しゅうさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

しゅう

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21ブリッジ(2019年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

殉職した父を持ち"殺し屋"と渾名される刑事が、警官8人を殺害した武装強盗二人組を追う。

現代ニューヨークに降り立ったダーティハリー。今、アメリカで警官が容疑者に銃を向ける正統性を問
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柳生武芸帳 片目の忍者(1963年製作の映画)

3.6

時代劇専門チャンネルにて鑑賞。

十兵衛率いる柳生忍軍vs2500丁の最新式イスパニア銃で武装する難攻不落の砦。

従来のチャンバラではなく戦争映画的な集団抗争劇を目指した結果、活劇としての痛快さより
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.9

字幕版を鑑賞。と言っても字幕版がデフォルトなのか。

作者の驚異的な情熱と努力は取り敢えず置いておいて。

ストップモーションアニメという手法を選択したのが大正解。

ディストピアSFとしての設定や物
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オール・ザ・キングスメン(1949年製作の映画)

4.2

FOXムービーにて字幕版を鑑賞。

ある田舎町で、行政の不正会計を訴えて一人の男が立ち上がる。二度の敗北を経てもなお政治浄化と既得権益打破を説き続ける彼は、やがて大衆の熱狂的支持を集めて遂に州知事に当
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.2

字幕版を鑑賞。

ネトフリ映画をシネコンで上映してくれるイオンシネマに感謝。

アーロン・ソーキン至高の職人芸。

自分の様な、前情報を全く入れていない無知な観客にも、裁判の進行に合わせて事件の詳細や
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この首一万石(1963年製作の映画)

3.7

BSプレミアムにて鑑賞。

雇われ人足の橋蔵が槍持ちとしてさる小藩の大名行列に加わるが、道中起こった大名同士の些細な揉め事がやがて両家の面子をかけた事態へと発展していき…。

東映らしい唄あり笑いあり
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.9

出だしから麦と絹のいけ好かないサブカル野郎振りにイライラ(実写版魔女宅に何の罪がある?)。それをさもオシャレで素敵な事の様に描くのも腹立たしい。

心の声ダダ漏れの自意識も煩くて、こいつらの惚れた腫れ
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安珍と清姫(1960年製作の映画)

3.2

時代劇専門チャンネルにて鑑賞。

雷蔵の若き修行僧安珍と、若尾文子演じる美しく高慢な清姫の恋物語。

古典を現代的にアレンジするならもっと生々しい男と女の物語にすれば良かったのに、中途半端に格調高い文
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守護教師(2018年製作の映画)

3.4

ムービープラスにて字幕版を鑑賞。

問題を起こした元ボクシングチャンピオンが体育教師として田舎の女子高に赴任するも、そこで謎の女子高生失踪事件に巻き込まれる。

タイトルとは裏腹に、教師としての働き振
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ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

3.3

字幕版を鑑賞。

『透明人間』『ゲット・アウト』のジェイソン・ブラム製作という事で期待し過ぎたのが良くなかったのか。

例えば『透明人間』は「科学者が自殺を偽装し透過スーツで逃げ去った妻を脅かす」とい
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市民ケーン(1941年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

『Mank』の為の予習。

「映画史上最高の名作」等と言った権威付けに身構える必要無し。純粋に第1級のエンターテイメント映画として愉しめる。

当時としては画期的だったと言われる様々
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陽気な殿様(1962年製作の映画)

3.4

時代劇専門チャンネルにて鑑賞。

雷蔵演じるノリの軽い若殿は安定の嵌りっぷりだが、所々森一生監督らしい生真面目さが出てしまうのが勿体無い。

ノマドランド(2020年製作の映画)

3.9

字幕版を鑑賞。

先ず、定住せずアメリカ大陸を移動しながら生活するノマドと呼ばれる人々の暮らし振りが興味深い。

クリスマスセール時期にはamazonの倉庫作業、サマーバカンス時期には国立公園の臨時ス
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.7

吉田大八監督作としては、珍しくストレートなエンターテイメント映画。

逆に言えば、過去作にあった何とも分類し難い得体の知れなさが無い分、やや淡白にも感じられる。

出版不況を背景とし、老舗大手出版社を
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LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)

2.8

字幕版を鑑賞。

タイムトラベルものとして、あまりにも脚本がお粗末。

第一に登場人物の行動原理が意味不明。

普通、過去と現在の自分が同じ敵に追われたら、協力して危機を乗り越えるだろう?殺したくない
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ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)

4.3

傑作。

田畑智子目当てで観に行って、勿論彼女と永山絢斗のパートも良かったが、更に素晴らしかったのが劣悪な環境の中でも何とか真っ当に生きようと耐える高校生福田のエピソード。

役者陣の演技、演出の緊張
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.9

久々にみっしり詰まった客席で映画を観た。

途轍もない質量のアニメーションで描かれる凡庸な物語。

終盤の展開で、新劇場版に感じ続けてきた違和感の理由が漸く分かってくる。

旧シリーズと違い、新劇場版
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

実際に起こった韓国大統領暗殺事件を巡るポリティカルサスペンスで、実行犯のKCIA部長をイ・ビョンホン、大統領を『工作』のイ・ソンミンが演じ、監督は『インサイダーズ』のウ・ミンホという
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テッド(2012年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

