バートローさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

バートロー

バートロー

映画(1978)
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はちどり(2018年製作の映画)

3.8

観終わった後に何度も反芻し、最後まで途轍もない不幸が待ち受けているのではないかとヒヤヒヤしてしまう作品だった。94年韓国と今の自分、あるいはかつての自分が重なる訳ではないが、どこか懐かしい様な、自分が>>続きを読む

ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(2020年製作の映画)

4.5

過去から無理やり偉人を連れてくる強引な英霊召喚システムとパラドックスとかややこしいのは全部無視なハッピー設定にはあのfateシリーズだって敵わない。そして偉人が今回もやたらと物分かりが良くて可愛い、地>>続きを読む

ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019年製作の映画)

4.3

心底馬鹿馬鹿しくて、馬鹿馬鹿しくあればあるほど悲しい。なぜ死んだが邦題だけど、知らなくていいこともある、でも残された者は知る必要があるので八方塞がり、真相を知らない周囲と同じ苛立ちを味わえる作品かと。>>続きを読む

グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)

3.9

要は小6版『スーパーバッド』でやってる事も大差はないのだけど、大人の懐古ではなく、今の小6をちゃんと描いているのが良い。ジェイコブ・トレンブレイら可愛らしい子役が無垢な顔でとんでもないセリフを吐いて、>>続きを読む

監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(2020年製作の映画)

4.2

今のSNS社会を作った張本人たちの懺悔と本気の警鐘。なぜ反ワクチンやコロナ嘘説等はSNSで広がりやすいのか。なぜ過激な思想だけが駆け巡るのか。騙されやすいと判断されたユーザーに更に陰謀論をレコメンドす>>続きを読む

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

3.9

米国チャイナタウンでの目に余る差別に立ち向かう老齢に差し掛かったイップ師父。3作続けて描いた圧政に苦しむ市井の人々を、特に葉問、継承と続いた香港での理不尽な圧政をこのタイミングで再び描くのは誰かにとっ>>続きを読む

ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

4.5

全身からほとばしる殺気と大型の掃除機で雑に吸い込むように敵を大量殺戮していく世紀の傑作『最後の戦場』に対して、雑巾を絞るように恨みを込めて敵を殺戮していく『ラストブラッド』どちらも違ってどちらも良い。>>続きを読む

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇(2019年製作の映画)

4.0

遊星からの物体X的な大変厄介な隕石がド田舎のガードナー家の農場に落ちてくるH.P.ラヴクラフト先生の『宇宙からの色』の実写化。色による攻撃はまるでジョジョの奇妙な冒険のスタンド攻撃のように不可避で、陰>>続きを読む

ジュース(1992年製作の映画)

4.0

一番最初に観たのがボロッボロのVHS、その後が海外版のDVD、そして今回18年の時を経て念願のBlu-ray化。2pacの危うげでいて儚い演技がほとばしる才能を感じさせる。作品の内容以上にこの才能が真>>続きを読む

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.5

冴えない高校生活の中で唯一誇れるものが受験の成功、超名門大学への入学…周りと違って自分だけが遊ばずに努力したという思い込み、ウェイを見下していたガリ勉女子が卒業前日にヒエラルキー大崩壊。卒業式前夜のパ>>続きを読む

追龍(2017年製作の映画)

4.0

香港黒社会の栄枯盛衰を麻薬王と汚職エリート警官から描く一代記。香港ノワールのジャンルに乗っ取り素手でめちゃんこに強いドニーさんも渋めに銃を構えたり、麻薬を売り捌いたり、蹴りが放てなくて杖ついたり、やっ>>続きを読む

ザ・コール(2020年製作の映画)

4.2

韓国版『恐怖ノ黒電話』!?ともすればロマンティックな展開だったり、事件解決の糸口として使われるファンタジーな設定も、ホラー/サイコサスペンスの悪役に手綱を握られると極めて凄惨な展開になることを改めて教>>続きを読む

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

5.0

初回初球先頭打者ホームランみたいな畳み掛けとシリーズのファン的にそれは外したら死ぬぞみたいな展開をゆるがない王道に仕上げる練り込まれた力強さ。テレビ版、スペシャル、外伝とそこそこの道のりを経て鑑賞した>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

