『シン・ゴジラ』が311後の東京がうなされた悪夢だとしたら、今回のゴジラはGHQ占領下の東京が見ることを欲しさえした夢だ。「これは本当は夢じゃないのか?」と神木隆之介が逡巡するのは、本当はラストで問わ>>続きを読む
Blu-rayで。何度観たか覚えてない。たぶん5回目くらいか? マジで桁外れの傑作だよ
クリストフ・ヴァルツ主演にして初監督作品。展開も読めるし演出やカメラワークにも新規なものがなく、傑作とは言い難いのだが、とにかくヴァルツが出ずっぱりで、ヴァルツを観るのが全く飽きない、という100分だ>>続きを読む
いやー笑った。めっちゃご機嫌だわ。最後の劇中劇は『ヘドウィグ』や『シング・ストリート』並に上がったぜ。ベン・プラットはやっぱ最高。この映画の制作スタッフでもっかい『ディア・エヴァン・ハンセン』映画化し>>続きを読む
負の感情がとぐろを巻いて怒号となって爆発する二時間。あまりに強烈でクラクラする。この不快さは凄い。これは確かに映画にしかできんやろな。
はちゃめちゃに俺好み。中心の不在、ワンカットで繋げる演出、クィアネス、多文化主義的カラフルさ、不協和なディスコと、全て「既視感」ある手垢のついた演出でありながら、その全てがバチィーっとハマって目が釘付>>続きを読む
全く退屈せず、スコセッシの新作として大変満足なのだが、ではこれが好きかと言われればなんとも答えに窮する形容し辛い三時間半だった。スコセッシは大したやつだ。
以下でyomoyomoさんも書いているよう>>続きを読む
めちゃくちゃ『ゴジラ』で『ローグ・ワン』。まごうことなきギャレス・エドワーズ作品。こういうの好きすぎるだろこいつ。しかし構図はめちゃくちゃ冷戦でヴェトナムだったね。きっとエドワーズは幼少期に本当に世界>>続きを読む
めちゃくちゃ面白い。もうこんなんね、お蔵入りしてるケヴィン・スペイシー版『ゴア』が観たくなっちゃうじゃんね。そして『マイラ』は川本直さん新訳で出版マジ頼む。
大統領指名候補「本人」が出演し選挙をTV>>続きを読む
大変面白く観たのだが、感情の置きどころが常に動き続ける、映画のピントを一つに絞らせてくれない不思議な映画だった。これはアイヒマンというよりも、イスラエルを語ることの困難なのかもしれない。
華やかで派手で喧しいイメージがあるダリに反して、静かで地味な厳かな映画だった。が、まったく嫌いではない。(事実上の主演である)クリストファー・ブライニーが若かりし頃のゴードン=レヴィットのようで大変眼>>続きを読む
すごいものを観た。私はなぜ『スローターハウス5』を愛読しながらゼーバルト『空襲と文学』を未読なのでしょうか。早く読まなければならない。まぁしかし、鑑賞中にもっとも思い出したのは英独戦線ではなく、ソクー>>続きを読む
『サンドランド』を観た。『マッドマックス』が復活し、『デューン』がリブートされた今、ベルゼブブのスクリーン登場は必然でしたね。鳥山明の絵はやっぱり最高だわ…
観た。『クラッシュ』のように死の欲動は機械化されており、『裸のランチ』を想起させる危険な潜入捜査が描かれ、『ヴィデオドローム』よりも深いところまで手が臓腑を掴み出す。デヴィッド・クローネンバーグ御大8>>続きを読む
ナチスの被害者にして同胞への裏切り者ということで『サウルの息子』をイメージして観たが、想像とまったく違うところへ運ばれた。これぞ文学の仕事だ。ベン・フォスターの演技は見事。ハンス・ジマーも良い仕事をし>>続きを読む
めちゃくちゃ好き。『フルメタル・ジャケット』を想起させる丸刈り入隊・軍曹恫喝から始まり、『トップガン: マーヴェリック』のハングマンみたいな若造が出てくるも、全体を支配するムードとテーマは『ムーンライ>>続きを読む
哲学者以外に著名なシモーヌ・ヴェイユがいることすら知らなかったフランス音痴なので情報的にはとても楽しめた。まぁでも、良くも悪くも学校の教室で観る映画だな、という印象。
「この映画がフランスで大ヒット>>続きを読む
ラッセル・クロウがひたすら格好いいオカルト大作。スペイン異端審問、ナチスドイツ、ヴァチカンの腐敗、というヨーロッパの負の歴史の重ね方が上手い。とはいえハリウッド娯楽映画なのでサービス過剰で咽せる。ヴァ>>続きを読む
めっちゃくちゃ面白い。想像と期待の遥か上の完成度。脚本も演出も演技も音楽も全てが良い。いやー面白い。大満足である。シュテファン・ツヴァイクの原作も絶対に読むぞ!!
