Yuuさんの映画レビュー・感想・評価

Yuu

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マイ・ボディガード(2004年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

警察も噛んだ組織誘拐ビジネスが横行するメキシコで、少女ピタのボディーガードとして雇われた男は元CIA工作員のクリーシー。

過去の任務がもたらすトラウマで酒浸りの彼は人との関わりを拒絶していたが、聡明
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.5

性の自認が正転していく中で、自分の肉体から男性を排除したいという気持ちが強くなるリリーの感情は当たり前のことなのかもしれないけれど、愛する夫がみるみるうちに夫ではなくなる苦しみと戸惑いで揺らぐゲルダに>>続きを読む

さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

3.8

モラトリアムな主人公が父の不倫をきっかけに、風変わりな隣人と出会い、大人はみんな社会的に求められる役割をこなす裏側で自分自身の欲望を飼いならしながら生きていることに気づくはなし。

モラル意識の強い人
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.4

VHSを見ているような淡い懐かしさと、90年代のざらつきに引き込まれる作品。


10代ってイケてるかイケてないかが全てだったし、禁止されることほどキラキラ輝いて見えた。

親が咎める悪事も、大人にな
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トップガン(1986年製作の映画)

3.7

単純なストーリーと、繰り返し流れるアイコニックな音楽。

80年代らしいシンプルな組み合わせの中で、トムクルーズの圧倒的な存在感が際立っている。


序盤の空中戦とタッチアンドゴーで、心を鷲掴みにされ
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.4

実話ベースの映画は、大抵キャストが元ネタより美化されていてげんなりするが、この作品に限っては実話の青年が本当に美少年すぎて驚いた。

ストーリー自体はとてもあっさりしている。
淡々とした進み具合に、サ
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女は女である(1961年製作の映画)

3.5

キッチュな色使いと音楽で描く、女と男のステレオタイプが生み出す痴話喧嘩。

心と態度が裏腹になってしまったりするあたり、恋愛は時代や国を問わず似たり寄ったりなんだなと微笑ましくなる。

音楽のぶつ切り
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いつでも夢を(1963年製作の映画)

3.4

橋幸夫さんの柔らかい歌声と男気溢れる演技のギャップが印象的。

道路交通法どうなってるんだ、、と思うようなシーンがあって、高度経済成長の凄まじさや、60年という歳月の偉大さを感じた。

定時制というレ
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月曜日のユカ(1964年製作の映画)

4.0

随分あけすけなストーリーなのに、いかがわしさを纏いも感じさせない加賀まりこさんの愛くるしさが大優勝な作品。

この時代の映画は日本語が綺麗で耳触りがいい。

今よりも技術や道具は未発達なはずなのに、無
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ジャコメッティ 最後の肖像(2017年製作の映画)

3.7

青緑を強調したような暗めのグレーディングが好みだった。

少しカメラの動きが過多な気もするけれど、アート映画だけあって映像が終始おしゃれ。


朽ちたアトリエに漂うパリの香りや、路地使いが旅行欲を掻き
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ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

4.5

もしも女の子の親になることがあったら一緖に見たい映画ぶっちぎりの1位。

現実はこんなに上手くいかないとかストーリーが強引とか、そんなことはどうでもよくて、こういう理想を詰め込んだような作品を素直に楽
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半落ち(2003年製作の映画)

3.8

圧倒の布陣で、ラストまで演技への違和感はゼロ。

精神の制御が効かない状態で生き続けることが正義なのか、答えなど誰も下せないはずなのに、考えを巡らせずにはいられなくなる。

原作と趣向が違うので賛否は
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やわらかい生活(2005年製作の映画)

3.2

主人公の実在しそうな荒廃ぶりに、寺島しのぶさんの演技力を感じる作品。

せっかく少し状況が良くなりかけたのに、なんでみんないなくなっちゃうのって、見ているこっちが思ってしまう。

マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.4

歌が下手なことに気づいていないソプラノ歌手の老婦人を甲斐甲斐しくお世話し、傷付けないよう守り、夢を叶えてあげ続けるご主人。

裸の王様状態のフローレンスに共感性羞恥が働き、途中居た堪れなくなるけれど、
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マリアンヌ(2016年製作の映画)

