カルダモンさんの映画レビュー・感想・評価 - 28ページ目

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

4.1

久々にイタリア産を見ました。
まずタイトルからしてまともな映画ではないことがわかる。なぜ70年代の日本アニメが?という疑問。オープニングのタイトルバックも思いっきり日本語で「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
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マネーモンスター(2016年製作の映画)

3.5

金融TVショーの生放送中に番組がジャックされ、司会(ジョージクルーニー)が人質に。犯人の男は生放送で世界に向け、株価の不正操作を主張する。事件の状況は現場から生放送され、モニタールームに控えるディレク>>続きを読む

おとなのけんか(2011年製作の映画)

4.5

日本語タイトルが平仮名なのが良い。これだけで作品の説明になっている、実はかなりスマートな邦題。
原題は「carnage」
単語としては殺戮とか虐殺の意味だそうですが、この映画で人死は出ませんので、意味
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.4

ファントムスレッドからの流れで久々に再鑑賞。
石油と宗教、果たして生活を明るい方へ導いてくれるのはどちらなんだろう。炎も祈りも、周りが何も見えなくなるほど、目を眩ませる。そんな明るさなのかも。

ポー
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Daydreaming(2016年製作の映画)

3.5

こんなPVまでフィルマークスはカバーしてるんですね。びっくりしました。ジョニーのご縁がついにバンドにまで。
改めて見るとトムヨークの孤立感がドンピシャですね。画面にはたくさんの人が写り込んでいるのに、
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.9

ユーロライブで行われた試写会にて鑑賞。
帰り道、タイトルのファントムスレッドに込められた意味をつらつらと考えていた。元は、お針子さんたちが仕事場以外でも見えない糸を縫い続けていたという逸話なのだそう。
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宇宙戦争(2005年製作の映画)

4.8

10年振りくらいに鑑賞。
原作はタコ型の宇宙人を生み出したSFの古典中の古典ですが、一応53年版のリメイクということになるのだろうか。今作はトムクルーズ版「そして父になる」とも言えるような父親成長譚で
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

5.0

私はインド料理が大好きでございまして、特に南インド料理に代表されるミールスという定食スタイルに目がありません。
このミールスというのはワンプレートの中に盛られたバスマティライスを中心に、小鉢に入ったカ
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

5.0

なるほど凄まじい。冷静さを保ってられないこの感じ。思わず笑みがこぼれてしまうこの感じ。マッドマックス怒りのデスロード以来に、またなにか別な扉が開いた。バーフバリ以前以降で、確実に世界の見え方は違ってい>>続きを読む

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)

3.2

女版バイオレンスおそ松くん。
同じ画面に並ぶ7人のノオミラパス。この絵面が見られただけで概ね満足。
ただ、もう少しこの設定を上手く活かせなかったのかなというモヤモヤ感と、演出が割とアクション強め、それ
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トラスト・ミー(1990年製作の映画)

4.1

エイドリアンシェリー演じるマリアがキュート過ぎる。メガネで金髪ポニーテール、オーバーサイズのスタジャンにストライプのワンピースと白のタイツ。30年前の萌ファッションが今でも通用する、というかむしろリバ>>続きを読む

泳ぐひと(1968年製作の映画)

4.4

タイトルとパッケージデザインだけではこの映画の恐ろしい内容は絶対に読めない。
太陽の降り注ぐ夏の日、筋骨隆々な海パン一丁の男が、友人宅で泳いでいたある時、自宅まで連なる高級住宅街のプールを片っ端から泳
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.5

作品が残す余韻がたまらない。じんわり体の芯に伝わる感じは寂しくも心地よく、画面の前でしばらく放心。
映画は少年期、青年期、成人期と三幕で構成され、それぞれ主人公のシャロンは異なる役者が演じている。どの
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.8

何度見ても面白い。
役者の表情、言葉の演出が突出している。
ついつい細かいところが気になって、結局一週間レンタルの間に3回見直してしまった。
初見の劇場では作品の奇妙な雰囲気に飲まれ、あれは一体どうい
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マザー!(2017年製作の映画)

4.6

動悸がとまらない。なんだこの破壊力。

昨年、劇場公開を待ち望んでいた作品で、公開中止になったと知りガッカリしていたのだが、まあ内容を見れば無理もなかった。倫理的に問題だらけで、常に神経を逆撫でされる
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パターソン(2016年製作の映画)

4.5

パターソンという街に暮らすパターソンという名の男の話。ジャームッシュらしい人物と街の捉え方で、一週間の毎日を切り取る。詩を書くことを趣味としているバスの運転手。毎日のルーティンの中で、微妙に異なる些末>>続きを読む

