AKさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

AK

AK

映画(623)
ドラマ(7)
アニメ(0)

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

3.3

大丈夫、わかってる。俺が悪い。この低評価は俺が無知なせいだ。これが実話を基にした話だって、見る人のほとんどは事前に知ってたんだろう。でも俺は知らなくて、スティーヴ・カレルみたさにフラッと入った。

>>続きを読む

魂のゆくえ(2017年製作の映画)

5.0

この星5つは、完成されたアートフォームとしての評価ではなく、ポール・シュレイダーの魂への敬意によってつけられた。特定の人間にとったら、この映画は完璧な映画だろう。その理由をいくつか以下に記述する。>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

4.6

「イラクが大量破壊兵器を有している」という21世紀最悪のフェイクニュースを、『記者たち』はフセイン打倒のネオコンの悲願そしてイスラエルが絡んだ中東問題として描いたが、『ヴァイス』は小市民であり凡庸な悪>>続きを読む

記者たち~衝撃と畏怖の真実~(2017年製作の映画)

4.5

原題はShock and Aweつまり衝撃と畏怖、米国がイラクに対して採用した戦略名だ。この映画を観た全ての人にデニス・ジョンソン『煙の樹』を読んでほしいし、そのあとに拙論「ヴェトナムとイラクを繋ぐも>>続きを読む

ファウスト(2011年製作の映画)

5.0

この二ヶ月最大の心残りがあるとすれば、アレクサンドル・ソクーロフの特集上映があることを忘れていたことだ。

ファウストと言いながら、これは悪霊でもあり、魔の山でもある。人生で最も忘れられない劇場鑑賞体
>>続きを読む

カラマーゾフ兄弟(2008年製作の映画)

5.0

ドストエフスキー作品の著名な映画化はあらかた観たように記憶しているが、その中でも抜群に一番素晴らしい。

クリスマス・キャロル(1970年製作の映画)

5.0

間違いなく世界で一番好きな、世界で一番繰り返し観た映画。思い出がありすぎて、語れない。

シン・レッド・ライン(1998年製作の映画)

5.0

5年ぶり3度目の観賞だが、相も変わらず全シーン全カットに震えた。なんて映画だ、なんて映画なんだ

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.8

この地上から、この重力から、この三次元から、この不可逆な時間から、一度きりのこの人生を縛る糸を、全て断ち切ってクモの糸で構築された新たなマルチユニヴァース。早すぎる未来の宇宙の映画。解放感が尋常じゃな>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

4.0

「アヴェンジャーズ以前の物語」という宣伝文句を見て「ほーん、ヴェノムみたいに今のアヴェンジャーズとは関係ないやつだな?」と推測して観たのだが、がっつりアヴェンジャーズで、まんまと『エンド・ゲーム』が観>>続きを読む

金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

4.5

凄まじい映画だった。本当は、小池百合子が当選した時から、日本がこの映画を撮るべきだったんだ。

朝鮮独立の3・1運動100周年の日に観れてよかった。

サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所(2017年製作の映画)

3.5

主人公は黒人ゲイのティーンエイジャーで、シングルマザーで学校ではいじめられる……設定だけなら『ムーンライト』第2部「シャロン」そのままなのだが、途中で完全に『レント』に振り切れる。映画としての完成度は>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

3.8

音も色遣いも役者のあのカメラを見る目も、そしてなにより沈黙と間が作り出すあの雰囲気が『ムーンライト』のままなのだが、それらを統合する魔法は今作ではあまりかからなかった、かな。『ムーンライト』が素晴らし>>続きを読む

アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

アバター』以降に作られるハリウッド「マンガ」映画として大正解。この超大作のメガホンをロドリゲスに任せたキャメロンは偉い。そしてそれに120点満点で応えてみせたロドリゲスはもっと偉い。

ジャスティス・
>>続きを読む

アクアマン(2018年製作の映画)

