排路さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

排路

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(1939年製作の映画)

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同年代のハリウッドと比べて照明が取るに足らない印象だけど、これは炎が真っ白になったり作物と水が輝いてたりしてるのがよかった。早い段階でセリフを聞くのを諦めた

赤西蠣太(1936年製作の映画)

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手紙の差し出し人であるさざなみが読み上げる姿が浮かび上がる映像とか屏風バックの殺し合いとかデカいやつでグイッとの合図とか気合いの切腹とか断片的にかなり面白いのに、物語が全然わかんなかった。。。悔。

一人息子(1936年製作の映画)

5.0

アントニオーニより彼自身のテーマを先取りしてる、3人の時間が終わり全てが語り尽くされた最後に自然物と事物に全てが委ねられるのは、太陽はひとりぼっち。

浪人街 第一話 美しき獲物(1928年製作の映画)

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これも何があったかわからないが、とにかく暴れて走り回ってた。何があったんだほんと

港の日本娘(1933年製作の映画)

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西洋人のような風貌の人たちに日本語の字幕があてがわれて、有難うをメルシーと呼ばせたり、室内の装飾も国籍不詳で、教会で女学生が殺人事件を起こす物語もあるし、うまく西洋からの影響を受けられてないような、地>>続きを読む

淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)

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ちっぽけな深刻さは心に染みるし、それを表出できるものがたりは、斎藤達雄の消極性と姪っ子と二人三脚で生み出した皮肉な弥縫策にその魅力が詰まっているかも知れないけど結局また2人は元の関係に戻ってしまうと好>>続きを読む

血煙高田の馬場(1937年製作の映画)

4.5

阪東妻三郎の仰々しすぎる演技が面白かった。酩酊状態で光る刀を星かな?とかまして、倒すと、一番星消えた…。と指をさしながらいうクサさ…。叔父が果たし状受理したことを知らせる手紙もわかったわかった、となる>>続きを読む

斬人斬馬剣(1929年製作の映画)

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日本映画現存しなさすぎて困るが、断片を見るのも悪くない。
何が起きてそうなったのかわからないけど、とにかく馬で駆け回って、磔にされる人と並行され、最後は神様扱いされたくないのだ。と言い捨てる。ほんとに
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河内山宗俊(1936年製作の映画)

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ねた…。けど、早い段階で原節子が逃亡を果たしてもう現れないのは覚えてた。

丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)

5.0

なんの取り柄もない撮影プランで、静止画にすら見えるのに、映るものが面白すぎる。
「母ちゃんが死んだ時に泣いた!」とはつらつに答えるところから、緩やかに紐帯が育まれる一方で、肝心の壺探しに関しては、彼に
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落第はしたけれど(1930年製作の映画)

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地上の女性は定職につき、2階の男子学生は、いざ地上に降りると試験でカンニングしたり、卒業しても仕事見つからなかったり、大学戻りたいなぁといって脚なんか伸ばしてます。

RRR(2022年製作の映画)

4.0

西洋的な価値判断もわたしの価値判断も全部機能しない、国を横断する影響とは無縁の、孤高のインド映画だった。

なぜインドの植民地主義になんの接点もないわたしが、百年以上前のインドが舞台の映画を現代に見て
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少佐と少女(1942年製作の映画)

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セクハラから逃れた先に待っていたのが超年下の男子による数の暴力なのがぶっ飛んでておもしろい。

タバコを食べる行為、別の映画でも見た。たしかホークスだった気がする。

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

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時代を置き換えただけでデマや未知のウイルスについての社会問題の基本的構造が現代と変わらない点で、表現未満。かつてのハリウッドの娯楽スペクタクル作品は想像力の爆発の結晶だっただけに、この作品がいかに乏し>>続きを読む

巴里の屋根の下(1930年製作の映画)

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克服されることになるフランス映画の伝統が最初の方は前衛映画撮っていて、このトーキーも音と映像の足し引き方程式を活用した実験映画(決闘のシーンがすごくよかった)であることがフランス映画の充実を物語ってる>>続きを読む

豪傑児雷也(1921年製作の映画)

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トリック撮影でカエルとヘビに変身する。テレビで日本のサイレント映画をみることの限界を知らされた。

狂った一頁(1926年製作の映画)

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テーマにおいても手法においてもあまりに前衛的で、当時の映画の状況が全然わからなかった。縦横無尽のトラヴェリングがサイレントのカット割じゃないみたいだったし、なぜこれが26年に存在してたのかわかんない

雄呂血(1925年製作の映画)

4.0

自分が正しいと思ってる人も今の私が悪に染まってるのはあなたのせいだという思考の論理も恐ろしい。関わりたくないしほっといてくれと思うけど、厭世主義以外の解決策が欲しい、その場合はたぶん真の自己中心が必要>>続きを読む

悪魔の金(1941年製作の映画)

