バンバンビガロさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

バンバンビガロ

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断崖(1941年製作の映画)

3.2

あるいわくありげな男と恋に落ち結婚した富豪の娘。結婚生活の中で夫には数々の金銭トラブルが発覚し妻は夫への不信を募らせていく。
とにかく序盤から非常にゆっくり丁寧に話が進み、二人の出会いから結婚生活、様
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.0

難民映画祭2022にて視聴。
ある一人の難民の回想録をアニメーション形式で描いたドキュメンタリー映画。
アニメーションによるドキュメンタリーというとアリ・フォルマン監督による『戦場でワルツを』が印象に
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.0

オンラインで開催された難民映画祭2022という企画で視聴。チケットを購入すると6作品が見られオプションで難民への寄付もできるという仕組みになっている。

本作は日本で育ったクルド人少女が直面する現実と
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スミス夫妻(1941年製作の映画)

2.3

映画としての出来以前の問題で作中の価値観が結構現代的な感覚とずれていてしんどさを感じるところが多かった。コメディは他のジャンルに比べて時代の影響によって風化しやすいと思うし日常生活を中心に描くので細か>>続きを読む

海外特派員(1940年製作の映画)

3.0

アメリカの新聞社の海外特派員である主人公が取材の過程で大きな陰謀に巻き込まれるというサスペンス。
第二次世界大戦の直前の話で戦争を止められるかどうかというシリアスな駆け引きが描かれるが、序盤は割と軽快
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.7

前に『君の名は。』を見た時の印象から比べるとだいぶ地に足の着いたよくできた映画になっていると思った。
流石に絵には力があるし映像のレベルは高い。単純なエモーションに頼り切らずロードムービーとしての骨格
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

2.2

『A GHOST STORY』のデヴィッド・ロウリー監督ということでそれなりに期待して見に行ったのだが残念ながら面白くなかった。
確かに映像は良く撮れている。世界観もしっかりしてるしデヴィッド・ロウリ
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レベッカ(1940年製作の映画)

4.4

ある婦人の付添としてホテルに滞在した主人公はそこで妻を亡くしたばかりの大富豪マクシムと出会い恋に落ちる。マクシムと結婚した主人公はマンダレイと呼ばれる大邸宅での生活を始めるのだがそこでかつての女主人で>>続きを読む

巌窟の野獣(1939年製作の映画)

2.9

これまでのヒッチコック作品とは少し毛色の違う時代劇。いわゆる悪代官ものという感じで町の有力者がごろつきを陰で操りながら悪事を働くという水戸黄門なんかでよく見るような話である。しかし物語は単なる勧善懲悪>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.9

ザ・メニューというシンプルな題名。一品ごとに提供される料理と共に進行する物語。それはこの映画自体が我々観客に提供されるメニューとして見立てられることを示唆している。それを踏まえると冒頭にシェフが述べる>>続きを読む

バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.4

とにかく面白い娯楽映画の王道的作品。
個性的な登場人物、謎めいた展開、周到に用意された数々の伏線とどこをとっても観客を楽しませる創意に満ちている。
列車という閉鎖的環境の中で一緒にいたはずの老婦人が突
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第3逃亡者(1937年製作の映画)

2.3

はっきり脚本の出来がよくない作品。
殺人の冤罪をかけられた主人公の逃亡劇なのだが導入部分から強引な展開で、浜に打ち上げられた死体を偶然主人公が発見するくだりも都合がよすぎるしなぜ被害者の多額の遺産が主
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サボタージュ(1936年製作の映画)

3.5

このあたりの作品になるとヒッチコックの本領が十分に発揮されており、ウェルメイドなサスペンス映画に仕上がっている。
作品の筋立ては非常にシンプルで人物描写も表面的なのだが巧妙なシチュエーションづくりと間
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未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)

2.5

いかにも70年代的なカウンターカルチャーの影響を感じさせるSF映画。
大まかな内容としては文明の発展の末に寿命を失い精神的退廃が極まった未来の社会が一人の野蛮な人間によって破壊されるというような話なの
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ノベンバー(2017年製作の映画)

2.8

魔術的な超常と農村の日常が自然に融合している世界観、不穏で混沌とした描写の中にかすかなと可笑しみシュールさを感じる映画でかなり抑制された形ではあるけれどテリーギリアムを思わせるようなところもある。
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暴力をめぐる対話(2020年製作の映画)

2.4

フランスで起こった黄色いベスト運動においての警官隊と市民デモの衝突、そこで行われた暴力行為について当事者・関係者・学者などが議論を交わすドキュメンタリー映画。
ドキュメンタリーとしてみるとやや不親切な
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

2.8

MCU諸作の中で特別に出来が悪い作品だとは思わないが正直なところあまりテンションの上がらない作品であった。
今回のメインストーリーである海底帝国との対決は単純なヒーローとヴィランの戦いという構図を外そ
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間諜最後の日(1936年製作の映画)

3.2

主人公はイギリスのシークレットエージェントとして正体不明のドイツのスパイを捕えるためスイスへと向かう。到着したホテルの部屋には妻役を務めるという協力者の女とあからさまに怪しい謎の男がいるのだが・・・な>>続きを読む

三十九夜(1935年製作の映画)

