Blake1757さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

Blake1757

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風花 kaza-hana(2000年製作の映画)

4.0

美しく切ないロードムービー。
浅野忠信と小泉今日子の(蓮實重彦の言うところの)「色気・生なましさ」が、フィルムから匂いたってくる。最終盤の、雪の中の二人の、なんという美しさ。特に小泉今日子がよい。はす
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インビジブル・ゲスト 悪魔の証明(2016年製作の映画)

3.0

知人から、これの「韓国リメイク版」の話を聞いて、こっちのオリジナルスペイン版は配信で見られると教えてもらって視聴。ミステリーとして、かなり練られたプロットで、映画としてもレベル高いと思う。この手のミス>>続きを読む

バタアシ金魚(1990年製作の映画)

3.5

青春前期の混沌と疾風怒涛をそのまんまフィルムに焼き付けた感じが、すごく胸に迫ってきた。当時16か17歳の高岡早紀が、(けっして上手な演技ではないのだが、そんな上手い下手を超えて)奇跡のように瑞々しかっ>>続きを読む

ションベン・ライダー(1983年製作の映画)

4.0

凄いとしかいいようがない映画。アスリートを褒めるときに「身体能力が凄い」という言葉を用いることがあるが、そんな表現がぴったりくる。「身体能力が凄い映画」。言っておくが、それは単に「身体の運動が映像に記>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.5

さわやかで切ない青春群像劇。高校演劇のオリジナル戯曲の映画化とのこと。ほんものの高校野球のお休みの日に、前から気になっていたので配信で視聴。
シナリオがよかった。戯曲は読んでいないのだが、ほぼ一幕もの
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

3.0

戦争の日常を描いたアニメーション。声高に戦争反対を叫んだり、戦闘の凄惨さを描かなくても、戦争に反対する声を上げることは出来る。大切なことだと思う。

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)

3.0

ビンラディン捜索のストーリーの映画化ということで興味を持って映画館で鑑賞。その部分の興味や好奇心は満たされたが、映画としては、まあまあ普通の出来か。題材に興味があれば、観て退屈する映画ではないが。

ダイ・ハード4.0(2007年製作の映画)

3.0

時折定期的に訪れる、アクション映画を観たくなる時がまたやってきて、これを選択。もともとダイハード(1作目)は好きだったし。まあ、4作目にもなると、こんなものかなと。「アクション映画欲求」は満たされたの>>続きを読む

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

3.5

これぞイーストウッド、と言いたくなる映画。
朝鮮戦争の帰還兵であるイーストウッドと、かつてベトナム戦争で米軍に利用され痛手をおった民族(モン族)の少年との出会いと交流がプロットの中心となる。
公開時の
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アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015年製作の映画)

2.0

(言葉そのままの意味での)爆発シーンが、ただただ続くような映画が観たくて、この映画を観に行ったのだが、ちょっと物足りなかった。中途半端な(陳腐な)物語も、僕には不要だった。

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

2.5

たまにはミュージカルも観ようと思って、(たしか予告編で見てた)冒頭の高速道路のシーンはすげえなあって見ていた、まあ、そこだけだったかな。

美女と野獣(2017年製作の映画)

2.0

たまにはミュージカルも観ようと思って、同じ劇場で「LA LA LAND」もやっていたので、「ミュージカル2本立て」の感覚で鑑賞。まあ、もともとディズニー映画ってそんなに興味ないので、「ああ、ディズニー>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.5

フロリダの「プロジェクト(低所得者向けの公営住宅)」にも入れない、ヒドゥン・ホームレス(隠されたホームレス)の母子の物語。
いわゆる「 感動ポルノ(お涙頂戴的な感動強制型ストーリー)」であるはずもなく
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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

3.0

分断され憤りが渦巻く社会の中に希望の在り処を探す映画。
ふと「きみのなかに残っているにちがいない/ちいさな無垢をわたくしは信ずる」という辻征夫の詩の一節を思い出した。
本作ではネット上の行動はあまり描
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ライ麦畑で出会ったら(2015年製作の映画)

3.5

よくできた青春映画、「ナードvs.ジョックス」を背景にした「ボーイ・ミーツ・ガール」ムービーの佳作。「探す」を核にしたプロットの中、主人公のふにゃふにゃした感じ、美形すぎないヒロインの強そうな弱さ、サ>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

3.0

題名通りに「探す」ことの映画。対象は「姿を消した自分の娘」。
全編PC画面という特殊な画面作りだときいて、とても興味を持った。どういう映画(映像)になるのだろうと予想もつかなかったが、案外、普通に違和
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.5

アイマックスで迫力満点の音を堪能。
クイーンについては、リアルタイムにはそれほど熱心なリスナーじゃなくてどっちかって言うと斜に構えてたクチだったんたけど、何年か前にハイレゾでリリースされた時にベスト盤
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

2.5

現代インドの上流階級を舞台にした、階層格差の中での女性主人公のビルドゥングスロマン。「階層を越えたラブ・ロマンス」との評も見かけた。
あんまり好みではなかったけれど、こういう社会を描いた「恋愛ドラマ」
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ドッグマン(2018年製作の映画)

