果たして一体何人の日本人がデイヴィッド・フォスター・ウォレス『Infinite Jest』を読了したのだろう。留学先のアメリカで読んだとM永さんは言っていたが、そうでもしなければ読めないだろう。つまり>>続きを読む
『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)でCIAのビン・ラディン殺害作戦における超法規的捜査と拷問を正当化した(byジジェク)キャスリン・ビグローが、1967年に白人レイシスト警官が行った超法規的捜査を>>続きを読む
ベン・スティラーが大好きなので『トロピック・サンダー』を見たけど、まぁこれは『キングスマン』とは比べ物にならないほど「超えちゃいけないライン」(ブラック・フェイス、ホモフォビア、蔑称連呼)を超えまくっ>>続きを読む
軽い気持ちで録画を観たが大失敗。開始5分で胸を鷲掴みにされ、ドキドキとワクワクが止まらないまま最後にはハラハラと涙を流してしまった。『アナ雪』『モアナ』『ズートピア』を超えてディズニー/ピクサーのなか>>続きを読む
『コードネーム U.N.C.L.E』を観た。ヘンリー・カヴィルが主役と知り「スーパーマンかよ。無敵やん」と観始めたが、アリシア・ヴィキャンデルが出てくると「エヴァ…!」と焦り、エリザベス・デビッキ登場>>続きを読む
最高!主演女優のフランシス・マクドーマンドからどうしても『ファーゴ』を連想してしまうのだが、いやこれファーゴより面白いんじゃないのか? 助演男優も脚本も演出も全部いい。
前作の過剰さの、その表層部のみをなぞり、敵の首をS.L.ジャクソンからJ.ムーアにすげ替えただけ。結果として前作の過剰さをギリギリで担保していたPC的な緊張感がなくなった。ミキサーシーンは『グレムリン>>続きを読む
『イレイザー・ヘッド』を完成させるまでの若き時代をクロニカルにリンチが語る。インタビュー『リンチ・オン・リンチ』と被るものは多いが、しかしそれでもファンなら無類に面白いはずだ。
藪から突然現れる青白>>続きを読む
ラスト30分、映画はフィクションであることを止めメタ・フィクションとなり、最後5分で銀幕を食い破り現実へと帰っていく。ヒトラーは台頭を選ばない。彼はこの排除と崩壊の時代を、やがて真に訪れるだろうナチズ>>続きを読む
若干28歳のタランティーノの監督デビュー作。冒頭から最後までタランティーノ節全開。天才としかいいようがない。ティム・ロスの出世作でもある。ハーヴェイ・カイテルは本当に偉い。
個人的な興味でいえば、1>>続きを読む
つまらなくはないが、映画館で観る必要のない映画だった。映画をわざわざ映画館で観るのは「映画的」としか形容のできない体験をしたいからであるが、本作に「映画的瞬間」は一度も訪れなかった。
多くの人がここに記しているように、『ストレイト・アウタ・コンプトン』と比べてしまうのはそのテーマや年代から仕方のない事だと思う。本作を観てあらためて『ストレイト・アウタ・コンプトン』が映画として優れて>>続きを読む
・人種差別主義(黒人、ユダヤ人)者で
・同性愛差別的で
・女性蔑視を含む中絶禁止論者
・のファンダメンタリストの南部キリスト教徒
は、「皆殺しにしてもいい」という超強烈なブラックジョークが挟まれてい>>続きを読む
年末に実家でもう70近い叔母に「『フィールド・オブ・ドリームス』が一番好きだわ」と言われたので鑑賞。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など、政治的に過激だった60年代を避けて保守的な50年代こそに>>続きを読む
映画評ではなく個人的な興味だけれど、
「老い去りし男性」
「喋(ら)れない少女」
「逃走(約束の場所への)」
というフィギュアは『猿の惑星』にも2016全米図書賞最終候補作『News of the>>続きを読む
WOWOWでやっていたので観た。原作は文庫化された8年前に読んでいるが、この作品に限れば映像は文字よりもより巨大なインパクトと衝撃を与える。
キャシーたちを「自分たち」だと考えたり、「キャシーたちを>>続きを読む
ケヴィンに教えてもらい鑑賞。革命の想像力は、まだ萌芽程度で、それは第11地区の黒人少女の死がトリガーとなって黒人が多く住む第11地区で起こる。
主人公たち第12地区は石炭労働の地区というのが、本作に>>続きを読む
前作『リアリティのダンス』にあった、スクリーンを食い破ろうかという荒々しさが大幅に減退してしまった印象を抱いた。その理由として、前作のメインテーマであった
ユダヤ人差別
革命プロット/暗殺
父親の脱>>続きを読む
