通りすがりのアランスミシーさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)

4.6

熱い、熱すぎる。
単にロッキーとアドニスの擬似親子関係を絡めたスポ根ものとして観ても1本の映画として素晴らしいが、特にロッキー2−4を鑑賞してから観ると涙が止まらなくなる。
『ロッキー』シリーズの超ハ
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.6

致命的な航空事故に遭遇しながら冷静な判断力で危機を脱したユナイテッド航空パイロットの実話。
ベタな作りだが熟しきった大人のドラマ。
クリント・イーストウッドの演出は映画学校で教わる内容をそのまま実践し
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.8

一言で言うなら現代版の『仁義なき戦い』。
2019年の日本アカデミー賞は予想通りに『万引き家族』が主要部門ほぼ独占したが本作は男優賞を獲得。
という結果は置いておいて日本映画でも『万引き家族』のような
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.6

ヨーロッパの国で映画産業の規模はそのまま国の規模に比例する。
つまり、ドイツ、フランス、イギリスが特に映画産業の規模が大きい。
そしてそれぞれの国には国ごとにカラーがある。
イギリス映画はアメリカ映画
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或る夜の出来事(1934年製作の映画)

4.0

スクリューボールコメディの原型を作った作品。
王道中の王道を行く素晴らしい脚本で、脚本の勉強をするならぜひ見てほしい。
演出は保守的ないかにもクラシック映画らしいが、脚本の出来だけで十分に楽しめる。

エクソシスト(1973年製作の映画)

4.8

オカルトホラーというジャンルを定義づけてしまった映画史に残る傑作。
後発の「オーメン」と共にその影響は計り知れない。
ホラーであると同時に、心に傷を負った神父の贖罪のドラマで悪魔と戦うサスペンス。
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.5

子供向けアニメながら大人が見ても楽しめるということから口コミで公開館を増やしてロングラン上映となった文科省推薦映画。
事故で両親を亡くしたにも関わらず祖母の営む旅館で跡取りの若おかみとして懸命に頑張る
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砂の器(1974年製作の映画)

4.8

監督・野村芳太郎、脚本・橋本忍、原作・松本清張というゴールデントリオの最高傑作。
字幕による情報処理の巧みな脚本、大胆なズーミングと移動撮影を使ったダイナミックな演出、歯切れのいい編集。
当時の日本映
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トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

5.0

シリーズものの3本目という微妙なポジションながら、シリーズ最高傑作と言ってもいい奇跡的な一本。
基本は子供向けではあるものの、子供の読解力でも理解できる内容なのに大人のハートにも突き刺さる理想的な物語
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

4.7

クレヨンしんちゃんの映画版でありながら単独でも楽しめ、子供の理解力でも理解でき、大人のハートにも突き刺さる最高の一本。
原恵一監督がシリーズを離れて以降、クレヨンしんちゃんは退屈な子供だましに落ちてし
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映画ドラえもん のび太の宝島(2018年製作の映画)

3.9

十年ぶりくらいに観た劇場版ドラえもん。
昔は好きだったが段々と子供騙し感が強くなってきて敬遠していたのだが
久しぶりに観て良かった。
本作はどストレートに「いつだって未来は子供達が切り開いて行くものな
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

4.9

MCUも世界観が広がりすぎて一見さんお断りになっているのが唯一の難点。それを除けば非の打ち所がない。
前作エンドのサノスの指パッチンの影響で後半まで登場人物が絞られているが、そのことでキャラクター一人
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.8

正統派ドラマの傑作。
事故物件が多いスティーヴン・キング原作では珍しいほどの成功例で、モダンホラーの帝王には珍しい非ホラー作品。
概ね原作に忠実だが、映像映えしない枝葉のエピソードはカットし、抜けた部
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少女邂逅(2017年製作の映画)

1.0

ちょっと私には受け入れがたいタイプの映画。
超絶劣化版の岩井俊二としか形容のしようがない。
リストカット、いじめ、近親相姦とショッキング要素だけは盛り沢山なのに1つとして本気で描かれていない。
インデ
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.3

映画化作品があまりにも多すぎて事故物件の数も多い、モダンホラーの帝王スティーヴン・キングの珍しい非ホラー作品が原作。
手堅い脚本、手堅い演出で作られたいい意味で安定感のある映画。
ジュブナイル物のお手
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.1

『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』を抜き去って
2018年日本の実写興行収入1位を獲得した音楽映画。

ちょっとぎこちない脚本を音楽の力が大きく押し上げる、正しい意味での音楽映画で、脚本の
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パシフィック・リム(2013年製作の映画)

4.5

「パンズラビリンス」「シェイプオブウォーター」など真面目な映画を作る一方で「ヘルボーイ」のようなエンターテイメントまっしぐらな映画も撮っているギレルモ・デル・トロ。
デル・トロがエンターテインメントま
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.9

アカデミー賞の作品賞監督賞。
ひたすら異形のキャラクターを扱ってきたギレルモ・デル・トロの作風と
ポリティカルコレクトネスを年々重視するようになってきたアカデミー賞の傾向が合致。
異形の生物と聾唖の女
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1人のダンス(2018年製作の映画)

