pepeさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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デイ・シフト(2022年製作の映画)

3.7

カメラワークも抜群な、キレのいいアクションを何も考えずに楽しめばそれでOK!というシンプルイズベストな作りのエンタメでした。さっぱりと観れます。

吸血鬼は…あれは吸血鬼というかゾンビのカテゴリになる
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SKIN 短編(2018年製作の映画)

3.9

たった20分の短編映画ですが、この20分で現代アメリカ社会の黒人差別問題と銃社会のもたらす危険さを鮮烈に描いていました。ただ、凄い。

映画としての緩急を持たせて展開させ、最大の衝撃をもたらすラストシ
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リトル・ガール(2020年製作の映画)

3.9

ただ素直に生きたいように生きたい彼女が、幼いながらになにかを察して大きな瞳に涙をためて、その欲求を堪えている。その横顔があまりに痛々しくて、この世の中の歪みを思い知らされるような気持ちになりました。>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.8

ポスタービジュアルから、心理的にじわじわとえぐってくるホラーを想像していたんですが、わりと正反対でした。もちろんレーティング相当のえぐみはあり、怖いのは怖いです。けれどあくまでエンタメに振り切っている>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

ひたひたと、静々と進んでいく異常が、その日、一気に瓦解する。
日常の裏側に滲んでいた不穏や怪異が、くるりと表を向き、牙を剥き、怒涛の恐怖に叩き落す。その静と動の転換が見事に嵌った作品でした。

物語そ
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シニアイヤー(2022年製作の映画)

3.8

とてもすがすがしくて、明るくて、ちょっとだけほろりとさせてくれる、楽しい作品でした。

そこまで!?と思うほどアグレッシブに、プロムクィーンになるべき努力を惜しまない主人公。最初こそちょっとイタイので
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.8

とある一晩のレストランの人間模様を90分間ノーカット映像で克明に写し取った作品。そのため、当たり前ながら編集も回想もなく、映画というよりはどちらかというとリアルで進行している出来事を追うドキュメンタリ>>続きを読む

幼い依頼人(2019年製作の映画)

3.9

実話ベースだと思うと、よりやるせなさや酷さが胸に迫り、観終わったあとも重石がどこかに残ったままで、なんとも辛い作品でした。
子どもは大人が庇護しなければならないのに、まったく逆の所業が平然と行われてい
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EMMA エマ(2020年製作の映画)

3.7

アニヤ・テイラー=ジョイが徹頭徹尾可愛い。
衣装も髪型も振る舞いも魅力的で画面が華やか、見ているだけで目の保養とはこのことかと納得させられます。

お話そのものは、裕福で容姿端麗という生まれ持ったステ
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呪詛(2022年製作の映画)

3.8

非常に怖かったです。少し泣きました。
まっとうなホラーとして映像も音も恐ろしいし、
「呪い」のかけ方が非常にある意味効果的すぎるので、ホラー苦手な方は辞めたほうがいいです。劇場でこれを聞いていたらちょ
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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

3.8

それぞれの事情でにっちもさっちもいかなくなった人々の運命の輪が加速度をつけて回り出す物語を多視点で描いたサスペンスですが、「騙り」の巧さでとても楽しめた作品でした。

キャッチコピーだと、現金の入った
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

3.9

薬の利益をめぐる国と企業の不平等に、一市民が立ち上がり、ひとつの大波とかけがえのない絆を描いていくヒューマンドラマ。笑ってじんとしてそしてしみじみと泣かされて、じんとした温かさが残る作品でした。

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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.8

冒頭からわりと血まみれで始まったものの、刑事さんたちの間の抜けたやり取りがあったりして、そこまでひどくはならないのかなと中盤くらいまでは思っていたことがありました。

勘違いでした。最悪に最悪を重ねた
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.8

思ってた通りに馬鹿々々しくて、でも思っていた以上にスッキリと綺麗にまとまった、新鮮なタイムリープモノでした。楽しく観れました!それでいいんじゃないかな!…という炭酸を飲み切ったよう心地のような爽やかさ>>続きを読む

完璧な他人(2018年製作の映画)

3.8

夫婦は一番距離が近い他人、とドラマのセリフで見かけたことがあったけれど、いくらひとつ屋根の下で暮らしていたって、誰でも何もかもを教えているわけではない。むしろ、手元のスマホのほうにこそ、自分自身のなに>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.7

たった一日で一生分の歳をとってしまう謎の砂浜。
ひとたび入れば出られない、電波も届かない、その美しい密室に連れていかれた家族たちの運命がスリリングに描かれます。

徐々に明らかになる設定から、ただおぞ
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犬王(2021年製作の映画)

3.9

能楽にロックを合わせて、松本大洋氏の尖ったキャラデザのインパクトが強く、アバンギャルドなイメージが相当勝っているように思えて、クセが強すぎるのでは…と構えて観に行ったのです。ですが、思ったより和モノ要>>続きを読む

スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話(2019年製作の映画)

3.9

意思が必ず疎通するわけではなく、殴られたり怒鳴られたり理不尽な物事も数限りなく起こるけれども、それでも自閉症の人々に付き添い彼らの道行きを支えることを生業とする。その終わりのない闘いの日々を、静かにエ>>続きを読む

