マルケスさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

マルケス

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聖なる酔っぱらいの伝説(1988年製作の映画)

3.5

原作者のヨーゼフ・ロートはオーストリア帝国生まれのユダヤ人。ジャーナリストとしてベルリンに滞在していたが、ナチスの台頭でパリへ亡命する。ホテル暮らしの中で絶望感を深め、多量のアルコールで次第に衰弱して>>続きを読む

ガンジー(1982年製作の映画)

4.0

いつかは観なければと思いつつ、3時間超の長さにずっと先延ばししてた。
国葬シーン(たった2分くらい)には30万人のエキストラが動員されたそうで、本物の記録映像かと思うほどのスケール。主演のベン・キング
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英国総督 最後の家(2017年製作の映画)

3.5

1947年、インドは300年に渡って統治してきたイギリスから独立。その前後を最後のインド総督・マウンドバッテン卿の視点で描く。

植民地の政権譲渡は香港が記憶に新しいが、インドは規模が違うし宗教問題が
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ガリーボーイ(2018年製作の映画)

3.5

youtubeに動画アップ→コメント来てコラボ→MV撮って再アップ→40万回再生で人気者・・・ってめっちゃ現代的。『8 Mile』や『ハッスル&フロウ』みたいだなーって観てたけど、この流れはなかったも>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

3.0

はっきり言えば地味な作品。主役の少年がとびきり美形でもないし、名前で客が呼べるような大物俳優の出演もない。それらに頼らずとも良質な内容とリアリティがあった。

甘えることも泣くこともできなくなっていた
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.0

フランシス・マクドーマンドとデヴィッド・ストラザーンだけが知っている顔。あとで確認したら他は実際のノマドの方達とのこと。鑑賞中も感じていたが、前作『ザ・ライダー』の延長上にある作品といえる。

「マク
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ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

2.5

バラバラになった家族の仲直り物語。
例えるならテネンバウムという一本の木があって、クセ強めな枝葉があっちこっちに伸びてこんもり茂ってる。ちょっと離れて全体を見渡し、個性豊かな木の形を観賞する、みたいな
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ライフ・アクアティック(2004年製作の映画)

2.5

二回観て、二回とも寝た。
三度目は頭からの鑑賞を諦めて
覚えているところから再生。
何ともいえないゆるーい作品であった。
ケイトの話し方がカワイイ。

荒野の誓い(2017年製作の映画)

4.5

スコット・クーパー監督らしい作品だった。前々作『ファーナス』よりさらに深く突き詰めた人間ドラマ。設定からいえば西部劇だが、通底するテーマはむしろ現代社会にこそ説得力を持つ。

内省的な物語。感情は相対
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ブラック・スキャンダル(2015年製作の映画)

3.0

クーパー監督はどうやら降板したレヴィンソンの後を引き受けたようで、出来上がりが無難なのは代役として無難に仕事をこなしたということかな。エンドロールは好みだった。
組織間の裏取引(協定だっけ)はいつの時
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ファーナス/訣別の朝(2013年製作の映画)

4.0

この脚本は役者に左右される。余白の多さを役者の力でどう埋めるか。クリスチャン・ベイルだから埋まったようなものだと思う。

男たちの働き口だった製鉄所はやがて閉鎖。錆びた高炉のように死にゆく町。ここも繁
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ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

-

レオス・カラックス監督のアレックス三部作、完結編。
ポンヌフ橋と周辺建物を巨大なオープンセットで再現したことにまず驚く。膨らむ製作費で2度の撮影中断。撮影済みフィルムの内容に惹かれて出資者が現れ、よう
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ショコラ(2000年製作の映画)

3.5

ラッセ監督らしくノスタルジックで温かく、寓話風味が楽しい。
まるでジブリアニメみたいだった。北風と共に現れた赤いマントの親子。童話の挿絵のようなショコラ色の街並み。アルマンドなんてハウルの老婆になった
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マーシャル 法廷を変えた男(2017年製作の映画)

3.5

チャドウィック・ボーズマンが演じたのは、アフリカ系初の最高裁判事になったサーグッド・マーシャル。
共通点が多い『黒の司法』とつい比較してしまうけど、テイストは違っている。ファーストショットからジャズが
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

4.0

事実ベースのシリアスな題材は、フィクションと違って観客を引き込む仕掛けが制限される。それでも、優れた脚本と俳優達で見応えのある法廷ドラマだった。

主演はマイケル・B・ジョーダンとジェイミー・フォック
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ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.5

たまに観るマーベル作品はやっぱり面白い。資源がない小国のフリしたって衛星画像でバレない? グーグルマップで誰か見つけちゃうよ?とツッコミながら楽しく鑑賞。

アフリカ文化を活かした衣装がカッコイイ。ド
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オールド・ボーイ(2013年製作の映画)

3.0

モノローグなし、催眠術のくだりなしで、韓国版に比べてコンパクトにまとまっている。エイドリアン家の特殊事情が解りにくいが、異常な粘着性が際立つシャールト・コプリーの演技でアリかな、と思えてきた。

オリ
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作が日本のコミックだと知らなかった。日本で映画化できなかったのは残念。

バイオレンス描写はタランティーノが絶賛しただけある。金づち乱闘の横移動は圧巻。(敵があまりにもポンコツ集団だけど)
他にも画
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セレニティー:平穏の海(2019年製作の映画)

