しゅうさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

しゅう

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真夏の夜のジャズ 4K(1959年製作の映画)

4.1

字幕版を鑑賞。

ステージ上の素晴らしい演奏と同じくらい、それを愉しむ観客席の人々にもスポットを当てるこの映画。

夏の野外フェス独特のゆるい空気の中で、思い思いに音楽を愉しむ観客たちの姿が羨ましく、
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イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

正直、イップ・マン晩年期のエピソードという設定を別にしても、空手家とのタイマン勝負が殆どで闘いのバリエーションに乏しい事もあって、アクション映画としての面白味はやや薄い。

また、人
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海辺の映画館―キネマの玉手箱(2019年製作の映画)

3.9

大林宣彦監督の映画を劇場で観るのは『漂流教室』以来で、ソフト化作品を入れても『青春デンデケデケ』が最後という、大林映画ビギナー。

冒頭から展開される”映画講談”に面食らうが、無声映画(及び活弁)好き
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任侠清水港(1957年製作の映画)

3.6

時代劇専門チャンネルにて鑑賞。

東映オールスター俳優陣が、時代劇の様式美の中で貫録と味わいの芝居をみせる中、一際光るのが錦之助演じる森の石松。

後の萬屋錦之介時代の野太い豪快さとは違う、若さの弾け
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キングダム(2019年製作の映画)

3.8

漫画実写化として申し分の無い出来。

始皇帝の中華統一に若き奴隷の成り上がりを組み合わせた英雄譚を、それに相応しいスケール感を出して描いているのに感心。

山﨑賢人の騒々しく暑苦しい芝居は気になったが
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T-34 レジェンド・オブ・ウォー 最強ディレクターズ・カット版(2018年製作の映画)

3.9

字幕版を鑑賞。

フッテージが更に追加されて遂には3時間越えの長尺になったにもかかわらず、見ている間は全く長さを感じなかったのは、多分自分が既にこの映画を大好きになってしまっているから。

映画のテン
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.3

BSプレミアムにて鑑賞。

胸糞悪い映画。

出てくるのは主人公の全てを肯定する者(渚カヲル)と、主人公とコミュニケーションしようという意思すら無い者(それ以外全員)のみ、という狂った世界。

そこで
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

字幕版を鑑賞。

第一次世界大戦時の長大な塹壕戦をリアルに再現してみせた美術に感心。これは、「彼らは生きていた」での記録映像と見比べると更にその見事な仕事ぶりが分かる。

現実の戦場、それも互いに大量
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.2

字幕版を鑑賞。

造反有理。

どんなに世界に”適合”しようと必死にもがいても、世界のシステムは彼を無情に痛め付け、世の”正しい”人々はその姿を嘲り笑う。

ならば、そんな世界に唯々諾々と従う必要など
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来る(2018年製作の映画)

4.1

人の”業”が”魔”を産み、それが人ならざる禍々しいモノを呼び寄せる。

だから、この映画では呪いの大元にある”因果”を解きほぐそうとは誰もしない。人の世の”業”が消え去る事など、ある筈が無いのだから。
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.5

この映画では、アルプススタンドのはしの方にいる人たちも、真ん中にいる人たちも(そして勿論グラウンドで戦っている人たちも)、皆純粋で真っ直ぐだ。

はしの方にいる外れ組たちも、真っ直ぐに挫折し真っ直ぐに
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ステップ(2020年製作の映画)

3.6

原作は重松清の中でもかなり好きな一作。

2時間の映画に納める為に、原作のエピソードを取捨選択あるいは映画用に改変しているが、扱い方が丁寧なので愛読者としてもおおよそ納得出来る。

役者陣も、久々に等
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グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

家が近所で親同士も友人だから、自然とつるむ様になり、固く友情を誓い合った幼馴染の小学生仲良し三人組。

でも、実のところ性格も趣味嗜好も余り似ていない彼らは、思春期を迎え大人になるに
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.2

字幕版を鑑賞。

実のところ、原作の『若草物語』が未読の上、それを基にした創作物(映画、ドラマ、漫画etc)にも全く触れた事が無い。

その為、この映画が何処まで原典に忠実でどの程度アレンジしてあるの
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.1

劇場鑑賞再開1本目として、4Kリマスター版を鑑賞。

大昔に劇場で観た時には、物語全体を陳腐だと感じて然程興奮しなかった記憶が。

今観直すと、アニメーション表現の異常な細密さと各種ガジェットの格好良
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Genius Party ジーニアス・パーティ(2007年製作の映画)

3.9

デジタル映画祭『WE ARE ONE: A Global Film Festival』にて、湯浅政明監督の「夢みるキカイ」のみ鑑賞。

やはり、湯浅監督のアニメーションに定型的なストーリーなど不要どこ
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

3.7

BSプレミアムにて鑑賞。

『劇場版:序』での自己模倣の薄っぺらさに嫌気がさして、以来手を出さなかった劇場版第2弾。

今作でも、中盤までは観客が「旧テレビシリーズやその後のメディア展開によって物語や
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.3

DVDにて鑑賞。

劇場版ならではの映像クオリティは素晴らしいが、内容的には旧テレビシリーズの単なる焼き直し。

商業的な要請以外に、庵野監督がこの物語を語り直す意義を全く感じられず。

トランス・ワールド(2011年製作の映画)

