スルガさんの映画レビュー・感想・評価

スルガ

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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.9

呪われた一家。

プロレス一家に生まれた兄弟の葛藤を描く。

プロレスに焦点した映画と思いきや家族に焦点を当てた人間ドラマだった。兄弟に襲いかかる数々の悲劇が実話だということに終始驚かされた。ザック・
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.5

罪を償うのは誰?

孤島に位置するリゾート地に訪れた作家のジェームズと妻エムは、小説のファンとの名乗る女ガビとその夫と関わるようになるが…

父デヴィッド・クローネンバーグに負けず劣らず変態的だった。
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悪魔を見た(2010年製作の映画)

4.3

復讐鬼VS変態殺人鬼。

婚約して間もない恋人を殺されたスヒョンは、殺人鬼を追い回すように復讐していく。

容赦のないバイオレンスで最高だった。普通だったらすぐに終わるストーリーを痛みを与え続け、簡単
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貴公子(2023年製作の映画)

3.9

友達だよ。

賭けボクシングで金を稼ぐマルコは、行方知らずの父親を知る男が現れ、韓国へ向かう。そこに友達と名乗る男にも付きまとわれてしまい…

韓国ノワールと思いきや超ゆるいアクションコメディ。付きま
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.6

危険な旅。

1人の牧師はアイスランドに教会を建てようとする。

テーマがベルイマンを彷彿とさせる。大自然の映像は美しく撮られていた。前半は目的地までロードムービーのように描き、後半は国民と牧師が触れ
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.5

パプリカチキンが食べたい!

娘のためにパプリカチキンを作ろうとニワトリを盗んでから起こるドタバタ劇。

序盤は良かったが、ストーリーが段々荒削り強引に感じた。しかし、アニメーションは素晴らしいのでそ
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狙撃者(1952年製作の映画)

3.8

俺を捕まえてくれ。

憎悪に満ち溢れた男エドワードは、殺人衝動を抑えきれず女性ばかりを狙撃する。

人間の善悪を生み出したのは人間である。警察の無能っぷりや国民を煽る報道などが描かれていた。ラストカッ
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荒野の用心棒(1964年製作の映画)

4.1

心臓を狙え。

小さな町に着いた流れ者のガンマンは二大勢力による諍いを利用し金儲けを企む。

黒澤明の『用心棒』を無断でリメイクした作品であり、ストーリーは舞台が西部劇以外ほとんど変わらないが、かなり
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

我々は破壊した。

「原爆の父」と呼ばれた男、ロバート・オッペンハイマーの生涯を描く。

エキスポのIMAXで鑑賞。凄まじい映画体験。政治情勢や量子力学、登場人物の多さで複雑に感じるのもさることながら
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夕陽のギャングたち(1971年製作の映画)

4.0

革命運動。

山賊の男ファンは爆弾魔のジョンと銀行強盗する計画を企てるが…

愉快な西部劇と思っていたら、後半から切ない男泣き映画った。派手な爆破だけでなく、男の友情や家族想いの部分も繊細に描かれてい
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ゲッティング・イーブン(1994年製作の映画)

3.9

コインか?息子か?

前科持ちの父親に会いに来た息子は、父親が強盗したコインを隠し遊んでもらう計画を立てるが…

父と息子の愛を修復していくホームコメディ。無茶苦茶なストーリーだけどキャラクターの行動
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終身犯(1962年製作の映画)

4.2

長年の善意。

終身刑になった男ストラウドは、1羽のスズメの雛を飼ったことで大きく変わっていく。

タイトルに堅苦しさはあるが、エンタメとして面白い作品だった。すぐにキレて暴力的になる男が善意を持ち、
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海の沈黙(1947年製作の映画)

3.6

沈黙を貫く。

ドイツ占領下のフランスを舞台に、老人とその姪の家にドイツ兵が寄宿し、沈黙し抵抗し続ける様子を描く。

沈黙が続く映画なのに、会話が多い不思議な映画だった。ドイツ兵の口から語られることが
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銃殺(1964年製作の映画)

3.7

命は軽い。

1人の脱走兵を有罪か無罪かを議論していく。

主人公の虚しい現状を映していくのは儚く切ない。ラストカットもなんとも言えなくなる。

周遊する蒸気船(1935年製作の映画)

3.8

船でレース。

船長のドクは甥っ子のデュークが正当防衛で捕まり絞首刑になるのを防ぐために奮闘する。

甥っ子を救うストーリーと思って観ているのに終盤の展開がむちゃくちゃで笑った。終わりよければすべてよ
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夏の夜は三たび微笑む(1955年製作の映画)

3.8

真剣な恋愛。

弁護士のエーゲルマンは後妻のアンと先妻の息子ヘンリックと過ごす中、エーゲルマンはかつての愛人デジレに未練を抱いたのだが…

ベルイマンが描くラブコメ。エーゲルマンを筆頭に登場人物が恋愛
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夏の遊び(1951年製作の映画)

4.1

神を憎む。

バレリーナのマリーは、元恋人の日記が届き、過去を振り返る。

ベルイマンが描く瑞々しい青春映画。『野いちご』のように観やすい部類に入る作品。

青春映画に留まらず、過去の出来事に壁を作っ
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ベルイマン監督の 恥(1966年製作の映画)