3.2

国際的な陰謀に巻き込まれた男の逃亡劇。
一つの逃亡劇としてよくできていると思うがそれ以上に逃亡した先々での細かいエピソードが結構面白く主人公を助ける農夫の妻のちょっとしたドラマや選挙の応援演説のシーン
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暗殺者の家(1934年製作の映画)

2.6

陰謀に巻き込まれ娘を誘拐された夫婦が娘を取り戻すために犯罪組織を追うというサスペンス映画。
シリアスな題材に見せかけて雰囲気は結構軽い感じで所々リアリティが低くなる場面もある。雑な変装、謎の催眠術、椅
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宇宙戦争(2005年製作の映画)

3.5

原作を読み終わったタイミングで視聴。1953年版も視聴済み。
原作の主要な要素の一つは圧倒的な力を持つコミュニケーション不能な存在に執拗に襲われる恐怖であり、これは『激突』『ジョーズ』『ジュラシックパ
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ウィンナー・ワルツ/ウィーンからのワルツ(1934年製作の映画)

3.1

今現在も数多く作られている音楽映画、伝記映画の原型というか基本的なフォーマットがこの時点でほとんど完成しているということに驚かされる。
父親との確執、恋人と伯爵夫人との間の三角関係を交えつつ歴史的名曲
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花の詩女 ゴティックメード(2012年製作の映画)

2.7

原作未読の薄っすらとした知識で鑑賞。アニメーション作品としてはややチープな質感で美術やデザインの良さに塗りや動きがあまり追い付いていない印象を受けた。もっと豪華絢爛にすればするほど映える作品だと思うが>>続きを読む

アムステルダム(2022年製作の映画)

3.0

ほぼ実話であるということがやたらと強調されていたけれど普通に脚色された劇映画だったと思う。そもそも実話に基づいているからすごい・面白いという感覚はよくわからない。
ストーリーはやや取っ散らかってるし、
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第十七番(1932年製作の映画)

2.1

とにかく話が分かりづらい映画。そんなに複雑なストーリーではないのに全体的に説明不足で整合性が怪しい箇所が多い。登場人物の言動にいちいち違和感があってノイズになっているし、似たような恰好の人物が暗い画面>>続きを読む

リッチ・アンド・ストレンジ(1931年製作の映画)

2.5

ある夫婦の旅先におけるメロドラマ。
わがままで子供っぽい夫と母親のごとくふるまう妻どちらも相手の人格を無視している感じがあり、ある意味では相性のいい夫婦である。
なんだか変なバランスの映画で旅行中のW
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たまご割れすぎ問題(1926年製作の映画)

2.8

『NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズ 発明中毒篇』という企画で見た6作品の中から一本。
20分程度の小品で内容としてはオーソドックスなスラップスティック・コメディの中にストップモーションの
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RRR(2022年製作の映画)

4.0

インドの超大作アクション映画。
ストーリとしては奇をてらったところはなく、前フリとその回収が丁寧に行われる。予想を裏切ることはなくむしろ予告されたことを想像以上の描写でやり抜くことで視聴者の度肝を抜く
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スキン・ゲーム(1931年製作の映画)

3.6

話運びが格段に滑らかになっており無駄のないよくできた娯楽映画としてまとまっている。
工場建設のために土地の買収を進めるホーンブロワー家と古くからの土地と景観を守ろうとするヒルクリスト家の間の諍いを描い
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ジュノーと孔雀(1929年製作の映画)

3.8

見始めてからしばらくこれは一体どういう話なのか杳として分からなかった。
アイルランド内戦を背景ににじませた剣呑な雰囲気のなかコメディにも思えるやや誇張された演技による会話劇が延々と続く。主人公の家族に
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殺人!(1930年製作の映画)

3.1

所謂ミステリー的な作品なのだが謎解き部分は正直良くできてるとは言い難くノイズが多い割には説明不足のところもありミステリーとしての面白さはあまりないと思う。俳優である主人公が俳優の経験を通して現実の犯罪>>続きを読む

ヒッチコックのゆすり(1929年製作の映画)

2.8

ヒッチコックの初期の作品で初のトーキー映画ということで色々な試行錯誤があったのであろうことが伝わってくるが作品の出来自体は全体にややぎこちなくストーリーも冗長に感じた。とはいえ細かい演出を拾っていくと>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

3.9

ベトナム戦争を題材にした映画のなかで本作の特色は戦争に行く前と後を丁寧に映画いているところにあると思う。
特にベトナムに行く前の結婚式を含む一連のシーンは非常に長いのだけどそれだけの長さで描かれるから
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サイレント・ランニング(1972年製作の映画)

2.9

真面目なSF作品としてみるにしてはアイデアもテーマも中途半端だし、娯楽作品としてみるには外連味が足りない。見るべきところはあるけれど面白いかといわれると回答に困るそんな作品。
ダグラス・トランブル監督
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漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)

4.1

脚本、映像ともにとても丁寧に作られている良質なアニメーション作品。
話としては基本的に主人公のキクりんのビルドゥングスロマンといえると思う。思弁的で周囲をよく観察する利発な性格が繊細に描かれるキクりん
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ソングバード(2020年製作の映画)

1.7

個々の問題点をあげつらう必要も感じない程度の凡庸で稚拙な作品。
唯一特筆すべき点があるとすればこの作品がコロナウイルスによるパンデミックを題材としてコロナ禍において撮影・公開されたところであると思うの
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