フワッティーさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

フワッティー

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挑戦(1969年製作の映画)

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ビクトル・エリセ目的で鑑賞。デビュー作かつ3監督によるオムニバス。

2本目も面白く見れたが、やはり真打ちは3本目のエリセ作品。暗示が散りばめられた表現、やや直接的ではあるが、その尖り様が見事。ここか
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ラストデイズ(2005年製作の映画)

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撮り方・構成は『エレファント』にそっくり。カートの自殺に対する考察であれば最後のチャプター2つは要らないと思える。それもそのはず、サントは他殺説も疑っているのだろう(チャプター10の最後で小屋の中に赤>>続きを読む

楢山節考(1958年製作の映画)

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姨捨山の伝説。本作は(最終カットを除く)全編セット撮影で観劇してる気分にさせる。

献身的にしきたりに従うおりん。楢山へ向かう最中、「月が隠れて了ったな」、「雪が降るかもしれねぇな」と苦しさ紛らわすよ
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キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

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自分の中でタランティーノといえばこの映画になってしまった。

青春残酷物語(1960年製作の映画)

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序盤、全学連の安保反対のデモ行進から、映画全体の方針が示される。戦後復興という時代の若者、姉との対比によってニ種類の恋愛が映されるが、秋本の発言の通り、それらは敗北という結末を迎える。

日本のヌーヴ
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お早よう(1959年製作の映画)

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小津作品らしいローポジションと一点透視図法により統制された画角、ドラマ性に溢れた脚本。開き直りも噂好きも悪態も、すべて人情から生まれるもので、それら一切が美しい。

テンポという意味での「間」が、物語
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

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アニエス・ヴァルダによる、ヌーヴェル・ヴァーグの原点。

やはり、ドキュメンタリーの名手なだけあり、ローカルの撮り方が秀でている。伝統、労働、共同体意識の中で、ポワント・クールト(タイトルは舞台となっ
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秋のドイツ(1978年製作の映画)

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プロローグ、ファスビンダーパート、エピローグのみ鑑賞。

ドイツの秋と呼ばれる一連のテロ事件を受け制作された、学生運動を擁護していた映画人らによるオムニバス作品。

まず、プロローグとエピローグ、それ
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やさしい女(1969年製作の映画)

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ブレッソン初のカラー作品にして、日本で唯一ソフト化されてない作品。シネマトグラフの目指す「エモーションへの訴え」が、もっともわかりやすい形で達成されている作品ではないだろうか(後述)。

元来、妻が「
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ローラ(1981年製作の映画)

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ファスビンダー流『嘆きの天使』。しかし、オリジナルには囚われていない。ここがらしい。

極めつけは、歌うローラに魅了されるのではなく、動揺し、退室する点だろう。出て行くフォン・ボームを見、ローラはシュ
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ハウス・バイ・ザ・リバー(1950年製作の映画)

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ラングのアメリカ時代の興行的失敗作。
見れて嬉しいが、そこまで。

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

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ウディ・アレンの中では相当好き。映画の都合や定番、あるあるが盛り込まれる、異色なコメディ。

ベニスに死す(1971年製作の映画)

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ラストシーンの演出素晴らしすぎる。

おそらくタージオへのズームアップやパンを観てだろうが、この高い撮影技術に感動し、ブレッソンはこの撮影技師の『湖のランスロ』、『たぶん悪魔が』、『ラルジャン』への起
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666号室(1982年製作の映画)

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ファスビンダー目当てで見たが、、

最後のユルマズ・ギュネイ監督の意見に全面的に賛同したい。一本も観たことないのが申し訳ないので、『路』は必ず見ようと思う。

浮草(1959年製作の映画)

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ローポジションと一点透視図法。寸分の狂いのない完璧な構図。

映画が時代を切り取るとかでなく、映画全体を時代性が彩っている。話も素晴らしい。

第三世代(1979年製作の映画)

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終始テレビの雑音や赤ん坊の泣き声、不快な機械音などのノイズに塗れている。聴覚的な雑音だけでなく、便所の落書き文章の引用など、視覚的なものも含まれる。

冒頭に映される映画はブレッソンの『たぶん悪魔が』
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

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ふざけ過ぎなナンセンス映画。コーエン兄弟恐るべし。

さすらい(1975年製作の映画)

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ヴィム・ヴェンダースのロードムービー三部作の大トリ。フリッツ・ラングに捧げられた映画とのこと。即興演出に満ちたドラマ。

正直少しウンザリしたが、さすがはロードムービーの名手、テーマ性は素晴らしい。

100,000年後の安全(2009年製作の映画)

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アップリンク配給作品。ドキュメンタリーとしては今ひとつに感じたが、「現代のケツを拭くのは未来世代」といった人間の業が、テーマに詰まっていた。

緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

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フリッツ・ラング監督のハリウッド時代の作品。『M』を思わせるような、冷酷さと不条理さ。あと白黒表現。

主人公は、オープニングで勤続25周年を祝われる、実直な男であるが、若い女性への憧憬を捨てきれてい
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天国の日々(1978年製作の映画)

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テレンス・マリック監督初期作。階級社会も絡めた、いたって普通の愛憎劇なのかもしれないが、とにかく映像美に圧倒される。

風景はもちろんのこと、火の海ですら美しい。また、『裸の島』などを観ても思ったこと
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軽蔑(1963年製作の映画)

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ゴダールの私的作品(と言われても仕方ないはず)。斬新にも、映画撮影の裏側をありありと示す。

ドイツの巨匠フリッツ・ラングを本人役として招いたものの、その扱い方が分からずあたふたしているゴダールを想像
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カルネ(1994年製作の映画)

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ファスビンダー監督の『13回の新月のある年に』の屠殺シーンに関して調べている際、とある論文で、他にも屠殺シーンをそのまま使用している映画として、この『カルネ』が挙げられていた。

ギャスパー・ノエ監督
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

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ノスタルジーが題材に撮られたわけだが、そこに普遍的なストーリーなどない。タルコフスキー監督、それも監督の当時のタイムリーな立場が反映されまくった個人的な作品である。後半にかけてぐんぐん引き込まれ、考え>>続きを読む

フィツカラルド(1982年製作の映画)

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蒸気船が川を上り、山を越える!

ニュー・ジャーマン・シネマのヴェルナー・ヘルツォーク監督による叙事詩的大作。撮影現場も「ホントに出来るの?」という空気だっただろう。

あやつり糸の世界(1973年製作の映画)

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ファスビンダー唯一のSF映画(TV放送用)。およそ50年前に作られた多層世界を舞台にした作品(原作は50年代)。二部作で計3時間半。

フォルマー教授の遺した「アキレスと亀」の落書き(ゼノンのパラドッ
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白夜(1957年製作の映画)

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雪の舞う中、思いを通じ合わせる2人。ヴィスコンティは『白夜』を劇的な切ないロマンスに仕立て上げたが、ブレッソン版とは大極的だ。

2021年9月19日 追記
原作のドストエフスキーの『白夜』を読了。
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