diesixxさんの映画レビュー・感想・評価

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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アクターの演技とシナリオ、美術、衣装、音楽、撮影、メイクなどあらゆる技術が高いレベルで、しかも必然性を持って作用していて、「映画」を見る喜びが凝縮されてたように思う。

若草の頃(1944年製作の映画)

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20年ぶりくらいに見た。ビンセント・ミネリ、ジュディ・ガーランドコンビのコンサバティブなミュージカル映画。流麗な音楽と豪華なセット、優雅な衣装。四季折々のイベントとともに家族愛を歌い上げる構成と、アメ>>続きを読む

挽歌(1957年製作の映画)

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JAIHOの「MoMAセレクション 知られざる松竹」特集の一本。五所平之助の堂々たる文芸メロドラマ。この特集は発見が多いけど、やはり五所平之助の完成度が高い。
倦怠期を迎えている森雅之、高峯美枝子の夫
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続・少林寺三十六房(1980年製作の映画)

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続編だけど、前作の主人公サンダは別の人が演じていて、貫禄がつき、リュー・チャーフィはサンダに弟子入りする新しい主人公チェンチェを演じる。シリアスな雰囲気は鳴りをひそめ、染め物工房の労働者を弾圧する満州>>続きを読む

恋も忘れて(1937年製作の映画)

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ホテルのキャバレーで働くシングルマザーと可愛い坊やの慎ましい物語だが、坊やは母親の職業のせいでいじめにあい、疎外されていく。あまりに救いのない物語でびっくり。学校を移ってせっかく新しい友達連れてきたの>>続きを読む

モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)

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4KUHDにて。画質向上の分、合成やミニチュアの粗も目立つが、こちらはフェティシズムの域なので、そこが眼福なのです。
鉄塔に尻尾引っ掛けたり、お堀につまづいたりとやたらチャーミングなモスゴジだが、健気
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赤い殺意(1964年製作の映画)

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モラハラ経済DV夫と陰湿ストーカーレイピストの間で引き裂かれるの地獄すぎる。『にっぽん昆虫記』と比べて、主人公の貞子が最後まで受動的でしんどかった。グダグダしたモノローグも蛇足。どっちもクソ野郎だから>>続きを読む

ワンダーガールズ東方三侠(1993年製作の映画)

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ずっと見たかったアニタ・ムイ、ミシェル・ヨー、マギー・チャン主演の武侠アクション。怪作とは聞いていたが、現代を舞台に暗躍するファンタジー悪役との戦いで結構面食らう。アクションシーンはどれもキレが良く、>>続きを読む

ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣(1970年製作の映画)

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昔の怪獣図鑑で見てダサさが突出していた3体が登場する怪獣映画。佐原健二と土谷嘉男のキャラクターが、イメージと逆(そうでもない?)なのが面白い。
3体が同時に登場しないのが肩透かしだが、ゲゾラの触手、ガ
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夜の鼓(1958年製作の映画)

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後の『切腹』や『仇討』に通じる橋本忍の武士道胸糞時代劇。有馬稲子の貞淑と妖艶、三國連太郎の知性と暴力性がいずれも矛盾なく、いやむしろ必然であるかのように同居していてさすがだ。森雅之も美しいが、他の男た>>続きを読む

クローズ・アップ(1990年製作の映画)

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イランの著名な映画監督マフマルバフの名を騙り、ブルジョア家庭からお金を騙し取った罪で逮捕された男。雑誌でこの記事を読み関心を持ったキアロスタミが、裁判の様子をドキュメンタリーとして撮りながら、実際の当>>続きを読む

フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

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Criterion版「TOD BROWNING'S SIDESHOW SHOCKERS」より。
以前に見たのは20年くらい前か。今回『知られぬ人』、『からくり四人組』と順を追って見ていくとトッド・ブラ
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GONIN(1995年製作の映画)

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登場人物全員近くにいたらむかつくイキり暴力マッチョだから見ててキツかった。深夜のチャンネルNECO見てる感じで懐かしかったです。

Black Girl(英題)(1966年製作の映画)

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セネガル映画の古典的傑作として一部で知られていたが、この数年の映画史観のダイバーシティ化において急激に注目度が高まっている作品。クライテリオンのナンバリング852に登場した。
セネガルでフランス人夫妻
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少林寺三十六房(1977年製作の映画)

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面白いのだけど、今の目で見ると、家族や仲間を殺され少林寺に逃げ込むパート、少林寺で修行に取り組むパート、下山して仲間を集めながら復讐するパートがそれぞれちょっとだけモタモタしている。どう考えても90分>>続きを読む

知られぬ人(1927年製作の映画)

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2023年10月リリース、Criterion版「TOD BROWNING'S SIDESHOW SHOCKERS」の一本。
ブラウニングが、映画黎明期の怪優ロン・チェイニーと組んだ6本目の映画だが、ま
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

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初老に差し掛かった孤独な清掃係の女性エミは、モロッコからの移民の黒人労働者で、20歳近く年下の青年アリと偶然知り合う。アリもまた、異国の地で劣悪な生活環境のなか、孤独を抱えていた。二人はたちまちに恋に>>続きを読む

ブロブ/宇宙からの不明物体(1988年製作の映画)

