April01さんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

ダウントン・アビー(2019年製作の映画)

4.0

ドラマが面白くて大好きだったから映画になって戻ってきてくれて嬉しい!冒頭の音楽だけで世界観が蘇ってくる。
イギリス貴族の邸宅を覗き見するような非日常でありながら、1900年代初頭から第1次大戦前、戦中
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未来を花束にして(2015年製作の映画)

4.1

普通だったら女性の権利や女優陣の熱演についてレビューすべきところかなと思うけれど、そんなわかりきったことよりも、主題に説得力を持たせているのはむしろ男性陣の描かれ方、男優の演技のように感じてそちらにと>>続きを読む

ザ・プロム(2020年製作の映画)

3.0

2016年初演ミュージカルが原作。米インディアナ州の町でプロム開催にあたり、レズビアンカップルの参加をPTAが問題視、そこにブロードウェイ俳優4人が乗り込んでくる。

歌とダンスは素晴らしい!ただ物語
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.9

脚本家ハーマン・J・マンキウィッツ、通称「マンク」の物語。
「市民ケーン」の脚本を書く現在と元ネタであるウィリアム・ランドルフ・ハーストの権力乱用に対峙する回想が混在し、「市民ケーン」で用いられている
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市民ケーン(1941年製作の映画)

4.2

大富豪ケーンの言葉「バラのつぼみ」の意味を、様々な人に話を聞きながら関係者の証言で解き明かし人物像を浮き彫りにしていく物語。

公開当時(1941年)には斬新で映画史の中でセンセーショナルであったと思
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第三の男(1949年製作の映画)

4.4

M16所属歴のある作家グレアム・グリーン脚本の作品。
古い映画ならではの、現代でリメイクしたら失われてしまうであろう骨董品のような雰囲気と映像美がある。
ロケ地を巡ることはできても、光と影が交錯する白
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

4.2

ベネディクト・カンバーバッチ演じる主人公、アラン・チューリングは英国で新50ポンド紙幣の顔になる!とか、海底から暗号機「エニグマ」発見!というのは最近のニュースで、現代のコンピュータの基礎ともなるチュ>>続きを読む

ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

3.8

ノーベル賞を受賞したアメリカの天才数学者、ジョン・ナッシュの半生を描いた作品。経済、経営、マーケティング、政治などあらゆるフィールドに応用されるゲーム理論の基礎的な概念「ナッシュ均衡」の研究者であると>>続きを読む

奇蹟がくれた数式(2015年製作の映画)

3.7

証明されなければ認められない数式の絶対的な冷たさと、大きな時代の流れの中にポツンと灯るかのような人間の儚さと温かさが絶妙にブレンドされた作品。

ケンブリッジのトリニティ・カレッジに初めて入った映画の
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グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

4.1

東西どちらが良いという主張はなく、当時を生きた一家族の視点でめまぐるしい変化に戸惑い翻弄される人々を描きながら、失われた価値観や世界に対するノスタルジーが感じられ切ない空気が作品全体を覆う。

主人公
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コットンクラブ(1984年製作の映画)

3.5

1920年代後半から30年代前半のニューヨークハーレム地区に実在した高級ナイトクラブ「コットンクラブ」を舞台に、ジャズ・ミュージシャン、ダンサー、マフィアなど集う人々の生き様を描いた作品。
当時の衣装
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.9

原作漫画は未読ながらアニメを全部観てから鑑賞したので、違和感なくスーッと世界観に入っていけるメリットはあった。
感想のポイントは2つ。

1つ目は、昔ながらの、言うなれば日本的な上下関係と組織の描き方
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.8

裁判を通じて事件当日に起きたことを小出しに見せていくストーリー構成が面白い。法廷劇だけでドラマを成立させている。

1968年8月シカゴ開催の民主党全国大会、会場近くの公園に集結した市民や活動家による
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ロープ/戦場の生命線(2015年製作の映画)

3.6

停戦直後の村で国境なき活動家グループが井戸から死体を引き上げる為のロープを探す、様々なエピソードが絡むものの、オープニングとラストが円環構造となるシンプルな設定。ラストで原題「A PERFECT DA>>続きを読む

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.5

原作を読んでいるか過去作品を観ていて結末を知っているか否がで見え方が違いそう。
映画という媒体は小説と比較して、登場人物の掘り下げが浅くなりがちなのは仕方なく、それを補うかのように原作以上に魂の救済を
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切り裂き魔ゴーレム(2016年製作の映画)

3.6

19世紀ロンドンを舞台にしたピーター・アクロイドのミステリー小説が原作。
プロットが凝っていてゴシック・スリラーとして見ごたえがある。
霧の都という呼び名に相応しいビクトリア朝ロンドンの陰鬱な雰囲気が
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アラビアの女王 愛と宿命の日々(2014年製作の映画)

3.3

ニコール・キッドマン演じるガートルード・ベルに翻弄されるリチャード役のダミアン・ルイスすごく見覚えあるな~、もっともっとカッコイイ印象がある役で、誰だっけ?と思ったら「バンド・オブ・ブラザース」のメイ>>続きを読む

真昼の決闘(1952年製作の映画)

4.3

映画通でないから、西部劇も詳しくない。でもビジュアルとタイトルから、たまには西部劇いってみよう~♪というノリで観始めたら、次第に微妙な空気に。
しかもなかなか肝心の真昼にならない~!決闘はやく~!
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マルタの鷹(1941年製作の映画)

