オープニングのドローイングの映像はすごく惹かれたし、フィックスやミドルサイズの多いキャメラワーク自体もミニマルな物語も好みだし、ところどころに見事なモンタージュもあったと感じたのだが、けっきょく何かが>>続きを読む
平田オリザの原作小説の映画化ということに興味を持ち、かつ特典の劇中劇『銀河鉄道の夜』の完全版の映像が観たくて、ブルーレイを購入して視聴。
実際の高校演劇の大会映像などがふんだんに使われていることもあり>>続きを読む
今さらレビューの必要もない傑作だが、改めて、サスペンス映画としてのクオリティに恐れ入った。いわゆる「ハラハラ」感が連続し、長尺だがまったく飽きさせず、映像の力で観る者を引っ張っていく力量はさすが。シー>>続きを読む
相米慎二の映画を観る度に思うのだが、自分は相米の映画を“生理的”に好んでいるのだと気付かされる。映画を観るということは、(いわゆる筋を追うこととは別に)ショットのサイズや時間感覚、テンポ、そうした「映>>続きを読む
劇中歌(主人公たちがバンドで演奏する『SO WHAT』と『SHE IS STANDING』)が聴きたかったのと、大友克洋の原作漫画が付録でついているということで、DVDの[SPECIAL EDITIO>>続きを読む
予備知識ほぼゼロで、配信でたまたま視聴。
光線(の違い)をかなり意識した撮影だと思うけれど、じゃっかん策を弄しすぎ(過剰にルックを変えすぎ)な気もした。さすがにカラーグレーディンで手を抜いたとかいうこ>>続きを読む
たぶん何十年ぶりかの視聴。
ストーリーは随分忘れていたが、やはりラストシーンは鮮烈。ガラス越しのラストショットも、いま観ても新鮮に感じる。
これぞアメリカン・ニューシネマ。
真島昌利(ex.ブルーハ>>続きを読む
NHK BSでのオンエアを録画視聴。
今さらレビューする必要もないが、名作中の名作。
画面の奥行きの使い方やキャメラのアングルなど、やはり味わい深い。特に、日本家屋の中で人物が奥に遠ざかっていく動きや>>続きを読む
ごく普通の善良な一市民を排除していく、社会福祉制度。あからさまな“悪意“が現前化しない分だけ理不尽だという思いが募る。劇中で直接言及されているわけではないが、「新自由主義」、「自己責任」という(大嫌い>>続きを読む
すかっと終わる青春映画を観たい気分だったので、配信で視聴。
60年代の京都が舞台、日本人の高校生の在日朝鮮人の女子高生への「一目惚れ」が一応のメインプロットではあるが、その他にも幾層のサブプロットが重>>続きを読む
冒頭の鉄道の車両基地の映像と、そこに続く犬と歩く主人公の映像(と聞こえてくる鼻歌)だけで、この映画が揺るぎない傑作だろうと確信した。
ラストベルトのインディアナから職を求めてアラスカに向けてクルマを走>>続きを読む
シドニー・ルメット作品がわりと好きで、20代の頃に観て、その当時もとても面白かった記憶があるのだけど、2024年のいま観ても、いわゆるサスペンス映画として凄く面白かった。
プロローグのいくつかのシーン>>続きを読む
前日に劇場で観た『ファースト・カウ』からの流れで配信視聴。
SNSでも高評価が流れてきていたので、ちょっと期待してたのだが、あまり好みではなかった。
音楽の使い方はとてもうまくて、ジャズ・ドラムのビー>>続きを読む
僕はわりと「森の映画」が好きなのだが、これも広い意味で「森の映画」にはあてはまりそうだけれど、「美しい森」でも「神秘の森」でも「恐ろしい森」でもなく、強いて言えば「日常の森」を舞台にした映画だった。>>続きを読む
ちょうど1年ほど前に観た『ケイコ、目を澄ませて』の三宅唱監督作品なので、けっこう期待して観たのだが、今作はちょっと僕の趣味とは合わなかった。
ショットのサイズ感や長回し気味の映像などはとても好みで、ク>>続きを読む
青山真治の長編デビュー作にて、“北九州サーガ三部作”の第一作。結果として、これを3番目に観ることになった。
構図の決まり方がいちいち見事で、陰鬱な色調も、この世界をよく表していると感じた。
『HELP>>続きを読む
年内で配信終了との情報をSNSでみて駆け込み視聴。
作品の存在は知っていたが、観たのは今回はじめて。
途中まで、説明が省かれて、ショットもパシッと決まってて、色調の転換も心地よくて、とても好きなタイプ>>続きを読む
この映画に今さらのレビューでもないのだけれど、改めてレストア版で観てやっぱりすごい映像だなあと。
まず、冒頭アバンタイトルで、すぐに心(とういうか眼)を持ってかれる。
全編、「お洒落」とか「スタイリッ>>続きを読む
