HenriFさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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コクリコ坂から(2011年製作の映画)

4.5

3回目の鑑賞。見るたびに好きになっているような気がする。「安っぽいメロドラマ」でもいいじゃないか。街やカルチェラタンの描写、音楽が素晴らしい。愛すべき作品。

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ホラー名作「エスター」の前日譚。

序盤はエスター無双になるのかと思ったら、中盤から一気に風向きが変わる。狩る者が狩られる側になる構図が、父アレンが描くブラックライトで絵柄が変わる絵画と重なり興味深い
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X エックス(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ド定番のホラー映画の設定かと思いきや、主人公と殺人鬼の人生を重ね合わせる手法にゾクゾクさせられる。ミア・ゴスの演技がすごい。クレジット見るまで老婆も彼女だとはまったく気が付かなかった。

ポルノ映画を
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世界の起源(2020年製作の映画)

4.0

おバカでお下品なフランスコメディに耐性がある人にはぜひお勧めしたい一品。エスプリ効きまくり。私は爆笑しながら鑑賞。

心臓が止まっているのに「生きている」半死状態の主人公。その問題を解決するためには、
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バグダッド・カフェ(1987年製作の映画)

4.5

15年ぶり2回目の鑑賞は4K版で。鮮やかな色彩と立体感でたいへん美しい。

ヤスミンの手品(マジック)が本当の魔法のように人々の心を動かしていく展開が楽しい。有名な水タンクを掃除するシーンは、乾いた人
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

画作り、音楽、構成、役者陣の演技、どれをとっても楽しめました。壁のスイッチを押して駆け出していくシーンは特に素晴らしかった。

多くの方の共感を生むのは、現代社会の選択肢の多さがもたらすものなのでしょ
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ミニオンズ フィーバー(2022年製作の映画)

4.0

ミニオンズが一生懸命おバカなことをするのが笑える。
CGの品質がとても高く、映像作品として見ると大人も十分楽しめました。

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

オーストラリアで実際に起こった銃乱射事件を元にした作品。元ネタの事件についての記事を読んだとき、事件の当日ニトラムが言った(とされる)「今日はジャップが少ないな」という言葉は重く私にのしかかっていた。>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作未読にて鑑賞。主人公の女の子が天真爛漫に生きる様を描いた、ほっこり系の映画かと勝手に思っていたらちがった。

あみ子があみ子でいるだけで、周囲の人間と、その関係性が壊れていく様も描かれていて、静か
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

個人的な悪夢を映像化したような作品。
そのため、快か不快か、二択で言ったら不快の部類に入る、心構えが求められる映画。「快い悪夢」なんてものはないのだから。

一言で言うなら所謂「有害な男らしさ tox
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

有名なエドワード・マイブリッジの馬の写真。人間は通り過ぎていく現実の形を残そうとカメラを構える。

飛行物体は「現実」のメタファーなのだろう。本質的に捉えることのできないもののはずが、万人が持つスマー
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.0

頭からっぽで見られるアクション・コメディ。機関車トーマスの比喩がよかった。
静かにしないといけない車両でのアクション等、ところどころ楽しいアクションがあるのだが、全体としては真新しさに欠ける印象。タラ
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時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!(1993年製作の映画)

4.0

『ベルリン・天使の詩』続編。オットー・ザンダー演じるカシエルが人間になってからの顛末を描く。
前作に比べてストーリーラインが明確で見やすい。ブルーノ・ガンツたちカップルが前作のラスト後、どんな生活をし
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.5

動きのある詩。言葉が、映像が、リズムを作る。ドイツ語、フランス語、英語など様々な言語で語られる詩はベルリンの多様性を思わせた。

天使たちが自分たちの周りにいるかもしれない、という仮説は私達の世界の見
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ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)

4.5

戦争で散った命に哀悼を捧げたくなる作品。音楽の使い方、演出、構図、どれも素晴らしい。物売りのおばあちゃんのキャラが最高。
2023-45

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.5

2回目の鑑賞。坂本龍一を悼むために鑑賞。
シーンとして決まっている箇所がある一方(有名なキスシーンだったりラストだったり)、日本語として聞き取りづらい箇所、演技が微妙なシーンもあり全体としては凹凸があ
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

マッツが楽しそうに飲んでるのを見るだけで幸せ。
おじさんたちが楽しそうにしいるのを見ると嬉しくなるのは、自分も年をとった証拠ですね。

クリーン(2004年製作の映画)

3.5

じんわりと良さを感じる映画。
マギー・チャン演じる主人公が絶望のどん底(麻薬中毒、無職、夫に先立たれる)から人生を立て直す様を、淡々と丁寧に描く。

麻薬と縁を切り、クリーンになったとき溢れる感情。外
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読まれなかった小説(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

小説家志望の青年シナンとその周囲の人物たちの会話劇が、チャナッカレやトルコの田舎の風景の中で展開する。

同級生ハティジェとの再会のシーンが印象的。カメラワーク、光のあたり方がよい。

借金してまで出
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トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

4.0

トリコロール3部作の最終章。「博愛」のテーマの通り、前作で描かれたような男女の情愛を越えた広い愛が描かれる。それは人から人だけではない。犬のリタに象徴される、命に対する博愛だ。

空き瓶を捨てるのに苦
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ミザリー(1990年製作の映画)

5.0

「傑作どころじゃない、完ぺきよ」
ホラー・サスペンスとしてこれ以上ない出来だと思います。隙のないストーリーライン、各シーンの演出が見事すぎる!

