みともさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

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 登場人物への「共感」とか「感情移入」って映画を見る時にはあまり重要ではないと思ってはいるし、「それはそれ」として多少なりとも客観的に映画を見ることが出来ていると勝手に思い込んではいたが、しかし……こ>>続きを読む

ジムノペディに乱れる(2016年製作の映画)

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 事故で足に後遺症が残った不能の映画監督をはじめ、セクハラ・モラハラDV野郎共を精神的にも経済的にも、そして性的にも女たちが支えるという、まぁ「いったい昭和何年なんだこれは」という支配構造に、ロマンポ>>続きを読む

吸血鬼ゴケミドロ(1968年製作の映画)

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この際もう設定やストーリーには目を瞑るとして「い、いや、特撮は見応えあるからさ!」って何とか良いところを言おうとしても、結局特技パートは全体の1割以下なので見どころだけ切って繋げたらせいぜい3、4分ぐ>>続きを読む

アジョシ(2010年製作の映画)

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 もちろん面白い、サスペンス・アクション・バイオレンス映画としてもよく出来ているし、ちょいちょい入る変なユーモアにも笑ったけど、子供に対する直接的な暴力描写はちょっと個人的には許容範囲ギリギリ。にして>>続きを読む

映画は映画だ(2008年製作の映画)

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後に『義兄弟』(2010)や『高地戦』(2011)、そして『タクシー運転手』(2017)を監督するチャン・フンの監督デビュー作(ウィキによればこれ以前はキム・ギドク作品の助監督と編集を務めており>>続きを読む

ダークシティ(1998年製作の映画)

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これといった説明なしに始まるのでどんなアクションが起きてもいまいち乗れないし、かといって真相めいたものが明かされても「あーそうなんだー」って感じだし……ただただ伸縮性のあるゴシックな街並みと、全員>>続きを読む

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

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まぁ、この映画の「ユーモア」を不快に思う人もいるだろうけど、自分は何だかんだ楽しめたよ。悪趣味ギャグも笑えたし、(暴対法などもあって)時代遅れの元任侠と半グレ詐欺グループの対決というのも独創的。お>>続きを読む

後妻業の女(2016年製作の映画)

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前半は犯罪映画として楽しめた。銀行員を騙すための大竹しのぶの魔性的な「芝居」はスリリングだし、騙した”妻”と騙された老人の娘(尾野真千子)の対立が臨界点に達する焼肉屋でのキャットファイトは大笑いし>>続きを読む

ONE PIECE ワンピース(2000年製作の映画)

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 これも見たはずなのだが(小3の時に飛行機の中で見た)内容は全く覚えてないし、見ても一切思い出せなかった。同時上映の『ぼくらのウォーゲーム』の完成度に対し内容もアニメーションのクオリティもちょっと……>>続きを読む

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(2000年製作の映画)

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 ネット空間に生まれ落ちた生命体が引き起こすサイバーテロに対して、物心つく前には当たり前のように家にパソコンがあった子供たちが、国や人種の違いを超えてネットでまさしくワールドワイドに繋がり、連帯して共>>続きを読む

デジモンアドベンチャー(1999年製作の映画)

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 「巨大化したデジモンが街で戦う」シリーズ前日譚であることは知っていたが、自分が子供の頃見たことがあったかどうか思い出せない。舞台となる練馬区光が丘の集合住宅は均一化されたごく日常的な風景で、主人公の>>続きを読む

バッタ君町に行く(1941年製作の映画)

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 10年ぐらい前に鈴木敏夫Pのラジオ番組「ジブリ汗まみれ」に庵野秀明が出演したときこのアニメの話をしており(調べたら放送時に渋谷のシネマアンジェリカというところで上映したらしい。道玄坂にあったそうだが>>続きを読む

たまもの(2004年製作の映画)

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 寡黙な林由美香が発するたった一行のセリフだけが残り続けている。ごく淡々とした日常が裂けて、ほんの少しの狂気が文字通り”顔を出す”。

NINIFUNI(2011年製作の映画)

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 真利子哲也監督の中編映画。共同脚本に『今、僕は』などの竹馬靖具。 『ディストラクション・ベイビーズ』『宮本から君へ』のオープニング同様、歩いている人物の背中を映す、後ろから追うカメラで始まる。前半部>>続きを読む

サボタージュ(2014年製作の映画)

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 麻薬ギャングを取り締まる側のお前らもギャング同然じゃん、『スーサイド・スクワッド』みたいに!とか思ってたら監督がデヴィッド・エアーだったことを思い出した。映像手法としては、手持ち撮影でドキュメンタリ>>続きを読む

スプリング・ブレイカーズ(2012年製作の映画)

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 ストーリーは一応あるのだが、映像が「意味」を持たず「ドラマ」や「物語」を作っていかない。しかし決してつまらないわけではないのである。既に起きたことを再現する時に別視点から回想で描き直したり、後に起き>>続きを読む

容疑者、ホアキン・フェニックス(2010年製作の映画)

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 ホアキン・フェニックスがコカインやって下手なラップやった(騙されてたパフ・ダディは激怒したんじゃないか?)かと思えば周りの人間にキレて文句言いまくるのを延々と見せられる。「引退」宣言が仕込みだという>>続きを読む