群盗(2014年製作の映画)

3.9

「義賊VS悪徳領主」の勧善懲悪に徹した物語が、華麗かつ爽快なアクションと王道を踏みしめていく展開で楽しめた作品でした。

主人公と対する悪役が気持ちよいほどに極悪非道に描かれている一方で、ただ残虐なだ
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ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

3.7

ガウンを羽織っただけのパンツ一丁で、かわいい虎のルームシューズ履いて、両手に実に粗雑に固定された銃を持った主人公が仕方なく暴れ回る映画です。なにそれ。

そんな主人公が1対1のデスゲームを繰り広げるの
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

傷を負った女性が苦闘し、復讐するさまを生々しく描いた映画でした。
想像よりずっと、痛々しく、グロテスクでした。

グロテスクといっても、過去になにが起こったかを具体的に描くことはなく、また、現在におい
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

叔父と甥のぎこちなくも確実に絆が育まれていくさまを、二人の会話や行動をただ映すだけで深く描き出した映画でした。淡々と、けれど確実に、胸に沈み込んでくる、いとしさと切なさが後に残ります。

これといった
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スタートアップ!(2019年製作の映画)

3.8

髪型からあやしすぎて挙動がだいぶ面白おかしいマ・ドンソクを眺めているだけでもけっこう楽しめる映画でした。

……とはいっても、親子の確執や捨てられた子どもたち、借金問題といった社会問題も絡めて人間をき
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クローゼット(2020年製作の映画)

3.7

クローゼットのなかに潜む何者かが引き起こした、子どもの失踪事件をめぐる物語。子どもの失踪が起きたそもそもの理由が明らかになってくると、派手に恐怖要素を煽る(音楽は若干過剰気味では…)演出や展開ながらも>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

3.9

友達や恋人、そして家族。
それぞれ仲良くなったり決裂したりを繰り返しながら、中学生の日常は淡々と、けれど否応なく進んでいく。
目を合わせすらしない夫婦は、喧嘩をして怪我さえ負わせながらも同じテレビを見
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.9

母と娘のいびつな関係を、こういう繊細なグロテスクさでもって描くのか、という戦慄を覚えた作品でした。人は選ぶけれど、テーマは明確、家族関係というより、ただただ、母と娘の愛情の行き違いを異形を通して残酷に>>続きを読む

ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

3.8

無気力に過ごす老いた映画監督が、しきりと想い出すかつて若かったころ母と過ごした洞窟の家での記憶。そのまばゆい光差しこむその家でのかつての日々を辿りながら、薬におぼれ自堕落になりかけていた彼は、ひととの>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

聴こえない人にとっての音楽とは、歌とは、どういうものなのか。
もしかしたら、それは異国の言葉で作られた映画のように、少しアクセスをしにくいけれども、字幕という助力さえあればおおむね伝わってくるように、
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マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

3.7

幼なじみとして長く親しくしていた関係が、ひとときの気まぐれで反転してしまう。その戸惑いに感情が静かに、確かに揺らぐさまを丁寧に掬い上げた話のように感じました。

ビジネスマンとして将来を嘱望されている
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ストックホルム・ケース(2018年製作の映画)

3.7

名前だけはよく聞く「ストックホルム症候群」のもとになった事件を扱った物語。強盗犯が人質をとって立てこもり…!という緊張感ある事態なのに、わりとゆるめのノリもありつつさくっとテンポよくまとめあげられた作>>続きを読む

ユンヒへ(2019年製作の映画)

4.0

たった一通の送れずにいた手紙を、当人ではない人が送り、また当人ではない人が受け取ったことから始まる、失わされた縁を巡る丁寧で繊細な物語でした。

物語の多くを雪の小樽で描かれるのですが、美しい雪景色を
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.0

バットマン完全初心者の初見の感想ですが、
ヒーロー物というより探偵物、ミステリっぽさを強く感じた作品でした。人々や街、物語すべてが闇を背負い、光を求めることすらできずにあがきもがくさまが丁寧に描かれて
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僕らをつなぐもの(2022年製作の映画)

3.8

いろんな年齢、性別、かたちの愛情のありかたを爽やかかつほろ苦く、軽やかに描いた作品でした。とても良かったです。

愛情は水の流れるさまに似ていて、ひとつのところへ留まって湖のように静かにとどまり続ける
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モータルコンバット(2021年製作の映画)

3.6

アクションシーンの小気味よさはどれも格好よくて爽快、
なにより真田広之さんの渋さとアクションは見ごたえ抜群です。

ただ物語はあってないようなもので、なんとなくカッコイイシーンが多かった、血や何やらが
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ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)

3.6

まだ十代だからこそ、自分をとびきりの存在だと信じ込んではっちゃけてしまうこともあるし、周りが全く見えなくなることもある、そうしてとても痛々しく突っ走ってしまうことだってあるでしょう。それが青春の醍醐味>>続きを読む

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

4.0

後見人ビジネスってなんだこれ、こんなのいいのか、と冒頭十分そこらで主人公女性のおそろしさと邪道さ、そして賢さまでを理解させ、その悪徳さを土台にしてドラマがステンポ良く展開していく。道徳心が痛む展開なが>>続きを読む