4.3

初手から一切期待を裏切らない極悪非道のコリアンマフィアのマ・ドンソク。そんな相手とは露知らず”殺れる”と思って狙いを定めたサイコなシリアルキラー。出会うはずの無かった2人を繋ぐのは愛、絆、心、ではなく>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

4.4

原作で既にかなりウェットな展開のエピソードなのに、劇中の終盤が過度に泣かせる仕上がりになっていたのが唯一の不満というか納得がいっていない。泣いたけど。とは言え作画を目当てに観に行ったのでその点はお釣り>>続きを読む

暗数殺人(2018年製作の映画)

4.0

キム・ユンソクがまた幸の薄そうな堅物刑事を演じているだけで満点の良さがある。韓国版マインドハンター(もちろん実話ベース)と言わんばかりに狡猾な自称シリアルキラーに翻弄され続けて、誰もが負け戦、迷宮入り>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

黒沢清なりに軍靴の音が聞こえ、必要に駆られて作ったのだろうかなどと思った。映画の巨匠としてホラー的な演出を他ジャンルでも効果的に使う監督の代表が正に黒沢清だが、そのお家芸はじわじわと戦争と全体主義が迫>>続きを読む

ヴァンパイアvsザ・ブロンクス(2020年製作の映画)

3.9

ヴァンパイアが地上げ屋で?!、地上げ屋がヴァンパイア?!相変わらず貧困も治安も最悪な移民の街NYブロンクスの”今”を描いたホラーコメディ。気のいい兄ちゃんが観せてくれてくれた最後のブラックスプロイテー>>続きを読む

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

4.3

ボコボコになればなるほど、ズタボロになればなるほど、底なしの庇護欲が掻き立てられる若き怪優トムホランドの被加虐的な魅力満載の、罪とは信仰とはを観るものに突きつける作品。戦争や男性性によって決定的に何か>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.4

大の大人がめちゃくちゃ真剣に馬鹿みたいなことを必死にやっている姿をそれらしく真剣に撮るのがノーラン作品の骨頂だと思っているので、終盤の赤組青組に分かれての大運動会の狂ったようにデカいスケールで狂ったよ>>続きを読む

地獄少女(2019年製作の映画)

3.3

玉城ティナの閻魔あいを結構楽しみしていて、お顔や振る舞いが閻魔あいそのものなことに感動しつつ、アニメ版と違いスタイル良くすらっとした体躯の閻魔あいはパースが狂っているのかと錯覚し、引きのシーンの度に笑>>続きを読む

エノーラ・ホームズの事件簿(2020年製作の映画)

3.8

ホームズの名前を冠しておいて推理とかミステリーは置いておいて…な感じが結構心残りだけど、今も続くコルセットから始まる抑圧と生きづらさや政治的無関心への警鐘をエンタメの枠でちゃんと描いているのが良かった>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

5.0

ジョナヒルのBOOM BAP HIPHOP愛に✌️あらゆるカルチャーへの造詣が深くリスペクトを忘れないジョナヒルだからこその作品だと思う。得意のコメディに逸れず、正面から描いた点も強く好感が持てる。現>>続きを読む

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.6

暗いのは分かっていたが中々に重い。ぼんやりと実話ベースを感じさせる学生スポーツの負の部分、残された家族、家父長制代表みたいな強権的な父親の生い立ちを考えると更に暗い気持ちになる。黒人社会の不幸テンプレ>>続きを読む

CURED キュアード(2017年製作の映画)

4.2

今も続くアイルランドの分断の歴史をベースにした素晴らしいゾンビ映画。ゾンビからの完治者が戻ってきた社会で、差別や仕事復帰への難しさなどを刻々と描いており、これがコロナ禍でさらに極端化した世の中と苦しい>>続きを読む

アンダーウォーター(2020年製作の映画)

4.5

深海資源を吸い取っていると、大地震で施設が大崩壊、しかも謎の深海クリーチャーまで来襲というボコボコに登場人物を殴ってくるパニックスリラー。水圧、酸欠、怪物が人を襲うテンポが素晴らしく、深海の静けさ不気>>続きを読む