April01さんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.5

私が感じたのは、女と子供は階級に代表されるような色んな社会の決まり事や立場を超えて連帯、共感しやすいのかな、ということ。
女の敵は女かもしれないが、女の味方も女。

そして、この映画から強く感じた感受
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

5.0

ニコール・キッドマンの演技が特に素晴らしくて、ドレスアップしたゴージャスかつセクシーな女性、眼鏡をかけた娘の宿題を手伝う保守的な普通の母、
ラストのクリスマスショッピングで夫の問いかけに対して、冷たく
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

5.0

二部構成のような作り。

前半と後半をつなぐことを普通なら期待される人物は、全くつなぎになっていなくて、それがこの作品の特徴でもある。

はい、前半おわり、次は後半ねって感じで、
引き続きの戦場もとに
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シャイニング(1980年製作の映画)

5.0

ホラーでありながら、幼い子供を持つ夫婦の心の問題を丁寧に描いた素晴らしいヒューマンドラマともいえる小説を、キューブリック監督らしく、冷たく突き放し、美しく再構築した作品。

小説は常に誰視点かをハッキ
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バリー・リンドン(1975年製作の映画)

5.0

美しい映像と美しい音楽のコラボレーション。
西洋美術絵画を鑑賞しているように優雅なタイムスリップした感覚になる。

貴族の再現に至っては、白肌、頬紅、黒子、カツラなどなど素晴らしく

18世紀ヨーロッ
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

5.0

この映画の主人公は悪党なのだけど、
暴力や性衝動を含む個人の自由意志が、
全体主義もしくは管理社会の中で奪われてしまうのも悪の所業か!

と見えるよう描かれている。

若気の至り、若者の通る道で、そし
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

5.0

最高の風刺・コメディ・皮肉映画。

クオリティの高いピーター・セラーズの三役、
ジョージ.C.スコットのアクとクセの固まりみたいな役、
それに加えコング少佐、リッパー将軍、ソ連大使、みんなキャラが強烈
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ロリータ(1962年製作の映画)

5.0

人物像やその関係の捉え方が、とてもドライ、特にロリータの母を演じたシェリー・ウィンタース、素晴らしかった。

クィルティ役を演じたピーターセラーズも、最初から最後まで不気味に絡んでいて、この映画の中で
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スパルタカス(1960年製作の映画)

5.0

グラディエーター(2000年)の色んなシーンが思い浮かんでしまい少し気が散った。

ピーター・ユスティノフ演じる悪賢い奴隷商人バタイアタスとか、
チャールズ・ロートン演じる曲者で頑固な元老院議員グラッ
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突撃(1957年製作の映画)

5.0

前半と後半で二部制になってるような作りで、前半は、塹壕内での兵士達の様子、塹壕の中を延々と歩く軍人を流れるように撮るカメラワークや、敵に向かって突撃するシーンの迫力など見ごたえがあり、何をどう撮りたい>>続きを読む

現金に体を張れ(1956年製作の映画)

5.0

すでにこのあたりから、才能が隠しようもなく溢れ出ている感じがして、性格悪い私でも、粗探しは時間の無駄だから、素直に楽しむしかない。

今見ると既視感が結構ある。
特に時系列ごちゃごちゃ系、の使い方とか
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非情の罠(1955年製作の映画)

4.9

この映画すごく好き。

女の自分語りのシーンが特に面白くて、
嘘なのか本当なのかわかりませんね~と思いながら見たけど、

バレエの舞台で全てを思い浮かべさせ想像させているのが斬新。

主人公の夢の中の
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海の旅人たち(1953年製作の映画)

3.5

短いドキュメンタリー、船員組合の宣伝映画。
海の男たちの手厚い生活保障が凄い!と思い、船員最高、レッツ・ジョイン!という気にさせる、
CBSリポーター、ドン・ホレンベックがナレーションを務め、この組合
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恐怖と欲望(1953年製作の映画)

3.5

誰にでも、天才にでも、最初の一歩というものがある、
この巨匠にもあった!と嬉しくなる、性格悪いな、自分。

それでも、クライマックスといえるのかどうか、
「ここ」というシーンの見せ方は、
やはり才能な
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空飛ぶ牧師(1951年製作の映画)

3.5

ドキュメンタリーという前置きがなかったから、てっきり創作物語かと思って。
見終わって、え?ドキュメンタリー?
ポカーン。
何かをしたかった感が伝わってくるような
中途半端感が最高の短いフィルム。

拳闘試合の日(1951年製作の映画)

4.5

飾りのないシンプルなボクサーの闘いの日を描いた短いドキュメンタリー・フィルム。
「このフィルムに描かれたすべての出来事は事実である」
と最初に示してくれているのも良かった。
その前置きがなければドキュ
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猿の惑星(1968年製作の映画)

4.7

見ながら、これは最後どうオチをつけるのか、猿の仲間になるのか、
たった一人でこの秩序を覆すのはむりだよね、と思っていたら、

あのラストにガーン!となった。

あーあーあー、こういう事ですか!!!
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

5.0

ファンならばたくさん見どころがあると思うが、自分が初見で一番惹かれたのが、宇宙空間のシーンとした無音の映像、あの吸い込まれるような静けさは、宇宙という未知の空間をとても良く表現していたと思う。

19
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

当時のウェンブリーはもうないからオーディエンス側はCGかな、とにかく舞台周りの再現が細かくて驚いた!

