撲殺した挙句に顔面に蹴りを入れるような映画。ラストにはカメラすら寄り添わない冷徹ぶり。当時ミンシクが「こういう役をやると日常マインドに戻すのが大変だよハハハ」とか言ってて韓国の映画業界は凄いなぁと思っ>>続きを読む
昔観た。こんなの観るの一部の、しかも事件を知ってる奴しか居らんやろの精神。インタビューは価値あるがそれ以外無駄。「ブラックメタルの血塗られた歴史」を読むのが1番。しっかりやるなら10時間は必要だが需要>>続きを読む
表情芸堪能映画。ジョージ・ミラーが医大に居た頃、急患横取り集団が居て…みたいな話があったと思うが、そいつらも目バキバキだったんだろうなと思わされる。
ジェイクギレンホールの暴力的オナニーとバスに乗り込むPTSD老人の虚しさ。永遠に戦闘シーンも情動も無く、まるで中心を欠いた構造は映画のテーマそのもの。好みは分かれるだろうが。
平時生活の棺桶ぶりを整然、清潔なショッピングモールでの振り向き数カットだけで見せるのが良すぎる。
全編、行間の存在しない怒涛のテンポ。予告編の煽りをぶった斬るような、或いは、頓挫したようなラスト。もしかしたら描けなかったのかもなという思いもありつつ、個人的にはVSモノの最終結論から逃げていく感じが>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「here」よりは多少動きがある。ただ、動きで何かを表現していないのは意図的なのか。画面はアス比、暗さ共にケリーライカートを思わせ、随所にエドワード・ホッパーの画を想起させるライティングがある。電車を>>続きを読む
見えない壁と映画の作り方。監督の人柄と終わり方が凄く良い。言葉にしちゃつまらないこと、沢山あるよね。
赤井の魅力とかつての大阪の魅力がふんだんに盛り込まれた映画。フィクションながら彼自身のバックボーンが重なる。ボクシング映画と言えばトレーニングシーンだが、練習より減量の苦痛が描かれていて面白い。かつて>>続きを読む
全く面白くない。無駄に細かくカットを割って役者の演技を見せず、演出も下手で特に逃亡劇はコント的ですら。単調なシナリオなのだが、捕獲劇の中に主人公の心の変化を織り込めておらず、無理くりに綺麗な終わりに向>>続きを読む
原作は「どこの家にも怖いものはいる」と合わせ、ヒットした「近畿地方のある場所について」などの雛形になったと思う。(無論、他にも大量にあるだろうけど)。厄介なことは古典やフィールドワークで研究と相場は決>>続きを読む
ヴェンダースのファンムービー。聖地巡礼ではないと言いながらも東京に小津の片鱗を求め続ける。小津の墓に書かれた「無」の文字がこの旅が写しだす風景にピタリと当て嵌まる。パチンコにゴルフ、仕事。笠智衆すら映>>続きを読む
彼の曲はシリアスな物に胸を打たれる人が多いだろうが、面白おかしいものもある。彼の魅力は曲が現すように二面性だが、映画は深刻の方向に向いている。映像は彩度が暗く、顔の影も街の暗がりも濃く写す。飛田新地で>>続きを読む
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観る前から色々な批判が漏れ聞こえてきた。表層的な社会的弱者の描写、主人公の平山が清掃を行うトイレが「TTTプロジェクト」の一環だとか。それは確かに理解出来る。現代を舞台にしながら、完全に懐古主義的な生>>続きを読む
初見時も思ったが構図がバキバキで単車群の疾走も風景も力強い。族のドキュメンタリーだが、何かの提起があるワケでは無く、彼らの日常が淡々と切り取られる。族は居場所がない人間たちの溜まり場だが、その枠からも>>続きを読む
ダルデンヌ兄弟の「ロゼッタ」を思い出す。技術に関しては何処を切っても学生の自主制作映画のように不出来で荒削り。しかし、確かにメッセージは伝わった。ファーストカットから役者の表情に向かった寄りの長回しで>>続きを読む
92年に金沢で起きた未解決殺人事件を当時の担当刑事本人が出演し、再捜査に乗り出すという奇妙な映画。フィクションとドキュメントが混じりあった構造をしており、それが次第に真相への境界を曖昧にしていく。(こ>>続きを読む