2.0

映画である必要が無い、というかフィクションである必要が無い私小説のような作品。
友人と喧嘩しに行くという極めて個人的なストーリーを半径5メートル以内の世界で展開させており世界観の広がりは全く無い。
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

4.0

全く救いのない人の悪意を凝縮させたような特異な作風で知られる押切蓮介作コミックの実写化。
人の精神を狂わせる閉鎖的なド田舎でいじめの標的にされた少女が
ある一件をきっかけに逆に加害者への変わっていく残
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ゆきおんなの夏(2016年製作の映画)

1.2

なんというか特筆して言うべき言葉が特に見当たらない作品。
雪女というファンタジー要素があるのに話はバイト先のカフェと自宅アパートと行きつけの飲み屋だけで完結、「これファンタジー要素いる?」と思ってしま
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学校の怪談(1995年製作の映画)

4.1

ホラー映画と見せかけた少年少女のジュブナイル映画。
恐怖はオマケであり、少年少女が危機から脱出する冒険的要素がメイン。
脚本の奥寺佐渡子氏が「サマーウォーズ」の脚本で知られる人物だと言えばお分かりいた
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U・ボート(1981年製作の映画)

4.8

潜水艦映画というピンポイントジャンルに於いて頂点を極めてしまった映画。
潜水艦という密室を舞台にしたことで、逃げ場のない閉所で起きるサスペンスを極めるようなシチュエーションを完成させている。
タイトな
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ドライヴ(2011年製作の映画)

4.8

闇の世界のプロが小ヤバイ事態に巻き込まれるという手垢の付きまっくた内容なのに驚くほど斬新な映画。
タイトル通り主人公は凄腕のドライバー。

カーチェイスシーンが見ものだが、王道的な猛スピードで鍔迫り合
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.1

いい年した大人が女子高生好きなのはロリコンなのか?
意見は人それぞれであるが、確かなのは女子高生は社会的にまだ子供であり大人として取るべきふさわしい態度があるということだ。
本作で二回りも年の離れた高
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.8

全編の大半がカーチェイスというビックリするぐらい無内容(誉め言葉)な映画なのにアーティスティックさすら感じさせる傑作。
SFアクションは「ターミネーター2」と本作がある種の頂点を極めてしまった感すらあ
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容疑者Xの献身(2008年製作の映画)

4.1

テレビシリーズの映画版でありながらそれ単体で楽しめる、映画である必要性を感じさせる企画。

監督の西谷氏はフジテレビで演出をしているテレビの人だが予算に負けないダイナミックな演出をしており「映画館で見
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劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-(2018年製作の映画)

1.9

映画である必要がない。
TVドラマのスペシャル版をそのまま劇場で流しましたという趣の作品。
構成もまんまTVドラマで、関連性がほぼ皆無の複数の話がなんの脈絡もなく複数続けて流れるだけ。
予算をTV版に
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.6

ワイオミングのド田舎の雪原で少女の死体が発見されたのをきっかけに
ネイティブ・アメリカンの村社会の闇が暴かれる。
捜査に来たFBIの捜査官と案内役ジェレミー・レナーのバディものアクションサスペンスと思
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サーチン・フォー・マイ・フューチャー(2016年製作の映画)

3.8

究極の自分探し映画といってもいいモキュメンタリー形式映画。

インディーズ映画は昔から自分探しする映画がやけに多く
またその大半が拷問に使えるレベルで退屈なのだが、同じ自分探し系でも
見せ方や突き詰め
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

5.0

ゴジラが現れ、行政・市井が力を合わせて問題に立ち向かうというモンスター映画と見せかけたディザスター映画。

アニメ畑の庵野秀明が監督だが、岡本喜八のように歯切れよく、野村芳太郎のようにダイナミックに動
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ブレイブハート(1995年製作の映画)

4.0

実在の英雄ウィリアム・ウォレスを主人公にしながら正しいスコットランドの歴史をまったく学べない歴史劇風フィクション。

抑圧→反逆→玉砕→味方の奮起という限りなく一本調子な脚本で、この内容で177分は長
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たまこラブストーリー(2014年製作の映画)

4.7

テレビアニメ『たまこまーけっと』の続編なのだがテレビシリーズ全く知らなくてもこれ単体で見ても成立するというのがまず素晴らしい。

内容はずっと好きだった女の子に男の子が告白して、最後になって思いが通じ
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.8

テレビアニメ『響け! ユーフォニアム』の続編でありスピンオフ作品。
深夜アニメの続編映画という位置づけにも関わらず、テレビシリーズ全く知らなくてもついていけるこれ単体で見ても成立するというのがまず素晴
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スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

4.0

超高品質なスターウォーズの同人映画でありながら公式な続編というとてもおいしい映画。
登場人物の設定がオリジナルシリーズのリフレインでありエイブラムスの映画オタク・映画愛が爆発している。
映画版「スター
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.5

「男女の壁」という限りなく普遍的なテーマを扱いながら、それをさらりと語ってしまう凄い作品。

セリフの量は控えめで、さりげないしぐさや描写を積み重ねる語り口なので集中力を求められるが鑑賞後に心地よい疲
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