diesixxさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

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精緻なシナリオと毒気あふれるユーモアセンス、美しくデコレートされた砂糖菓子のようなカラフル&ポップな美術とスタイリングに、Metoo時代の命懸けのカウンターパンチを仕込んで、映画史を塗り替えた超弩級の>>続きを読む

銃弾の饗宴 ラームとリーラ(2013年製作の映画)

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ランヴィール・シンとディーピカー・パードゥコーンの恋愛映画。
インド映画で幾度となく繰り返される対立する一族同士のロマンスが描かれているが、互いに銃器を扱うヤクザ者のため、ややマフィア映画的な血生臭さ
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

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現実がクソすぎて、ノリで犯罪に手を出すが素人かつ根が善人なので全くうまくいかずに凡ミスを繰り返しあえなくお縄になるまでを描く犯罪コメディ。プロットはコーエン兄弟っぽいが、実話をベースにしていて、刑期を>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

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自意識と対人関係に迷い、失敗し、他人と自分を傷つけながらのたうち回るアラサー女子の生活誌。作り手は男性で、私も男性だから、ここで描かれる主人公がどの程度、女性の実感に寄り添ってあるのかはわからない。>>続きを読む

アヴリルと奇妙な世界(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

科学者たちが連れ去られて、蒸気機関以降の科学が発展していないスチームパンク的並行世界は、町中煤だらけで地獄だなーって一方で、結局石油が掘り出されてエネルギー問題解決しましたってオチは2020年代にして>>続きを読む

ラ・ブーム(1980年製作の映画)

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『サニー 』(オリジナルの韓国版)でパロディーされていた映画をしっかり同時配信しているJAIHOは心憎いな。
子どもから大人までどいつもこいつも恋にうつつを抜かすおフランスの真骨頂。彼らの移り気や奔放
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エクスペンダブルズ(2010年製作の映画)

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映画館で見たな。このころのスライは2度目の黄金期って感じで、ノリに乗ってましたね。
ディレクターズカット版は、音楽などをほんらいの意図に差し替えたらしいけど、オリジナルのエンディングのシン・リジィの方
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死の棘(1990年製作の映画)

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浮気しちゃった岸辺一徳が、妻松坂慶子にずっとネチネチといじめられる話。
自分で蒔いた種だけど、たまに岸辺も我慢できなくなり、ブチ切れたり、泣いたりする。
子供がかわいそうという感想。
愛人もかわいそう
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白いリボン(2009年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

緊張感のある画面で興味は持続できたが、終盤、確信に迫りかけるもなにも解決しないままに尻切れとんぼに終わってしまうのでちょっと肩透かし。
禁欲主義の裏で蠢く暴力、家父長、女性蔑視、血統主義に障がい者差別
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風と共に散る(1956年製作の映画)

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IVC版Blu-rayで再見。テクニカラーの艶やかな映像、フィルムノワールと見紛うばかりの黒い影が存分に堪能できた。
オープニングタイトル。風を切る黄色いスポーツカーの禍々しさ。不穏な表情の主要登場人
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BEGINNING/ビギニング(2020年製作の映画)

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絵画のような構図とライティングのうつくしさを感じるものの、編集のリズム感があまり合わなかった。

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

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1979年サンタバーバラを舞台に思春期の少年と、母、同居人のパンク姉ちゃん、幼なじみのガールフレンドとの関係と、女性たちそれぞれの痛みと生の輝きを描く。
たぶんにミルズ監督と私小説的要素を含んでいるの
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映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(2021年製作の映画)

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風間くんの可愛さを堪能できる。
てっきりチシオさん、ろろさん、番長、サスガくんがかつての幼馴染で、カスカベ防衛隊に感化されて友情を取り戻す展開なのかなーって思ってたらそうでもなかった。
野原一家に、す
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切腹(1962年製作の映画)

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橋本忍の精緻な脚本と小林正樹の禁欲的な演出で世界を驚かせた胸糞時代劇の傑作。
ストイックな構図とギリギリまで弓矢を引き続け、一矢の瞬間を待ち構えるような仲代の演技プラン。三つの髷が投げ出され、武士道の
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犬王(2021年製作の映画)

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期待してたけどちょっと眠かった。
ライブシーンでループ映像が多くて(そういうグルーヴ感を狙ったのかもだけど)冗長に感じてしまった。
アヴちゃんはとても良かった。
森山さんも良かった。
最後に犬王の素顔
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

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再々々々々見くらい。
エマ・ストーンの顔が面白い。
手放しで褒めるのも気恥ずかしいのはわかるけど、したり顔で貶してるのも痛いです。

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

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スケボーシーンの疾走感あふれる移動ショットと小気味良いカッティング。自身がそのコミュニティに身を置いて、ボーダーとしての運動神経を身につけているからこそなせる素晴らしいシーケンス。
アメリカで最も惨め
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

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ジーナ・ローランスがだんだん不安定になっていく演技は圧巻だけど、それ以上にピーター・フォークがやばい。普通であることを強要されることで、さらに追い詰められていく。通算2回の修羅場でのピーターフォークは>>続きを読む

マタドール<闘牛士>・炎のレクイエム(1986年製作の映画)

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登場人物のほぼ全員が倒錯していたとしても、感情移入できる普遍的な物語にすることができる。アルモドバルは最初からアルモドバルだったんだなーと奇妙な感慨。
マリオ・バーヴァのジャーロ映画を見ながら、シコっ
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野蛮人として歴史に名を残しても構わない(2018年製作の映画)

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ルーマニアのユダヤ人虐殺を告発する演劇を準備する女演出家。歴史修正や矮小化、別の事例を持ち出した相殺、加害責任回避、戦争犯罪の正当化、レイシズムなどを根拠にさまざまな難癖をつけてくるおじさん(一部おば>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

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原作は締めくくりに精神科医のモノローグで容赦ない現実を叩きつけて、読者に巨大な宿題を突きつけるラストだったけど、映画はある種の回答や理想が示されていた。
これをマイルド化された、と取る人もいるかも知れ
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ボクサーの愛/ザ・ブローラー 喧嘩屋(2017年製作の映画)

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ボクシングシーンはあんまりなくて、カースト上位の権力者相手による陰湿かつ卑劣なイジメがメーンだった。インド映画のトゥーマッチが悪い方向に働いて、単に鈍重で胸糞悪いだけの映画になってしまっている。
権力
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

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ちょっと露悪的なくらいつらい痛覚描写や登場人物の息切れなどの肉体性をスクリーンに刻み込むことで、感情移入しにくい主人公たちにほぼ強制的にシンクロさせていく見せ方がうまい。即物的、表層的に画面を追ってい>>続きを読む

われらの時代(2018年製作の映画)

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妻の不貞に理性で対峙しようとするも、人間の感情は理で説明できるものではないからかえって妻を苛立たせる夫の話。
「俺は気にしてないけどさあ」的な余裕のポーズだけはとりつつ、まあまあネチネチと尋問してくる
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