教授さんの映画レビュー・感想・評価

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しんぼる(2009年製作の映画)

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基本的には世の中で言われている通りの酷評。
なぜ製作されたのかが全くわからないというのが本作は悩ましい。

「海外向け」と、外国文化に対して何ら関心のない松本人志監督の、無知と軽視が散見されるつくり。
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

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本作を観て、例えば恋愛における「倫理観」みたいなのは(常々思っていることでもあるが)、本当にどうでもいいや、と思えたというのが感想。

正解を持ち得ない「正しさ」という考えにおいて、恋愛に限らず他者を
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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本作のテーマとはまったく関係がないことだが、近年言われている「トキシック・マスキュリニティ」という考え方は、社会構造の問題としては重要な課題の一つだとは思いつつ、広く流布され浸透したものについては「言>>続きを読む

戦火の馬(2011年製作の映画)

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いつの間にやら本当の「巨匠」に登り詰めていたことに気付かされるスピルバーグ監督。
初期作品から順番に追いかけていると、それが確実にわかってくるから面白い。

前作「タンタンの冒険」からはうって変わって
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この子を残して(1983年製作の映画)

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神保町シアターの特集上映にて。

広島、長崎の原爆についてはもはや、トラウマと言ってもいいほど幼少の頃から映画や書籍を通じて触れている。
そのきっかけは忘れたが印象的なのは小学校の頃の長崎への修学旅行
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

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ファーストシーンのVHS方式のビデオカメラの件。値段についてのやり取りで「当時」の男子高校生が「高っ!」と発した時点でほぼほぼ映画に関しての興味が下がってしまった。
最後まで観てしまえば、描かれている
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

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それなりに、という意味では充分楽しかった映画。なのだが、一方で脚本の不備や設定の甘さで物語運びがとっ散らかっているし、雑にも感じる微妙な出来。

しかし面白く観ることができたところはとても多い。
前作
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

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前作は眠かったのもあって、あまり記憶に残っていなかったのもあるが、物語としては「何も起こらなかった」という印象があったのだが、そのあと観返すと、そういうわけでもなかった。
原作の世界観に没入するための
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

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映画は観た者(観客)が自由にイメージを膨らませてあーでもないこーでもないと言い募ることで完成する、という側面がある。

気軽にアップリンク吉祥寺で、駆け込みでチケットを買い、午前中に本作を観る。
上映
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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本作は現状、観客からと批評家からも高い支持を得ていて、興行的にも大成功している(日本は某アニメでも観てるだけの国なので例外)中で、ちょっと褒め過ぎだと感じた。

クリストファー・ノーランは完全無欠の映
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12日の殺人(2022年製作の映画)

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ドミニク・モル監督の作品は前作「悪なき殺人」に続いて2作目。
前作譲りの「ミステリー」を通した人間模様と、いわゆるエンターテイメントなカタルシスから横道に逸れたテーマの活かし方という点で共通している。
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

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いわゆるジャンル映画としての良作。
面白かったし、泣いた。
現在、体調的に弱っているのもあるが、日々の悩みも投影してとにかく泣いてしまった。

ありがちな、軽妙さを売りにしたアクション映画かと思いきや
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パッチギ!(2004年製作の映画)

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まず、左翼思想の凝り固まった偏狭の「自虐史観」の映画である批判は受け止める。
本作は「日本人」という主語を強く観れば偏って見える作品である。
それは認めるのだが、そんなことを日本人として、日本人の側で
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

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マシュー・ヴォーン作品はハズレなしと思っていた時期から、いつの間にか「もういいかな」という気分になってきたのが前作「キングスマン:ファースト・エージェント」で、スパイ・アクションのアップデートに隠れた>>続きを読む

蒲田行進曲(1982年製作の映画)

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本作は自分の原点のひとつ。
小中学生の読書体験として、原作者兼脚本のつかこうへいの作品は大きく影響を受けてしまっている。
それ故に、なのか現代の「PC」に端を発した「倫理観」がいかに美辞麗句で固めた欺
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大日本人(2007年製作の映画)

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大島育宙のことは置いておいて。また昨今の松本人志の件も置いておいて。
結構前から観直す必要を感じていた本作。

ダウンタウンや松本個人の「笑い」については熱狂的なファンではなかった。
ただ世間的評価と
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戦争と青春(1991年製作の映画)

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本作のレビューをザッと読み進めて、驚くほど感想が似通っていて驚いた。
そして、僕もまた同じ感想しかない。

「また逢う日まで」があまりにも素晴らしく、感動したので今井正監督作品ということで鑑賞。
そし
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また逢う日まで(1950年製作の映画)

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映画に興味を持ってから、ずっと観たいと思いながら観る機会がなく「名作」の誉れも高い作品にも関わらず観ることができていなかった。
この度、U-NEXTで配信されて鑑賞。

1950年代の日本映画、古い日
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BeRLiN(1995年製作の映画)

