柏エシディシさんの映画レビュー・感想・評価

柏エシディシ

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ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.0

モダンオペラ作曲家のスティーヴンはスランプに苦しんでいた。
極度の潔癖症の妻とは表面上は上手くやっているものの、どこかチグハグ。
そんな折、飼い犬の導くままに転がり込んだバーでの女船長との"出会い"が
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.0

4K修復版にて。
とにかく陰影と絶妙な色彩が際立つ作品なだけに、今回のリマスターの見事さ、功績は並外れている。
映画芸術のある種の頂点にある傑作。
普通の映画であれば数回、印象的なショットがあるだけで
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.0

個人的には「ミナリ」や「フェアウェル」などA24が手掛ける所謂アジア的感性に寄った映画作品とは相性は良くない。
意地悪な見方かもしれないけれど、欧米人からしたら、もしかしたら新鮮な視点かもしれないけれ
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オリオンと暗闇(2024年製作の映画)

2.0

チャーリー・カフマン脚本と聞き及び、チェック。
設定からして「モンスターズインク」や「インサイドヘッド」などのピクサーアニメ的。
少しばかり既視感のあるお話の導入にかえって、カフマンだからどこかでひっ
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ヴェルクマイスター・ハーモニー(2000年製作の映画)

3.0

4Kリマスター版を。
うぅ…難しい…!しかし、何か凄い!
という頭の悪い感想しか出てこないのが本当に申し訳ないのだけれど、Filmarksを覗いても、大方似たような内容が並んでいるので安心した。
全編
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π(1997年製作の映画)

3.0

A24によるデジタルリマスター版を劇場にて。
大学で専攻していた西洋哲学の講師がユダヤ教やカバラ専門の方で本作にも言及していて、確かその前後に本作を初鑑賞したと記憶している。
都内にあるシナゴーグやモ
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

2.0

息子クローネンバーグの新作。
それなりに楽しんで観たものの、鑑賞後はなんとも物足りなさも残り、前監督作「ポゼッサー」の自分のFilmarks感想を確認してみたら……殆ど本作の印象そのまま当てハマってし
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フローレス(1999年製作の映画)

3.0

アマプラに流れてきて、お、懐かしい。ってなって見てしまった。ジョエル・シューマカーっぺえ!この感じ。90年代の空気感。たまらん。

それまでも端役で印象的な役柄の多かったフィリップ・シーモア・ホフマン
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こいつで、今夜もイート・イット アル・ヤンコビック物語(2022年製作の映画)

3.0

なんと!ダニエル"ハリー・ポッター"ラドクリフが、あのアル・ヤンコビックを演じた「伝記」映画。
製作のニュースが出てから密かに楽しみにしていたのだけれど、WOWOWで日本初放送。まぁー観られるだけあり
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クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

3.0

タランティーノのフィルモグラフィーを順に並べた無難なドキュメンタリー。
関係者、出演者のダイアローグ中心で、DVD特典の域を出ない。
マイケル・マドセンやクリスフ・ヴァルツの談話など楽しく観れるけれど
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

「夢と成功」の国アメリカの悲劇。
"鉄の爪"という呪いに掴まれ逃れられなくなってしまったのは彼ら自身であったのか。
ボクシングという競技が、その競技性ゆえに優れたドラマ映画を多数産み出す様に、華々しい
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史上最高のカンパイ!〜戦地にビールを届けた男〜(2022年製作の映画)

2.0

実話!?
ベトナム戦争時、戦地に赴いた地元の仲間を励ますためにビールを届ける男にザック・エフロン。
そんな訳あるか!とばかりに都合良く展開していくため、戦争の呵責無さが薄まってしまうきらいはあるけれど
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ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

3.0

パトリック・スウェッジ主演の1989年アクション映画のリメイク。
バキバキに仕上がっているジェイク・ギレンホール。
そしてクレイジーなライバルキャラに、なんと元UFCチャンプのコナー・マクレガー。
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宋家の三姉妹(1997年製作の映画)

3.0

激動の中国近現代史を女性の視点で捉え直した伝記映画。
それぞれ資産家、革命家、軍人へと嫁ぎ、国の行く末を左右した三姉妹。
幼少期より父親の教育方針の元、国際的な感性を育まれたであろう三姉妹が、男たちよ
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チャイニーズ・ウォリアーズ(1987年製作の映画)

3.0

なかなかのハードアクションで楽しませくれた「皇家戦士」の監督デヴィッド・チャンとミシェル・ヨーの再タッグ。
こちらもすべり気味のギャグはともかく、アクションも爆破も景気の良い、なかなかの力作。
モデル
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

さっき、観てきました。朝イチIMAXで。
思っていた以上に"大きな"映画だった。
何もgdcsのデカいスクリーンを前から4列目で浴びる様に鑑賞したから、という事に限らず。
オッペンハイマーという人物の
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俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー(2024年製作の映画)

3.0

いたずらや失敗をなすりつける都合の良い"架空のマブダチ"リッキー・スタニッキーをでっち上げた悪友トリオ。
いい歳しても折りを見てリッキーの存在を利用していたのだが、遂にリッキーの実在を証明しなければな
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

5.0

浜辺に打ち捨てられた一台のピアノ。
波打ち際で踊る少女。
雨の中、翼をもぎ取られた黒い天使の様に泥の上に座り込む女。
寓話めいた美しいカットと一聴すれば、永遠に心に刻まれる「楽しみを希う心」の調べ。
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猫とピットブル/キットブル(2019年製作の映画)

