アンバーさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

アンバー

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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.7

スピルバーグ監督がどんな家庭で育ち、どんな学生生活を送ったのかがよく映し出された作品。

家庭が抱えていた問題、ユダヤ人として受けた差別、映画を撮り続けることの難しさ。
いろんな問題は抱えていても、映
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.1

キリストと強い結びつきを持ち、それによって悲劇に見舞われる女性の話。

信じることの難しさ。怖さ。

人である以上、個人の思想、欲望が信仰の妨げになってしまう。しかし自分の目で見たことはどうしても信じ
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.5

高校という空気感、温度感の再現度が高すぎて、自分の高校時代を思い出した。

普段なら、はやく卒業したいと思うのに、いざ別れの時が近づくと、卒業したくないと思う。忘れたいこと、忘れたくないこと。
まだ青
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

4.4

ストーリーテリング、物語の伝承をすることの持つ意味について考えさせられた。
人間の望むもの、欲望。そして愛。

昔からある伝承について、魔神の視点から見たものを、伝え聞くところがビジュアル的にもワクワ
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.0

配信にて鑑賞をしましたが、今泉力哉監督の作品は映画館で観るのも良いけれど、家でリラックスしながら観た方が、より楽しめるのかなと思った。

いつもながら笑えるところが満載で、世界のどこかで起きていそうな
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#マンホール(2023年製作の映画)

4.4

結婚前夜にマンホールに落ちてしまう男の話

何度も訪れるビックリ展開に驚き、びびらされ続けた。そしてめっちゃ疲れた。

主演の中島裕翔さんの演技によって、追い込まれた状況の閉鎖感、緊迫感が、ひしひしと
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.1

日常、船上、漂流した島、どんなロケーションでも、人間は常に醜く、利己的。

人間の醜いところをなんの遠慮もなく曝け出させた今作は、社会風刺に富んだ痛快なブラックジョークが観ていて、気持ちよかった。
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.0

世界一のプレイヤーを目指す若者の話。

力強いジャズの音と、それを引き立てる色鮮やかなアニメーション。

荒ぶりも、落ち着きも、感動も、何もかもを内包しているジャズの持つ力に、心震わされる作品だった。
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

4.2

尊厳死を望む父親とその娘らの話。

年老いて生きるのが辛い父親は死ぬことを望むが、お別れをする決心がつかない娘たち。

この父親がみせる、お茶目でユーモア溢れる人間性に、観ているこちらも娘たちと同じよ
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茶飲友達(2022年製作の映画)

4.8

高齢者の性についてを描いた本作。

タブー視され、あまり触れられないこの問題に対して、真正面に向き合う作品。
高齢者の問題は尽きることがないが、一人一人が違った人間で、それぞれが異なる過去、問題を持っ
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.9

日常に嫌気がさしていた女性が、寝台列車で1人の男性と相乗りをし、目的地までの長い道のりをともにすることとなる。

第一印象、最悪の彼とも、時間をともにすることで、だんだんと打ち解け、仲を深める。

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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

4.4

過去作よりもスケールアップするので、静かでシリアスなものになるのかなと思っていたら、しっかりアントマンでした。

宇宙を思わせる雄大さを兼ね備えた、色鮮やかな量子世界。そこで繰り広げられる、強大な敵カ
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離ればなれになっても(2020年製作の映画)

4.6

16歳の3人の男性と1人の女性の40年間を描いた作品。

時代とともに変わりゆく世の中、その中で変化する4人の仲、近づいたり、離れたりを繰り返す。それぞれ人生にも、良い悪いの波が訪れる。それでも変わら
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.8

映画館を舞台にした、映画の魅力を全面的に推していく作品かと思っていたら、不安定な社会の抱える問題、各個人の抱える問題を描きつつ、そこに映画という要素を丁寧かつ慎重に織り込んだ作品。

人はそれぞれ抱え
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バビロン(2021年製作の映画)

4.6

音なしの映画から音ありの映画になる時期のハリウッドを描いた作品。

エロ、グロ、汚物、ドラッグ等の過激なシーンはあったけれど、それらもハリウッドの繁栄の裏側を映し出すもの。

映画というものの持つ力と
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.8

自分のセクシュアリティを隠さなくてはならず、同性婚が認められていない現状。

愛するという行為の重さ。
重く大きな愛はエゴとなる。
エゴ故に行き過ぎた行動をとってしまう。

とても繊細ながら、力強い作
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.2

島内での小さな摩擦が重なって、最後には取り返しのつかないものになる。島内でなんだかんだ折り合いをつけていたものが、いつの日か、終わりを迎える。

終わりのくるもの、次の時代に受け継がれるもの。何かを残
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.3

