8637さんの映画レビュー・感想・評価

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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

日アカも米アカも獲ったし、そろそろ社会常識になるだろうと思って駆け込んだ久々の劇場。
心のうちとしては..."前作「GHOSTBOOK おばけずかん」で公開当時なんとFilmarks投稿数3桁を叩き出
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熱のあとに(2023年製作の映画)

3.8

悪意の塊みたいな映画。誰が悪いとも簡単に断定できないままに堕ちて行く登場人物を見つめ、最終的にはその"不安定さ"を楽しめる。何が起こってもおかしくない非現実な緊迫感が、全て現実。もう、そういうエンタメ>>続きを読む

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

3.5

せっかくの3Dリバイバルだったのに気付いたら寝てしまっていた。
多少身構えてはいたがそれ以上に淡白な映画で、3Dである意味も"途中でメガネをかけること"以外に見出せなかった気がして残念。

それでもビ
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Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

3.4

この日の本題「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」がなくて、これだけ観に来てたらキレてたぞ、ってくらいに内容は無い。
だが、映像の中でのギミックが凝られていて見応えあるから、MVとかやってみてよ
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キリエのうた(2023年製作の映画)

4.0

ドッシリと来て、突き放しつつも見放されず、スクリーンという引力に飽きず目を向けさせられる178分。
気持ち悪い映画。自分の踏み入れられたくないプライベートに侵入される心持ちがする。
エンドロールが終わ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

気になってたのと懸賞ムビチケ消費の為にやっと観に行けたが、過去に例を見ない程に大爆睡してしまった。初めて"起きたらエンドロール"を体感してしまった...

冒頭こそウェス・アンダーソン史上最高の精度で
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白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.6

過去最速で「オチ読めたぞ」と思ったら仄めかされて、誰も判らない裏路地へ...
ジャズの、深くなるにつれてリズムなんて体を成さず崩れていくあの感覚に乗せて、お送りされるは"夢"の94分間。一夜を映すのに
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

4.0

だから恋愛は嫌なんだ...が満載だった。
男ってマジで恋が下手だなと思う。ただそれはこちらから言わせると女の振る舞いが何だかんだで上手いからでもある気がする。恋愛映画とかに憧れて、こういうのばっかり観
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眉村ちあきのすべて(仮)(2019年製作の映画)

3.7

MOOSIC LABらしい"飛躍"満載の感情持ってかれムービーだった。
そもそも眉村ちあきの魅力がすごいのに、それを(しかもプロデューサーとして自分で)増幅させるつくりになってるのが凄いな。好きになっ
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ぼくならいつもここだよ(2023年製作の映画)

3.8

心あたりのある現状を棚に上げて観る映画は面白い。

有り得ないようで在ってしまう、巡り巡る友情社会のお話。
友情って、浮気が許されちゃう。恋と違った形で盲目だし、出遅れてしまえば結局はその仲間内の横に
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花とアリス(2004年製作の映画)

3.6

岩井俊二映画祭公式YouTubeで期間限定配信された、ショートフィルム版の方を鑑賞。

長編も一度は観たことがあって、微かな記憶の中から思い出すのだが、それを凌駕するほどのインパクト。
とにかく第1話
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テノール! 人生はハーモニー(2022年製作の映画)

3.5

"オペラ"と"ラップ"という、層の揃わなさそうな文化の合わせ技。
"オペラ"という情報を得た時にはお堅い印象を持ってしまうのがラップのお陰で大衆向けまで持ってきてるし、オペラを聴きに行くと"ラップ"の
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頭山(2002年製作の映画)

3.5

タッチがかなり好きだった。落語原作に三味線に、日本文化を盛り込んだ中で描かれる滑稽な悲劇に釘付けに。汚らしいその描き方に興味深さや美学を感じる。

轢き逃げ -最高の最悪な日-(2019年製作の映画)

3.6

Amazonプライムから消えるということで、結局ながら観になってしまったが、それを所々で後悔するくらいにはスタイリッシュで良い。

しかしまぁ、"良い話だけど癖が強い"と言えば良いだろうか。水谷映画っ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

色々な意味で現代に挑戦状を叩きつけてきた。驚天動地の世界観が次々に展開されるのは良いのだが、数多と別れる集大成だからか分からないが、それぞれに見切りをつけるのが早すぎて、ドライ過ぎる作風という印象だっ>>続きを読む

炎上する君(2022年製作の映画)

3.5

歌舞伎的で焦燥感あって混沌でシュール。これぞふくだももこ監督の味だなと思った。単純なうらじぬの×ファーストサマーウイカの妙だけじゃなく、西加奈子の語り口だけでもなく、それぞれが持つ突飛さがうまくハマっ>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.2

超絶心地の良い多重構造。

初めは少し軽快に見える掛け合いから「あ、これ坂元裕二脚本か」という情報を思い出し、それを面白がりながら物語に入り込んでいると、気付けばその壮絶さに別の感情を抱いている感じ。
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.9