いわゆるブロマンスの秀作。出演者はみんなはまっているし、ぬいぐるみのテッドの造形と演出は完璧。ギャグがサブカルネタが多いので、吹き替えで見た方が笑えたかも。

あの頃。(2021年製作の映画)

3.8

原作未読。

2000年代のハロプロオタク達を描いた青春物語。

ハロプロ周りに詳しくないので、これがハロオタのリアルな実像かは知らないが、オタク特有の内輪ノリを(戯画化した笑いに逃げずに)気持ち悪い
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無双の鉄拳(2018年製作の映画)

3.6

ムービープラスにて字幕版を鑑賞。

気は優しくて力持ち、でも怒るとチョット怖いマ・ドンソク兄貴が妻を攫った外道どもを相手に大暴れの巻。

韓国映画独特のエグ味も控え目で、程良いサスペンス程良いバイオレ
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伝説巨神イデオン 発動篇(1982年製作の映画)

3.7

日本映画専門チャンネルにて鑑賞。

殆ど解脱と輪廻転生を説く宗教映画の趣き。

総集編映画ならではの異常にサクサク進む物語と、"イデ"の発動による何でもありのオカルト展開による異様なハイテンションに乗
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伝説巨神イデオン 接触篇(1982年製作の映画)

3.4

日本映画専門チャンネルにて鑑賞。

何話かつまみ食いはしても、頭から通して観たことが無かった『イデオン』。

この総集編映画で、初めて全体像が見えたのは良かった。新劇的な富野節全開の台詞回しも堪能。

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

3.6

現代アートハウス入門第二夜で字幕版を鑑賞。

邦題がとにかく格好良い。

終戦直後のソ連、スターリン体制下での極東の収容所地帯の村という舞台立てに惹きつけられる。

独裁政権下でシベリア送りになった人
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.4

字幕版を鑑賞。

最高の映画。桜庭一樹の"年間ベスト"との絶讚を信じて正解。

『七人の侍』的な集団レジスタンス物と「田舎怖い」映画のまさかの合体。

何より舞台となる村、バクラウのロケーションが素晴
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ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

4.3

字幕版を鑑賞。

自然と文明の相克を描いた映画は数多いが、創っている側が文明人だからか大方は文明を善として描く、或いは文明の支配を不可避の運命として受容する(『もののけ姫』は後者)。

だから、文明を
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ルパン三世 ルパンVS複製人間(1978年製作の映画)

4.1

WOWOWプラスにて何十回目かの鑑賞。

映画としての完成度は別にして、好みとしては『カリオストロ』より断然こちら。

1st寄りのキャラクターデザインに、スラップスティックコメディー感満載の演出。
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

3.8

日本語吹替版を鑑賞。

中国版『もののけ姫』。

日本の中世が舞台だった『もののけ姫』に対して、現代中国が舞台の本作では、人間は自然への畏れを喪って久しい。

自然の化身たる妖精達は、人間の道士である
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.9

字幕版を鑑賞。

18世紀フランス、女は男に従属する事でしか存在を許されない社会。そして、その本質は現在も変わっていない。

だが、女達はそんな世界に唯々諾々と服従してはいない。

互いに連帯し合い、
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燃えよデブゴン/TOKYO MISSION(2020年製作の映画)

4.3

字幕版を鑑賞。

全盛期のジャッキー映画、サモハン映画に匹敵する最高のアクションコメディ。

ドニーのある種の過剰さは、コメディでこそ真価を発揮する。

往時のジャッキー映画がそうであった様に、アクシ
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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

前作に夜のシーンが無かったのを受けて、「ゾンビは夜目は利かないが、音には敏感」という設定を一つ加える事で、様々なアクションのバリエーションを拡げる工夫に感心。

ただ、"敵"をより凶
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密使と番人(2017年製作の映画)

3.3

日本映画専門チャンネルにて鑑賞。

自然光を存分に活かした映像の美しさ。冬山を彷徨する登場人物たちの肉体言語も雄弁だ。

ただ、そうした立派な器に対して、盛られた中身である"ドラマ"があまりに希薄。
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映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者(2020年製作の映画)

3.4

しんちゃん・ひろしの声優が交代してから初めての劇場版鑑賞だったが、元々そこまで熱心なシリーズのファンでは無い為か、全く違和感無し。

テレビシリーズと違って、長編劇場版は何故か”イイ話””感動する話”
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

ゲームのルールも登場人物の目的も五里霧中なのに、観客を強引に物語に引きずり込んでいくノーランの語りの腕力に感心。唐突に始まる時間逆行における予兆からアタックのタイミングも絶妙。

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血斗水滸伝 怒涛の対決(1959年製作の映画)

3.3

時代劇専門チャンネルにて鑑賞。

オールスター時代劇は、「忠臣蔵」のように"皆さんご存じ"のお話を舞台にして有名な登場人物(例えば大石内蔵助)を人気役者がどう演じるか、が醍醐味。

ただ、不勉強で今作
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喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)

4.2

夫婦倦怠ものは、欧米の映画が互いを激しく責め合ったりするのに対して、邦画だと言葉には直接出さずに行為や態度で澱んだ関係性を表現することが多い気がする。

その点、この映画は妻の水川あさみが駄目夫濱田岳
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