コーダイさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

コーダイ

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おやすみ オポチュニティ(2022年製作の映画)

4.2

火星探索へ送られた双子のロボットと、生み出した親達の想いを綴ったドキュメンタリー。

地球と火星…遠く離れ孤独に彷徨う人間らしく見せるロボットに情熱という信号を送り続け、思いを馳せる仕事人達との絆にめ
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非常宣言(2020年製作の映画)

4.0

災害シミュレーションとしてもパニックフライト映画としても面白いのに、コロナ禍で分断される国民達の残酷さも描いてしまう、やり過ぎなくらい映画要素のてんこ盛り…社会派ドラマを超エンタメ娯楽に昇華させる力は>>続きを読む

恋のいばら(2023年製作の映画)

3.7

新年初城定秀夫監督いただきました。

リベンジポルノから始まる女性達の復讐劇!!と思いきや、二転三転する展開で垣間見える美しく歪な関係性で気持ちよく騙される。
感情のミスリードが巧いっ!!

エロがな
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.0

鳥肌が立つ程美しいレベチな水の表現や更に進化した映像技術により、前作以上に深く踏み込んで描く民族文化の営みにより…架空の文化に関わらずここまで一喜一憂できる映画への没入体験を生む。

私は確実にパンド
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

3.7

60年代の自由なき悪夢の学校が舞台の台湾産ホラーゲームの実写化。

疑心暗鬼や欲望が一つの国家を生み出す恐怖や時代の不条理さが、ホラーという演出を媒介して強烈に襲いかかる怪作。
歴史の闇を映しながらも
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EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

4.5

犯罪被害者達の苦痛と再生に、ゆっくり立ち会う3時間37分の出発と回帰。

ユリイカ=我、発見せり。
心の軌跡を辿る旅の先に彼らは何を発見したのか、我々は何を見出すのか…今は亡き青山監督が強烈に語りかけ
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Arc アーク(2021年製作の映画)

3.8

永遠に命が得られてしまう儚く無情な世界で人類の死生観を問う。
科学的”永遠”か、哲学的”死”か。


世界観設定の粗はあれど…石川慶監督の心を画で魅せる言葉を超えた演出、尖ったデザインや邦画でSFディ
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.2

ギミック式破壊仕掛けの天才、ライアン・ジョンソンの作家性が前作以上に爆発!!

緻密に練られたオリジナル脚本と、時事ネタ満載のリアル世界だから効く皮肉に満ちたブラック演出…令和を代表する探偵ミステリー
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

華麗なる復讐劇、醜く蔓延る男社会への最大限のブチギレ表現!!

重いテーマをポップな色彩演出でアメリカンカルチャーなエンタメに昇華させてしまう見事さ。

そして言いしれぬ”怖さ”。
男女誰もが共犯者に
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未来戦記(2022年製作の映画)

3.5

主演兼プロデューサーのルイス・クーが長年の夢を叶えたロマン溢れる映画。

荒廃した世界、『アイアンマン』ばりアーマー装着シーン、ロボット肉弾戦…イカすヴィジュアルと香港風CGアクションのキレの良さ。
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

16mmフィルムで写し出される粗く繊細で美麗なケイコの心=映像。

ボクシングをドラマチックな要素ではなく、”拠り所”として写実的にケイコの世界に寄り添っていく。

目と耳を澄まして聴こえてくる岸井ゆ
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.9

ガーランド監督によるジャンル映画の、男のアーキタイプの、男女の繊細な関係性の、文化に根付く思考の…破壊と創造。

不穏で不快な映像美を交えて、問題提起を語り尽くす”見方の複雑さ”。
男の力の誇示なのか
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.3

言葉が力を失ったこの時代に、自分含む若者が権力への不満を口にするが何も行動しないこの時代に、あの頃改革を志した若者達が今ふんぞり返り妬まれる側の権力に立ったこの時代に…恐ろしく失望した。

知性0の自
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この子は邪悪(2022年製作の映画)

3.5

何かがおかしな家族のミステリーから、一転する悪夢のようなサイコスリラー。

ぶっ飛んだ奇々怪々アイディアと全編漂う不穏さと不快感は素晴らしいが、もう一歩!!の衝撃と面白さを越えられなかった…。
ただ日
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.9

襲い来る母の愛から”逃げろ”狂気のワンシチュエーションスリラー。

展開の予想はつくが、いざその事実を突き付けられると、鳥肌が止まらない…舞台装置や演出技法で直球勝負するホラーでめちゃくちゃ面白い。
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ブラックアダム(2022年製作の映画)

