diesixxさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

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『イット・フォローズ』は当時めちゃくちゃハマって、新作も楽しみにしてたんだけど、SNSの評判があまりに微妙なテンションだったから急激にモチベーションが低下し、結果ジャイホーで配信されてようやく見た。や>>続きを読む

田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版(1951年製作の映画)

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ブレッソンのシネマトグラフ的な作法を最初に確立した作品、とされてるけど、後年の作品群のような研ぎ澄まされた感じはまだなくて、普通の映画っぽいシーンもある。上手いことに変わりないが。
主人公がグズグズい
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ヤマドンガ(2007年製作の映画)

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ラージャマウリ監督第4作で、NTR Jr.主演。インド映画らしい運命論的な恋愛模様と、地獄から閻魔大王が主人公を連れに来るという壮大な死生観が楽しい歌とダンスと共に描かれる。主人公がヒロインにもらった>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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私の家庭はゲーム禁止だったからマリオにそんな思い入れないけど、スーパードンキーコングは友達とか親戚の家でめっちゃやり込んだからジャングルランドで、一瞬テーマ曲かかったのはちょっと上がった。ゲーム好きな>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

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字幕吹替両方観賞。
トリックスター的なサイドキックだったロケットが、実は主人公だった…という完結編。
vol.2のクレジット前のラストカットがロケットの顔のクローズアップなのが結構印象的で、なぜなんだ
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

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雪崩のシーンは本物みたいに見えるし、ワンカットで夫婦の信頼に決定的な亀裂が入ってしまう大事な場面なので非常に良かった。
雄大な雪山のスキー場という舞台も、人間の存在のちっぽけさやよるべなさ、それをコン
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悪魔が来りて笛を吹く(1979年製作の映画)

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原作は金田一耕助シリーズでも特に救いのない話で好きなんだけど、なかなか映像化に恵まれていない気がする。個人的には稲垣吾郎のドラマ版が好きかな。
西田敏行のアプローチがコミカルとシリアスのバランスがうま
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イップ・マン外伝 マスターZ(2018年製作の映画)

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葉問4部作は、最初の2作しか見られてないけど楽しめた。話の筋が直線的でわかりやすいのと、アクションの配分が絶妙なので見ていて飽きない。中盤、自宅を放火されてからの香港のネオン看板を生かしたアクションが>>続きを読む

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

主人公ファミリーが結構成長してしまったことで、一作目ほどの輝きが若干失われてしまった感は否めない。『ストレンジャー・シングス』でも起こってる現象だと思うけど。たぶん作り手もそこには気づいていて、「変身>>続きを読む

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

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2018年の『SSSS.GRIDMAN』は、円谷作品の中でもほとんど忘れ去られていたB級キャラクターを青春学園ドラマとして鮮やかにリブートしつつ、本家ウルトラ以上(同時期はどちらかというと異色作のウル>>続きを読む

立ち去った女(2016年製作の映画)

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冤罪で30年間も刑務所に入っていた元教師の女。ようやく嫌疑が晴れて出所したが家族は離散、夫は死別。主人公は自分を陥れた元恋人に復讐するため、行動を開始する…というプロットだけ読むと桐野夏生のノワール小>>続きを読む

ポリス・ストーリー3(1992年製作の映画)

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結婚、離婚を経たミシェル・ヨーの復帰作。今回は中国公安との合同で、さらに潜入捜査というなかなか込み入ってそうなんだけど登場人物が少なく直線的なストーリーなのでかなりシンプル。ジャッキーが組織内で孤立し>>続きを読む

乳房よ永遠なれ(1955年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

田中絹代が巨匠たちの「サポート」から完全に自立し、女性脚本、女性主演で女流歌人の半生を描いた女性映画の金字塔。これまでと違う女性映画を撮ってやるという田中氏の気概がビンビン伝わってくる。
女流歌人にな
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わるいやつら(1980年製作の映画)

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もっとドロドロしたピカレスクロマンを想像してたけど、主人公の戸谷があまり魅力的じゃないからそんなに面白くならなかった。片岡仁左衛門にはあまり合わない役だったのでは。良くも悪くも2時間サスペンスのノリに>>続きを読む

月は上りぬ(1955年製作の映画)

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田中絹代監督作だが、脚本は小津安二郎でカメラワークや台詞回しに強く影響を感じさせる。油断して見ていると小津作品と間違えてしまいそう。
でも随所にガールズムービーっぽさはあって、ぺちゃくちゃ喋りながらス
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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『仮面ライダー』一作目初期の怪奇色や暴力性、ハードボイルドな感触を純粋培養したような映画。登場人物がほとんどライダー側とショッカーしか登場しない排他性、無国籍感も初期ライダーっぽくて好みだった。『シン>>続きを読む

剣鬼(1965年製作の映画)

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犬と蔑まれながら育った青年斑平は、花づくりの名人として城に徴用されるが、一方で情勢不安定な藩内政治に巻き込まれ人斬りとの才能を開花させていく…。
馬に追いつくほどの健脚という設定にはちょっと笑ってしま
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斬る(1962年製作の映画)