2.5

シリーズ前二作(勝手に命名だからっ)と違ってシリアス。ルール変更は混乱必至。変更しない方が良かった気がする。

マコノヒーくらいのランクになれば裸も拒否できるだろうに。本人が脱ぎたがってるとしか思えな
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サーファーのプライド(2008年製作の映画)

2.5

ウディ・ハレルソンの長髪とか、最初から最後までボーダー海パンのマコノヒーとか、まったく売る気がない邦題とか、面白ポイント多し。

脇に配したウィリー・ネルソン、スコット・グレンが醸す人生の妙味が良き。
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フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石(2008年製作の映画)

2.0

『評決のとき』で認められた後なのに、作品選びの基準がマジで知りたい。まさかの上半身裸だったら笑うわ。
カリブ海がきれいだし、ボブ・マーリーの曲も上がるし、内容なんてこの際気にしない。

ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

3.5

役者がいいので2時間面白く見れてしまう。ジョン・C・ライリーとホアキンのシスターズ兄弟、この絡みにニヤニヤしちゃう。髪切ってあげてブーツ履かせてあげて兄弟ゲンカして。そう見えないのに凄腕の殺し屋ってい>>続きを読む

君と歩く世界(2012年製作の映画)

4.0

映画を観すぎかなーと思ってた時期があった。満腹なのに食べ物を詰め込むようで、飽和状態の感性はどうしようもなく鈍くて。
そんな時に出会ったのがこの作品だった。素直に良かったと思えた。まだ震える感性が残っ
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リード・マイ・リップス(2001年製作の映画)

4.0

ジャック・オーディアール監督は何かを失った人間を描くことが多い。身体的なこともあれば国籍や故郷のこともある。そこから立ち上がる様を見せてくれる。
監督はマイナスからのリスタートを悲劇にはしない。登場人
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ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

4.0

ギリシャ神話のパンドラの箱。そんな世界に思えてしまった。
争い、飢え、犯罪、病気…。箱から出ていったあらゆる災厄。それでも、たった一つ残っていた希望。

嫌と言うほど打ちのめし不安に怯えさせる。血反吐
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預言者(2009年製作の映画)

4.0

“青年の成長物語”と言えるのだろうが、そんな適当なジャンル分けを嘲笑うようなハードな内容だった。無学で何の後ろ盾もない青年が、暴力の支配する過酷な世界で生き残っていく。

まず刑務所事情に驚く。どこの
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PK(2014年製作の映画)

4.0

監督が心掛けるのは、シリアスに笑いを散りばめることなんだって。
宇宙人、宗教観、インドとパキスタン、純愛。詰め込んだなあ。だけど、きっちり笑って泣けて、監督がインタビューで言ってた「フィール・グッド・
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マダム・イン・ニューヨーク(2012年製作の映画)

4.0

インド映画って楽しい。幸せな気分になる。ランティモス作品の気分転換には最適。(『ロブスター』の後に観た)

そして、鑑賞後に知るシャシ役のシュリデヴィさんの死…。ずーっと綺麗な人だなあと思って見てた。
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アレクサンドリア(2009年製作の映画)

4.0

事前情報なしに鑑賞し、4世紀頃に実在した哲学者ヒュパティアの伝記映画だと知った。ググった即席の情報を元にもう一度観るという、これまたいつもの流れ。

史実を大胆に脚色した重層的なストーリー。宗教と科学
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300 スリーハンドレッド 帝国の進撃(2014年製作の映画)

2.5

・アルテミシア姐さんの一人舞台
・あのシーンとあのメイクは『地獄の黙示録』オマージュなの?
・筋肉倍増イエーーイ!

300 <スリーハンドレッド>(2007年製作の映画)

3.0

・『シンシティ』っぽいと思ったら
 やっぱり原作フランク・ミラー
・ファスベンダーを探せ
 (1回目は見つけられず)
・クセルクセスのビジュアル無双感
・筋肉祭りヤホーイ!

蜘蛛女のキス(1985年製作の映画)

3.5

『バクラウ』きっかけのラテンアメリカ映画も最後。当時、映画誌の絶賛に釣られて観たけど撃沈したやつ。なので再鑑賞してみた。

シチュエーションが戯曲的。苦手な会話中心だけど、不思議と気にならなかった。
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.0

『七人の侍』のバージョンアップ版だった。用心棒が雇われた外部の人間じゃなく、武装した村人自身にレベルアップ。歴史博物館が武器庫で、村の全滅を企てる市長(政府)が敵。この構図が見えた時、この映画スッゲー>>続きを読む

コレラの時代の愛(2007年製作の映画)

2.5

ミスキャストに尽きる。青年フロレンティーノが数年後になんでハビエル・バルデムになるかなあ。似てないし、憂いを帯びた美青年じゃないと物語が成立しない。25才くらいのロドリゴ・サントロに演じさせたかった。>>続きを読む

予告された殺人の記録(1987年製作の映画)

3.5

渋谷のミニシアター系の映画館で観たけど、あんまり覚えてなくて悲しい。
ルパート・エヴェレットの物憂げな佇まいとか、ドロン息子の匂い立つような濃さとか、再見したいので配信されないかな。

原作はガルシア
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愛と精霊の家(1993年製作の映画)

4.0

チリの作家イサベル・アジェンデの『精霊たちの家』が原作。自身の祖父母から始まる一族をモチーフとした壮大な物語が綴られている。
60年代にブームになったラテンアメリカ文学。現実と幻想が混在、風土的な神秘
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