みともさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

みとも

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アミスタッド(1997年製作の映画)

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スピルバーグ版『残酷大陸』
えーと、『シンドラー』以降『プライベートライアン』以前か
中盤の回想、スピ映画における悲劇、悪夢的なトラウマ的な忌まわしき記憶の想起問題をここから考えることはできる(『プラ
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カラーパープル(1985年製作の映画)

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DVDで。確かにアカデミー賞狙いという邪念や、セクシャリティの描写が原作よりヌルいとか黒人描写がこれでもステレオタイプでポリコレ的にもまだまだという批判も分かるけど、2時間半という長尺に対して時間経過>>続きを読む

未知との遭遇 ファイナル・カット版(2002年製作の映画)

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早稲田松竹。これも何度か見てるけど、どのバージョンを見たか分からないので(たぶんファイナルカットだと思うけど)、劇場公開版、特別編との比較もしたいところ。
屋内や庭先、道路の「暗闇と光」の撮影とライテ
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

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早稲田松竹。見るの3度目とかだけど。前半のサスペンス演出と恐怖表現バッチリで、船の死体は来るって分かってても驚く。やはり切り株描写のある映画はそれだけでポイント高いです。食卓で子供がブロディの真似をす>>続きを読む

ロケットマン(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

自分にとって音楽映画やミュージカル映画、「音楽と映画」の関係について見ながら改めて考え直していた映画で、その意味では大きな発見はあった。
この映画のミュージカルシーンは、病棟内のセラピーで半生
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

やはり『ジャンゴ』が最後っ屁だったか。オープニングシークエンスにしても、ブラピの長い妄想シーンにしても、同じ場所の異なる人々を描く群像劇としての作りも、過去作の縮小再生産以上のものがないように思え>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ショービジネス残酷物語とでも言うべき悲劇のストーリーもシンプルならば、演出や撮影、編集もごくごくシンプル。だが繊細でありながらも骨太で力強い一作だ。
この手の映画にありがちな、友人や家族がテレ
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リアル 完全なる首長竜の日(2013年製作の映画)

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これもアマプラ。首長竜の迫力より、キモくて不気味なゾンビよりも、佐藤健が車運転してるときのあからさまな合成!あれがたまらんのよ!合成丸わかりなのがいいの!あれが黒沢清だよ!あれが映画だよ!
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

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ティーンエイジャー学園(恋愛)モノでミドルエイジ・クライシス。ハードボイルド・ノワールで日本型美少女ロボットアニメで、ルーニー・トゥーンズ的ドタバタもある。王道のヒーロー誕生譚でありながら『ビュー>>続きを読む

ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

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8月31日の無料公開で。『マザー2』×『ノーライフキング』みたいなイメージで、岩井俊二や庵野秀明のような90年代〜ゼロ年代前半頃の映画作家みたいな映像感覚。くどいナレーション、ゲームじみたBGMや>>続きを読む

野火(2014年製作の映画)

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終戦、もとい敗戦の日にユーロで
恐るべきことに、日本という国は未だにここで描かれている旧日本軍的なメンタリティを克服できてない
なんというか、70数年前の戦争の話でありながら、平和(一応の)を享受して
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

宮本と靖子のまぐわいは生々しく、居酒屋は男臭く暑苦しいし、細かく美術や装飾が施された靖子のアパートや実家は生活感が溢れる。血と汗と涙と体液の、生臭い味や匂いが立ち昇ってくるような映像に仕上がってい>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

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ジャンル映画を刷新するにはやはり今までにないアイディアが必要。本作で言えばモンスターパニック映画+「音を立ててはいけない」シチュエーション。『宇宙戦争』の地下の場面ずっとやってるような。見つかるか見つ>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「あなたはまだ本当のトイ・ストーリーを知らない」というコピーに違わぬ、これまでの3作の見方をも変えてしまうような4作目。今後は、過去トリロジーを見直す時もこの4が否応無しに念頭に置かれることになるだろ>>続きを読む

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

非常に不快。怪獣によって息子を殺されたことに起因する、呪われたエコロジー・テロリストの人類・文明の破滅と終末を待望する、黙示録的な病んだ思想に対抗するのが、核兵器と特攻でしかないなんて。しかもそれを、>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

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一人の女性が、いや一人の人間が「ここ」に「生きていた」、そして今も「生きている」ことを刻印すること。あなたは確かにここにいたし、今もここにいる。その意味ではこの映画の語り口は、週刊連載と現実の時間>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

タランティーノの『ジャンゴ』に噛み付き、ノミネートが白人ばかりだとアカデミー賞を罵った(そしてクリス・ロックに「仕事なくなった人ほどそういう文句を垂れる」と笑われた)スパイク・リーのアメリカ映画界に対>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

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言うまでもなくテルコのマモちゃんに対する愛って自己愛。でもテルコのアイデンティティの問題よりも、マモちゃんの空っぽさの方が、耳が痛いというか身につまされるというか。「今の仕事辞めて〇〇になろうかな>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