3.2

第二次大戦中のカナダ軍を描いた、夫婦間二重スパイもの。

ベタな展開、予想通りの結末だが、妙に映像が残っている作品。

ミケランジェロ・プロジェクト(2013年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ヒトラーは美術学校に2度落ちていたが、美術への執着がとても強く、すべての美術品を世界中から集めようとしていた。
それを知ったアメリカ軍は戦争下で、ヒトラーや戦争から各国の美術品を守り、残そうと奮闘する
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.9

午後ローで見た知人に勧められて鑑賞。

苦手なドンパチなので話のタネと思って見始めたら、これが意外と面白い。

好みの主人公一強完全無双モノ。
物静かなおじさんが未来ある少女を守るためにロシア系マフィ
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.0

性別を定義しようとすることの無意味さ、自分が定義する側であると考える多数派の驕り、そんなことに思いを馳せながら鑑賞。

登場人物が皆、感情をストレートに表すのでそうでない自分は見終わった後に少しの疲労
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グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

4.5

クラスのはみ出しもの二人が、自作のキャンピングカーで旅にでるひと夏の物語。

頭でっかちで向こう見ずな少年たちの言動が、子どもと大人のちょうど中間を感じさせる。

少年同士の無垢な友情、行き当たりばっ
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西の魔女が死んだ(2008年製作の映画)

3.1

田舎暮らしを美化していて少し絵空事的な面は否めないけれど、多感で先の見えない時期に〝魔女〟のようなヒントをくれる人がいたらどんなによかっただろう。

日本人(少なくとも私の周りの)は、人と違う方法で幸
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セカンドベスト/父を探す旅(1994年製作の映画)

3.7

派手な演出はなく、登場人物も至って平凡。
だからこそ感じられる現実味が良かった。

世の中に例外なく主人公らが苦しみ、関係性を模索し、徐々に心を通わせ始めるという答えのない人間模様。
でも、少しの希望
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ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

3.4

前半で普通に登場していた複数の人間が、急に〝主人公の幻覚〟というポジションになるので、見ているこちら側も一瞬現実と幻覚の境が分からなくなる。

当事者以外には理解の難しい統合失調症という病気を擬似体験
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天使のくれた時間(2000年製作の映画)

2.8

人生の中で誰でも戻りたいと思う過去の瞬間があるのかもしれないけど、本当に戻れてしまったらその喜びや幸せの価値は薄れてしまうのかもしれない。

最後のシーンでようやく前にも観たことがあったことに気づいた
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大統領の執事の涙(2013年製作の映画)

3.0

'50年代以降の米国が辿ってきた人種差別に関わる史実がとても分かりやすくまとまっており、歴史教材として良作。

アイゼンハワーからレーガンまでの各大統領がキャラクター性をデフォルメして描かれていて、当
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.8

California Dreamin'やMrs.Robinsonなどこの時代('50〜80年代)の音楽を好んで聞いている割に、前後の壮絶な時代背景が自分の理解からごっそり抜け落ちていると気付かされた。>>続きを読む

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.1

少年期の無垢な友情は、もう二度と手に入らないからこそこんなにもキラキラしているのかと胸が熱くなる作品。

リヴァー・フェニックスは若さ故の脆弱にこの世を去ってしまったけれど、彼の演じたクリスは聡明で大
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二重生活(2016年製作の映画)

2.6

哲学論文のためという名目でAとBという二人の対象者を尾行する主人公。

人を傷つける嘘、幸せにする嘘、いずれにせよ人は大なり小なり嘘や秘密を持っていてる。
全てを曝け出して手放しに他人と分かり合うこと
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シャイニング(1980年製作の映画)

3.1

どのカットも構図が美しすぎて不気味な上、弦チェレをはじめとしたカルト音楽がテンポ良く恐怖を畳み掛ける。

キーマンと思しき男の呆気ない死や、シンプルなラストはいい意味でホラーっぽさに欠けていて、不快感
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.4

絶望的な状況下に描かれているからこそ、〝希望〟という言葉の本質を綺麗事抜きで考えさせられる名作。

無実の罪で服役したティムが塀の中で古株のレッドに見守られる構図が、ティムの不言実行の積み重ねによって
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