惜春鳥のマフラーといい、ここの風鈴といい、どうしようもない感情が託される感じがよかった。ヤクザとなぐりあって、胸がスッとするとか
佐田啓二と有馬稲子の恋愛が、少年たちの友情と恋愛に比べて異次元にロマンチックだった
佐野周二がいざ原節子と初めて会おうとする時現実から逃れられなくなって、いつものバーなのに居心地が悪くなるけど、女給は相変わらずで佐野周二に恥をかかせる。2人の主要なすれ違いより、こういう細部のすれ違い>>続きを読む
みんなバラバラになってゆく!さよなら!
魚臭い匂いや少年たちのゲタ、スニーカー、ほっぺたの肌触りが感じられる
終戦記念日を2日すぎてみた
喜怒哀楽のカテゴリーにはまらない曰く言い難い感情が生まれててよかった。それが音楽の高峰秀子のクロースアップに宿ってる。
銃口の背後にいるのが、いつもとは逆で、被抑圧者たちだけど、そのような抑圧されてきた集団のために観客の同一化作用の構造を逆転させているだけだから、説得力がない。
怪しい作品だったけど、青酸カリ、戦後の東京の風景、若き帰還兵の不良、不倫と近親相姦(文学の名においてのみ価値を獲得する)、死んでいるのか寝ているのかわからない横になった田中絹代を照らす天井の電気が揺れ>>続きを読む
アントニオーニの『椿なきシニョーラ』も、同じ1953年の映画で、どちらも身体を売る女性の物語だけど、アントニオーニの方は異性との深い愛に救いが求められて、こっちははじめからそれを諦めていることが全く意>>続きを読む
西部劇も、もう終わったなと思う。
しかもそれがイタリアとアメリカの共同作業だということ含めて、ひとつの時代の決定的な転換に立ち会えるのはいいこと。
序盤の草笛光子の慰謝料を拒否する司葉子に対する無神経さといい、津軽の人はガサツだいうことといい、繊細さとは真反対の次元があって不思議だったのだけど、きっとその次元からでしか出発できないことも見えない真>>続きを読む
草笛光子に恥かかせすぎだった。大人たちが遊具で遊ぶのをみてバカねぇといったり、葬式中に恋の話をするのを聞いて眠くなってきたりすることへの捉え方がかわる。
成瀬巳喜男が演出だけじゃなく、モンタージュもすごいことがよくわかる。上映会で原節子が小細工されるところとか、草笛光子と小泉博のペア、三益愛子と杉村春子のペアが前後に分かれて養老院から帰るときの編集とか>>続きを読む
突拍子もなくつながるもの同士。こう言って許されるなら、わたしはある部屋に続く経路がひとつだったり、たんに扉一枚だったりするより、同じ部屋に入るのにいくつもの道があるのが好きで、どこかに似た感覚を抱く人>>続きを読む
すごすぎる。はじめに姪と夫婦の三角関係でお芝居の凄さが露呈してしまっていて、原節子ってこんな顔してたんだと思う。とくに香川京子の話をうんうんいいながらきく横顔。あと、「バカ」って結構はっきりいうこと。>>続きを読む
善悪二元論に言及するけど、その後の流れにあまり活きてこないし、それまでもなんだかすべってるようにしか見えなかった…
よくわからん、
この映画が前提としている合理的なもの、わたしたちで形容できるような事柄が不十分だから、それを越えるような身振りをしても、所詮限られた世界の中だけの割と空虚な小競り合いにしか見えなし、真>>続きを読む
みんなが同じ方向を向くことの不可能性(保利先生が体罰をしてるのか、それとも生徒のいじめか教師も親もわからない。)みんなが同じ方向を向いてることになる神秘的イメージ(その最も日常的なのが、サイレンを鳴ら>>続きを読む
田中絹代が、家に肉を売りに来たのが同窓生のもとだと気づくシーンがすごい。オフスクリーンでいろいろ喋ってるのに、カメラは田中絹代を移したまま、あるいは同様にもとを映したまま、この2人にカメラが同じ処理を>>続きを読む
なんの時間かわからなく耐え難いのがまたよかった。メリーゴーランドのシーンとか、大晦日のパーティとか。ゴリアーノに始まり、ゴリアーノで終わるアントニオーニのさすらい同様、最初と最後が一瞬で繋げられるタイ>>続きを読む
キャラクターが上手く出来すぎ!キャラクターもそうだし、お芝居がそのまま現実になる流れの中に、おはまさんとのせがちゃんと絡んでくる。ほか、ビールの空瓶に「ビールを持って来い」の声がなんどもオーバーラップ>>続きを読む
それまで予感はいたる所で感じていたものの、妹が自分ののお見合い相手とデートをしているのを姉がみたのを皮切りに(画面内の上下関係がおかしなことになっている)、主要な作中人物全員がいつでもこちら側に転落す>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ほんと、これでもかと素晴らしいモンタージュ実践。母親がこたつの中に戻してくれるところから始まる足の指先の物語でもあり、穴を埋めるのが母親から恋人の弟にもなる。でもそれ以上に、すでに母が倒れてるのにさら>>続きを読む
映画の中盤にあるパトロール中のお巡りさんが夜の洗濯物を心配してつたの屋に来るシーンで女中の田中絹代も含め、寝ていたみんなも起きて、お客をもてなそうとする一連のくだりがすごかった。お酒飲んだらコロッとお>>続きを読む
やっぱりどれだけ画面が変わっても、縦に伸びるものがある。玄関付近でなってる機械みたいな音はなんだったのか。上野駅地下の引きの画が、とくに地上から注がれる白く淡い光と地下の暗さのコントラストがとてつもな>>続きを読む