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.0

ベストセラー小説の映画化作品。
原作は未読での鑑賞。ナレーションという形で原作の一部をそのまま使用しているようだが、おそらく省略部分も多くあり、人間関係がよく見えない部分もあった。2時間にまとめるから
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エレファント・ソング(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

グザヴィエ・ドラン主演の上質な会話劇・心理サスペンス。

ドラン演じるマイケルの話術は、ともすると、ハンニバル・レクターを思わせる巧みさとずる賢さを感じるが、根底にはマイケルの純粋な欠乏感がある。愛さ
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トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

トリコロール3部作の2作目。
妻から性的不能を理由に離婚された中年男性カロルが喜劇的に描かれ、前作の青より見やすい印象。一方、主人公がジュリー・デルピー演じる前妻に会いたいあまりに実行する計画は狂気以
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.5

アカデミー賞4部門受賞。
パウル・ボイマー役のフェリックス・カマラーがとにかく素晴らしい!

メイキング映像もぜひ合わせて見たい作品。撮影監督の画を作るセンス、衣装、特殊メイク、セット、劇伴、すべてが
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.5

エルヴィス・プレスリー伝記もの。
エルヴィスのマネージャーだったトム・パーカーの視点で語られる。

創作の才能と、それを売る才能は必ずしも一人の人間に同居しない。傑出した才能があったとしても、それをプ
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日の丸~寺山修司40年目の挑発~(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「あなたにとって日の丸とは何ですか?」

寺山修司が構成を担当した1967年のドキュメンタリーに触発された監督が、もう一度その問いを現代の日本人に投げかける。

寺山の意図した「情念の反動化への挑戦」
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

ミシェル・ヨー主演のカンフー・マルチバースもの。
ぶっ飛んでる作品だろうと覚悟して見に行ったのだけれど、予想以上だった。ほかの映画作品へのオマージュ、引用もあり、楽しい。

ただ、画も音もあっちに行っ
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ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

3.5

アダム・ドライバー目当てで鑑賞。「死への恐怖」と、現代人が毎日浴びている「情報」についてのシニカルな視点。

専門家でない普通の人間は、二次的にもたらされるマスコミや人づての情報を用いてしか、物事を判
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

5.0

2回目の鑑賞。相変わらず最高です。
マンソン一家によるシャロン・テート殺人事件を下敷きに描かれる、タランティーノ版の物語。監督の溢れんばかりのウェスタンへの愛、そして、映画の力を再確認させてくれる傑作
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トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

クシシュトフ・キェシロフスキ監督トリコロール3部作の1作目。夫と娘を事故で失った主人公が、過去から解き放たれて自由を手にするまでを描く。

夫のことを思い出すたび訪れる記憶が大波のように大音量の劇伴で
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息子の部屋(2001年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

息子を事故で亡くした家族が、その事実と向き合うさまを丁寧に、あたたかく描いた良作。ヘンにドラマチックになることもなく家族の心の揺れを描く。

ただ、息子の面影に苛まれる父親の姿は、個人的に見ていてつら
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ある少年の告白(2018年製作の映画)

4.0

グザヴィエ・ドラン目当てで見始めたところ、主演が『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のルーカス・ヘッジズで、思わず引き込まれた。

個人の性自認vs宗教という重たいテーマで、見るのがつらくなる矯正施設で
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(2007年製作の映画)

3.5

少し昔。ある夏の、誰かの記憶。
『君の名前で僕を呼んで』(ルカ・グァダニーノ監督)、『Summer of 85』(フランソワ・オゾン監督)につながるようなイメージたち。

少年のようなグザヴィエ・ドラ
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グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル(2016年製作の映画)

4.0

グザヴィエ・ドランの才能と狂気、映画への愛を目の当たりにできるドキュメンタリー。『マイ・マザー』から『たかが世界の終わり』までの製作裏話などをキャスト、撮影監督、プロデューサーなどが語る。

彼が引用
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雪の轍(2014年製作の映画)

4.5

3時間、パルム・ドール受賞ということで、なんとなく重すぎるのではと敬遠していた本作でしたが、意を決して見てみると含蓄ある会話劇でぐいぐい引き込まれた。

元俳優で現在は不動産収入で暮らす主人公と、様々
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