4.0

 『バーフバリ』と『ブラック・パンサー』、近年もっとも成功した王を英雄とするこの2つの映画が様々な面で踏襲されている。

 母と息子の関係性、そしてなによりアクアマンの「強すぎる」設定やそのワイルドな
>>続きを読む

フロントランナー(2018年製作の映画)

4.5

この映画には複数のねじれがある。そしてそのねじれをどう処理するかは、鑑賞者に委ねられている。

① 史実を基に、オチがあらかじめ映画冒頭で提示される。つまり、鑑賞者は「なぜそんなものを見るのか」という
>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.0

記録つけ忘れていた。なつきはこれを2018ベストにあげていた。

ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.3

デミアン・チャゼルはねじれた監督だ。『セッション』と『ララランド』で垣間見せた彼の保守志向は、本作を『ドリーム(Hidden Figures)』と比して観ることで明瞭に浮かび上がる。月面着陸で旗を立て>>続きを読む

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦(2015年製作の映画)

1.5

なぜ押井守ともあろうものがこのような実写映画を撮ろうとするのか?
全シーンがダサい。致命的に実写映像の才能がないとしか思えない。しかし『アヴァロン』は悪くなかった。つまり、才能が枯れたのか?

機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

3.5

1990年代論でよく引用/参照されるので、趣味というよりも基礎文献を読むようなつもりで観た。そしてその結果として、本作に至るまでのOVAと劇場版第一作の大ファンになり、本作は楽しめなかった。

他の方
>>続きを読む

機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

4.8

OVA全7話を観てから鑑賞。続けて劇場版第二作も観たが、圧倒的にこちらのほうが面白かった。(第二作がイマイチに感じた理由は別途そちらに記す)

帆場暎一=人形遣い(『Ghost in the Shel
>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

2.5

『シャイニング』のようであり、『ビガイルド』のようでもありながら、結局のところ『コヴェナント』であるという。しかし一番の問題は、『アンダー・ザ・シルヴァーレイク』同様の、パラノイアのハリボテ感だろう。>>続きを読む

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

3.5

トリロジーとして観たら2点。シャマバース (a.k.a シャマラン シネマティック ユニヴァース ) の始まりの作品として考えたら、5点満点。

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.0

史実をもとにした音楽映画としてもっと優れたものは近年いくらでもつくられているのに(ストレイト・アウタ・コンプトンとかブルーにうまれついてとかJBのほうが明らかに映画として面白い)、『ボヘミアン・ラプソ>>続きを読む

スパイナル・タップ(1984年製作の映画)

4.0

1984年時点ですでにPCやフェミニズムがネタになっているのがわかる。商業ハードロック、ヘビーメタルが白人男性のためのものであるという自嘲もある。お下劣に見えて、徹頭徹尾インテリジェンスな映画。いや、>>続きを読む

オリバー・ストーン オン プーチン(2017年製作の映画)

3.0

2015年から2016年にかけて複数回行ったインタビューをまとめたもの。公開時期は2017、ロシア疑惑の真っ只中であり、ストーンのフィルモグラフィー的には、『スノーデン』以降である。ストーンの立ち位置>>続きを読む

シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年製作の映画)

2.3

良いシーンは「プリンセスの部屋」のみ。そしてそこにモアナはおらず、ディズニー史上最悪のオチが、ベイビーモアナの悲鳴で終わる。革新を狙った結果、既視感だらけの粗大ゴミが出来上がる。ここまでスベりにスベッ>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.0

鑑賞中ずっと「はよガガに歌わさせろ」「はよガガの曲を歌わさせろ」「ガガはもっとパフォーマンス凄いぞ」「ガガはもっと良い曲たくさんあるぞ」と心の中でツッコんでいたら終わった。爆発するエネルギーそれ自体で>>続きを読む

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

4.8

とんでもない怪作。にして大傑作。脚本の粗さえもが魅力になってる。