あぁぁ情報過多!!そして映画の良さってこれだ!!
長尺なくせに前作よりハードモード。
完全に後付けだが、「大いなる力には大いなる責任が伴う」というスパイダーマンの名言を鑑賞後思い出して腑に落ちた。そん
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最後まで行く(2023年製作の映画)

4.0

"救いようもない"で構成された格闘。気付けば芯に秘められたアドレナリンとの勝負になっている。目覚めることができただけで価値はあった。
過去の藤井監督の要素を感じさせつつ、シネコンエンタメ映画(意味深)
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

4.3

す、凄い...今年暫定ベスト。
マルチなジャンルを装いつつ、村を飛び越えて全日本に届けられる怒涛のメッセージが、とんでも無い密度でスクリーンに焼き付けられる。
提示されたフラストレーション。観ながらこ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.8

冒頭1分で「劇場で見逃さずしてよかった」と思えた。

これが特撮なのかもしれないが、そうは言えど...な庵野秀明スタイル。全世界を相手取った「シン・ゴジラ」、物語と共に個人に回帰した「シン・ウルトラマ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

本当に作品賞か?って思った。色んな意味で。
信じられない光景を捉えつつ、現代においてエモいとされる演出てんこ盛り。というか、このカオスが世間一般に"エモい"とまかり通る現代凄いよ。確かに完璧なIfスト
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.7

「愛なのに」に比べるとこっちの方があっさりエロみたいな。そう言われても信じられないくらい洒落たスタイルをしているが。今泉映画らしい展開のギミックもあって面白かった。

世はなぜ浮気ばかりなのか。惑わす
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愛なのに(2021年製作の映画)

3.7

L/R15、通して観てみたら今泉脚本の方がどエロだった件。なんだこの話。
初めは映画としてだいぶ綺麗な構造だと思いながら、AV並のヘンテコかつ有り得へん展開に持っていくの凄まじかった。さすが城定秀夫(
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.6

総評して言うと、マーティン・マクドナー監督作、少しNotForMeかもしれない。

動機が分からない。罪を厭わない。不気味としか言いようない禍々しさ。歯車に狂わされた老人の逆張り。
その惨状を予想して
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.9

そのすべてが、彼女には聞こえない。

"聞こえる"とはいえ、こんなにも多くのものを削ぎ落とした商業映画なんて初めての感覚だった。そんな中エッセンスの一つに織り込んだのが、兄弟の作る音楽であるというあま
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#マンホール(2023年製作の映画)

3.9

思い返す。全ての仕掛けは彼にとって何の為に用意されていたのか。正義に狂った涯てにマンホールという"もう一人の主人公"のもとに堕ちていく。間違ってるのは我々の感覚か?彼の妄想か?孤高のままジョーカーへと>>続きを読む

ピンク・クラウド(2021年製作の映画)

3.8

スクリーンを出て真っ先に本能で捉えた想い。外に出られることは幸せだ。そんな常識もこのままだと非常識になってしまうのか。ピンクというキャッチーな色が、暗い顔を嘘にでも明るく照らす。
とはいえ現実以上に酷
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恋のいばら(2023年製作の映画)

4.1

人間に愛は難しい...
賛否が割ときっぱり分かれているが、圧倒的傑作寄りの賛だった。

愛を求める玉城ティナと松本穂香の成れの果てのシスターフッドを見せた後に激エモ展開からのカルトチックな妄想...こ
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Mr.Children 「GIFT for you」(2022年製作の映画)

4.3

30年かけてGIFTを我々に与え続けたミスチルが、今もなお渡そうとしている音楽。ミスチルのドキュメンタリーではない。むしろ彼らの音楽によって動いた数多の人生の物語。それを見つめる自分にも、一人どこかで>>続きを読む

呪呪呪/死者をあやつるもの(2020年製作の映画)

3.8

B級とは言い切れない没入体験に圧倒...!ヒトコワもダークヒーローもジャーナリズムも感じさせながら、とにかく絶望度MAX。その中で、ゾンビの疾走感が映画的に面白い。全て詰め込んだ劇場版的エンタメで非常>>続きを読む

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

3.7

高熱のため感想がほぼ浮かんでこないが、鑑賞記録として。
今では当たり前にもなっている𠮷田監督のジャンルレスさの中でも分断度が高く面白かった。さすがに殺しすぎだけどな。

非常宣言(2020年製作の映画)

3.8

これは凄い...地上のスリラーと上空のパニックの塩梅も良く、恐ろしいながらもワクワクする。不条理劇ながら第三者的に観れない現実味がある。ふとした箇所に日本では作れない凄みを感じる。上映時間に身構えず、>>続きを読む

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

3.5

人間よ、傲慢になりすぎるな。ドリームは求めずいつでも与えてくれた...馬とも馬主同士でも分かり合えなかった冒頭から歓喜のクライマックスまで。
レースに向かって大声で叫ぶトニ・コレットは「ヘレディタリー
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