さらに役者さんが、パフォーマンスを完コピ 、モノマネと言っては失礼だけど、本当によく真似たなとい
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

4.5

手作り感のある不気味な白黒のゾンビ映画。

起きたことをそのまま映しているという感じのドキュメンタリー風な作品。

白黒の映像が怖さと緊迫感を倍増させる。

登場人物のバックグラウンドが説明されない、
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

4.5

ホラー、サスペンス、ミステリー、オカルト、いわば恐怖映画なのだが、芸術的に優れているという理由で素晴らしいとは思っても、こんなことがあったら、たまらない、許せないと言いたくなるような内容。
結果は現実
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ロミオとジュリエット(1968年製作の映画)

4.5

アカデミー賞 撮影賞、衣装デザイン賞を受賞

2人の生死を決することになった神父さんのマッド・サイテンティストぶりに背筋が凍り、
恐ろしい~!と叫びながら霊廟から逃げ出す、神父様、あなたが一番恐ろしく
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オリバー!(1968年製作の映画)

4.5

悪党フェイギンと弟子のように仲間としてついていくドジャー、主役でないこの二人が、それなりの希望を持って去っていく最後のシーンが絵画のようにとても美しい。
歌、踊り、演技、チャールズ・ディケンズの小説「
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ブリット(1968年製作の映画)

4.5

アカデミー賞 編集賞受賞

会話が少なく、ひたすら車のエンジン音、サイレン音、クライマックスもひたすら飛行機のエンジン音。
こんなカーチェイス、見たことありません!!!って見ながら叫んで歯ぎしりしてし
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冬のライオン(1968年製作の映画)

4.5

凄い!悲劇であり喜劇であり、このドタバタは本当に凄い!

こんなに面白いものを久しぶりに観た、そして感動。
笑って、泣いた。

城内で繰り広げられる王家の夫婦間トラブル、親子間トラブル。

一つ一つの
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ファニー・ガール(1968年製作の映画)

4.5

ラストに感極まって涙しながら、既視感があるけど何だったっけ?と思ったら、ちあきなおみ「喝采」(1972年)だった!
映画の中の歌と同じではないけれど、男女の別れ、芸事を極める気持ち、似てる部分があると
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ブラス!(1996年製作の映画)

4.0

面白かった~!

舞台は英国ヨークシャー州のとある炭鉱、
同じくヨークシャーの、こちらは貴族の生活を描いた英ドラマ「ダウントン・アビー」(2010年~2015年)
に出演でおなじみの執事や意地悪老メイ
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キング・アーサー(2016年製作の映画)

3.3

正直言って、途中で見るのを辞めるかどうか、スレスレの状態で、なんとか最後まで見た、という感じ。

スピード感あるアクション、独特のカメラワーク、時系列操作など良くも悪くもガイ・リッチーらしさに溢れてい
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ブラック・シー(2014年製作の映画)

3.5

チームを組み、金を稼ぐ→精鋭を集めたスマートな冒険アクション、という通常のパターンではないところが面白い。

国籍の違うメンバー同士のトラブル、協調性なし、罵倒ばかりの口喧嘩、これらを逃げ場のない深海
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

5.0

アカデミー賞 美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞を受賞


オーストリアのユダヤ系作家シュテファン・ツヴァイクの著作に発想を得て書かれた脚本だそう。

好きな俳優がたくさ
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サイド・エフェクト(2013年製作の映画)

4.0

すごい内容、かなり面白かった!

特に終盤の展開が素晴らしく、いつのまにか追い込まれていく状況から、テンポよく反撃していく上手な構成だと思った。

全体的に無機質で冷徹な描き方がストーリーにマッチして
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アンナ・カレーニナ(2012年製作の映画)

3.8

映像の美しさ、文句なし。
舞台仕立て、転換、静止などの独特の演出をどう見るかで評価が分かれるかも。
私は斬新で良いと思ったが。

好きな俳優ドーナル・グリーソンが演じたリョーヴィン、良かった!

ジョ
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ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)

4.4

エイサ・バターフィールドの素晴らしい演技。
ストーリーから映画愛がひしひしと伝わってくる。
映像も美しく、良い映画だな~。

素敵な心に残るヒューゴの言葉
I'd imagine the whole
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360(2011年製作の映画)

3.5

アルトゥル・シュニッツラーの戯曲「輪舞」を脚色した映画だそう。

360度巡り巡って始まりから終わりへつながるというストーリーの骨格がとても良かった。

バラバラな物語が少しずつ絡み合う群像劇、大人の
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コンテイジョン(2011年製作の映画)

4.0

パンデミックを描いている・・ゆえに
常にアルコールの消毒液を携帯し、
隣で咳をされてウィルスまき散らされてるって感じたら、できれば逃げてる!・・
そんな私をあざ笑うかのようなストーリー。

特にラスト
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Dr.パルナサスの鏡(2009年製作の映画)

4.0

2008年1月、撮影中にヒース・レジャーが亡くなり、
ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが未撮影部分を演じた、という経緯もあり、
ヒース・レジャーの遺作、ということになり、特別な作品に
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