Rickさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒(2019年製作の映画)

4.2

 ヴィクトリア朝時代のイギリス。探検家として名を馳せるべく、UMAを探して世界を駆け巡る紳士サー・ライオネル・フロスト。彼の元に一通の手紙が届いたことで、地球を半周する大冒険が幕を開ける。人類の進化過>>続きを読む

トゥループ・ゼロ~夜空に恋したガールスカウト~(2019年製作の映画)

4.2

 無限に広がる宇宙空間を飛び続ける探査機に搭載されているゴールデンレコード。それは地球の生命や文化を、まだ見ぬ地球外生命体に伝えるためのもの。この地球に我々が存在していることを示すためのもの。そんなロ>>続きを読む

劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(1998年製作の映画)

3.8

 オリジナルとコピー、自然と人工の尽きることを知らない相剋を、ポケモンの最初の映画のテーマとした作り手の心意気の高さよ...。
 「野生のポケモンを捕まえて仲間にして戦わせる」という構図には、人間が自
>>続きを読む

ディス/コネクト(2012年製作の映画)

4.3

 当たり前になりすぎて、パソコンやスマホに囲まれて生活していることにもはや何の感情も抱かなくなってしまった。SNSも日常の一部と化し、その正の側面以上に、SNSに絡んだ犯罪や悲しい事件ばかりが目につく>>続きを読む

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(2014年製作の映画)

3.7

 クラスは崩壊していて、喧嘩も絶えない、成績も悪い、落ちこぼれ学級。担任の歴史と地理、美術史教師は、ホロコーストについてのコンテストにクラスで参加することにする。歴史に向き合い、虐殺を経験した人々の声>>続きを読む

羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

4.9

 居場所を無くした少年が、様々な生き方を知って、思想や立場を知って、新たな居場所を見つけ選んでいく。そんな普遍的で手垢のついたような物語でも、語り方や見せ方次第でどこまでもフレッシュになり得る。この作>>続きを読む

あさがおと加瀬さん。(2017年製作の映画)

3.4

 はじめてのお付き合い。嬉し恥ずかしのピュアッピュアで、あまりにもベタな展開だけれども、大好きな気持ちと内気ゆえの距離感が縮まりきらない空気感を丁寧に描いている。気持ちが高まると頭から芽が出るところな>>続きを読む

私はモスクワを歩く(1964年製作の映画)

4.4

 地下鉄の工事現場で働くコーリャ、シベリアから旅行でモスクワを訪れた作家ワロージャ、結婚式を目前に控えたコーリャの親友のサーシャ、デパートГУМのレコード店で働くアリョーナ。4人の若者がモスクワで、と>>続きを読む

堀切さん、風邪をひく(2011年製作の映画)

3.3

 「気まずさ」を尽く、骨の髄まで味わい尽くしたような17分間。あまりにもシュールで、笑うに笑えないけれども笑うしかないほどの...何だろう...?喜劇なのか、ホラーなのか...。

TUESDAYGIRL(2011年製作の映画)

3.3

 かたや関係が壊れることが怖くてお互いに秘密を打ち明けられずにいるカップル、かたや婚姻届を出す間際のカップル。2組のカップルが「正直になる」ことを通して、真逆の方向へと進む姿を描いた44分の短編。「ど>>続きを読む

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.3

 デビッド・リンチでもなく、ドゥ二・ヴィルヌーヴでもない、ましてやフランク・ハーバートのものですらない、アレハンドロ・ホドロフスキーの「デューン」。誰も見ることはなく、生み出されることもなく、携わった>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.2

 「考えるな、感じろ」を体現したような2時間半の映画体験。圧倒的な情報量、画面から溢れ出るセンスオブワンダー、飛び交うそれっぽい専門用語、ズンズンと胸に響く大音量のサウンドトラック、考えれば考えるほど>>続きを読む

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.7

 時代は過ぎゆく。技術も進歩し、ガス灯は電気灯へ変わり、街には機械が溢れていく。道も舗装され、便利な世の中へと進む。通信技術もまた然り、想いを伝える方法も変わっていく。文字で伝える手紙から、言葉自体を>>続きを読む

映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(2019年製作の映画)

3.8

 日本で最も有名な家族、野原家のドタバタ新婚旅行。もちろん子供向けに下ネタやしょうもないギャグも盛り盛りになっているが、ふとした時に飛び出てくる家族をめぐる問いかけがクレヨンしんちゃんの真髄だと思う。>>続きを読む

メメント(2000年製作の映画)

4.1

 自分が10分前と同一の自分だと言えるのは何故だろう。記憶が一続きになっているからか。それとも戸籍や証明書などが自分を自分と判断しているからか。自分の周りの世界の認知は、主観と客観によってしかなされな>>続きを読む

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.7

 とある怪我をきっかけに部活を離れてファミレスでバイトに打ち込む高校生の橘あきら、昔からの夢を諦めようとしながらも諦めきれずファミレスの店長として働き続ける40代の近藤正己。前にも進まず後退もしない、>>続きを読む

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

4.7

 ただ愛する人が同性だったというだけ。ただダウン症として生まれてきただけ。本当にそれだけのことなのに、「普通」などというふざけた世間の定義から外れているという理由で、小さな幸せや細やかな日常すらも享受>>続きを読む

The Stunt Double(原題)(2020年製作の映画)

3.5

 映画のアスペクト比といえば、4:3のスタンダードサイズや2.35:1のシネマスコープサイズが主流であり、そのサイズ感で画角が決められており、我々の目にはそれ以外は慣れない、場合によっては違和感さえ覚>>続きを読む