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以前、そう大きくない劇場で2本続けて舞台劇を見た時に、2本目の上演の際には、さっきまで舞台上で「演じていた」人が何事もなかったかのように物販に立っていたり客を誘導していたりして、現実と虚構の境界線>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

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ユーモラスで繊細。平屋の家は生活感が溢れ、本当に荒川区のどこかに実在してそうだが(遠くにスカイツリーが見える中で子どもたちが遊んだり魚釣りしている風景が良いね)、リアリティがありながらもどこか寓話>>続きを読む

主戦場(2018年製作の映画)

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安倍晋三、もといサルでもわかる慰安婦問題
対立する論客(半分は自称だが)をイマジナリーを超えない構図で撮影・カットバックさせ、写真や公文書などの資料が細かく挿入される編集はテンポが早く、言わ
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

文字通り”地獄”の”ファミリー”ムービー!すごく面白かったけど、あまりに恐ろしすぎてもう二度と見たくない!これほどにも凄惨で絶望的な”悪夢”はないよ。人によっては世界の見方が決定的に変えられてしま>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

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クリスチャン・ベイルの肉体改造芝居は今回で見納め。内容としては20世紀後半〜21世紀初頭のアメリカ政治のB面、「副」「サブ」から見たアメリカ政治。まぁ、子ブッシュ時代を描く映画、チェイニーの評伝映>>続きを読む

キングダム(2019年製作の映画)

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アバンタイトルのCGによる古代中国の勢力説明+ナレーションを見たときにLOtRみたいだなぁと思ったけど、やはり目指してる方向性としてはLOtRやスターウォーズなのかな。ワイプする画面や、農夫の青年>>続きを読む

パピヨン(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

この話を聞いたとき、パピヨンまでリメイクするのかと思ったが、シャフナー、トランボ、ジェリー・ゴールドスミス、そしてマックイーンやダスティン・ホフマンらが築き上げた「聖典」を穢された気分
とにか
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名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

監督・脚本は『モンスターVSエイリアン』のロブ・レターマン。内容は思った以上に『ズートピア』で、拒絶していた人物(ポケモンだけど)と結ばれる友情、美少女との恋、別れた父の捜索と再会といったプロット>>続きを読む

虐殺器官(2015年製作の映画)

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ノイタミナの伊藤計劃アニメ映画化第3弾。『屍者の帝国』は原作をアレンジしまくっていたが、そもそも原作の「忠実な映画化」が良いものなのか、何をもって「忠実」なのか問題があって、逆に『ハーモニー』は原>>続きを読む

がんばれ!ベアーズ(1976年製作の映画)

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久々に見たが面白かった。この手のポンコツ・ヘッポコチームのリベンジモノは日本のドラマや映画、漫画やアニメでも多いけど、ここまでギャグ入れて笑わせて、しかもちゃんとスカッとさせないとダメだなぁ。序盤>>続きを読む

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(2015年製作の映画)

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映画が時間の表現・藝術である以上、「時間」に言及的・自覚的な映画は必然的に興味深くなる。リンクレイターはまさに映画における「時間」を意識している作家で、過去作にも『ビフォア』3部作や『6歳のボクが〜』>>続きを読む

選挙2(2013年製作の映画)

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 予告で再びカーネル・サンダース人形に握手している山さんを見たときはアガったものだが、前作『選挙』を踏襲した正統的なパート2の作劇……かと思いきや、見ているときに感じる印象は前作とは大きく異なる。山さ>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

シネマカリテ新宿
「リメイクではなくカバー」というコメントにもあるように、東西ドイツやベルリンの壁、バーダー・マインホフ、そしてホロコーストといった実際のドイツの歴史的背景・文脈を、「舞踏団のダンサー
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ハロウィン(2007年製作の映画)

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サイコパスの殺人鬼しか持ちえない孤独と悲しみを、そのまさにサイコパスの殺人鬼であるマイケル側から描いているpatheticな冒頭のシークエンスは本当にすごい。マイケルに「まるで親友だ」と言ってしまう博>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

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演技のことは分からないし、まして聞き取りのできない言語による演技となると更に分からないが、俳優陣の三者三様のキャラクター作り、演技のアプローチが興味深かった
セックスや自慰行為をしながら(笑)ヤレヤレ
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

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水に浸かって頭に変な機械を付けられた3人の予知能力者たち、車を飛び移っていくトム・クルなどはこの映画のアイコンとでも言うべきビジュアルやアクションで、セリフやモノローグではなく「画」で見せることこそ映>>続きを読む

アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

同じ日に見たのがグリーン・ブックで、たまたまマハーシャラ・アリ出演作二本立てになった
2017年のゴースト・イン・ザ・シェルに続く2度目の日本のサイバーパンク漫画のハリウッド実写化で、キャメロンが温め
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砂の器(1974年製作の映画)

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この映画について説明するのはさほど難しくありません。ですが、あの父と子の気持ちは、思いは、わたしたちには絶対に分からない。分かったような気になってはいけない。この映画は、安易な「理解」や、レトリックに>>続きを読む