2.5

80年代のイタリアの田舎町を舞台にした、人間の弱さと小狡さを突き詰めたクライムドラマ。いかにも「イタリアのイケてない男」って風情の主演俳優が味があってよかった。
映評では「(根は)善良な主人公が悪に巻
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ブライトン ミラクル(2019年製作の映画)

2.0

2015年のラグビー日本代表のビッグ・アップセットの映画化(制作はオーストラリア)。2019年のラグビーW杯日本大会の直前に公開された(日本では配信のみ)。
一風変わった映画で、俳優によって演じられた
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.5

ほぼカンヌのパルムドール受賞作という予備知識だけで他の情報を殆ど仕入れずに観たんだけど、確かに凄い映画だった。万人にお勧めできる映画とは思わないけど、流石。シナリオも秀逸だけれど、映像の構築力が凄い気>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

3.5

コロナ禍の下、2020年8月、久しぶりに映画館に行って、この映画を観た。スクリーンで観たのは公開時(1984年)以来なのでたぶん36年ぶり。
切っ掛けは、新聞記事と、先日のNHKの番組「コロナ新時代へ
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コンペティション(2021年製作の映画)

3.5

こういう外連味の強い映画は嫌いじゃない。なんといってもペネロペ・クルスの突き抜けぶり(役の造形)が良かった。
白眉のシーンは、やはり、あの「岩」のところだろうな。あとは、いろんなものを機械(破砕機って
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

2.5

「海の映像が凄かった」ことに尽きる。
それ以外の感想を端的に言っておくならば、物語要素が過剰に感じられ、私の「好み」ではなかった。取ってつけたような「家族愛」テーマなんて要らんだろうと思うんだが、この
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RRR(2022年製作の映画)

3.5

アクション系の映画ではこれまでで一番面白かったかもしれない。
ダンスシーンやカーテンコールも熱かった。
表現形態は違うが、80年代の小劇場演劇のような熱量を感じた。第三舞台とか新感線とか辺りの。

波紋(2023年製作の映画)

3.5

予告編の「絶望エンタメ」ってコピーに惹き付けられて鑑賞。最近の映画の宣伝コピーでは最優秀、個人的にはコピー年鑑に載せたいレベル。
映画自体も、主演の筒井真理子と助演の木野花が凄くよくて、ブラックコメデ
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

3.5

それほど多くの予備知識を持たずに観たので、観る前はこの映画が「難病&悲恋もの」「反戦イデオローグ映画」「夢は必ず叶う的・人生応援映画」であることを、若干危惧していた。
だが、そこはさすがに天下の宮崎駿
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.5

巨大ヒーローもののお約束だから仕方がないのだろうが、あれだけの「超能力」を持ったメフィラスが、最後はウルトラマンとの「タイマン」で決着をつけるというのが、(いかにお約束とはいえ)さすがに何だかなあとい>>続きを読む

静かなる情熱 エミリ・ディキンスン(2016年製作の映画)

2.5

「伝記映画」って難しいようなあ、どうしてもこうなっちゃうよなあ、という印象。
一人の人間の一生(の一部)を、映画という時間的な制約のあるフォーマットで描くのは、もともと無理筋なのだなあという意を強くし
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パターソン(2016年製作の映画)

5.0

「バス運転手にして、詩人」が主人公の映画。
ジャームッシュは、詩のリフレインのように繰り返される暮らしの中で人々の感情が少しずつ動いていくさまを、見事なショットにおさめていく。個人的にはライフタイム・
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.5

単館係での上映からSNSで話題になり、近くのシネコンにやってきたので鑑賞。単純にすごく面白かった。ただ、やっぱり最後の方の「家族愛」みたいな「テーマ? メッセージ?」は要らないと思うんだよなあ。マスを>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.5

リアリティを追求した怪獣映画(ディザスタームービー)。スケールの大きな特撮と、政治家を中心とした群像劇として、楽しめた。なるほど、こういうアプローチがあるのかと唸った。
ついつい入れ込みがちな、「余計
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.0

役者たちの演技が皆素晴らしかった。近年観た邦画では、その点では断トツ。特に主演のシム・ウンギョン。好き嫌いは分かれると思うけど、全体的にも良い映画だった。(個人的には映像的なカタルシスに欠けるのがちょ>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.5

「スポーツ映画」においては、実写映画よりもアニメーションの方が、むしろリアリティのある試合シーンを映像化できるのかもしれない。「THE FIRST SLAM DUNK」を観て、そう思わされた。
この映
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ポルトガル、夏の終わり(2019年製作の映画)

4.0

イザベル・ユペールはもともと好きな俳優ではあったのだけど、そんなに期待せずにふらりと観に行ったところ、めちゃくちゃ好きなタイプの映画だった。
淡々とした、“何も起きない“物語。
ロングショット、長回し
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やすらぎの森(2019年製作の映画)

2.5

老人たちの人物造形が素敵だった。世捨て人で誰もが死を意識してるが、その中でたおやかに生きている人たち。
一人の老人と愛犬の旅立のシーンが切なかった。