あさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

あ

映画(676)
ドラマ(1)
アニメ(0)

ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

3.7

ありえないくらい真っ白な病院の空間が、戦時下のチープな栄光と、その結果として薬漬けになったヴェロニカの人生の終着点としてはあまりにも残酷な映画でした。

全編コントラストが強めな白黒の映像が印象的でし
>>続きを読む

時は止まりぬ(1959年製作の映画)

4.2

相性の合わない二人が山小屋で運命を共にして、次第に友情が芽生えてくるというありきたりなプロットでしたが、本作はそのプロットの特性を生かし、サイレント→トーキーな面白さを展開していたので面白かったです。>>続きを読む

第三世代(1979年製作の映画)

3.5

便所の落書きをこれほど大切に扱う映画もないと思います。

倦怠感や厭世主義が理念のない暴力につながっていくというのはよく分かりました。便所の落書きの動機も、大学生が単位や就活から酒へ逃げた先の衝動であ
>>続きを読む

わたしたちの家(2017年製作の映画)

4.2

「セリーヌとジュリーは舟でゆく」のように、家の中に異世界が生じている作品はたくさんありますが、空間同士を並列に扱い、お互いが敢えてその境界線を越えないでいて、しかもしっかりと共鳴させ合うその手法が異質>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.7

ジャガイモを剥く手にスリルを感じる日が来るとは思わなかったです。皮を剥がしていく刃先が芽に引っかかる度に募る日々の憤りが、デルフィーヌ・セイリグの伏した目からそっと伝わってくる。静けさが画面を豊かにす>>続きを読む

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.3

あんな陰気臭くてハトみたいな顔したおっさんがこんな瑞々しい映画作ってるのがまず面白いです。失礼しました。

一人の女の唇と微笑みに吸い寄せられた二人が、その引力によって引き寄せられたり離れたりする様が
>>続きを読む

風と共に散る(1956年製作の映画)

4.8

空港の保安検査がザルすぎるのは地味にツボです。あとカメラまで暖簾をくぐる映画は初めて観ました。

最初ミッチが入った扉が、ラストでもう一度出てくるとき、今度はミッチが入って来る。一発の銃声の矛先だけ隠
>>続きを読む

アンナ・マグダレーナ・バッハの日記(1967年製作の映画)

4.5

「今年は天候がいいから葬式が少なく、仕事がない」ドイツの冬は厳しいぜ...

アンナ・マクダレーナがまた夫に作ってもらった曲弾いてるよ、気に入ってるのかな、と呑気に考えていたら、子供が2人死んだと当た
>>続きを読む

ジャガーの眼(1965年製作の映画)

4.2

Q:同乗者のいびきがうるさい、どうする?
A:息の根を止める
このパターンは初めてでした。もちろんちゃんとした意味があった訳ですが笑

恥ずかしながらヒッチコックの映画をそれほど観たわけではないので、
>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.4

おい、ヴェンダース!テレビ画面に相撲中継→野球中継の順に映して八百長の話を出すのはやりにいってるだろ笑!誰だ入れ知恵したの笑

あと当たり前のように野生の田中泯が出現するのは面白かったです

それ以外
>>続きを読む

恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

4.7

真っ暗な画面に緑色の何かがいったり来たりしているかと思ったら、やがてアーチが見えてきて、トンネルを抜けるという吸い込まれるようなオープニングからして素晴らしく、その直後アワンとアフンが車内に登場する流>>続きを読む

サンライズ(1927年製作の映画)

4.5

全部の乗せ

葦の林を抜けて主人公と女が現れるおどろおどろしい移動撮影から既に印象的でしたが、殺人未遂から新婚旅行へ、というあまりにも急転直下すぎる展開を平然とやってのけた演出が見事でした。

主人公
>>続きを読む

剣鬼(1965年製作の映画)

4.6

一本道を爆速で追い上げてきて、終いには馬を追い越す市川雷蔵がシュールすぎて笑いそうになりましたが、しっかりとありえる演出に踏みとどまっているところが流石でした。にしても、あのシーンはどう撮ったのか..>>続きを読む

コルネイユ=ブレヒト(2009年製作の映画)

4.0

おばちゃんの着替え映画。
もうね、ここまで来ると何も言えませんよ笑 
3ラップあるとは思わんでしょ普通笑

二週目くらいになってくると読めてきて逆に面白くなってきます。絶対このおばちゃん紫色の服になっ
>>続きを読む

魔女 女だけで(2009年製作の映画)

2.0

🌳🌳🌳🌳🌳🌳
🌿i 🌿🌿•__🌿🌿
🌿🌿🌿🌿🌿🌿

ジャン・ブリカールの道程(2008年製作の映画)

4.0

島の周りを舐め回すように回っても、何も残ってないけども、ジャン・ブリカールの思い出は残っているというのはよかったです。色々な事情はあるけれども、ボートの音と共に遠ざかっていく岸に無常感を感じる静かでい>>続きを読む

アルテミスの膝(2007年製作の映画)

2.0

森に取り込まれたおじさんvsなんか引き止められたおじさん

結論:早よ解放したれ

斬る(1962年製作の映画)

5.0

最初画面の端からスーッと横顔を見せた藤子が足早に妾の元へ行き、ひらひらと舞いながら、ついに広い庭で妾を殺すと、後ろの障子が一斉に開いて女中がわらわら出てくるシーンの躍動感が素晴らしく、そして、刑場の扉>>続きを読む

(1964年製作の映画)