3.5

黄金の鷹の銅像をめぐって繰り広げられるサスペンス。
ほぼ会話劇で登場人物の欲望が次第に露わになり、ご都合主義で言動を変えていく様子は面白い。絶体絶命のピンチになっても全く動揺することなく常に冷静なハン
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コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

3.8

「0011ナポレオン・ソロ」という昔のドラマのリメイクらしい。
60年代を舞台にCIA(アメリカ)とKGB(ソ連)のスパイがコンビを組んで核兵器をめぐる陰謀を阻止するお話。
CIA側がヘンリー・カヴィ
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ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.5

キングの原作「シャイニング」(1977年)
キューブリックの映画「シャイニング」(1980年)
キングの原作続編「ドクター・スリープ」(2013年)
本作「ドクター・スリープ」(2019年)
という4
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悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

3.5

重要な場面転換の時にさり気なく曲が挿入された瞬間、え!何この曲!ってなって、ポーズして、歌詞を聴き直して、曲を調べJackie DeShannonの歌うNeedles and Pinsにどハマり!>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

4.2

階層構造になっている夢、という設定の中にスパイアクション要素を盛り込んでいてとても面白い。
一方で、ディカプリオ演じるコブとマリオン・コティヤール演じるモル夫婦そして家族の描写に複雑な愛の形を見ること
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プリデスティネーション(2014年製作の映画)

3.8

ロバート・A・ハインラインの短編SF小説を映画化した作品。
タイムトラベルが逃れられない問題、タイム・パラドックスそのものについて描いている点が斬新。

時系列で考えれば矛盾はないものの、始点のわから
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.5

未来から戻っても現在を進行しても時間軸は1つ、ただ現実があるのみ。
What's happened, happened.
起きたことは起きた。(字幕は、起きたことは仕方ない、かな?)
中間地点に到着し
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ヘアスプレー(2007年製作の映画)

3.6

明るくポップに「グッド・モーニング・ボルチモア」の曲で始まりながら、新聞には黒人学生受入れ拒否の記事、スタートから伝えたいことが一目でわかるとても分かりやすい構成。
圧巻のダンスシーンと音楽で身も心も
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白いカラス(2003年製作の映画)

3.5

ピュリッツアー賞をはじめ幾多の賞を受賞している作家フィリップ・ロス、彼の作品の1つでありアメリカ3部作の第3弾、人種問題を独特の切り口から描いた小説「ヒューマン・ステイン」を原作として、「クレイマー、>>続きを読む

プレステージ(2006年製作の映画)

3.8

クリスチャン・ベイルとヒュー・ジャックマン演じるマジックに人生を費やした2人のマジシャンの確執、復讐合戦が描かれる。お互いの異常なまでの執着心とライバル意識が凄まじい。
それを傍観するような立ち位置に
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グランド・イリュージョン 見破られたトリック(2016年製作の映画)

3.5

引き続きスピーディかつ軽快にストーリーが進み、ツッコミどころはあるものの、マカオでごちゃごちゃしてから、メインとなるマジックの場面はロンドンのスタイリッシュな雰囲気に切り替わり、色々ありつつ気楽に楽し>>続きを読む

グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)

3.7

冒頭からテンポよく最後まで駆け抜けるような疾走感溢れるストーリー展開。マジックの観客になって騙される心地よさを味わえる。
フォー・ホースメンのメンバー構成のバランスが良いのと、FBIとの攻防にハラハラ
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

3.7

1回目、プロットが複雑でダルイ感じがして性に合わないなと途中で断念→ノリのいい映画に切り替えて、それきり忘れる。

2回目、この作品を大好きと言う人がいるから再トライしてみようと何とか最後まで見る、引
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風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

4.5

主人公スカーレット、レット・バトラーに惹かれるキッカケが2回あって1つはキス、1つは夜の営みであり、体で感じたことがそのまま気持ちにつながる正直な女性。大人の世界を知らないまま原作を読んだ時に一番感じ>>続きを読む

ニューオーリンズ・トライアル(2003年製作の映画)

3.7

原作はジョン・グリシャムの「陪審評決」。タバコ訴訟だった設定が映画では銃規制問題に変えられているにも関わらず、原作のテイストを損なうことなく法廷モノの緊張感が伝わってくる心理劇。
もう一つのストーリー
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ザ・ファーム/法律事務所(1993年製作の映画)

3.4

躍動感あるアクションをスピーディな展開の中に盛り込み、トム・クルーズが主人公を演じることで、司法の矛盾を描くサスペンスなクライム・ムービーが体育会系なノリとマッチして見えるところが面白い。
妻役のジー
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氷の微笑(1992年製作の映画)

3.5

シャロン・ストーン演じる小説家キャサリンのバークレー大卒で文学と心理学を専攻、両親の莫大な資産を相続するリッチな才媛というプロファイルが効いている。
豪華な本宅だけでなく海沿いの別荘やスーパーカーを所
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E.T.(1982年製作の映画)

4.0

宇宙人ETと少年の心の交流を描きながら家族の再構築を見せてくれる。
ETが人間の言葉を覚え少年と会話ができるようになる過程を通じて、観ている側もETに心が近づいていく。
グロテスクな風貌とは裏腹に随所
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