初めて見る、増村保造作品。
高崎電気館で開催してた「若尾文子映画祭」の一本として鑑賞。
江戸末期、外科医者の家へ嫁いだ女性が、最初は憧れてた姑に対して、「家」における女社会の中で、次第に憎しみを募ら>>続きを読む
予告編やチラシなど、広告ではラブコメっぽい話なのかと思いきや、意外と哲学的な内容にハッとさせられる。
駆け出しデザイナーの主人公は、ゴチャゴチャした自宅をデザイン事務所に改装すべく「断捨離」を決意す>>続きを読む
Netflix映画。映画におけるブラックライブズマターの第一人者による、ベトナム反省映画。
冒頭マーヴィン・ゲイの曲にのせて、歴代BLMの活動家の歩みを、アーカイブ映像で振り返る。キング牧師やマルコ>>続きを読む
過去の代表作、Loveletterの姉妹篇のような作品。亡くなった姉になり変わり、高校時代の初恋の男性と文通をする妹やその娘たち、その手紙を介して蘇る、さまざまな想いを描く。
序盤は、メールやSNS>>続きを読む
あまり期待せず観たが、思いの外素晴らしくB級アクションの王道だった。
凄腕の殺し屋が、父でもあるボスからその「殺し」を禁じられ、悪戦苦闘する物語。
ぬるいアクションエンタメかと思いきや、主人公以外>>続きを読む
日系アメリカ人の監督による、従軍慰安婦問題が実在したか/しなかったか、を様々な立場の識者のインタビューだけで、ほぼ全編を構成する。
双方の陣営からのインタビューが、ボリューム的に均等になるように配さ>>続きを読む
自殺ごっこが好きな青年が、赤の他人の葬式で出会った謎の老婆と恋に落ちる物語。
首吊り・喉切り・焼死…果てはハラキリと、母親やお見合い相手に見せる、青年の奇天烈パフォーマンスは、世の中の良識的なモノへ>>続きを読む
ポール・シュレイダー監督作。
戦争で息子を亡くした牧師が、その宗教を全うする中で生じる葛藤を描く物語。
ブレッソン・ドライヤー・ベルイマンの宗教作品とも比較される4:3の映像様式は、見応えがあった。>>続きを読む
ひょんなことから、ロボット開発の使命を受けたボンクラ社員たちが、結局適わず爺さんをロボットの中に入れて世間を誤魔化す物語。
雑な設定に、マンガチックなキャラクターが跋扈する、コメディの王道。
それで>>続きを読む
1997年の中国。巨大な工業地帯での工場の、保安部に勤める主人公は、その地域で起こった猟奇殺人の犯人探しにのめり込んでいく…。
97年の香港返還、07年に中国全土を襲った大寒波など、社会や時代の刻印>>続きを読む
ダリオ・アルジェンドのリメイク。
オリジナルは未見だが、同監督作フェニミナと同様の物語構造を持つように感じられた。
神秘的な特殊能力を持つ美少女が、監禁サイコキラーと対峙する構図。
今回はドイツの左翼>>続きを読む
言わずと知れたクイーンの自伝映画。
フレディーマーキュリーがクイーンを立ち上げ、様々な困難を乗り越え、バンドを全うする姿を描く、ロックスターの一代記。
アップ、ミディアムショット多目でバンドメンバー>>続きを読む
幕末の浪人が、人を斬ることに苦悩する物語。
前作の野火と映像テイスト・作品テーマが同一であり、ジャンルや時代は異なるが姉妹作品としての性格を持っている。
塚本作品では、ずっと暴力が作品のモチーフと>>続きを読む
大岡昇平原作の2度目の映画化作品。太平洋戦争末期における兵士たちの疲弊と、その戦場の惨禍を即物的に描く。
肺病を患った主人公は、もはや戦士としての能力・役割を奪われ、命をつなぐことだけに専念する、去>>続きを読む
文化人tweetなどで、話題になってたので観てみた。
「ハリウッドで何かになる」事を夢見てロサンゼルスに住む家賃滞納男が、美女と出会い恋に落ち、その失踪の行方を追うミステリー。
行く先々で、意味あり>>続きを読む
音に反応するエイリアンが地球にやって来て、地球の人間は無音生活を余儀なくされる。
ひとつの家族にのみフォーカスを絞り、エイリアンから逃れるための「静かな場所」で密かに暮らす様を描く。
エイリアンや>>続きを読む
柴崎友香原作。濱口竜介監督。
大学時代に交際した自由人な彼氏(その後失踪…)そっくりの男と出会った女性が、再び恋に落ちる物語。女性はもの静かな性格ながらも、自分の感情に正直過ぎる余り、周囲の理解を超え>>続きを読む
自作の映画上映会に出席するため、1日早く会場の地に着いてしまった映画監督が、街で見かけた女性を延々と口説く物語。それも、ちょっとした会話の機微によって、破綻してしまうバージョンと上手くいくバージョンの>>続きを読む