3.5

ザ・シネマにて字幕版を鑑賞。

「よくある田舎スリラー」と思わせての意外なSF展開が良い。

登場人物たちの自然な言動の中で、各々のキャラクターと隠された事情、同時に迷い込んだ状況の異様さが次第に明ら
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エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(2014年製作の映画)

3.6

ザ・シネマにて吹替版を鑑賞。

前二作は未見。内容はゆるゆるの大味アクションだが、そこには最初から期待していないので問題なし。

年寄りとしては、"親父スター大集結"だけで充分愉しめるが、欲を言えばせ
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ベテラン(2015年製作の映画)

3.9

ムービープラスにて字幕版を鑑賞。

千両役者ファン・ジョンミンが主役の熱血武闘派刑事を演じる時点で、既に一定以上の面白さは保証済み。

オ・ダルス以下韓国映画常連の"イイ顔"の役者達の出演も嬉しい。
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ギャラクシー・クエスト(1999年製作の映画)

3.9

BSプレミアムにて字幕版を鑑賞。

ネバー・ギブアップ、ネバー・サレンダー。今こそ必要な言葉。

私は、実人生には何の役にも立たない作り物の法螺話を、どうしても求めずにはいられない。

しとやかな獣(1962年製作の映画)

4.3

日本映画専門チャンネルにて鑑賞。

かつての日本映画の優れた喜劇は総じてテンポが良いが、この映画はその中でも飛びっきりハイスピードのブラックコメディ。

新藤兼人の素晴らしい脚本の上で、いずれ名うての
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帰郷(2019年製作の映画)

3.3

時代劇専門チャンネルにて鑑賞。

デジタル8Kの映し出す自然の風物は美しく鮮やかだが、同時に現代とは異なる時空間である事を感じさせる陰翳が喪われてしまう憾みがある。

物語も、過去回想に於いて若き日の
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カメラを止めるな!リモート大作戦!(2020年製作の映画)

3.5

今この瞬間にこそ観るべき映画。

であると同時に、コロナ禍で自粛を余儀無くされている映画人の現状と心情の記録として、何年後かには懐かしく振り返る事になるのかも。

上田監督の恥ずかしいまでにストレート
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SF巨大生物の島(1961年製作の映画)

3.3

シネフィルWOWOWにて字幕版を鑑賞。

ハリーハウゼンの特撮技法に特段興味は無いが、19世紀を舞台にした漂流サバイバル冒険活劇として、一定の面白さがある。

新選組(1969年製作の映画)

3.4

時代劇専門チャンネルにて鑑賞。

新選組をいたずらに英雄視せず、思想無き殺戮集団としての陰惨さをしっかり描いているのは良い。

出来れば、三國連太郎演じる芹沢鴨の存在を膨らませて、三船の近藤勇との交友
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T-34 レジェンド・オブ・ウォー ダイナミック完全版(2018年製作の映画)

4.2

字幕版を鑑賞。

本国版より26分間シーンが復活したダイナミック完全版。

序盤の農村を舞台にした防衛戦では、ドイツ軍の掃討作戦がより丹念に描かれ、それによって祖国を踏みにじられた悲しみと怒りが一層激
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

とにかくダウン症の青年役のザック・ゴッツァーゲンが魅力的。

体に洗剤を塗りたくって鉄格子を潜り抜けパンイチで老人介護施設から脱走する序盤から、彼のむっちりした肉体、茫洋とした表情、
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

サスペンスやスリラーは数多く観るが、所謂「ミステリ映画」を劇場で観たのは久しぶり(もしかしたら、豊悦版「八つ墓村」以来かも)。

所謂本格ミステリらしい舞台立て(”館””密室””容疑
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T-34 レジェンド・オブ・ウォー(2018年製作の映画)

3.9

字幕版を鑑賞。

戦場の悲惨さやナチスの冷酷非道ぶりの描写は抑えめにして、戦車対戦車の戦闘描写に焦点を絞った大活劇に心が躍る。

砲弾の軌道をスローモーションで外連味タップリにみせる反面、敵の砲弾を受
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

「平穏な日常が得体の知れない侵入者によって脅かされる」という展開のサスペンスは昔から数多く存在して、主に”侵入される側”の不安と恐怖が描かれてきた。

対して、この映画はIT社長の富
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.9

字幕版を鑑賞。

『アイ・トーニャ』『ブラック・クランズマン』で母親と実家暮らしで英雄気取りのイカれた貧乏白人を演じてきたポール・ウォルター・ハウザーを主人公に据えるキャスティングの妙。

この映画を
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

『ラグナロク』の時もそうだったが、自分にはこの監督の”POP"なセンスが合わないようで、ジョジョの内面の反映である筈のイマジナリーフレンド”アドルフ・ヒトラー”の都合の良い退場も含め
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ラストレター(2020年製作の映画)

3.9

予告編以外の前情報をほぼ入れなかったので、美咲の元夫役で豊悦が出てきたのには驚かされた。

まだ何者でもなく、それ故あらゆる可能性に満ちていた青春時代。だが人はいずれ望むと望まざるに関わらずそれを”現
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

タイトルから「俺たちの自慢したいアメリカ」的な内容を想像したが、実際は真逆。

物語的には味方であるフォード陣営を肥大した官僚組織と社内政治による足の引っ張り合い、現場を無視したマー
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