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色々と感慨深い映画。1995年の日本。1995年の東京。僕は当時17歳。
当時のカッコいいものが、自分の美的感覚を大きく形成している。
その中で憧れだったのは永瀬正敏。

当時、ミュージシャン高野寛と
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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非常に「現代的」な法廷劇で、王道的なフォーマットに、結末やテーマの提示のさせ方などアカデミー賞で評価されるのも納得の脚本の力を感じる。

自殺か?他殺か?
というミステリー要素を通して、弁護士のヴィン
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恋する惑星(1994年製作の映画)

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恐らく日本公開時は世代的にジャストなタイミングだったにも関わらず、イジケた思春期を送っていたり、周囲の環境のせいでよくわからず敬遠していた映画。

しかし。近年になってのレトロスペクティブ的な再評価に
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オースティン・パワーズ(1997年製作の映画)

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前半は面白く観たのだけど、途中で飽きてしまった。
観てわかる通り「007」シリーズのパロディを全開にして、1960年代の「スウィンギン・ロンドン」讃歌なサイケデリックなビジュアルを取り入れてポップでオ
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

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この映画を誰もが愛さなくても構わないのだけど、僕は偏狭は価値観の持ち主なので、とりあえず褒めはしないけど、本作のような有象無象の映画は普通に愛せてしまう。

しかし。映画としてはかなり不出来であること
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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作品で描かれているテーマと作風や作劇がまるで合致していないという印象。
その為、面白さが皆無というわけではないけれど、概ね「面白くない」という感想。
そのため、語りづらいというよりも、何も思わないとい
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黄金を抱いて翔べ(2012年製作の映画)

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ド直球のクライム・ムービーで、ド直球のケイパーフィルム。ジャンル映画原理主義的な「井筒和幸節」が漲っていて怠いところも含めて楽しい映画。

特徴として主人公の幸田(妻夫木聡)と北川(浅野忠信)の関係性
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オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー(2011年製作の映画)

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2011年。東日本大震災直後の日本で、当時の友人たちと大挙して観た。
当時はその鑑賞体験やら世相やらで感動もした記憶がある。
それがもう13年前。

僕としては震災の影響は直接なかったが、ニュースなど
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

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「地味」だが「秀作」という感じの、いわゆる「拾い物」扱いされがちな映画。
つまり「映画」に何がしかこだわりを持って観ている人にとっては、もし心に引っかかるものが見つかれば、言いようもない「当たり」の映
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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「現代の日本」に必要なのは、もはや「暴力」でも「虚無感」でも「狂気」ではなく「人情」だと思う。
その点で、本作のような作品は最も重要な映画だと思う。

本作の大筋はパニック障害を抱える山添(松村北斗)
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現金に手を出すな(1954年製作の映画)

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1954年のフランス映画。
主演はジャン・ギャバンで、どことなくモッサリとした男臭い映画を想像していたので意外だった。

むしろフレンチ・ノワールと称されるギャング映画の古典と言いつつも、現代でも繰り
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

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「映画的表現」は浅いところではなんとなく言語化できても、それが優れた作品になればなるほど、作品自体よりも観客であるこちら側の審美眼が問われるという袋小路にハマってしまう。

とはいえ、映画は「観客」の
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岸和田少年愚連隊(1996年製作の映画)

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幾度となく繰り返し観ている作品。
井筒和幸監督のような「プログラム・ピクチャー」の職人監督はとても好きだ。

本作も井筒監督のベースにある「関西」的な土着性を全面出した世界観ながら荒々しい言葉の応酬と
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ドランク・モンキー/酔拳(1978年製作の映画)

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カンフー映画の傑作…と言われている本作。子供の頃から親しんできたジャッキー・チェン。監督はユエン・ウーピン。
まだ映画のことをまるで知らずに無邪気に楽しんでいた頃の思い出としてはちゃんと血肉になってい
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大河への道(2022年製作の映画)

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いきなり暴論を言うと、誰がこのような「映画」を観るんだろう?という疑問が湧く。いわゆる括弧つきの「日本映画」で、企画・主演は中井貴一。
企画者の弁としては「数少なくなった時代劇を日本の文化や伝統として
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ローマの休日(1953年製作の映画)

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歴史的評価が確定し過ぎている作品であるが故に、思うことがあまりない。
「不朽の名作」に対して僭越ながら、ぼんやり観る限りはとても楽しい映画である。

良くも悪くも、時代柄まだ「物語の力」を信じられてい
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

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上映時間169分。睡眠不足の頭には全編とても眠かった。
コンセッションで糖分をドーピングしつつ、目薬を何度もさしながら、それでもうつらうつら。
冒頭のシーンからタルコフスキー然としたルックの提示で覚悟
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この広い空のどこかに(1954年製作の映画)

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1954年の日本映画の豊かさ。テーマ主義に陥ることなくテーマを多層的に描く脚本と、その役柄を掘り下げる俳優たちの巧みさ。
「ホームドラマ」という形式をドライに演出するという作劇のクールさに驚く。

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