ひろるーくさんの映画レビュー・感想・評価

ひろるーく

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正欲(2023年製作の映画)

4.0

生きづらさとはなんなのか。いや、例えばだけど、生きやすさなんてものがあるのか。
とはいえ、生きづらさを感じている人はみな、ほぼあらゆる周りの言葉や価値観がほぼ不快だから生きづらいわけで、生きやすいとい
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(2023年製作の映画)

4.5

北野映画全部入りの傑作です。
戦国時代の終わり、織田信長(加瀬亮)に仕えていた荒木村重(遠藤憲一)が謀反を起こし、失敗しながらも行方不明に。信長は村重を捕らえ「首」を持ってこいと周りに指令するところか
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.8

僕のまわりやSNSなどの印象だと、ゴジラに対する愛情が強い方は賛否両論であり、それ以外の方は概ね絶賛という印象ですね。
僕は昭和ゴジラから平成ゴジラ、ミレニアム以降すべてのゴジラに愛情をもっています。
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Winny(2023年製作の映画)

3.8

ファイル共有ソフト「Winny」をつくった天才プログラマー金子勇が、ソフト開発による著作権法違反・公衆送信権の侵害容疑で逮捕されてからの捜査、取り調べ、裁判の過程を描く映画。

実際の弁護を担当した壇
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オットーという男(2022年製作の映画)

3.7

オットー(トム・ハンクス)は、几帳面で気難しく愛想がない。
いつも怒っている。コミュニケーションを嫌がる。
しかし言っていることは「正論」である。だから「うざい」。
とにかく面倒くさいじいさんだ。
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恋のいばら(2023年製作の映画)

3.9

カメラマンの健太朗(渡邊圭祐)の今カノ莉子(玉城ティナ)と元カノ桃(松本穂香)の物語。

健太朗と莉子はなんの問題もなく交際しているが、そこに桃という健太朗の元カノが現れる。
桃は、莉子に相談を持ちか
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怪物(2023年製作の映画)

4.4

個人的には、これまでの是枝裕和映画のベストといえる作品です。
かなり深く余韻の残る作品で、これ、もう一回続けて観たいなと思ったりしました(時間の関係で観れませんでしたが)。

是枝裕和という大好きな監
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

日本で一番古いボクシングジムだという荒川ボクシングジムに通うケイコ(岸井ゆきの)。彼女は生まれながらの聴覚障害者である。

ボクシングをするにあたり試合の時に、レフリーの声も聞こえない、ゴングも聞こえ
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.0

今泉力哉監督ファンとしては、大満足の作品でした。
愛、不倫、浮気。ありきたりな物語であるような、いや、こんなことはめったにないような。

今泉監督はいつも、台詞でありきたりな日常をかけがえのない物語に
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.2

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団における女性初の首席指揮者という(設定の)リディア・ター(ケイト・ブランシェット)の物語(架空の人物)。

リディアは、いわゆるEGOTというアメリカエンタメ4冠を受
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.1

青春ですね。いろいろな青春が詰まっています。僕はもうかなり昔のことになってしまいましたが、この頃の心象はいまもずっと残っているような気がします。

朝井リョウの原作。僕は読んでいないので、映画の中だけ
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銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)

4.0

もう映画好き感がたまらないです。スクリーンという夢の世界と現実を行ったり来たりしながら僕も成長してきました。いや、ぜんぜん人間的には成長していないかもですが笑

映画館とその終焉を巡る物語は、「ニュー
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ある男(2022年製作の映画)

3.8

これはもう平野啓一郎の原作がいいんです。話が面白い。
そしてその原作の丁寧な映像化をした石川慶監督も素晴らしい。
「愚行録」もよかった。「蜜蜂と遠雷」もよかった。とても優れた監督さんなんだなと思います
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

昨日まで毎日のように一緒にパブで飲んでいた友人から、一方的に「もうお前とは話さない」と言われる。

実際に自分と友だちとの関係で、このような一方的な拒絶があったとしたらどうだろう。

「なぜ?」と聞く
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.1

はい、面白い笑 上映時間2時間弱文句なく楽しめます。

映画はほとんどPCやスマホの画面上で展開する。
実写があってもほぼ「映像の中」である。

高校生ジューンは、母親グレースの二人暮らし。父親はいな
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.3

僕は高いところが苦手である。
高層ビルもちょっと怖いし(地震の時にかなり揺れる)、ジェットコースターも怖い(落ちたら、止まったらどうしようと考えてしまう)ので、乗らない。

でも映画の中なら大丈夫。怖
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母性(2022年製作の映画)

3.2

戸田恵梨香も永野芽郁も大好きな女優である。
共演の中村ゆりも好きだし、高畑淳子の(熱すぎる)演技も嫌いではない。山下リオの表情もいいし、大地真央も美しい。
原作の湊かなえも好きな作家だ。

これだけの
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.2

ほぼ室内ワンシチュエーションの会話劇。ラストは不覚にも涙が止まりませんでした。

体重270キロを超える過食症の男チャーリー(ブレンダン・フレーザー)は、大学での文章創作のオンライン授業を受け持ってい
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.6