大物プロデューサーの大スキャンダルを告発したという実話を基に作られたお話。

彼の行っていた、えげつない行為に憤りを感じ、被害者女性の体験した恐怖には、ひどく心が痛んだ。

この事件を発端に社会現象が
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.2

予告の時点で思っていたが、予想通りインド版の「ニューシネマパラダイス」だった。

主人公サマイの、真っ直ぐで、穢れのない好奇心で映画に没頭する姿を観て、自分が映画を観る時もこれくらい純粋な目で観れるよ
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ippo(2022年製作の映画)

3.8

独特の間や演出が、舞台の戯曲をスクリーンで観ているようで、そんな貴重な経験をさせてもらえた。

どれも個性的でじわっとくる笑いや感動がある短編集だった。

いつかは柄本佑監督による長編作品も観てみたい
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ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

4.5

小さな村の人々が、自分たちでお金を出し合って、競走馬を育てていくという話。

夫婦仲、仕事、変化や刺激のない暮らしが、1匹の馬を中心に、色づいていく。

観ているこちらも息を呑んでしまうような緊迫感の
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Mr.Children 「GIFT for you」(2022年製作の映画)

4.5

ツアーには2日程、参加し、ずっとミスチルのファンだった自分としては、映画館という贅沢な環境で、ミスチルの音を聞くことができたので、それだけで幸せいっぱいの時間になりました。

それぞれのファンの方々が
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

4.2

30年以上かけて作られた、驚くほどの緻密さのストップモーションアニメーション。

こんなことを考えている人間がいるとは。

宇宙創造、生命の誕生、消失、クリーチャー、悲惨な戦争、荒廃した土地など数えき
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.4

「Coda」が作品賞を獲り、「silent」が大人気を博した2022年。
聴覚障がい、手話をテーマにした作品が輝いた一年だったが、この作品もその一つ。

ずっと塞ぎ込んでいたケイコも、周りの人間との関
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ハッピーニューイヤー(2021年製作の映画)

4.2

年の最後に観るのにピッタリな、幸せ、優しさいっぱいのラブロマンスオムニバス。
大きすぎる悲しみも辛さもなく、その代わりに、笑いも涙も届けてくれる。

韓国俳優は全然知らなかったけれど、どの人も魅力的な
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.5

出てくるものの一つ一つに、どんな意味が込められているのかを考えるのが楽しかった。

不快で、グロテスクなシーンが続くが、最早キツさはなく、面白さすら感じた。

邦題に、同じ顔の男たちという副題が付けら
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シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

4.2

「一人っ子政策」が、どれほど非人道的な政策なのか、そして、家父長制に、どれほど女性たちが苦しめられているかが分かる。

伯父さんと叔母さんが、最初はよくある嫌な親戚として描かれるのだが、抱える問題のせ
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そばかす(2022年製作の映画)

4.0

恋愛は生きている以上は、付き纏われる。

全ての人間が恋愛を好きなわけではないし、異性を好きなわけではないのだから、価値観を押し付けるのは良くない。

そもそも、今現在、普通とされている価値観がすべて
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の方へ、流れる(2021年製作の映画)

3.7

少しのぎこちなさを残しつつ、2人だけの世界の中で、淡々と会話が進んでいくのが、心地良いと思った。

あまり良くない見方かもしれないけど、唐田えりかさんのこれまでの遍歴を踏まえてみると、より楽しめるよう
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

5.0

Dolby cinema 3Dにて鑑賞。

目と耳だけで違う世界を体験でき、前作と同様、現段階での映像作品の最高到達点を更新してくれた。

波、水しぶき、水滴など水の表現がどれも神秘的で、ナヴィと生き
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Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック(2018年製作の映画)

4.0

今年史上、一番笑った映画でした。

下品でサイテーなところもあるけれど、夢見る二人の少女がパワー全開で奮闘するサイコーな映画で、テンポの良い音楽に思わず体が動いてしまう。

あのこと(2021年製作の映画)

3.8

とにかく辛さがエスカレートしていく。

現代の日本に生きる自分には、全く想像ができない価値観で、人間の冷たさに溢れた作品だった。

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.7

原作知識は、湘北の主要メンバーを知っている程度で、その程度でも楽しめるのかと、不安で観に行ったが、そんな不安を吹き飛ばしてくれた。

こんなアニメーションも存在するのかという、独特なタッチの映像と、気
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RRR(2022年製作の映画)

4.8

3時間の長尺で、インド映画に慣れていないということもあり、不安もありつつ観に行ったけれど、今年観た中で1番楽しい映画でした。

古典的なストーリー、演出で、清々しいほどまっすぐな作品だった。
インド映
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