4.0

アカデミー賞短編アニメーション部門にもノミネートされ、発表当時Twitterでも話題になっていて、鑑賞済み。
今回、「私ときどきレッサーパンダ」の日本公式劇場公開で併映、大きなスクリーンで再見。
また
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.0

異邦人ヴェンダースの憧憬というフィルターを通して見る"美しい国、日本"を、正直、私の様な人間は意地悪く思ってしまうが、思っていたより良かった。
今時分に"清貧"を謳う様な映画に、どうにも胡散臭いものを
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ワンダとダイヤと優しい奴ら(1988年製作の映画)

3.0

モンティ・パイソン組のジョン・クリーズによるロマンティッククライムコメディ。
良い意味でも悪い意味でも80年代っぽい映画。
本作でアカデミー助演受賞のケビン・クラインをはじめ主演4人の丁々発止は楽しい
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ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ディア・イングランド」(2024年製作の映画)

4.0

サッカーイングランド代表監督ガレス・サウスゲートと代表チームを主人公とした舞台劇というのが先ずは驚き。
現役の選手たちも実名で登場。
サウスゲートに「恋におちたシェイクスピア」のジョセフ・ファインズ。
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皇家戦士(1986年製作の映画)

3.0

ミシェル・ヨー祭、地味に継続中。
若きミシェル・ヨーと真田広之が共演したハードアクション。冒頭は日本ロケではじまる。時代を感じるぅ。
香港アクション全盛期の作品なだけに危険なスタントや爆破もてんこ盛り
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ワンダーガールズ東方三侠2(1993年製作の映画)

2.0

ぷちミシェル・ヨー祭。
ずっと観たかった東方三俠の続編。
ワンダーガールズの活躍で平和が
訪れたと思った香港(?)だが、核戦争で法秩序が崩壊。
水の利権を巡り暗躍する組織にワンダーガールズが立ち向かう
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オーディション(2000年製作の映画)

4.0

好きなんだけど、怖すぎてあんまり観ないヤツ。
アマプラで見つけちゃったのでなんと無しに観た。……やっぱ、こぇー。
海外では「リング」と並んで日本のホラーamazing!を決定づけた名作として名高い一本
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.0

先行上映ではタイミングが合わず敢えてスルーして、正式公開初日の朝1番に行ってきた。
それぐらい池袋gdcsのIMAXフルスクリーン以外の鑑賞という選択肢はあり得なかった。
part2も画面設計が1.4
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ウェイン・ショーター 無重力の世界(2023年製作の映画)

4.0

2023年"未知の領域に旅立った"ジャズレジェンド、ウェイン・ショーターのドキュメンタリー。
製作にブラッド・ピットのPLAN B。合計180分ほどのボリュームでショーターの生い立ちからキャリア全体ま
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オスカー・ピーターソン/オスカー・ピーターソン:ジャズ界の革命児(2020年製作の映画)

3.0

"鍵盤の皇帝"オスカー・ピーターソンの伝記ドキュメンタリー。
同時期のジャズレジェンドの中でも、比較的、幸福で長い安定したキャリアを積んだオスカー・ピーターソンの歩みは、ある意味波瀾万丈なドラマティッ
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ストリートダンサー(2020年製作の映画)

3.0

まずは冒頭のタイトルコールでオマエ「3」なのかい!と驚き、エンドロールでは割とマジメな実録ドキュメンタリーな締めに、そんな映画だったかな…ってなるw
インド映画も随分慣れてきたつもりだったけれど、まだ
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

3.0

「落下の解剖学」のザンドラ・ヒュラーが凄かったので、こちらも観たくなり。
仕事一辺倒の娘を案じた変わり者の父親が、迷惑顧みず娘の出張先に現れ大騒動(というには地味な嫌がらせ)を巻き起こすハートウォーミ
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.0

あの「カラーパープル」とミュージカル?
舞台版の存在を聞いた時から、それって水と油じゃない?あの凄惨なお話と全てを陽性のトーンに塗り替えるミュージカルとの相性を訝しがっていたのだが、結論、スピルバーグ
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

2.0

うーん………
ただでさえ荒唐無稽なスパイ映画のクリシェを、敢えて過剰に振り切らせたハイパースパイ映画「キングスマン」
更にそれに輪をかけた様なバカ映画の本作。
キングスマンは楽しめて、本作が楽しめなか
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.0

デレク・ツァンの秀作「ソウルメイト」の韓国版リメイク。
オリジナルに大筋は忠実、且つオリジナルの改編も気の利いてる、結論、良いリメイク。
全体の印象として、同じ年齢を演じているも、やや大人っぽくオンナ
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群山:鵞鳥を咏う(2018年製作の映画)

3.0

福岡三部作の中で未見であった一本。
「福岡」「柳川」も決して判り易い作品ではなかったが、今回は輪にかけてハイコンテクストで、他の2作の様にのめり込むのが正直難しかった。
日本統治の負の歴史、中国と韓国
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.0

4K版にて。
最高ですね。問答無用の傑作。
"女性の映画"隆盛の近年においてその存在感が改めて大きくなってきていたテルマ&ルイーズ。
このタイミングでのリバイバルの必然。
そのテーマの先進性と今なお色
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.0

才能はありながらなかなか世間に受け入れられない純文学作家セロニアス"モンク"エリソン。
エージェントからは「君の作品は黒人っぽくないから」などと言われてしまう始末。
やむない事情により、ステレオタイプ
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