なんとなくわかってはいたけれど、気味が悪い、気色悪い、痛い。
夫の自殺によって、自身の罪悪感にも苛まれ、心的外傷を受けていると思われる女性。

気分転換にと、田舎の村の邸宅を借りるのだが、その村に住む
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

面白い。笑った。泣いた。そしてすごく考えた。

コインランドリーを経営しているエヴリン(ミシェル・ヨー)とウェイモンド(キー・ホイ・クァン)の中国系夫婦。
ちょっとボケている父親ゴンゴン(ジェームズ・
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.2

「時代が望む時、仮面ライダーは必ずよみがえる」
原作者石ノ森章太郎さんの言葉がなんと力強く感じたことか。

シン・ゴジラ、シン・ウルトラマン、そしてシン・仮面ライダー。60年代からのヒーローイコンを「
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.6

アメリカ・ノースカロライナ州の湿地帯で生まれたカイアというひとりの女性の物語。

世捨て乱暴な父は不条理に暴れ、その結果、家から出て行く母。
そしてその父も亡くなり、カイアはひとりで湿地帯にある一軒の
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.1

日常ファンタジーの鬼才、今泉力哉監督の作品。
Netflixで劇場と同日に公開されると聞いて、iPhoneのカレンダーに予約してから何日たったことでしょう。

ちひろさんに会えるこの日を本当に待ち遠し
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.0

アイスランドの美しい自然の中(何もないが)で暮らす夫婦。
羊飼いを生業とする夫婦マリアとイングヴァルには子どもはいない。
馬が騒ぐ。犬が怯える。そして一匹の羊が子を産んだ。

その子は、一体なんだ。
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夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)

3.3

コロナ禍での弱者へのまなざしは評価するが、誰かのせいにするのであれば、僕は宛てがちがうと思った。

キネ旬で高い評価が集まるのはこういう映画が多い。
面白くもないし、感動もないし、映画的にどうというこ
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.0

冒頭のショッキングな事件等もあり、「日本の未来」のためにPLAN75は法制化された。
75歳以上の者は生死を選ぶことができる制度は、「日本の未来」のために、若者に将来的な負担を残さないようにと制定され
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.0

母親(尾野真千子)のあごにある大きなほくろをじっと見つめるあみ子。
兄の十円ハゲを見せてくれとねだるあみ子。
あみ子の行動は悪気はないが、常識人にとってはかなり無神経に映る。
だから周りの人間にとって
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コンビニエンス・ストーリー(2022年製作の映画)

3.8

当然、三木聡監督・脚本なので、この作品の流れは予想できていた。

不条理を理解しようとせず、そのまま目に映るまま、耳に聞こえるままに、言葉を追わず、いちいち理解することなく鑑すれば、残るのはすべて映画
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#マンホール(2023年製作の映画)

3.9

川村(中島裕翔)が結婚式の前夜、友人たちよりサプライズパーティーを受ける。
パーティーは賑わいと祝福の中で終わり、友人の加瀬(永山絢斗)と会話を交わし、一人帰路に。
その帰路で、川村は(酔いが回り)大
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夜を走る(2021年製作の映画)

3.6

スクラップ工場で働く2人の男があることをきっかけに、壊れていく話。

2人の男のうちの一人、主役が足立智光。中年独身で浮かばれない日々を送っている。そして、上司の高橋努にいじめられる。

その浮かばれ
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スモールワールド(2021年製作の映画)

4.1

昨年から話題になっていたこの映画、やっと観ました。

幼児誘拐、小児性倒錯者というとてもシリアスな内容の映画で、最初の1時間は辛く、精神的にも相当参る展開。

ポーランドで誘拐された幼女がロシアに売ら
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.3

シィちゃん(永野芽郁)とマリコ(奈緒)は子どもの頃からの親友同士。
マリコは日常的に父親(尾美としのり)から虐待を受けており、身体に傷や痣がある。
暴力はやがて、父親からの性的な虐待へと進んでいった。
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偽りのないhappy end(2020年製作の映画)

3.6

20011年の『ヒミズ』以降の園子温監督の助監督を務め続けた松尾大輔監督の劇場映画第1回監督作品。ドラマでは『東京バンパイアホテル(2017)』で監督をしている(総監督は園子温)。

鳴海唯演じる姉エ
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冬薔薇(2022年製作の映画)

3.1

阪本順治監督は好きな監督だし、伊藤健太郎の復活の標として誕生したこの映画にものすごく期待していた。

主演の淳が伊藤健太郎。父親が小林薫、母親は余貴美子。
淳が在籍する半グレのグループの小リーダーが永
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.2

俳優であり高校生であるゲイリー(クーパー・ホフマン)と、彼が恋する10歳年上の女性アラナ(アラナ・ハイム)の、「(ずっと付き合わない)二人」の物語。

クーパー・ホフマンは、今は亡き名優フィリップ・シ
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.4

原作がある作品なので、ストーリーの展開に関しては書けるものではないが、面白くなりそうな要素がふんだんにあって、期待が膨らむまま、なんとなく不発に終わる感じ。

物語の最後に向かって、いくつかの衝撃的な
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