ワンシーンワンカットによる、スプラッターな猟奇的ゾンビ映画。と、その制作プロセスを紐解き人間味溢れる顛末を描いたコメディの2部構成。
最初は「カメラを止めるな」というタイトルからも、理屈っぽいメタ映>>続きを読む
女の不良グループに、青年の恋人を誘拐されたゲイ中年が、さすらいの緊縛師に救出を求めるピンク映画。
シリーズものらしく、本作はその2作目。タランティーノが気に入り、自身のレーベルから米国DVD発売され>>続きを読む
町田康原作、石井岳龍(聰亙)監督作品。
おそらく江戸時代を背景に、素浪人が新興宗教の勃興による恐怖を煽ることで、とある藩の政治につけ込んでいく物語。割と政治のいやらしさを、デフォルメされた設定によっ>>続きを読む
上昇志向のお天気キャスターが、不本意な田舎仕事のために出張するが、何故かその1日から抜け出せなくなるタイムループもの。退屈な日々を過ごす田舎者をバカにする主人公が、それ以上に「単調」な日々を過ごすハメ>>続きを読む
ドレスデザイナーの男が、その創作イメージにピッタリの体型の女性を口説き、共同生活を始める物語。
芸術家肌の男と世俗的な女が、互いの価値観をぶつけ合う攻防戦のような展開を見せる。それでも互いに愛してい>>続きを読む
戯曲の映画化。マンションの一室で繰り広げられる、2組の夫婦の会話劇。
子供同士のイザコザで怪我をさせた/させられた、双方の親が「おとな」の話し合いの場を持とうとするが…。
芸達者な役者たちが、それ>>続きを読む
80年代のバディ物。
今まで何度も見てきたが、登場人物たちの役の年齢に、自分が近づいてから観るとまた違った趣きが…。
脱獄した男を捕まえるために、白人刑事はその男をよく知る黒人囚人を、無理矢理保釈さ>>続きを読む
矢口史靖の監督デビュー作。キセル乗車がバレた事で、女子高生がどこまでも道を踏み外す物語。
二作目の「ひみつの花園」が活躍型サクセスストーリーであるのに対し、本作はどこまでも堕ちていくルーザー型のジェ>>続きを読む
どこかの邸宅で行われたパーティの後、家主夫婦と残った客で繰り広げられる会話劇。タイトルの通り、テラスという限られたシチュエーションで展開される、妬み・嫉みや愛憎を含んだ会話たち。
普通の人たちが言い>>続きを読む
元SMAP3人が主演するオムニバス作品。
それぞれのメンバーが主演を務めるエピソードとそれを最期に纏め上げる音楽劇が連なる。
園子温は、相変わらずの愚直で荒唐無稽なラブストーリー。あまり斬新ではない>>続きを読む
篠崎誠監督のデビュー作。1組の夫婦がちょっとした行き違いによって、関係のバランスを崩しながらも、なんとか踏み止まる物語。
自分が学生時代に見た時は、物語の素朴さや慎ましさ・セリフの少なさなどに惹かれ>>続きを読む
田舎の街外れにある、朽ちた3枚の広告看板。そこに、自分の娘を殺された女性が、捜査の進まない警察に対して挑発する内容の広告を出稿する。被害者家族の女性/警察を超えた、思わぬ対立構造が生じ始めて…。
事>>続きを読む
父が不在の、母と娘。記憶の無い女と素性の知れない女の同居生活。この2組の女性たちが、1つの家で暮らす物語。たがいに交わることのないままに…。
全篇を通して、どこかモラトリアムな時間だったり、無為で遊>>続きを読む
カウリスマキは、これまで自分の怠惰や不器用さによって停滞を余儀なくされた主人公が、そこからの脱出/逃亡を試みる物語を繰り返し描いてきた。多少の現実問題を反映しながらも、それは閉じた「箱庭」的な世界を感>>続きを読む
今年アニメ化されたモノのオリジナル版。
「if もしも」というフジテレビのドラマより再編集され、劇場公開もされた。
夏休みを控えた終業式の一日。
男子中学生が、学校を一学期限りで転校してしまうマドン>>続きを読む
「赤い髪の女」以来の神代作品。海辺の町で、ポルノ映画館を手伝う、風来坊な男。
ロングやミディアムショットを多用し、殺伐で荒涼とした風景や人物を的確に捉える。
街で会う人から、知らない誰かと間違われ続>>続きを読む
「マルコビッチの穴」や「エターナルサンシャイン」の脚本家、チャーリー・カウフマンの初監督作品。真実の愛を獲得できない劇作家が、著名な演劇賞を受賞し得た賞金で、自分の人生を丸ごと投影する壮大な作品づくり>>続きを読む
パターソンに住むパターソンという名前の男の話。
職業がバス運転手であることにより、その街の中で暮らす人々の人間模様も垣間見える。
家庭での妻や愛犬との暮らしや、バーでの交流など、慎ましく暮らす主人公の>>続きを読む