4.8

海にエロスを感じる映画は当たり説。
しかしこの映画のエロスは、嫉妬と表裏一体なドス黒い青春の矛先でした。

海がエロいことで、せり出した埠頭にランニングしにいった時も全く海にはなびかず、最後は海から最
>>続きを読む

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

5.0

ハーヴェイがチンコ出したら優勝。

フルチン泣き、ドア越し無線フェラ、そして賭けに負けたらラジオに発砲、サイレン鳴らして大暴走のハーヴェイさんからしてもうたまりませんでしたが、教会の天上を突き抜ける”
>>続きを読む

清作の妻(1965年製作の映画)

3.9

まず朝っぱらから鐘をぶち鳴らす清作からして相当にネジが外れてますが、早すぎて俺でなきゃ見逃しちゃう目潰し、どういうわけかいる亜星(絶対違う)と、あまりにもエキセントリックな映画でした。

中でも印象的
>>続きを読む

悪意の眼(1962年製作の映画)

3.8

面白いけどもアルバンの一人語りが多すぎて流石にうるさかったです笑

ここまで全てにおいて蚊帳の外な主人公も珍しく、最後まで一人で盛り上がって終わるアルバンは、殺人の現場も家の外から眺めるしかなく、警察
>>続きを読む

吸血鬼(1932年製作の映画)

4.7

保養地に行ったら影に誘われて怪しい館へ...という支離滅裂に見えてしたたかに摩訶不死後な世界へこちらを誘い込む、アリスインワンダーランド的語り口の面白さ、ほんと「ここいうのでいいんだよ」の一言に尽きま>>続きを読む

悲情城市(1989年製作の映画)

5.0

普通の監督なら家族写真にナレーションで終わらせてしまいそうなところ、食卓にぽつんと取り残された父親で終わらすところに衝撃を受けました。

食卓、居間、廊下、病院の玄関、街の広場
そして、日常、228事
>>続きを読む

不審者(1951年製作の映画)

4.2

正直ツッコミどころしかないにも関わらず、凄まじいスピード感でスルーされるため、そんなことどうでもよくなる映画でした。

コンプレックスに裏打ちされた強い反骨心を持つ割には「金持ちになったら女侍らせてで
>>続きを読む

拳銃を売る男(1953年製作の映画)

3.7

屋根からの3段落ちは見事でした。ただその他は至って普通でした。

少年のアップの顔もわざとらしく感傷的で、「この人も人間だから撃つな」と叫ばせているところもわざとらしく、「緑色の髪の少年」を見た時も思
>>続きを読む

ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

4.5

またまた非常に手堅いカメラワークの映画で、時々意識が飛びかけましたが、壁に映ったゲアトルーズの影が服を脱いだり、蝋燭を灯すとゲアトルーズが鏡の中に現れたりと、こちらの目を捉えて離さないシーンが多々あり>>続きを読む

飾窓の女(1944年製作の映画)

4.0

ドイツ時代のギラギラした感じはありませんでしたが、王道で面白いサスペンス映画に仕上がっていました。

中盤の展開には真新しさは何もなく、手堅くやったなという印象ですが、飾り窓にモデルの女がそのまま浮か
>>続きを読む

その女を殺せ(1952年製作の映画)

4.0

普通に面白い、そんな作品でした。

揉み合いの最中にカメラを蹴ってくるところは普通にびっくりしましたし、窓越しに見える車が、刺客側か護衛側か、どちらかから見られるかでまた違うスリルがあったのも面白く、
>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.8

フェンス越しにルーシーと別れる時に、ルーシーの背景に庭付き一戸建てを見せるところに、決定的に家庭的な安らぎからウェンディが切り離されてしまう残酷さ、本作はこれに尽きるような気がしました。
ルーシーがフ
>>続きを読む

健康でさえあれば(1966年製作の映画)

4.5

体を張って笑わせてくれるのがタチならば、様々なギミックを駆使して笑わせてくれるのがエテックスということでしょうか。

振動で譜面上の音符が落ちてきたりと、メタ的な演出も、絵の中のワインを飲んだりしてい
>>続きを読む

ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版(1973年製作の映画)

3.9

ヴェロニカの独白で、全ての時間がひっくり返ってしまうところには思わず目を見張りました。

真剣な愛と妊娠が、結局死にきれないナルシストがダラダラと3時間以上引きずった空虚な夢物語を一気に切り捨ててしま
>>続きを読む

サンタクロースの眼は青い 4Kデジタルリマスター版(1966年製作の映画)

4.0

子供と撮れっつってんのに連れてくる人がだんだんと成人女性となっていくのがアホ過ぎて面白かったです。
サンタの皮を被っているけれども、手つきがサンタのそれじゃない笑

ダッフルコート買えたのは大変よろし
>>続きを読む

わるい仲間 4Kデジタルリマスター版(1963年製作の映画)

3.5

お金は獲ってもいいけど、思い出は獲ったらダメだというところにユスターシュの価値観が出ていて良かったです。

逃げ足だけは速いが、女もものにできないし、究極的に悪にはなれないところが、「わるい」仲間とい
>>続きを読む

史上最悪のボートレース ウハウハザブーン(1984年製作の映画)

3.5

犬もメス犬の遠吠え(お誘い)にムラムラするところが面白かったです。あとあまりにも雑なお○ぱい開示には、流石によく女優さんもOK出したよなと思ってしまいました笑

何故メダルが必要なのか、そして何故ボー
>>続きを読む