劇場版 SHIROBAKO(2020年製作の映画)

4.3

 テレビシリーズの時からであるが、アニメが出来上がるまでをアニメで表現することは、自分で自分の首を絞める行為に等しい。作中で良い作品を作ろうと頑張る姿に、アニメーションとして良い作品であり、かつリアル>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.4

 毎分7000回のエンジンの回転数で走り続けるル・マン24時間レース。以前にドライバーとして走った経験のあるカーデザイナーのキャロル・シェルビーと、熟練レーサーのケン・マイルズ、レースに取り憑かれた2>>続きを読む

セイビング・レニングラード 奇跡の脱出作戦(2019年製作の映画)

4.0

 1941年9月17日、872日間続くことになるレニングラード包囲戦の最初期にラドガ湖で行われた「荷物船752号(Баржа № 752)」による脱出作戦を描いた作品。「国民の物語」として非常に大きな>>続きを読む

コララインとボタンの魔女(2009年製作の映画)

4.1

 部屋の隅の鍵のかかった小さな扉。まるでボタンの穴のようなトンネルを抜けると、そこには「良い」母と「良い」父が手厚くかまってくれ、なんでも言うことが叶う夢のような世界が広がっていた。ただ、すべての生き>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.7

 「空振り三振」の連続で、注目される時は「エラー」した時だけ、例え打席にたっても「送りバント」しかさせて貰えないような、「アルプススタンドのはしの方」にいる少年少女たちに向けた応援歌。「仕方ない」を抱>>続きを読む

劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel Ⅲ.spring song(2020年製作の映画)

4.2

 幼少期から全てを奪われ、支配され続けて、いつかきっと救われる、助けが来てくれるはずだと思い、清純で弱くあり続けてきた彼女の内に抱え込んだドロドロで醜い気持ちが遂に溢れ出して牙を剥く第3章。一気呵成に>>続きを読む

野火(2014年製作の映画)

3.8

滴る血も沸騰するような灼熱の中、飢えと孤独と死が迫り来ると、人はどれほど野蛮で残酷で恐ろしくなれるのか。人が作り出した地獄では生への執着すらも、美しいどころか醜く汚いもののように覚えて仕方がない。そし>>続きを読む

見えない目撃者(2019年製作の映画)

4.6

 和製サイコスリラーとして、硬派かつ堅実にけれども趣向を凝らした仕上りになっていて非常に面白い。しっかりと日本の社会的な背景を取り入れつつ、誘拐事件の内容の不気味かつ得体の知れなさ、共感できなさも担保>>続きを読む

プロメア(2019年製作の映画)

4.3

 突然変異で誕生した炎を操る「バーニッシュ」たちのテロ集団「マッドバーニッシュ」による火災事件が多発する中、消防隊「バーニングレスキュー」の新人隊員ガロは、マッドバーニッシュのリーダーであるリオを捕ま>>続きを読む

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

3.5

サメVS世界最強のステイサム
 世界中(の限られた一部の層)が待ち望んだデスマッチの火蓋がついに切られた!
なんとまあ、サメ映画(正確にはメインはサメではないけど、サメももちろん出てくる)を見ていたと
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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

2.8

 花火は横から見たら丸いのか、平べったいのか。実際のことなんかどうだっていい、たとえあり得ない形をしていたって。そこには幾つもの「もしも」がある。けれどもどの「もしも」にも、変わらぬ刹那的な感傷と淡い>>続きを読む

恋のときめき乱気流(2012年製作の映画)

3.9

 ニューヨークからパリまでの6時間のフライト中、もし最悪な別れ方をした元カレが隣の席に乗り合わせたら?お互い逃げ場のない空の上で、少しずつ幸せだった甘い過去、2度と触れたくもない嫌な過去に向き合わざる>>続きを読む

T-34 ナチスが恐れた最強戦車(2018年製作の映画)

4.2

 1940年第二次世界大戦の真っ只中に作られた中戦車T-34の試作機がウクライナのハリコフ(ハルキウ)からモスクワまでの道程を自走して閲兵式まで運んだという史実をもとに、エンタメ要素を足し算しまくった>>続きを読む

Battle at Big Rock(原題)(2019年製作の映画)

4.4

 『ジュラシックワールド:炎の王国』によって「王国」が陥落したその後を描いた作品。次作へのブリッジ的役割を果たしていると思うが、これまたびっくりするくらいハラハラドキドキ出来て面白く、パークの一作目を>>続きを読む

ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

3.4

 人のエゴと市場原理が生み出した生物の環境を、これまた人のエゴによって変えてしまったならば、その責任は誰が負うのか。CGの進化と共に作られ続け、技術お披露目的側面と恐竜の学術的成果お披露目的即面を担っ>>続きを読む

オーシャンズ8(2017年製作の映画)

4.2

なんという、ちょうど良さ。
豪奢で煌びやかでスマートでカッコ良くて。
もうそれだけで良いにも関わらず、オールスターキャストっぷりが半端ないどころか皆が本当に生き生きしててこちらまで嬉しく楽しくなってく
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パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)

4.1

どんな些細な疑問でも、公共図書館に投げかけてみるといい。そこにはきっと、様々な人の声に埋め込まれた答えが見つかるはずだ。あり得そうにもないような小さな奇跡だって、きっと。

公共空間では人々の権利が複
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ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)

4.7

クリスマス、それは去年までの自分にさよならを告げて、再び生まれる日。そんな時期には、日々の生活を蔑ろにしてしまって心に空いた穴を埋めてくれるような、素敵な奇跡だって起こる。今年は涙を流さないように、少>>続きを読む