食べることについての3編。監督の「食事への嫌悪」が面白&露悪に表現されている。友成純一が「食事を意識すると消化する内臓や糞を意識して気分を害する」と書いていたが、咀嚼や排泄は行為単体で捉えればグロテス>>続きを読む
学生時代から観たかった1本。実在したドイツの連続殺人犯、ペーター・キュルテンの事件を下地にしたサスペンス映画。こりゃ凄い。ショット、演出、編集、何処を取っても上手過ぎて釘付け。殺人犯追跡劇をツイストを>>続きを読む
前半パートで火事が起きるのだが、そこに至るまでの冗長&薄味さ。緊張感もクソも無い火事場の演出等かなりツラく、全体として妙に引いた画ばかりで画面に面白味が全く無いのもキツさを煽る。後半の展開は予想してい>>続きを読む
これは凄い。こんなヘルツォーク好みの人間がいたのか。合成を疑うような冒頭に始まり、その後も異常にクマに接近したショットが続く。顛末を知っているが故に緊張感と皮肉が混合する。時に冷徹なナレーションと画面>>続きを読む
いくら何でもコトが起きるまでが長過ぎるが、石井隆亡き後に観ると後半にかけて情感が溢れてき、GONINのテーマが流れるラストで号泣してしまった。全然そんな映画じゃないんだが…。初見時や他の映画でも思うが>>続きを読む
キャクターが多い割に背景描写が足りて無く、予算も無いのがモロ分かりだが嫌いじゃ無い。とは言え、女性たちの物語という大柱と緒方拳の復讐譚が交わっているようで、その実、割と独立してるし、魅力の大半は緒方拳>>続きを読む
言わずもがな90年代邦画ノワールの傑作。石井隆も武と同じく異業種監督であるため、彼の起用は暴力映画を「俺ならこう描く」という挑戦もあったのかもなと思う。北野映画とは違う体温と叙情感に溢れるヴァイオレン>>続きを読む
1作目より大分アクション感マシてて良いよね。デルトロの連続トリガーガン引き射法の半端なさと眼光の怖さだけで緊張感を演出している。後半の完全に撮影中、殺人を犯していると思われるシーン…大好きなんですよね>>続きを読む
タイトル通り。たかだか2ヶ月だが工場研修をした身としては観ていて力が入った。途中「工場の出口」オマージュ的なシーンがあり、出口があるなら中身もねと工場内の労働風景が映される。汚らしい工場風景は職場環境>>続きを読む
面白いかどうかは微妙なところだが、まさか清版の「ボディスナッチャー」だとはね。以降も擦り倒す演出の宝庫。ドアの向こう側が常に異界過ぎる。前半の女同士のちょっと生々しいギスギス感や最期にかけてのぶっ飛び>>続きを読む
怪作。ヒトラーを暗殺した元兵隊の老人の現在と回想をとても丁寧に描く一方、ビックフットとのファイトパートは半端なくチープで水と油としか言いようがない。とはいえ、ラストは結構ジンとさせられてしまった。個人>>続きを読む
史実に基づく系の雪×苦労映画。「雪山の絆」はサバイバルの過程が主だが、こちらは救助を待つのみで何もないが故に精神をやられていく様子が描かれる。映画自体も後半からは本当に何の起伏も無く、おっさんが地味な>>続きを読む
同監督の仏の移民を主人公にした傑作「預言者」とテーマは似てるがこれはイマイチ。決定的なショットが無く、主人公達の境遇に対する踏み込み方も上手くいってない。ヤラシイ言い方だがカンヌ好みの映画ではある。
テーマや要素は好みでしかないが、Oatsでの短編集と比較して露骨に予算の無さを感じるし、話もめちゃダレてる。特に知り合いのおっさんが1人調査で真相に辿り着き過ぎ、活躍し過ぎな雑さには笑った。インディー>>続きを読む
無難にテンプレを沿う映画だが、序盤の落下の衝撃で座席が前に押されるシーンの破壊描写とローケーションの壮大さが虚無感を煽って良い。食料品は人肉を食うや食わずかというほどに当然苦労するが、タバコだけは無限>>続きを読む
「lamb」と同じテーマを扱っているがコチラの方はオカルト最先端。とは言え「ザ・ミソジニー」を観た後だとかなりマイルドに感じる。一般的エンタメホラーとして消化出来るギリギリのライン。怪談、レコーダー、>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
言わずともオールタイムベスト。
高橋洋との対談での発言にあるよう黒沢清の映画(復讐者シリーズや蛇の道〜今作にかけて)の主題は作劇から逃げてみる、逸れてみることだった。蛇の道で攫ったヤクザの家に脈略も>>続きを読む