pepeさんの映画レビュー・感想・評価

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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.7

ブラックコメディとして笑いとばせるところがもっと多かったら、楽しめた作品だったろうなと思いました。自分にはあまり向いてませんでした。

ネタとして使われているやりとりをネタと笑い飛ばすには今の世情では
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メメント(2000年製作の映画)

4.0

初めて鑑賞しました。
ノーラン監督作品らしく徹底的に時系列を弄んだ作りの、「何が起こったのか」という筋書きすら、最後の最後までわかりづらいというトリッキーな一品でした。

面白いのは面白い、ただもう必
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チェイサー(2008年製作の映画)

4.1

実在の事件をモチーフにフィクションとして仕上げた、えぐみの際立つ韓国ノワール。その後「哭声」を生み出すナ・ホンジン監督らしいおぞましさが際立った作品でした。

勘は働くがその前に手が出がちな元刑事現風
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アンテベラム(2020年製作の映画)

4.1

人種差別問題を真っ向から扱いつつ、サスペンススリラーとしての緊張感を保ったエンターティメントとしても仕上げていて圧倒された作品でした。

冒頭から描写されつづけるプランテーションの薄気味悪さは、それが
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.0

光の美しさの切り取り方がとにかく巧い映画だと思いました。
映写機から漏れる光、スクリーンに映る映像の明るさ。それらの魅了されてやまない光が、少年を導いていくような物語のようでした。

光は、きらきらと
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ジェニファーのしたこと(2024年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

厳しく育てられた両親に辟易した娘が親殺しを依頼した、という筋書きはフィクションだと凡庸なものとして切り捨てられるんでしょうが、実在の事件としてこう目の前に出されると、ひたすらに不気味だなと感じました。>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

アイルランドの広大で美しい大自然に、人体が舞う。
舞いすぎやろ、と少しツッコミそうになりました。

なぜだか無言を貫く不死身の壮年の男とナチス残党との戦いをダイナミックに描いたアクション映画。背景の自
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.2

時間は不可逆なもので、人生はやり直したくてもやり直せない。
なのにこの映画は、悲惨な結末を迎える男の人生をどんどんと巻き戻して見せていく。いくつもの分岐点で、冒頭の彼がなぜ「ああなのか」を理解させてい
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僕と彼女のファースト・ハグ(2020年製作の映画)

4.1

可愛らしくてファンタジックなボーイミーツガールストーリー。

漫画チックなインテリアや、風変わりなキャラクタたちはかなりアクがありますが、段々そのクセに馴染んできて楽しくなってきます。話自体はそこまで
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.6

生理的な不快感しか残らなかった…、ほんとびっくりした。

洋館のインテリアや、自然風景の撮りかたとか凄く美しいし凝っていたのに、内容が気持ち悪くて嫌悪感だけがマシマシになって、そのまま終わってしまった
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

ひとりの人物の伝記映画を、まったくダレさせずに3時間描き切るというだけで、ノーラン監督の手腕恐るべしといったところでした。

その緊迫感は原爆という唯一無二のインパクトがあってのものかもしれませんが、
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処刑人(1999年製作の映画)

4.0

スタイリッシュに無慈悲に、悪人をひたすらに処刑していく。「法が裁かない悪を成敗する」というヒーローは、この頃から支持され続けてきたんだなと思う。裁判所での彼らの口上、そしてエンドロールの一般市民の賛否>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.9

ファンタジックなようで皮肉を利かせたようでもいて、おかしみのある人々の群像劇をふんわり楽しんだお話でした。横にスライドしたりズームインする演出が多かったせいか、紙芝居式のおとぎ話を観ているような感覚で>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.2

じわじわと染み入るように心に登場人物たちの想いが入り込んできて、切なく面映ゆくじれったく、ただただ、彼らの邂逅と選択を見届ける。そんな繊細な恋愛ドラマでした。すごく、良かった。

他愛ない会話と親密な
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.2

翻案された作品はいくつも見たことがありますが、オリジナルを今回初めて観ました。当たり前に、面白い。濃密な会話劇の中に、事件の推理、人が人を裁く危険性、人種差別や偏見などさまざまな要素が詰め込まれ、手に>>続きを読む

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

4.0

カーアクションから対人戦闘までアクションシーンが目白押しで、スピード感ありソツなくまとめあげられた、気楽に楽しめる作品でした。

パク・ソダムの素朴な風貌から繰り広げられる大胆なドライビングテクニック
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パレード(2024年製作の映画)

4.1

この世に未練を残す、死んだ者たちがゆるく集う場所での出来事を丁寧に静かに描いたファンタジックな作品。直近では「最後まで行く」等ハードな作風で認識していた藤井監督が、これほど人の心にただただ寄り添う作品>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.0

ひとりの男の栄光と没落を、ファンタジックにグロテスクに描きあげた、タイトルどおりにめくるめく「悪夢」の物語でした。

けれど実のところは相当に主人公の男の自業自得、自作自演の結果でもあり、人を騙したり
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

