此岸と彼岸が交差する切ない幻想譚。
残した息子が心残りで両親が甦ったのか、息子の孤独が両親を呼び寄せたのか。
お互いに心の内を話し、許し、愛してると伝え合う。過去の悔いが融解する描写に泣けた。
アダ>>続きを読む
1929〜1959年は世界恐慌、WW II、冷戦という激動の時代に当たる。
アメリカ、ドイツ、ソ連、日本の捻れた相関図を形作る歴史の不可思議さ。誰がサイコロを振り、誰が駒を進めたのか。
歴史にタラレ>>続きを読む
1920年代後半、サイレントからトーキーに変わるハリウッドで、映画と音楽に生きた人達の悲喜交々。もうひとつの『ラ・ラ・ランド』だけど、もっと苦い。
劇中のセリフ「映画は長く続き意味があること」「セット>>続きを読む
ブラピにアーロン・テイラー=ジョンソン出演で日本が舞台。そりゃ楽しみで映画館行くしかない。
新幹線がモデルといっても見慣れた風景とはかなり違った。ハリウッド演出のジャパンは日本人目線で見ると、似て非>>続きを読む
ロマンスありアクションありの楽しい冒険コメディ。
ブラピがカメオを超えた活躍っぷり。こーいう役を本当に楽しそうに演るブラピが愛しすぎるわ。
サンドラにしてもチャニングにしても、仕事としてはシリアスより>>続きを読む
スペースアクション超大作などという配給会社の宣伝を信じてはいけなかった。予告編もミスリードが甚だしい。
これは父親の失踪で感情を失ったロイが人間性を取り戻す物語だ。何度も受ける心理テストはカウンセリン>>続きを読む
タランティーノ監督が見せてくれた淡い夢みたいだった。こうだったら良いなって。あんな顔して(失礼)優しい人だ。
そう言えば、タランティーノ作品でこんなに“感情”を感じたことはなかった気がする。一番感じ>>続きを読む
なんだこれ〜笑笑ってなっちゃうヤツだった。コーエン兄弟らしいシニカルな笑い炸裂。
まあ、どいつもこいつも自業自得だからしゃーないけど、ジョージ・クルーニーの最低ぶりに笑った。
どの俳優も他作品では見>>続きを読む
19世紀の英国。女性に人権などなく、要求されるのは従順で貞淑な妻でいること、跡継ぎを産むこと。キャサリンは冷酷な舅から外出も止められ、まるで幽閉のような日々。
キリキリと締めつけていたコルセットを脱>>続きを読む
かなり原作に沿ったオーソドックスな映画化だった。原作を活かしたセリフも多く、作家性の強い文芸作品。
好みの作風だし名実ともに優れた役者も揃っているのに、途中からセリフの多さが苦痛だった。映画なんだか>>続きを読む
実際の事件ベース。
監督と脚本の盟友コンビはリアリティに徹したカメラワークで、加害者に変貌していく過程に仄暗い光を当てる。
印象に残ったシーンを思いつくままに。
ラジオが英国の銃乱射事件を伝えている>>続きを読む
監督カーゼル+脚本グラントの作品としては思いのほか見やすかった。
ネッド・ケリーと彼が率いるケリーギャングは19世紀に実在し、伝説化した義賊。
彼らが貧困の中で育つ少年時代は見応えがあった。イギリス>>続きを読む
監督ジャスティン・カーゼル+脚本ショーン・グラントの第1作。実際の事件に想を得て加害者側から再構築するという、後に『ニトラム』を生む原型が見える。
何よりも怖かったのは、有名俳優が誰一人いないことで>>続きを読む
笑った。もちろん爆笑じゃないけど。モンクがヤケクソで書いた小説はラグビーボールみたいに狙った方向には転がらない。思わぬ事態に頭を抱えるモンクと一緒に苦笑の連続。
一括りに「黒人は◯◯だ」って定義でき>>続きを読む
主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ見たさに鑑賞。
キャッチコピー「規格外のダークヒーロー爆誕」は煽りすぎだけど、リュック・ベッソン監督らしいダークなバイオレンス作品。
鑑賞後に読んだ「BANGE>>続きを読む
序盤は有りがちな法廷劇。ただ裁判が進むにつれ、死因や動機を解き明かす映画とは違った側面が見えてくる。
事故なのか自殺なのか、あるいは殺人なのか。
弁護士ヴァンサンの言葉通り、サンドラの「殺してない」>>続きを読む
ラメ衣装の太ったエンタメ歌手。自分が抱くエルヴィス・プレスリーはそんなイメージだった。
でも生涯を振り返ると、エルヴィスは間違いなくロックンローラーだ。
しかも「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も>>続きを読む
エディット・ピアフ。知っているのはその名前と、シャンソン歌手ということくらい。
だから本物のピアフがスクリーンにいるとしか思えなかった。それくらいマリオン・コティヤールの演技が凄い!