主人公役の俳優、ちょび髭姿をどこか>>続きを読む
クレジット出るまでプロデューサーにバリー・ジェンキンスがいるのを知らなかったが、なるほどこの夜の海の美しさと全体に漂うメロウな切なさは確かに『ムーンライト』以降の映画である。しかし「テンダー」は本当に>>続きを読む
クリシェだが、「目を開けながら夢を見た」かのような2時間15分。宮崎駿全作品の要素に加え、ゲドやマーニーさえ動員される「死の匂いがぷんぷんする」最新作。やっぱ宮崎駿だけが本物だ。
初カサヴェテスにして初の名古屋シネマテーク。床に直接置かれた安い背もたれシートでケツを痛めながら観た。ピーターフォークがコロンボとあまりに印象が異なって驚き。そしてメイベルはやっぱり『ブルージャスミン>>続きを読む
。2003年アカデミー長編ドキュメンタリー受賞作品。マクナマラの涙腺の緩さに、ウヴォーキンの愚かさもまた、どうしようもないほど人間的なのだな、と思いをあらためる。なぜだか『母なる夜』を再読したくなった>>続きを読む
まさかのスパイダーヴァース版「オメラスから歩み去る者たち」。ユークリッドの調和を拒否するイワン・カラマーゾフの末裔に連なるマイケル・モラレス。興奮が収まらない。
高校スポーツの言及が頻出したので明らかに自覚的なのだろうが、『スラムダンク』が作り上げた最高の青春コードを基調にし、その上で極上のジャズを鳴らした映画。ラストどうしたって山王戦を思い出す。『ザ・ファー>>続きを読む
「1990年代のティーンエイジャーは、皆ウィノナ・ライダーに恋をしたんだ」という降谷建志の至言を思い出すほどにウィノナが素晴らしい。
そして"Go, and Embrace your liberty>>続きを読む
怖がりゆえにホラーやスラッシャーものが観れず、名作とされる様々な映画を避けてきたのですが、意を決して『キャリー』を観ました。いやー本当に凄い。この映画がなければ今私たちが見ている文化的な風景は少し異な>>続きを読む
原作の素晴らしさを活かし切ったうえでの映画化。スコセッシは映画の才能がありすぎる。
つまらなさの質感がまんま邦画のそれであり驚いた。モンゴル映画であるにもかかわらず、日本映画にしか感じたことのない退屈さの全てがあった。資本主義的な発展は日本を手本にしてもいいと思うが、商業邦画のつまら>>続きを読む
なるほど、これはたしかに学生にメルヴィル『白鯨』を読ませたうえで鑑賞させ、比較分析させるレポートを課したくなるわ… 間違いなく佳作だと思うが、それにしてもあまりに「匂い/臭いのしない」映画だったな。>>続きを読む
前半は『牡牛座』や『日陽はしづかに…』なみのソクーロフタイム発動で両脇の男性二人が爆睡しておりました。が、中盤からソクーロフ史上最大の爆音とともに地獄篇が開始、マジで『ジ・エンド・オブ・エヴァンゲリオ>>続きを読む
レイもアスカも浜辺美波なら演じられるんだ、すげー!という感想しかない。面白かったけど、映像と物語のリアリティのバランスが非常に悪く感じた。最新の『バットマン』の逆をいく、みたいな。あれは血が一滴も流れ>>続きを読む
新作版のほうの『スーサイド・スクワッド』もそうだったけれど、DCユニバースは完全にポスト・イラクのグローバル秩序におけるアメリカの位置こそを描いてるんですね。アダムが「兵器」に重ねられたシーンから強烈>>続きを読む
映像はめちゃくちゃ良かったしタイタニックだったしエイリアン2で、テーマとしても成田祐輔的な意味でのポストヒューマンだったけど、終わってみればワンピースみたいなエンタメだった。めちゃくちゃ楽しんだんだけ>>続きを読む