名高い1作。シリーズ4作目にして今さら何をビギニングするんだいと思って見たら、ノーマン自身が過去の殺人を語るという回顧形式のストーリ>>続きを読む

HATCHET/ハチェット(2006年製作の映画)

4.1

ブードゥーの沼地ツアー(名前からして最悪笑)に参加した観光客が、斧を持った巨漢の殺人鬼になぶり殺しにされる映画。沼地に棲まう人喰いワニと巨漢殺人鬼に挟み撃ちにされるという圧倒的B級な設定を、圧倒的にB>>続きを読む

心霊 ~パンデミック~ フェイズ4(2016年製作の映画)

3.8

パンデミックチームの前触れなしのメンバー変更に、長すぎる投稿映像、そしてワンパターンな見えすぎ幽霊と、本シリーズの三重苦は依然深刻ですが笑、4作目にきてだんだん面白くなってきてますね。廃墟となったラブ>>続きを読む

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

3.6

湖畔の別荘を訪れた一家を襲う悲劇。真っ白な服装のイカニモな青年2人組の訪問によって日常が一変する様を描き、理由のない暴力で観客を地獄に叩き落としたミヒャエル・ハネケ監督の代表作。こういう作風の映画がキ>>続きを読む

マスターズ・オブ・ホラー 恐1グランプリ 世界の終り/魔女の棲む館(2005年製作の映画)

4.3

魔女の棲む家に越してきた大学院生(ハーバートウエスト君ではない)に降りかかる悲劇。『死霊のしたたり』のスチュアートゴードンが手掛けたHPラヴクラフトの『魔女の棲む家』の映像化作品。カーペンターとゴード>>続きを読む

ほんとにあった!呪いのビデオ THE MOVIE(2003年製作の映画)

2.8

投稿者から送られてきた不可解な映像を検証する過程を収めたドキュメンタリーの記念すべき映画化第1弾。

『呪いのビデオ2』を投稿者に次々と災いが降りかかったとのことで、製作スタッフが調査に向かう、という
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ペンデュラム/悪魔のふりこ(1991年製作の映画)

4.5

狂信的な神父に「魔女」と認定され、異端審問という名の拷問にかけられる不運な女性の話。エドガー・アラン・ポーの有名な小説『落とし穴と振り子』をスチュアート・ゴードンが映画化した作品。脚本はデビュー以来の>>続きを読む

4人の食卓(2003年製作の映画)

1.4

無理心中の犠牲となり、電車の中で向かい合って座らされ眠るように死んだ2人の子供を見てしまった男に降りかかる悲劇。人間のダークサイドに焦点を当て、鑑賞後にはぐったりと鬱な気分にさせられる映画は大好きなの>>続きを読む

スティーヴン・キング 痩せゆく男(1996年製作の映画)

5.0

不正を働いたおデブさんな弁護士がジプシーの黒魔術にかけられ、日に日に痩せてゆき、ダイエット成功!思ったら悪夢だったという最高に楽しいホラー映画。リチャード・マシスンの『縮みゆく男』に触発されてスティー>>続きを読む