山河ノスタルジア(2015年製作の映画)

3.7

一度流れてしまっては、もう二度と交わることもない。けれども確かに自分の中に存在していたもの。
この映画では全ての登場人物が枝分かれのようにしてそれぞれの人生へ散っていく。
誰もが独りで、誰もが各々の心
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.1

ロボットを見ても人間と感じるか。
人間たらしめているものは?
AIと人間の違いは?
これまで何度となく描かれてきたテーマだが、この数年間でAIがより身近な存在になった今、興味の向かい方が違ってきている
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ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)

3.2

コーエン作の中では評判がイマイチな作品だが、それなりに楽しめた。
ハリウッドがどのように成り立っているか、または成り立ってきたか。独特な語り口で見せる皮肉だらけのコメディだった。
出演キャストが無駄に
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追跡(1962年製作の映画)

3.5

冒頭、犯人に羽交い締めされるシーンの美しさと怖さ。犯人の顔が見えそうで見えない、絶妙な光りと影の演出が特に魅力的。
マネキンだらけの部屋の中に光る眼が浮かんだり、乱歩的要素も奇妙で惹かれる。
子供の頃
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ラッキー(2017年製作の映画)

4.6

先程、シネマカリテで見てまいりました。齢91の大往生となったハリーディーンスタントン の遺作です。こんなにも見事な花道が他にあるかというような作品。

私はまだラッキーの半分も生きていない30代後半の
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.8

昨年、あまり期待せずに劇場で観たのですが、思いのほか良かったのでレンタルで二度目の鑑賞。

今回のイットは子役が最高、これに尽きる。正直ペニーワイズは置いといて、子供だけずーっと見ていたいほどで、こり
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.4

劇場で3回見ている満足派です。ただし旧作に軍配が上がる派でもあります。
2049は概ね及第点。映像は文句なし、音楽や音響も凄い。Kとラヴのキャラも良かった。肝心のストーリーとテーマは結論を出すのがなか
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

4.1

今だ!フュリオサ‼︎殴れ‼︎
と口走りそうになる程、シャーリーズセロン=女隊長となっている私。
おそらくそんな人は多いはずで、応援上映などをやれば、フュリオサフュリオサの声が止まないことでしょう。
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.5

ポールダノとダニエルラドクリフ、そしてこの破天荒なアイデアとストーリーを生み出した監督に拍手👏

死んだように生きる男と、生き生きした死体。
異なる境遇の2人か心を通わせる映画は数あれど、ここまでぶっ
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.1

水の温度、感触、怪物の肌触り。映画でしか語り得ない、言葉以上に肌を通して伝わってくる感覚。触れるということがこんなにも感情を伝えるものかと驚く。
美術や音楽、怪物の造形や部屋のインテリアに至るまで映画
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ゆれる人魚(2015年製作の映画)

4.0

アグネシュカ・スモチンスカ。
まったく覚えられる気がしない、本作が長編デビューというポーランドの女性監督。
題材も映像も音楽もフェティッシュで素敵でした。
人魚の下半身、魚の部分のデザインが秀逸。色と
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.2

音楽を聴きながら歩調と曲がリンクする瞬間の気持ち良さ。そこに特化させたアクションの見せ方。PVにある手法を映画に持ち込んだだけなんて思ったいたら大間違いでした。音楽がキャラクターを語り、キャラクターが>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.0

文句なしに楽しい。
車輌やトンネルの使い方、見せ方が新鮮で、狭い空間の使い方が上手く、感服です。

ゾンビはやっぱり窓にビッシリ張り付いているのが似合うし、青空の下のゾンビも個人的に好きなので、ビジュ
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

4.1

タイトルに違わぬ“ナマ”を堪能。ついに一線を越える瞬間、行け!行ってしまえ!と、心で叫んでしまったがこれは正しい反応だったのだろうか。
しかし目つきが最高な女優さんだったな。口元が最高にエロカワで、何
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.8

劇場で鑑賞済みでしたが、レンタル開始になったので二度目の鑑賞。

タイトルを「デイヴィッド」もしくは「ファスベンダー」に改めるべき、と思うのは私だけでしょうか。
エイリアンの印象がとにかく薄く、乗組員
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.9

オープニングの風景描写からすでに惹き込まれた。シリアスに偏らず適度なユーモアが効いていて、味わい深い登場人物がより一層浮き彫りになっている。ビルボードのショッキングなビジュアルや、田舎の風景描写も印象>>続きを読む

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