森村バイヲさんの映画レビュー・感想・評価

森村バイヲ

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PicNic(1996年製作の映画)

5.0

外にでることが許されず、塀の上までを内側として歩くことが出来る。それは内側と外側の境界を歩くことだが、あくまでもそれは内側に配置されている。
主人公たちは塀の外から見ればアウトサイダーだが、塀の内から
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お熱いのがお好き(1959年製作の映画)

5.0

コメディの全てが詰まっていると言っても過言ではなく、同時に歴代最高のコメディ映画だと思う。
ラストの一言に全てのドタバタが収束される様は、芸術的。

エレファント(2003年製作の映画)

5.0

断片として存在する生活たちの群れ──「日常」を、群像を通して提示される。
様々な日常は時間の流れを無視し、時空間をポイントトゥポイントに配列されリゾーム的な時間を作り出す。直線的な時間軸では見えてこな
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

5.0

この映画は様々な対立構造で構成された作品である。
「大人/子供」「生/死」「真実/嘘」「儀式/遊戯」「家族/異邦人」と現実でも漠然と意識されている構造を抜き出し、それらの裂け目から裏返すようにして私た
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凶悪(2013年製作の映画)

4.5

実際の事件を下敷きにしたストーリーを、フィクションの記者に追わせるという構成で作られた作品。
通時的な主人公の現在時間(生活)の合間に差し込まれていく犯人の過去記録(事件、出来事)という構造は、記録に
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gerry ジェリー(2002年製作の映画)

4.0

ただただ荒涼な砂漠。
誰にも見られていない(監視の目がない)空間での生活や他者との関係とは一体何なのだろうか?それまでの関係にどのような変化をもたらすのだろうか?
この映画の特異な部分は、見る人間がい
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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

5.0

ボウイの長いキャリアにおける様々な状態や姿が、それぞれの時代背景としての映像や(恐らく)ボウイが影響を受けたものたちを合間に差し込みながら、断片的に綴られてている。
そのコラージュは、まるで月齢の移り
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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

5.0

ギャグを成立させるには、「なんでこの現象が笑えるのか」という批評性が必要になる。そしてこの映画はホラー映画における不条理さや恐怖がユーモアに接近している場面を取り押さえ、現場を批評することによって恐怖>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.5

「万物は流転する」
作中で引用されるヘラクレイトスの言葉であるが、それをひとつの関係性の中で表現した作品と言えよう。
万物──あるひとつの存在、関係、現象──というものは、大きな契機だけでなく、様々な
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.5

この映画は、ロードムービーである以上にウェスタンとしての構造を持っている。
謎の男が荒野に現れ周囲にある種の影響と変化をもたらして行くウェスタンは、映画の中でも映画らしい映画である。そしてその映画性─
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ロブスター(2015年製作の映画)

5.0

「恋愛」という物に対するあるひとつの寓話。
「共感/共通点」による他者同士を結び、カップルという「同一性」を育むこと、その擦り合わせを行うことが「人間的」であり、そこから外れると動物へと変身させられて
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