よい意味での、オールド・ファッションド・メロドラマ。
端正なキャメラワークとモンタージュは、期待どおりのカウリスマキの映画だったが、ただし期待を大きく越えるものまでではなかったようにも思う。
ラストシ>>続きを読む
NHK-BSでのオンエアで視聴。ちゃんと観たのはだいぶ久しぶり。
今さらレビューでもないのだが、キューブリックの映画は、やはり好きだと確認。(僕のライフタイムベストは、長らく『時計じかけ~』だった)
『PERFECT DAYS』を劇場で観た流れで、配信で視聴。観るのはたぶん公開以来なので30年ぶり以上か。
『PERFECT DAYS』でのヴェンダースのインタビューで「視線(とリバースショット)」に>>続きを読む
ヴェンダースのフィルム、そこに流れる歌がルー・リードとくれば、否が応でも期待は高まるわけだが、期待にたがわず、良い映画だった。
かちっとしたストーリーらしきものは無く、セリフは極度に少なく、徹底して説>>続きを読む
70年代日本映画の傑作。同時期のATG系(の後期)やその後のディレカンの映画と比べても、断然、活劇でありエンタメであって、シンプルに面白い。
この種の映画は「つじつま」とか「(表面的な)ほんとっぽさ」>>続きを読む
赤い大きな橋(若戸大橋という橋らしい)が印象的。
冒頭からしばらく多用されるジャンプカットが、この映画の世界の不安定さを表していたように思う。多くの人が(たぶん)言っているとおり、物語を従えて君臨する>>続きを読む
定期的に「アクションもの」を観たくなる時がやってきて、そういう時はたいていその時やってる「アクションもの」から適当に選ぶのだけれど、今回はこの作品を選んで鑑賞。ほとんど予備知識なく観たのだが、前半の「>>続きを読む
実話をベースにした物語なので、観客の多くはクライマックスの試合の結果を知った上で観ているわけだが、この映画のメインプロットは「主人公であるネルソン・マンデラ大統領が、国民の一体感を醸成するために代表チ>>続きを読む
劇団『ヨーロッパ企画』の舞台作品の映画化とのことで、見事に構築されたシナリオはさすが。70分という尺もちょうどよい極上のエンタメだった。
上田氏のインタビュー*によると、撮影場所を決めた後にシナリオに>>続きを読む
キャスティングの大勝利。師匠(役)もたけし(役)もほんとうに良かった。もちろん、その根底にあるのは、監督の登場人物への愛情なんだろう。
意図してかどうなのか、テレビサイズの「画(え)づくり」で、その意>>続きを読む
監督は社会派ホラーのピール、キャメラは名手ホイテマによる、さすがの一作。
『ジョーズ』っぽい未知への恐怖から「西部劇」っぽいアクションまで、メリハリが効いた上級のエンタメだった。
かつ、「見ること/見>>続きを読む
映画の世界には「ボクシング映画に外れなし」という通説があるらしいが、おそらくそこにはボクシングという競技の特性が作用している。裸に近い姿で鍛え上げた肉体をさらし、1対1で殴り合う競技であることは、言葉>>続きを読む
大九明子監督作品。蓮實重彦氏による、若くして亡くなられた青山真治監督への追悼文(「新潮6月号」掲載;noteにもUP)でお名前があったことから興味を持ち、鑑賞。
「崖っぷちのロマンス」って惹句がつけら>>続きを読む
大九明子監督作品。蓮實重彦氏による、若くして亡くなられた青山真治監督への追悼文(「新潮6月号」掲載;noteにもUP)でお名前があったことから興味を持ち、鑑賞。
「暴走ラブコメディ」の惹句が、見事にこ>>続きを読む
凄く話題になっていたので観に行ったアニメーション映画。面白かった。絵柄(キャラクターデザインっていうのかな?)的に、僕が見られる範疇でよかった。いわゆる「アニメっぽい画(え)」って、どうも苦手なので。
多部未華子も、岸井ゆきのも、とってもよかった。
(結果として、この映画が青山監督の遺作になってしまったわけだけれど)「青山真治の映画」を期待してこの映画を観ると、ちょっと肩透かしをくうかもしれないなあ>>続きを読む
日芸映画学科出身の蓮實重彦マニアの知人から絶対観るべきと勧められて視聴。
めちゃ長いが、それを感じさせない見事なショットの連鎖で感嘆した。
途中、「バスが出発」する辺りで、(決めのショットもあったし)>>続きを読む
僕は相米ファンなのだが、ちょっと入り込めなかった。相米らしい凄い長回しが目を引くのだが、ちょっとシナリオ(あるいは編集)が雑過ぎた気はする。「いわゆる『脚本の破綻』なんてのは、相米のフイルムにとっては>>続きを読む