4.0

躍動する筋肉!!
圧倒的目力!!
“正義とは?”なんていう善悪概念などを超越した破壊神ドウェイン・ジョンソンのエナジーMAXの暴れっぷりに、セラ監督のユーモアあるアクション演出が加わった全編超ハイテン
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トロール(2022年製作の映画)

3.3

日本に”ゴジラ”がいるなら、北欧は”トロール”や!!魂を見せつけられる大金かかった『トロールハンター』。

神話的トロールを推し出す北欧らしさを見たかったが、綺麗にまとめられ過ぎたよくあるハリウッド怪
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告白(2010年製作の映画)

3.8

子供だろうがとことんぶち殺してやる衝動に駆られた松たか子の壮大な復讐劇。
この暗黒さ最高。

氷の如く冷えた映像に、中島哲也の薄気味悪い不快感…思春期の子供の無邪気な邪悪さに命の重さを叩きつける。
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

3.7

伝説の特殊造形師フィル・ティペットのクリエイター魂の解放、芸術の爆発を見た。
天才の脳内を覗くようなサイケな映像アート、何を食べたらこんな造形物を思い付くのか。

キモくて怖いのにどこかキュートな”狂
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ヒルコ 妖怪ハンター(1991年製作の映画)

4.2

白石監督が多大な影響を受けた諸星先生原作漫画の実写化。
90年代造形にこだわった日本のモンスターホラー…邦画の底力にもう嬉しくなった!!

日本の『遊星からの物体X』であり『ゴーストバスターズ』。
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.8

料理に限らず芸術を、人は分かった気になって味わい批判する。

風刺に満ちた狂気の逸品を嘲笑する我々観客も表現者も一緒くたに料理にしてしまう…ブラックユーモアたっぷり皮肉の二重構造を添えた極上のフルコー
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ある男(2022年製作の映画)

4.0

名前…生まれながらの恩恵、逃れられない呪縛。人をたらしめる名前を否定する者達が紡ぎ、出自問題に切り込む重厚ミステリー。

ミステリアスでどこか惹き込まれる石川慶監督の心理的演出が、根底を揺るがす鋭い余
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戦慄の絆(1988年製作の映画)

3.6

ジェレミー・アイアンズ双子役に留まらない七変化!!

ボディホラークローネンバーグを封印しても顕在する、自己と他者との統合。
静かな狂気と美が共存する世界で分裂する己を見つめ直す。


ただの変態じゃ
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バイオレンスアクション(2022年製作の映画)

2.0

冒頭『マスク』の如く弾を避ける姿を観て確信した…これはやばい。

殺し屋、ヤクザ等”プロ”を扱う映画でアクション、言動全てにおいてここまで誰もプロ感0の演出逆に凄い。
おそらくウケ狙いでないのも恐ろし
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インソムニア(2002年製作の映画)

3.7

クリストファー・ノーランハリウッド進出初作品。
ノーランが手掛ける一流犯罪サスペンスの新鮮さよ。

不眠症(インソムニア)をテーマにした白昼夢的悪夢の演出や物語の肝を冒頭で提示する一流ノーラン味は健在
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フォロウィング(1998年製作の映画)

4.3

巨匠クリストファー・ノーラン長編デビュー作となる自主制作映画。

超低予算でも初期から変わらない時系列操作の妙のアイディアや自然光、フィルムの美しさで大作以上の面白さを発揮してる。
観客を騙す二重構造
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犯罪都市(2017年製作の映画)

3.9

70年代日本の実録警察モノレベルのアウトすぎる暴力刑事マ・ドンソク…けどなぜかとても尊く愛おしいw
アクションに全振りした孤狼の血。


平凡な映画になりそうな内容を、マ・ドンソクのコミカルさと強さと
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.2

震災に向き合い喪失と再生を描き続けてきた新海誠…新海節ボーイミーツガールを封印し、”日本”を意義あるエンタメに落とし込んだ新たな到達点。

過去に向き合い自分自身を救い初めて胸を張って言える…別れを告
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.5

開国による脅威の侵入と、戦争の意味。
世界文化の発展を謳う開国など綺麗事であり、戦うのは復讐や自国のためでしかない前作のアンチテーゼな点は面白い。

映像演出含めMCU史上一番美しい作品だが、お通夜ム
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アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

3.7

人生とは平凡な出会いの積み重ねなんだと…。

『愛がなんだ』で痛々しく切実な欲望を描いた今泉監督、今作はなんともハートフルで等身大的恋愛物語。

1つの出会いが様々な出会いを生み出し人生は拡張していく
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.9

なにかに疲れた人、諦めてしまった人達のお話。

温かく包み込む今泉監督節とは違い、時に現実を突きつけ時に優しく背中を押してくれる今作。
論理的稲垣吾郎×今泉監督の化学反応がまた違った”好き”のカタチを
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