出色の法廷ドラマでした。ミステリではなく、ミステリアスな事件をミステリ仕立ての味付けも伴いつつ深堀りしながらも、すべてを明らかにはしない。いわゆる真相は藪の中というカテゴリですが、その匙加減が絶妙でし>>続きを読む

夏時間(2019年製作の映画)

4.0

淡々とつづられていく、とある家族の夏の日々。そのどこにでもありふれているかのような家族のやり取りでも、ひとつずつ丁寧に掬っていけば、とても美しいものを観ているような、あたたかな心に触れつづけているよう>>続きを読む

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.1

未来がない自分が、未来しかない息子のためにできる最良の選択とはなにか。ひそかにそう思いつめる死期の近い父親が、普段通りに息子と仲睦まじく暮らす日常の微笑ましい様子と、里親探しを何度も繰り返す思いつめた>>続きを読む

黄龍の村(2021年製作の映画)

3.8

軽い気持ちで観て軽く楽しめて時折ツッコミながら観るのに最適なエンタメ映画です。

ローテンションな会話のやりとりとか、ああベビわるの監督らしいなあ、という感じで、終盤のはまさにああ……(理解)……と面
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.1

王の長男の謎の死という実際の事件をヒントに、巧みなフィクションを纏わせて仕上げた一級品のサスペンス映画でした。面白かった!

盲目の鍼医・ギョンスだからこそ「見えた」真実に、彼も彼の周囲の真相を知る人
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バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)

3.8

マ・ドンソクのいつもの無双ぶりを堪能できるという意味では、最高に楽しめた映画でした。あの極太の腕から繰り広げられる鉄拳、体術、銃だの包丁だの得物もバラエティ豊か。とても爽快でした。

内容については、
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

映像、音楽、衣装、なにもかもが現実離れした歪んだ世界で、唯一エマ・ストーンの凛とした視線だけが終始揺るぎない。

幼女のような知性しか持たなかった、存在さえもが「所有物」だった彼女・ベラが、男性のただ
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.2

原作が好きで少し不安を持ちつつ観ましたが、全然杞憂でした。原作の世界観を損なわず、娯楽映画として初見の方にも楽しめるようにいろんなエピソードを膨らませてあり、脚本の巧さを感じました。

中学生にヤクザ
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2

中年男女の恋愛模様を、言葉少なに抒情的に描き上げた静寂に満ちた作品、とても良かったです。

こんな世の中だからこそ恋愛の物語を描きたいという監督のメッセージは、ウクライナの戦況をBGMに、変わらぬ日常
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パイプライン(2021年製作の映画)

3.9

深く考えなければ、爽快さとテンポの良さで楽しめる映画でした。

大金につられて大規模な石油盗掘話に乗っかったものの、うまい話には裏があるもの事情があるもので、ちっとも上手く進まず、警察にも狙われてしま
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.0

恐ろしくおぞましいのは確かなのに、チャーミングさが勝るミーガンのキャラクタ・魅力に尽きる映画でした。シンプルにライトなホラーとして楽しみました。

物語は、うまく姪との関係を築けない主人公が、ちょうど
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

4.0

ストーリーラインはシンプルで、突然変異したウイルスで狂暴性を得た人間が暴れ回る、その中で生き抜こうとする男女を追ったパンデミック物、と言えるんでしょう。

ただひたすらにその過程が、血しぶきまみれの殺
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デリシュ!(2021年製作の映画)

4.0

フランス革命を直前にしながらも、そんな不穏さはどこ吹く風の貴族の横暴に振り回される料理人とその息子、弟子入りを志願してくる訳ありの女性たちがレストランを開業していくまでを丁寧に描いた、温かくてやさしさ>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

風采のあがらない大学生の青年がふとしたきっかけで金持ちで人気者の同級生と友達になり、やがて彼の屋敷に招かれて、一族に段々と取り入っていく……
といったストーリーラインそのものはそう珍しくはないのに、序
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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.9

のんびり休暇を過ごすために郊外へ出かけた一家が直面した、異常事態。それは彼らだけの事情に留まらない陰謀が隠されていた…、といった趣のサスペンスドラマ。

ネット遮断からじわじわと静かに広がっていく異常
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最後まで行く(2023年製作の映画)

4.0

韓国版「最後まで行く」も最近観ていたので粗筋はわかっているものの、最初から最後まで息つかせぬ展開が楽しめた、工夫もあったリメイク作品でした。利かせたアレンジが作品の面白さにきちんと還元されていて、こち>>続きを読む

バレリーナ(2023年製作の映画)

3.9

銃や格闘技に秀でた元警備員のオクジュが命を絶った親友の復讐のために疾走するサスペンス。スタイリッシュな凝ったカメラワークと演出と、要所要所で炸裂するオクジュ演じるチョン・ジョンソのアクションが爽快かつ>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

鬼太郎は昔にアニメで観たなあ、という浅い知識の自分でも楽しめました。
現代風にアレンジを加えつつ、きっと水木先生へのリスペクトも込めてある要素を細部からそれとなく感じ取れる丁寧な作品のように思いました
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