ピアフの人生は>>続きを読む
ジュディ・ガーランド出演作を観たことがないので検索してみたんだけど…。
ジュディを名乗る前の少女時代、いかにもハリウッド女優らしい20代、晩年の40代と、三つの時代の画像が繋がらない。別人のようだ。波>>続きを読む
『Tick, tick... BOOM!』を期に再鑑賞してみた。
ミュージカルが苦手なこともあって「夢を追う若者達の群像劇ってよくあるよね」くらいの記憶だったが、今回は物語や曲が誕生した背景を知ったこ>>続きを読む
ちょっと混乱したので整理。
本作は35歳で急逝した脚本家・作曲家のジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカル(生前は未発表、初公演2001年)を原作とした映画化作品。
大ヒット作『RENT』はジョナサン>>続きを読む
難解な作品だった。そもそも冒頭でチャットをしているのは誰と誰? ターを狼狽させた本、赤髪の女性、先住民シピボ族の歌と幾何学模様、廃墟のようなオルガの家、悲鳴、様々なノイズ。初見では半分しか理解できてい>>続きを読む
アメリカを代表する指揮者・作曲家レナード・バーンスタインと妻フェリシアの伝記映画。
終盤、タクトを振るブラッドリーの熱演は拍手喝采の感動シーンなのだろうと思いながら、最後までノレなかった。
今作は音>>続きを読む
ランティモス監督作『籠の中の乙女』を想起させるストーリー。
完全な世界である“家”に閉じ込めたいゴッドと父親、父親が主導する息子の女性経験、自我の目覚め、ヘンテコダンスまで、あちこちに共通する世界線が>>続きを読む
ナポレオンの生涯を1789年のアントワネット斬首から、セントヘレナで終えるまでをなぞっている。有名な戦争シーンを挟みつつ、作品を貫く妻ジョゼフィーヌへの執着愛。
リドリー・スコットは大好きな監督なの>>続きを読む
1920年代のオクラホマで起きたオセージ族連続殺人事件の映画化。白人がどれほど非白人を差別し悪どい所業をしたか、その一端が分かる。
絶対悪のキングと善のモリー、その間で右往左往するアーネスト。モリー>>続きを読む
公開時に観たかったけど見逃してしまった作品。ようやく鑑賞できたけど、2回観て2回とも最後のゼインの笑顔で泣いた。すぐには感想も書けなくて、ようやく文章にしている。
これは少年ゼインの闘いの物語だ。ゼ>>続きを読む
「乳児の取り違えが18年後に発覚、二つの家族はどうするのか?」粗すじはとても簡単なのに、この家族の背景は何千ページも要するほど超ややこしい。
なにしろ、イスラエル人とパレスチナ人なのだ。紀元前まで遡>>続きを読む
女の子たちの青春もの。そんな感覚で鑑賞したら、ずっとずっと重かった。
時代背景はアルジェリア内戦中の90年代。無知だったのでサラッと調べてみたが、“暗黒の10年”と呼ばれテロと虐殺が多発した時代だった>>続きを読む
タイトルの「buoyancy(浮力)」という単語を初めて知った。自力で浮かび上がらなければ死んでしまう。力尽きた船員が海へ沈んでいくシーンもあり、内容を的確に表すタイトルだった。
劣悪な漁船で奴隷労>>続きを読む
インドでは今も厳しい階級制度があり、仕事も結婚も階級によって決まってしまう。
富裕層の子どもは物心ついた時からメイドや運転手がいて、彼らに命令する大人を見て育つ。そりゃ特権意識も骨の髄まで染み込む訳だ>>続きを読む
イラン辺りの映画と勝手に勘違いして、歌とダンスが始まってインド映画かーいとなる流れ。笑
小さな迷子と出会ったバジュランギおじさんが、女の子の家を探してデリーからパキスタンへ。インド映画でロードムービー>>続きを読む
期待を裏切らないラージャマウリ・ワールドで面白かった……のだけど『バーフバリ』が余りにも強烈(まるで40℃の猛暑に発生した竜巻の熱風にグルグル巻かれたような体験)で、どうやら耐性がついちゃったらしく、>>続きを読む
頭からインド版『ウエスト・サイド・ストーリー』風味のダンスシーンがたっぷりあって、400年前と現在とラブストーリーが二つもあって、お得とも言えるし、いやちょっとクドイやんとも言えるが、これぞインド映画>>続きを読む
インド映画界のヒットメーカーになった感のあるラージャマウリ監督。2012年のこの作品はファンタジー映画。でもかなりブラック。
ついにインド映画はハエまで踊るようになったか。笑 超リアルなピクサー映画>>続きを読む
最後に明かされるスタンリーの境遇。それまでお弁当がなかった訳、おいしそうなお弁当を持ってこられるようになった訳に泣かされた。親代わりのようなアクラム、彼がいてくれて良かった…。
スタンリーの理由は解>>続きを読む