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Blu-rayにて。

スジ、ヌケ、ドウサの全てが極限まで削ぎ落とされたほぼ完璧な映画。
全ての始まりとなる女による女殺しをバックに「斬る」のタイトル。エモーションを排した叙事的な筆致で描かれる剣士の
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十七人の忍者(1963年製作の映画)

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東映集団時代劇路線の第1作。
前半はちょっと退屈したけど、城への侵入作戦が始まる後半から俄然面白い。劇伴も最小限で緊迫の潜入劇。敵側の陣頭指揮を取る才賀は、紀州の根来衆忍者出身で、エリート集団である伊
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

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17世紀の修道院を舞台に、神と交信できるベネデッタが、のし上がっていくピカレスクロマン。ベネデッタが生命力と妄想力とハッタリだけでキリスト教的な父権主義や拝金主義、欺瞞に満ちた禁欲を打ち負かしていくと>>続きを読む

網走番外地 望郷篇(1965年製作の映画)

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東映オンデマンドにて。
長崎ロケということだけ知っていたけど、今回初めて見た。
網走を出て、故郷でカタギに戻ろうとする健さんが、港湾荷下ろしのシノギをめぐる抗争に巻き込まれるストーリー。舞台となる港湾
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明治大正昭和 猟奇女犯罪史(1969年製作の映画)

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阿部定(本人)が自分で事件のことを語るシーンが一番やばい。

別れる決心(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

刑事を主役に、追う男と追われる女、高所恐怖症、屋根の上の追跡劇、禁欲的な恋の駆け引きなど随所に『めまい』の引き写し。セックス表現については、前作である程度結実した感があるので、ストイックなメロドラマに>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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笑いと驚きと困惑と感動が渾然一体で押し寄せてくるめくるめく映像体験。映画館を一歩出ると世界が違って見える久しぶりの感覚だった。
マルチバースって、話がどうでもよくなるリスクを孕んでいて、正直今のMCU
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好きにならずにいられない(2015年製作の映画)

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40代、恋愛経験なし、母親と同居、肥満と薄毛、口下手で、趣味は戦争ジオラマ作りのフーシ。職場の空港で、ひたすら旅立つ人々に滅私奉公。同僚に外見を貶され、いじめられ、仲間に入れてもらえたと思ったらマチズ>>続きを読む

霧の旗(1977年製作の映画)

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三浦友和とのコンビもすでに勝手知ったる安定感。プラトニック路線は『春琴抄』で完成し、『泥だらけの純情』で新世代吉永小百合の地位を固めつつ、愛憎と情念渦巻くサスペンスに挑んだ意欲作。三浦友和とのロマンス>>続きを読む

皇家戦士(1986年製作の映画)

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タイトルが覚えにくい。
原宿ホコ天を観光中(?)のミシェル・ヨーが、チンピラ相手に代々木体育館前で竹刀で成敗する導入部は、本当に導入でしかなくて、香港に帰る機内ではハイジャックに遭遇。真田広之とチャラ
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ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

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夫に先立たれて、創作に行き詰まったロマンス小説家(サンドラ・ブロック)と、表紙モデルの脳筋セクシーバカ(チャニング・テイタム)の『ロマンシング・ストーン』パロディー。
疲れてて、あんまり感動とかしたく
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迎春閣之風波(1973年製作の映画)

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1366年、元朝末期の中国。朱元璋率いる反元復漢運動が拡大する中、革命軍に裏切り者が出て軍の戦略図が元朝に仕える河南の王、李察罕の手に渡ろうとしていた。革命の闘士たちのもとに李察罕とその妹、婉児が戦略>>続きを読む

素晴らしき休日(1938年製作の映画)

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ジョージ・キューカー、キャサリン・ヘプバーン、ケイリー・グラントの瀟洒で優雅なロマンティックコメディ。
旅先で知り合ったジュリアと結婚するため、自宅を訪ねたジョニーは、彼女が銀行家の令嬢だったと知る。
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

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不意に思い立って、セールで売られていたロメールのBlu-rayボックス4、5巻を購入。喜劇と格言劇の6本を久しぶりに見返した。
私はそもそもロメールにそんなに思い入れがなくて、男女の惚れた腫れただの、
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シャドー(1982年製作の映画)

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『サスペリア』『インフェルノ』に続く「魔女三部作」完結編が頓挫し、久々にジャッロ路線に回帰した作品。オカルト要素はなく、真犯人のトラウマを織り込んだサイコスリラー風のミステリーとなっている。例によって>>続きを読む

スペイン狂想曲(1934年製作の映画)

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ディートリヒとスタンバーグのコンビ最終作。ディートリヒ自身は本作をいちばんのフェイバリットに挙げていたようだ。
コンビ初期のテンションの高さは見られないものの、紙テープまみれのパーティーや土砂降りの中
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