純白の塩に覆われた真紅の大地の銃撃戦が圧巻。銃弾が地に当たるたびにまるで血の噴水のように地面がめくれ上がるビジュアルイメージの強烈さ。
オスカーアイザックとドーナルグリーソンもいて、『エクスマキナ』>>続きを読む
『IT』は1989年が舞台で、街の映画館で上映してるのは『バットマン』、薬局でベバリーと薬剤師が交わす会話にクラーク・ケントとロイス・レイン(スーパーマンと恋人) が登場。異世界の敵を複数の男性と一人>>続きを読む
WOWOWで録画していたものを、『ジャスティス・リーグ』を観終えた後に再鑑賞した(のちに完全版があると知り後悔… そっちを観たかった)。
劇場公開時は正直「フラッシュ? ワンダー・ウーマン? メ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
フォロワーの方も書いているが、とにかくオープニングシーンが強烈。「え、ホドロフスキー新作とスクリーン間違えた?」と一瞬思った。
映画の語りの現在:エイミー・アダムスが経済的な成功を収め名声を得な>>続きを読む
最初に大切なことを書くが、最低限でも『ドーン・オブ・ジャスティス』は観ておく必要がある。(他の作品はまぁ、観て無くても大丈夫)
『ファンタスティック・ビースト』では ”親から虐待され, 悪霊に取り憑>>続きを読む
昨夏、観光に赴いたニューヨークのいたるところで『KUBO』は宣伝されていた。それ以来気になっていたものの、事前情報を一切仕入れてなかったので、巨大クワガタがマシュー・マコノヒーの声で喋りだした時に大爆>>続きを読む
これでシャマラン5作目。なるほど執拗にずっと一つのテーマを撮る監督なんだということがわかった。コードじゃなくシグニチャーが見えてくるとグッと面白さが増す。叙述トリックやドンデン返しはあくまで文法であっ>>続きを読む
そのドラッギーな画に注目して、ヒッピーたちはディズニー映画を脱コード化する。『インサイド・ヘッド』における「抽象概念」シーンは、明らかにそれを意識して作られていた。こういう絵を子供向け作品にぶち込むと>>続きを読む
今更ながら観た。ミュージカルとしては革命的なのだろうが、ミュージカル映画としては微妙。世界観を再現するためなのだろうけど、80年代ハードロック調のポップスを全曲最後まで聞かされるのはしんどい。そして何>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
多くの方がここに投稿しているように、『スプリット』経由で僕も観た。『スプリット』は、その最後にブルース・ウィリス演じる本作の主人公デヴィッドが登場し、次回作のなかで『スプリット』のマカヴォイと『アン>>続きを読む
感想は「『ゲット・アウト』激似だなー」だったわけだが、『ゲット・アウト』を観た時は「『スプリット』激似だなー」だったわけだし、結論としては、
”M.ナイト・シャマランは偉い”
な、わけだけど… さ>>続きを読む
この映画で起こるSNSによる悲劇よりも、「10歳の時ネットで自分のポルノコラ画像を見つけた」と語り、HeForSheで世界中のセクシストから大批判を受けたエマ・ワトソンのネット上の実害のほうがよほど今>>続きを読む
エンディングが鳴った時「おおっ!悪魔を憐れむ歌!ばっちし!」と拳を握った次の瞬間にアクセルが歌い出し「なんでガンズやねん!」と脱力した。最後の最後に笑わせんやな!
キルティンダンストはこの5年後にヴ>>続きを読む
タイトルである「ゲット・アウト(出て行け!)」の意味が明かされた時、「なるほど!」と膝を打つと同時に「しょうもな!」と思ってしまった。
『スプリット』もそうだったけど、最後までシリアス路線で行ってほ>>続きを読む
久しぶりに「可もなく不可もない」映画を観てしまった。決して駄作ではないしよくできているのだが、FBIやCIAが関係する犯罪者実話モノとしては、『ゴールド』や『ウルフ オブ ウォール ストリート』とどう>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「選ばれてあることの恍惚と不安、我にあり」──ポール・ヴェルレーヌ
太宰治は処女作品集『晩年』所収「葉」のなかで上記の言葉を引用する。太宰はもちろん、強烈な自意識とその圧倒的な才と自信からにこの句を>>続きを読む
1989年11月、東西を分断する壁の崩壊前夜ベルリン。デヴィッド・ボウイの「キャットパワー」で始まり、ボウイとクイーンの「アンダー プレッシャー」で終わる。監督ボウイのこと好きすぎるだろ。ファンとして>>続きを読む