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80年代SFホラーの傑作。同時期のクローネンバーグやカーペンターの映画に比べるとおそらく予算は少なかったんだと思うけど、このレベルだからな。造形や合成技術、特殊効果などがプレCG時代のアナログ特撮が円>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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予告編で神木くんが「ヴァァァァァァァァァ」って叫ぶの見て、萎えてたけど、そのシーンは割とよかった。
進化前のゴジラが最初大暴れするんだけど、せっかく人間を口に入れるのにぶんぶんと投げ飛ばしてて、チッ、
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お引越し(1993年製作の映画)

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前半は田畑智子と利発な演技を始め小学生たちの情景がよくて、面白かった。
後半めっちゃつまんなかった。
終盤の夏休みの作文で田畑智子の次に読む男の子の作文、お母さんの乳首の話書いてて爆笑した。続き気にな
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

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石油利権を保有する賢い先住民から搾取する白人たちの胸糞鬼畜ビジネス絵巻。題材や登場人物のキャラクターは極めてスコセッシ的だけど、編集撮影はかなり重厚でリッチな映画見た感がある。上映時間は割とあっという>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

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90分の低予算動物パニック映画を2020年代に上映してくれるだけで感謝したい。こういうのでいいんだよ、こういうので。あんまり当たってないらしいけど、ちゃんと行かないとどんどん作られなくなるからね。
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

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タートルズ小1くらいのときアホみたいに流行ったなー。みんなおもちゃ持ってたし、ゲームしてたし、イラスト描いてたし、「ゼロゼロ発射!」って歌ってたよね。
マイケル・ベイ版は一応見ていて、先日JAIHOで
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狂った果実(1981年製作の映画)

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根岸吉太郎監督のロマンポルノ。脚本は『女囚さそり』などの神波史男。1981年作。ぼったくりバーで働きながら、孤独な生活を送る哲男とその周辺は70年代、軽薄な享楽主義と消費主義を謳歌する千加らグループは>>続きを読む

黄色いからす(1957年製作の映画)

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終戦から数年経ってようやく復員した父親と息子が、おずおずと遠回りしながら空白を埋める再生ドラマ。生まれて一度も会ったことのない父親との関係に戸惑う息子。息子との関係を築きたくとも、大きく変わってしまっ>>続きを読む

土砂降り(1957年製作の映画)

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蒸気機関車をバックにしたオープニングクレジットがかっこいい。やはり蒸気機関車は映画的だ。その後も何度も登場。一つの映画の中で「蒸気機関車のある生活」がこんなに印象的に描かれている映画を初めて見た気がす>>続きを読む

夜の片鱗(1964年製作の映画)

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「闇金ウシジマくん」のフーゾクくん編を戦後日本の文芸映画に置き換えたような、あるいは成瀬の『浮雲』をさらにエグくしたような映画。男は徹底的にクズで、女は徹底的に搾取される。主人公の芳江が死んだような目>>続きを読む

ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌(1992年製作の映画)

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クライマックスの病院での銃撃戦確かにすごいが、ずーーーっとドンパチドンパチ続くので疲れる。この数日でジョン・ウーの映画久しぶりに、何本か見返したけど…前から別に好きじゃなかったし、今もそんな好きじゃな>>続きを読む

ザ・ショック(1976年製作の映画)

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マリオ・バーヴァの遺作。タイトル通りショッカー演出が多くはあるが、古典的な幽霊屋敷映画にジャーロの手法を詰め込んだ職人芸が光る恐怖映画。アルジェント映画では意外と見ることができないダリア・ニコロディの>>続きを読む

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

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1962年『恐怖の岬』のリメイク作品。
このリメイクからも30年以上たったので、そろそろいきのいい若手にリメイクしてほしさある。
バーナード・ハーマンのオリジナルスコアを
転用。恐らくそこから派生して
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クレージーモンキー/笑拳(1978年製作の映画)

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ジャッキー・チェンの初監督作。
前半はビョーンとかディクシ的なコントっぽいSEが入っていたり、ジャッキーが女装したり、唐突にピンクパンサーのBGMが挿入されたりと緩めな作り。槍や椅子、壺など小道具
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ロボフォース/鉄甲無敵マリア(1988年製作の映画)

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誰が主役なんかよくわからん。
ジョニー・シャムはさすがに華がなすぎは?
トニーレオン若くて初めわかんなかった。全員お間抜けかつ行動が支離滅裂なので見ていてイライラする。
ロボットサリー・イップは可愛く
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猟銃(1961年製作の映画)

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あらすじとタイトルに惹かれて見た。原作は井上靖の芥川賞受賞作。未読。Wikipediaで読むと、一人の男性に向けた3人の女性(妻、愛人、愛人の娘)からの書簡形式で、愛憎を描く凝った構成のものらしい。映>>続きを読む

狼/男たちの挽歌・最終章(1989年製作の映画)

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ガンアクションとブロマンスと難病メロドラマ。ジョン・ウー印の二丁拳銃、互いに銃口を突きつけ合うスタンドオフ、ストップモーション、白鳩などが様式美として結実し、その後のハリウッドへのキャリアへ道を開いた>>続きを読む

男たちの挽歌 4Kリマスター版(1986年製作の映画)

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エミリー・チュウがめっかわ。
今見ると劇伴がかなりウェット。
植木鉢から銃、で有名な序盤のカチコミシーンが凄すぎて、ラストバトルが闇雲に撃ちまくってるだけに見えてしまった。

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