まえださんの映画レビュー・感想・評価

まえだ

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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.0

毒親に縛られ続けた哀れな男のコメディ。主人公の心理に酔った不快な映像がずっと続き、笑えそうで微妙に笑えない絶妙なラインを走り続けてる感じ。
デカい◯◯◯は唐突で衝撃的だが、象徴する意味はなんとなくわか
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.9

変なカメラワークとトンチキなビジュアル・世界観に圧倒されるが、中身は女性の自由意志をテーマにした真っ当な成長譚で、娯楽作品として普通に面白い。性行為と下ネタてんこ盛りなのにいやらしさがほとんど無い。

サンクスギビング(2023年製作の映画)

4.5

2023年を締めくくるのにふさわしい正統派スラッシャー映画!
色んな殺害方法があって楽しめるし、ミステリーとしても普通に面白く、消費資本主義に警鐘を鳴らす社会派な一面もある。

バカ塗りの娘(2023年製作の映画)

4.1

ストイックなご当地映画。

津軽塗職人の父・清史郎とそれを手伝う娘・美也子を中心とした、少し拗れた家族と伝統技能の継承を描く物語。津軽塗りは馬鹿丁寧に塗りを重ねるから"バカ塗り"と呼ばれている。
ある
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トンソン荘事件の記録(2020年製作の映画)

3.8

ファウンドフッテージものの寄せ集めのような既視感の強い映像と構成だが、ミステリー要素強めで好奇心をくすぐる。全てを説明せず謎と厭さを残す作りは好みが分かれるだろうが個人的には好き。後半で一瞬だけ映った>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.0

「動くSFコンセプトアート」が見れて大満足。AI規制派の西欧とAI共存派の東洋という対立は現実と地続きな感じもするし、被害者ムーブで他国を攻撃しまくる感じが完全にアメリカって感じだった。冷酷無慈悲なア>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.0

観てるとだんだん具合が悪くなってくるが、なんとなくチョコバーが食べたくなる不思議な映画(おいしそうではない)

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

オーランドブルームがなんだか胡散臭い
ソニー・日産の宣伝色強め映画だが、師弟モノのスポ根としては王道ど直球で面白い。

特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト(2023年製作の映画)

4.2

ユーフォ3期へと導く中編であり、期待に満ちた全てのユーフォファンへの施しのような作品。

TVシリーズのようなシリアスな局面があまり無く、淡々と進む話運びはなかなか新鮮だったが、久美子の独白をベースと
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.3

ミアゴス無しでは成り立たない濃厚ミアゴス映画でオズの魔法使いオマージュな極彩色の悪夢。1918年が舞台だが、疫病・毒親・ヤングケアラー問題等現代に通ずる苦悩があり共感に難くない。閉鎖的で抑圧的な家庭環>>続きを読む

来る(2018年製作の映画)

3.7

トンチキ映画なんだろうな〜と想像しながら鑑賞したら思った通りのトンチキ具合ではあったが、ホラー要素以外の大半の部分でメンタルをゴリゴリ削ってくる「育児ホラー」だった。

ぶつ切りの編集と先を読ませない
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ダークグラス(2021年製作の映画)

3.5

単調でダサい音楽とかったるい演出。全盲の女性と中国人の少年という奇妙なバディでの逃避行は見応えがあったが、ヘビのくだりはいらないと思った。

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.7

雪深いエストニアの診療所を舞台にした作劇はスピーディーかつ古典的ホラーの導入で、アメリカへの逃亡を図るまでは「前作でエスターの正体は明らかになっているし、同じネタでどんな前日譚を描いても結局結末は同じ>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.9

壮大なマルチバースを、せわしない編集と極めて馬鹿げた作風で描きながらも、根底にある普遍的なテーマに泣かされる。自身の上位互換が無数に存在し、限界以上に拡張される現代世界のカオスの中で、本当に大切なもの>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.0

緻密な時代考証で作り上げられた、ヴァイキングを基にしたハムレット的復讐神話。重厚なビジュアルと喉歌を用いた劇伴が素敵。北欧人としてはハッピーエンドなんだろうが、復讐の運命に抗えない哀れさに泣かされる。>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.1

男の厭さ・有害さを徹底的に煮詰めたような映画で、心理的な嫌悪感をこれでもかと掻き立てられる。神話的なモチーフに仮託して描かれる男女の関係性。いろんなクソ男を演じ分けるロリー・キニアも、それに翻弄される>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.5

ヘタレなガウェインが母親に尻を叩かれ冒険する、ちょっとユニークな成長譚。現実か非現実かもわからない魔術的な出会いの中でひたすら内省を強いられる、現代とも通ずる普遍性が見える寓話だった。

パンフレット
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ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

3.9

嗅覚にまつわる特殊能力を持つ少女が母親の秘密を探るタイムリープもの、というSF的な触れ込みだが、能力が遺伝的なものであるということ以外はほとんど説明されることはないし、結末に明確な答えが提示されること>>続きを読む

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

4.0

追悼映画としての側面はさておき、「継承」と「通過儀礼」というテーマになぞらえて、シュリを主軸とした内面の葛藤にしっかり寄り添う映画だと感じた。喪失を経験して悲しみから怒りへ、そして復讐を経て受容・共生>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.3

新海誠の神道+災害映画第3弾。
さすがにそろそろ違うのを見せて欲しいが、ここにきて史実の災害をテーマに盛り込んでくる気概はなかなか。また、それを露骨に口で説明することもないのであざとくなくて良い。
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.8

母と娘を演じる双子のありのままの戯れが実在感を醸し出していて、大変ほっこりした。SFなんだけれどもそこをあんまり重要視させない見せ方が上手い映画だと思った。

時間軸の異なる2つの家のシーンの対比のさ
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紅い服の少女 第二章 真実(2017年製作の映画)

3.3

第一章でも見せたCGのアクの強さが本作でも生きていて、特に後半の虎爺(フーイエ)の活躍シーンはディ◯ニーアニメのようなルックスで強烈なインパクトが残る。第一章から続投するイージュン役の俳優さんの前作と>>続きを読む

紅い服の少女 第一章 神隠し(2015年製作の映画)

3.5

思ったよりゴリゴリのCGとジャンプスケアの応酬で押してくる感じのホラーで、後半はだいぶファンタジー色が強い。ビビらせるシーンの音響がいちいちうるさいが、そこはこだわりなのだろう。やんわりした感じで終わ>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

アイスランドの雄大な風景とノオミ・ラパスの顔面力で全てが成り立っているような野心作。ノオミのハスキーボイスで響く「アーーーーッダーーーーッッ!!!」が頭から離れそうにない。

とにかく説明が全く無い
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