4.1

有るまじき醜態。

戦争真っ只中、人里離れた所に住む一組の夫婦に戦争の恐ろしさを目の当たりする。

派手な戦闘もない恐ろしい戦争映画。『狼の時刻』に引き続き、ベルイマンが戦争による人格崩壊を描く。タイ
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π〈パイ〉 デジタルリマスター(1998年製作の映画)

3.6

数字に囚われた男の行く末。

数学者のマックスは、とある数字の謎を解き明かそうとする。

ダーレン・アロノフスキー長編デビュー作。

まあ常人には理解できない内容であり、終始狂っていた。主人公の男と同
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アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

3.9

とことんすれ違う。

平社員のバクスターは昇進するために何人もの上司に自分のアパート貸していた。そんなバクスターは密かにエレベーターガールのキューブリックに恋をするが、部長の恋人だったことを知り…
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.4

平和を望む。

司令官は突然、ソ連に向けて核攻撃を指示。だがソ連は人類滅亡兵器で反撃しようとしていた…

大きい円卓での会話劇。ピーター・セラーズが1人3役演じているのも印象的。政府のやる気のなさや人
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ミニオンの月世界(2024年製作の映画)

3.5

さあ脱出。

月から脱出しようとするベクター。

ベクターを演じる山ちゃんがひたすらはしゃぎまくっている。

FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

3.8

遂に空へと羽ばたかせる。

渡り鳥なのに空を飛んだことがないカモ家族。ジャマイカに向けて動き出したカモ家族だったが…

興奮するシーンはそんなになかったが、家族の描き方や見せ場の作り方は巧妙だった。ま
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アルジェの戦い(1966年製作の映画)

3.8

終わりの見えない諍い。

フランスが植民地とするアルジェリアで起こる抗争を描く。

直接的な残酷描写はないが重く恐ろしい。終盤にかけてのデモのシーンは凄まじかった。

メトロポリス(1927年製作の映画)

3.9

手をつなごう。

地下の労働者はマリアが説く調停者を望んでいた。そんなマリアが誘拐され、アンドロイドのマリアを生み出したことにより暴動が起こってしまう。

搾取する者、される者を映した物語にSF要素も
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デリンジャー(1973年製作の映画)

4.0

犯罪王ジョン・デリンジャー。

銀行強盗とFBIの攻防を描く。

面白い。テンポよく物語が進み、派手な銃撃戦も多かった。終盤でデリンジャー一味が蜂の巣にされるシーンは凄惨だった。

チェイサー(2008年製作の映画)

4.1

暴力でしか抑えられない。

元刑事で現在は風俗の元締めとして務めるジュンホはデリヘル嬢が相次いで失踪していくことに疑問を抱く。そこには共通して1人の男が関わっていることを知り…

ナ・ホンジン長編デビ
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恐怖と欲望(1953年製作の映画)

3.6

魔法使い万歳!

森に墜落した4人の兵士は、脱出しようと奮闘する。

スタンリー・キューブリック長編デビュー作。

色々な思いを胸に奮闘する兵士たちを映し出している。戦争の恐ろしさより、窮地に陥った人
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ローマの休日(1953年製作の映画)

4.0

まだ観ていなかった作品。

親善旅行中に嫌気をさし、ローマの街へ飛び出したアン王女は、アメリカの新聞記者ジョーと出会い、交流していく。

恋愛映画はあまり観ないが良かった。恋愛よりコメディの方がかなり
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

3.9

200ドルまだ返してもらってない。

母親を亡くした9歳の娘アディは、母の友達と名乗る男モーゼと共に親戚の住むミズーリ州に向かおうとするが…

ライアン・オニールとテイタム・オニールが本当の親子で演じ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

香料を制する者は全てを制す。

アトレイデス家を壊滅させられ、復讐を誓う若き王子ポールは先住民フレメンと共に戦う。

前作を凌駕する映像体験。IMAX GTレーザーで鑑賞したことで大迫力だった。ただ、
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.0

表裏一体。

幸せだったはずの家庭がすぐさま消えた。

話はシリアスで重いストーリーと思って観ていたら、進むに連れ意外な方向へ行って驚いた。人間は白と黒の二面性があってこそ成立している。妙子の元夫であ
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ザ・フォッグ(1980年製作の映画)

3.4

謎の霧。

街に覆う謎の霧とともに起こる殺人の行方は。

テンポがかなり悪くそんなに面白くはなかったが、霧のビジュアルは後半からの展開は楽しめたし、情報伝達がラジオなのも斬新。

ヒドゥン(1987年製作の映画)

4.0

奴らを追え。

人間に乗っ取り、次々と宿主を変えるエイリアンを2人の刑事が追う。

面白い。SFと刑事ドラマを掛け合わせた本作。冒頭から迫力のカーチェスがあったり、何十発撃っても死なないエイリアンとの
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戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

3.8

市民の反乱。

1905年に起こった戦艦ポチョムキンの反乱を描く。

ウジ虫がついた肉によって大きく物語が動く。水兵が反旗を翻し、市民もそれに奮起し希望を持たせるが、絶望への階段に突き落とす大虐殺が容
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カリガリ博士(1920年製作の映画)

4.0

カリガリ論。

とある町のカーニバルに現れたカリガリ博士。夢遊病のチェザーレを使った見せ物をしたことから次々と殺人事件が起き…

面白い!
出だしから難しいストーリーと思いきや恐ろしいサイコスリラーと
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