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悪魔に魂を売った男の物語自体は、たぶん作家映画的だと思うが、きれいな二項対立のなかで勧善懲悪がリアルに描かれていることで、国家によるプロパガンダ映画になっているよう。

発光する異様な火や突然降る雹、
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犯罪王ディリンジャー(1945年製作の映画)

4.7

イントロからデリンジャーって誰だ思ってる暇もない。とにかく早くて簡潔。強盗も脱獄も最期も前段階が限界まで省略される。民衆にとって最大の敵なのに。一瞬のうちに痕跡を残す美しい傑作。
当時の映画館はニュー
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國民の創生(1915年製作の映画)

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やっと見れた。編集にウォルシュが入ってたみたいで、南北戦争の左右対称のロングショットやラストのKKKと黒人軍の衝突の壮大さと激しさは、のちの過激で強引なウォルシュの映画につながると見えてよかった。
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危険な場所で(1951年製作の映画)

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刑事というストレスフルな仕事に就くロバートライアンのことも、娘を殺されたウォードボンドのことも、弟をかくまう盲目のアイダルピノのことも、すごくよくわかります。全員に共感してしまう。特にウォードボンドが>>続きを読む

孤独な場所で(1950年製作の映画)

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孤独でも危険でもどっちでも良いと思うくらい、どちらも虚しさと悲しさで溢れていた。
暴力でしか意思表明できないボギーを許すしかない旧知の仲の男性も、彼の暴力性に気づいた時にはプロポーズに対してイエスしか
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スペイン狂想曲(1934年製作の映画)

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マスクで顔が飾られてカーニバルのヴェールで画面が包まれていて、スタンバーグの特徴が抽象化されているようにみえた。過去と現在の2つの時制による物語を採用していることが、あまり良い働きをしてないみたい。>>続きを読む

恋のページェント(1934年製作の映画)

5.0

スタンバーグ大好き!
椅子や異常なピョートル3世の造型が表現する狂ったアニミズムはスタンバーグにしかない

青いガーディニア/ブルー・ガーディニア(1953年製作の映画)

5.0

ラングの大娯楽映画だった。犯人を見つけることができず迷宮入りする様子を、主人公が泥酔していて覚えてないけど自分が犯人だと深刻に思ってたり、助けるから名乗り出てくださいと売れっ子記者が新聞記事にしたり、>>続きを読む

無頼の谷(1952年製作の映画)

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アーサー・ケネディは、生まれながらの悪役というより周囲との関わりの中で徐々に悪になってゆく俳優にみえてすっごくいいし、たとえ最初から悪役として登場しても過去に彼をそうさせるなにかがあって今こうなってる>>続きを読む

ハウス・バイ・ザ・リバー(1950年製作の映画)

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売れっ子作家は町のはずれの大きな川のほとりの家に、妻とメイドと暮らしているという状況だけでも面白いけど、カーテン、階段、妊娠、編み物等々読解されるべきところがたくさんあってちょっと知的で思弁的かもしれ>>続きを読む

リリオム(1934年製作の映画)

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彼女がリリオムの暴力に痛みを感じないのは、回転木馬の上でまたきてくれよ〜と言われたほが彼女には心からうれしいことだったからとするなら、だいぶお気楽な思想で、実際はDV男と不感の女の物語でしかなくそこに>>続きを読む

上海ジェスチャー(1941年製作の映画)

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久しぶりにスタンバーグみた。
ボケボケで幻想的な陰と光に包まれた無国籍の人間たちからなり、ゲームの規則のリアリズム(同時多発的出来事、あらゆるものにピントが合ってる画面)の歴史はどこにも見つからず、ス
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死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)

5.0

質問に同じ答えをする事ができるノボトニー一家の華麗なショット群のシーンがすごく良かった。
連帯はノボトニー一家から社会全体に拡大し、わたしがぼーっとしてたからかもしれないけど、いつ誰と誰が話し合ってチ
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マン・ハント(1941年製作の映画)

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亡命作家の描いた対独プロパガンダ映画というより、ハリウッドの監督が描いた対独プロパガンダ映画みたいな感じで、元ドイツ人の映画とは全く思えず、さっきまで西部魂を撮ってたし、祖国に対する特別な思い入れを作>>続きを読む

西部魂(1941年製作の映画)

4.5

誰が事業に参加したとか、ただ事が進むだけでわたしたちを巻き込まない淡々とした最初の三分の一くらいの描写から、ランドルフスコットかわインディアンとの交渉とかで不可欠な存在になっていくと同時に、彼がチーム>>続きを読む

地獄への逆襲(1940年製作の映画)

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物語のてんまつがわかりきっていて、クローズアップらしいクローズアップもなくすごいルーズな画面だった。南北戦争の時代からアメリカにいる人たちの共通認識を決定的に欠いているフリッツラングが、ナチスのポーラ>>続きを読む