6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

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 原題『Boyhood』。主人公の少年やそのお姉ちゃんの子供時代の姿を映画の終盤で思い出すと、時間のスケールが感じられる。この感覚を、(例えば『北の国から』や『ハリーポッター』のようなシリーズではない>>続きを読む

正門前行(1997年製作の映画)

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 「今度作る映画はこんな場面から始まるんだ」という男女の日常会話こそが映画のオープニングであるというメタな作為性。主人公の大学生が、盗難された金のブレスレットの行方を追うストーリーがミステリー的に展開>>続きを読む

月島狂奏(1994年製作の映画)

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 とある一家と、その子供たちと恋人たちのドラマが月島という特定の場所で展開する。川を臨む高層住宅に住む彼らも、再開発によって元々住んでいた家を追われたと思しい。別段仲の悪い家族であるようには見えないが>>続きを読む

寮内厳粛(1994年製作の映画)

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 無気力な浪人生たち、勉強に集中するために薬物を飲んだり、英単語が描かれた紙を壁一面に張り付ける少しの狂気。妹を見送った後に昼食を買った帰路の、何も起きていない編集で繋いでいる時間表現。それを眺める交>>続きを読む

MOOSIC PRODUCTS!/nico(2012年製作の映画)

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 男が殺人集団に拉致される物語の映画……を準備している自主映画のスタッフやキャスト、監督が作曲を依頼する音楽家の女性といった人々のドラマが交互に展開する入れ子構造。映画製作の打ち合わせや台本読みの気ま>>続きを読む

ビートルズ/イエロー・サブマリン(1968年製作の映画)

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 YouTubeにて無料配信。画面構成は基本的には縦一列に整列して歩いたり、向かい合ってる人物同士を真横から見る(ファミコンマリオみたいな横スクロールというか)平面的な構図。だが一方で、遠景~近景を強>>続きを読む

南極料理人(2009年製作の映画)

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何だろう、こういうオフビートなユーモアの日本映画って本当につまんないと思ったり嫌悪する人もいるだろうけどなんか個人的には嫌いにはなれないんだよな。矢口史靖や吉田恵輔、山下敦弘もこういうラインかな(>>続きを読む

L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)

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ウィレム・デフォー!今見ると真剣なのに何かのパロディに見えちゃうよ。工業地帯の景色よい。途中のしつこいぐらい長いカーチェイス個人的には『フレンチ・コネクション』のカーチェイスを久しぶりに思い出した>>続きを読む

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

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3時間の長尺でまたストーリー自体もそれほどドラマティックな起伏があるわけではない、のにクローズアップ多用、劇伴なし(ここぞという場面でスチールドラムが流れる)、要素を足していくのではなく削ぎ落として表>>続きを読む

ビジランテ(2017年製作の映画)

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素晴らしかった。壊死しかけているテン年代日本の閉塞した地方都市で再現される『カラマーゾフの兄弟』だ。

ブラック・ミラー: バンダースナッチ(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 視聴者が選択肢を選んでストーリーを進めるインタラクティブ・ドラマ。最初の分岐点(朝食と聞く音楽のチョイス)では、現場でわざわざ2パターン分撮影した手間を考えるとよくこんなもの作ったなと感心した。ただ>>続きを読む

ゼロの未来(2013年製作の映画)

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大きいセットの中でカット割らずに手持ち長回し、構図も斜めってたりするのがどうにも苦手(悪い意味でPVっぽい)。主人公の仕事が具体的に何やってるのか全く分からない感じも含めて『未来世紀ブラジル』の変>>続きを読む

アビエイター(2004年製作の映画)

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ちょっと思ったけど実録路線のスコセッシって映画ではなく連続モノのドラマシリーズでやった方が分量的に合っててるんじゃないかな。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』にしても映画一本分だと結局3時間ぐら>>続きを読む

ギャング・オブ・ニューヨーク(2001年製作の映画)

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思ってたよりも、ってか意外と面白かったな。しかし彼らの犠牲で今のNYが……みたいな終わり方になってるけどそうは思いたくないな。むしろ人権なんて概念皆無みたいな人種差別、女性差別当たり前、暴力によって制>>続きを読む

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

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最初にミシェル・ウィリアムズが現れる夢の場面が素晴らしい。ウィリアムズの動きが微妙にズレている編集なんだけどそれこそがいい。ホロコースト、戦争の外傷、赤狩り、権力の陰謀など色んなテーマがあると思ってる>>続きを読む

チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)

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理系の技術者の話がメインプロットで、前半はチャリエン感があんまりなかったように感じた(マックGの空っぽなアクションがチャリエンだという先入観があると、変にリアリズムで殺陣やるとチャリエンっぽくない>>続きを読む

ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

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クロスカッティングによるハラハラとか、同じ場所での時間経過はカット変わりでオーバーラップとか。あとゆっくりしたパンとかズーム。大袈裟なミッションの遂行中なのにネズミ、落ちそうになる汗の玉といったミニマ>>続きを読む

尼僧ヨアンナ(1961年製作の映画)

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劇伴がなくシンプルな作りで、限定された空間でのみ話が展開し、わざとらしいところが全然ないんだけど、構図はしっかり構築され、風景や人物を捉える画面サイズやカメラワークも計算されている。また恐怖映画でもな>>続きを読む